微分とは?意味と計算をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験大学院入試

微分とは

関数がその瞬間にどれくらいの勢いで変化しているか(接線の傾き)を求める計算です。平均変化率 f(a+h)−f(a)h\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} で hh を0に近づけた極限として求め、結果の関数を導関数 f′(x)f'(x) といいます。

読み方:びぶん/英語:differentiation/習う学年:数学Ⅱ(微分・積分の考え)、数学Ⅲ(微分法)

うかるくん

うかるくん

微分って、結局なにを計算しているんですか?

合格先生

合格先生

グラフの傾きだよ。曲線は場所によって傾きが変わるから、各点での傾き(瞬間の変化の勢い)を求めるのが微分なんだ。

この用語のポイント

  • 微分は瞬間の変化の勢い(接線の傾き)を求める計算
  • 基本は (xn)′=nxn−1(x^n)'=nx^{n-1}、定数を微分すると0
  • 導関数の符号で増加・減少がわかる

やさしく言うと

微分は、「その瞬間に、どれくらいの勢いで変化しているか」を求める計算です。グラフでいえば、その点での接線の傾きを求めることです。

  • 車の速さ:「2時間で100km進んだ」から出す時速50kmは平均の速さです。スピードメーターが示すのはその瞬間の速さで、こちらを求めるのが微分です。
  • 身長ののび:「この 1 年で 6cm のびた」は 1 年間の平均ののびです。「今この時期に、1 年あたり何 cm のペースでのびているか」を考えるのが微分です。
  • ジェットコースター:レールの坂は場所によって急だったりゆるやかだったりします。「今いる場所の坂の傾き」を求めるのが微分です。てっぺんでは、坂の傾きはちょうど 0 になります。

どれも、調べる時間や区間の幅 hh をどんどん小さくして、0 に近づけたときの行き先(極限)を考えます。

xyO A 割線の傾き 4(h=2) 3(h=1) 2.5(h=0.5) h → 0 で 接線の傾き 2 y=x²
幅 hh を小さくすると、割線の傾きは接線の傾き2に近づく
ひらめいたうかるくん

うかるくん

2点を近づけていくと、2点を結んだ直線が接線に変わっていくんだ!

まとめると、微分は「平均の変化」を「瞬間の変化」に変える計算です。

微分の計算の例

多項式の微分は、(xn)′=nxn−1(x^n)'=nx^{n-1}(次数を前に出して、次数を1つ下げる)と、定数を微分すると0の2つが基本です。たし算・ひき算は項ごとに微分し、係数はそのままかけます。

○ 正しい微分

  • (x3)′=3x2(x^3)'=3x^2(3 を前に出し、次数を 2 に)
  • (x2+5x)′=2x+5(x^2+5x)'=2x+5(項ごとに微分)
  • (7)′=0(7)'=0(定数は変化しない)
  • (4x3)′=12x2(4x^3)'=12x^2(係数 4 はそのままかける)
  • (sin⁡x)′=cos⁡x(\sin x)'=\cos x(数学Ⅲ)

× よくあるまちがい

  • (x3)′=3x3(x^3)'=3x^3(次数を下げ忘れ)
  • (7)′=7(7)'=7(定数は0になる)
  • (x3)′=x2(x^3)'=x^2(3 を前に出し忘れ)
  • {f(x)g(x)}′=f′(x)g′(x)\{f(x)g(x)\}'=f'(x)g'(x)(積の微分はこうならない)
  • (2x)′=2x(2x)'=2x(xx の微分は 1 なので 2)

図で見る

(xn)′=nxn−1(x^n)'=nx^{n-1} のしくみを、表にすると次のようになります。

もとの関数 微分 導関数 x³3x²3を前に、次数2x²2x2を前に、次数1x11を前に、次数05(定数)0変化しない (xⁿ)′ = n xⁿ⁻¹ 次数を前に出して 1 つ下げる
次数を前に出して、1つ下げる。定数は0になる
うかるくん

うかるくん

定数を微分すると、どうして 0 になるんですか?

合格先生

合格先生

y=5y=5 のグラフは水平な直線だよね。傾きはどこでも 0。微分は傾きを求める計算だから、答えも 0 になるんだ。

同じように、y=xy=x は傾き 1 の直線なので (x)′=1(x)'=1、y=3xy=3x は傾き 3 の直線なので (3x)′=3(3x)'=3 です。直線の微分が「傾き」そのものになることを確かめると、微分のイメージがつかみやすくなります。

微分・導関数・微分係数のちがい

ことば何のことf(x)=x2f(x)=x^2 の場合
微分する導関数を求める計算(操作)x2x^2 を微分する
導関数微分して得られる関数 f′(x)f'(x)f′(x)=2xf'(x)=2x
微分係数1点での接線の傾き。ただの数 f′(a)f'(a)f′(1)=2f'(1)=2

記号は f′(x)f'(x)、y′y'、dydx\dfrac{dy}{dx} などがあり、どれも導関数を表します。「微分」ということばを導関数の意味で使うこともあります。定義の式や2つのちがいは「微分係数と導関数」のページでくわしく説明しています。

微分で何がわかるか

導関数 f′(x)f'(x) の符号を見ると、グラフが上がっているか下がっているかがわかります。f′(x)>0f'(x)>0 なら増加、f′(x)<0f'(x)<0 なら減少、f′(x)=0f'(x)=0 の所で山や谷(極値)になることがあります。

xy 傾き0 傾き0 増加 減少 増加 y′ の符号 + 0 − 0 + y=x³−3x y′=3x²−3
y′=3x2−3y'=3x^2-3 の符号で、増加・減少が切りかわる

微分は、物理の速さにも使われます。真上に投げたボールの高さを時間の式で表すと、それを微分したものが、その時刻の速さ(上向きを正)になります。

12341020 0 t(秒)h(m) 傾き 15 傾き 0(いちばん上) 傾き −15 高さ h=20t−5t² を微分 → 速さ h′=20−10t
高さのグラフの接線の傾きが、その瞬間の速さ。いちばん上で傾き0

ほかにも、接線の方程式、最大値・最小値、面積が最大になる形を求める問題など、「変化」をあつかう場面ではいつも微分が出てきます。

テスト・入試ではこう出る

数学Ⅱでは多項式の微分を学び、導関数の計算・接線の方程式・増減表と極値・最大値と最小値が定番です。3次関数のグラフをかいたり、方程式の実数解の個数を調べたりする問題もよく出ます。数学Ⅲでは、分数関数・三角関数・指数関数・対数関数の微分や、積・商・合成関数の微分を学び、大学入試ではグラフの凹凸や不等式の証明にも使います。

例題1(導関数の計算)

f(x)=2x3−3x2+4x−5f(x)=2x^3-3x^2+4x-5 を微分しなさい。

  1. 項ごとに微分する。(2x3)′=2×3x2=6x2(2x^3)'=2\times3x^2=6x^2。
  2. (−3x2)′=−3×2x=−6x(-3x^2)'=-3\times2x=-6x。
  3. (4x)′=4(4x)'=4。
  4. (−5)′=0(-5)'=0(定数は 0)。

答え f′(x)=6x2−6x+4f'(x)=6x^2-6x+4

例題2(増減と極値)

関数 y=x3−3xy=x^3-3x の増減を調べ、極値を求めなさい。

  1. 微分して y′=3x2−3=3(x+1)(x−1)y'=3x^2-3=3(x+1)(x-1)。
  2. y′=0y'=0 となるのは x=−1, 1x=-1,\ 1。
  3. y′y' の符号を調べて増減表をつくる。
xx…−1-1…11…
y′y'+0−0+
yy↗2↘−2-2↗

答え x=−1x=-1 で極大値 2、x=1x=1 で極小値 −2-2(x<−1x<-1、x>1x>1 で増加、−1<x<1-1<x<1 で減少)

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

y′=0y'=0 の点を求めたら、その前後で符号が変わるかを増減表で必ず確かめよう!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

定数を微分すると0! (x2+5)′(x^2+5)' は 2x2x だよ。

  • 定数を微分して残す:(x2+5)′=2x(x^2+5)'=2x です。定数5は変化しないので、微分すると0になります。
  • 積をそれぞれ微分してかける:{f(x)g(x)}′=f′(x)g(x)+f(x)g′(x)\{f(x)g(x)\}'=f'(x)g(x)+f(x)g'(x) です。迷ったら、展開してから微分しても確かめられます。たとえば {x(x+1)}′\{x(x+1)\}' は (x2+x)′=2x+1(x^2+x)'=2x+1 で、1×1=11\times1=1 ではありません。
  • 傾きと yy 座標をまぜる:f′(1)=2f'(1)=2 は「x=1x=1 での傾きが2」で、点の yy 座標 f(1)=1f(1)=1 とは別のものです。接線の方程式では両方を使います。
  • y′=0y'=0 なら必ず極値だと思う:y=x3y=x^3 は x=0x=0 で y′=0y'=0 ですが、前後で y′y' の符号が変わらない(どちらも正)ので、極値ではありません。

ことばの由来・歴史

微分の「微」は「ごくわずか」、「分」は「分ける」という意味の漢字です。英語の differentiation(ディファレンシエーション)は、「差」を表す difference と同じなかまのことばで、ごくわずかな差を考えることから来ています。

微分の考え方は、17 世紀にイギリスのニュートンとドイツのライプニッツがそれぞれ独自に作りました。ニュートンは物の運動(速さ)を、ライプニッツは曲線の接線を考える中で生み出したといわれています。

ミニ問題

問題1 y=x4−2x2+7y=x^4-2x^2+7 を微分しましょう。

答えと解き方を見る

y′=4x3−4xy'=4x^3-4x です。(x4)′=4x3(x^4)'=4x^3、(−2x2)′=−4x(-2x^2)'=-4x、定数 7 は 0 になります。

問題2 放物線 y=x2y=x^2 の、点 (2, 4)(2,\ 4) における接線の方程式を求めましょう。

答えと解き方を見る

y=4x−4y=4x-4 です。

  1. y′=2xy'=2x なので、x=2x=2 での傾きは 44。
  2. 点 (2, 4)(2,\ 4) を通り傾き 4 の直線は y−4=4(x−2)y-4=4(x-2)。
  3. 整理して y=4x−4y=4x-4。

問題3 真上に投げたボールの、tt 秒後の高さが h=20t−5t2h=20t-5t^2(m)で表されるとき、1 秒後の速さと、ボールがいちばん高くなる時刻・高さを求めましょう。

答えと解き方を見る

1 秒後は秒速 10m、いちばん高いのは 2 秒後で 20m です。

  1. 速さは高さを微分したもの:h′=20−10th'=20-10t。t=1t=1 で 20−10=1020-10=10。
  2. いちばん高いところでは、速さ(傾き)が 0 になる。20−10t=020-10t=0 より t=2t=2。
  3. そのときの高さは 20×2−5×4=2020\times2-5\times4=20。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

微分とは簡単にいうと何ですか?

関数がその瞬間にどれくらいの勢いで変化しているかを求める計算です。グラフでいえば、その点での接線の傾きを求めることです。

微分と導関数はどうちがいますか?

微分は導関数を求める計算(操作)のことで、導関数はその結果として得られる関数 f′(x) です。ただし、導関数のことを「微分」と呼ぶこともあります。

x² を微分するとどうなりますか?

2x になります。(xⁿ)′=nxⁿ⁻¹ の n=2 の場合で、次数2を前に出し、次数を1つ下げます。

定数を微分するとなぜ0になりますか?

y=5 のような定数のグラフは水平な直線で、どこでも傾きが0だからです。微分は傾きを求める計算なので、答えは0になります。

微分は何の役に立ちますか?

接線の方程式、グラフの増減や極値、最大値・最小値を求めるのに使います。物理では、位置を微分すると速さ、速さを微分すると加速度になります。

微分は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅱで多項式の微分を、数学Ⅲで分数関数・三角関数・指数関数・対数関数などの微分を習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(微分・積分の考え)・数学Ⅲ(微分法)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦