李下に冠を正さずの意味と由来|君子行の原文・書き下し文・現代語訳と瓜田に履を納れず、例文をイラストで解説【故事成語】

李下に冠を正さずの意味と由来|君子行の原文・書き下し文・現代語訳と瓜田に履を納れず、例文をイラストで解説【故事成語】

故事成語の一覧 › 『古楽府』

中学受験高校受験大学受験

李下に冠を正さずりかにかんむりをたださず

ひとことで言うと

人からうたがわれるような行いは、はじめからしないほうがよいということ。すももの木の下で冠を直すと、すももを取っているように見えることから。

読み方りかにかんむりをたださず
意味人からうたがわれるような行いは、はじめからしないほうがよいということ。
出典古楽府「君子行」(『楽府詩集』の古辞。作者は曹植とする本もあり諸説)
対になる句瓜田に履を納れず(かでんにくつをいれず)
4字の形瓜田李下(かでんりか)
似た言葉瓜田に履を納れず・瓜田李下・君子危うきに近寄らず
英語Avoid even the appearance of evil.
漢文の句法否定(不)・再読文字(未)・「所」の用法

このページのポイント

  • 「李下に冠を正さず」は、うたがわれるような行いは、はじめからしないこと
  • すももの木の下で冠を直すと、すももを取っているように見えるから。「瓜田に履を納れず」と対
  • 出典は古楽府「君子行」。作者の諸説、「瓜田李下」の使われ方、句法と入試での出方まで分かります

「李下に冠を正さず」の意味と読み方

「李下に冠を正さず」はりかにかんむりをたださずと読みます。意味は「人からうたがわれるような行いは、はじめからしないほうがよい」ということです。たとえ自分が何も悪いことをしていなくても、まぎらわしい行動をすれば、うたがいを招いてしまう。だから、うたがわれそうな場所や場面では、身をつつしみなさい、という教えです。

「李(り)」は果物のすもも、「李下(りか)」はすももの木の下のことです。「冠(かんむり)」は、昔の中国で身分のある男性が頭にかぶったもの。「正す」は、ずれたものをまっすぐに直すことです。つまり文字どおりには「すももの木の下では、冠がずれても直さない」という意味です。すももの木の下で手を頭の上に上げると、遠くから見た人には、すももの実をもぎ取っているように見えるからです。

本当のことと、まわりからの見え方本人(本当のこと)冠を直すだけ悪いことはしていないまわりの人の目すももを取った?手を上げると見える見え方がちがうと、うたがいが生まれるうたがわれそうな場所でははじめからしない(未然に防ぐ)
本人は冠を直しているだけでも、まわりからはすももを取っているように見えます。だから、はじめからしないのです
うかるくん

うかるくん

悪いことをしていないなら、べつに気にしなくていいんじゃないですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

そう思うよね。でも、うたがいは、一度かけられると晴らすのが大変なんだ。「本当は冠を直していただけです」と言っても、信じてもらえるとはかぎらない。だから「うたがわれてから言いわけする」より「はじめから、うたがわれる行動をしない」ほうがかしこい、という教えなんだよ。

ふだんの言い方では、たとえば次のように使います。

  • ○テスト中は、となりの席のほうを向かないようにしている。李下に冠を正さずだ。
  • ○取引先からの高価なおくりものは、李下に冠を正さずで、ていねいにことわった。
  • ○審判をする人が、片方のチームの選手と食事に行くのは、李下に冠を正さずでやめたほうがよい。

「冠」は「冠」の読み方・書き順・部首、「正」は「正」の読み方・書き順・部首で、書き順と読み方を確かめておきましょう。「李」は常用漢字ではなく、人名に使える漢字(人名用漢字)で、「李(すもも)」のほか、人の名字(李白など)にも使われます。

絵で読む「李下に冠を正さず」のたとえ

「李下に冠を正さず」は、だれかの出来事から生まれた言葉ではなく、中国の古い詩(古楽府〈こがふ〉の「君子行〈くんしこう〉」)の一句です。詩の中では、すぐ前に「瓜田に履を納れず(瓜の畑ではくつをはき直さない)」という句があり、2つで一組になっています。そこで、2つのたとえをたとえの場面として4こまの絵にしました(実際にあった出来事ではありません)。

絵で読む「李下に冠を正さず」(詩のたとえを絵にした4こま)

1瓜の畑でくつをはき直すと…?あの人、瓜を盗んでいるのか?瓜畑の持ち主
1たとえの場面です。瓜の畑でくつがぬげて、かがんではき直していると、畑の持ち主には「瓜を盗んでいる」ように見えてしまいます。
2李の木の下で冠を直すと…?すももを取っているのか?李(すもも)の木
2すももの木の下で、手を上げて冠をまっすぐに直していると、まわりの人には「すももを取っている」ように見えてしまいます。
3君子は、ここでは直さないここで直すとうたがわれる君子
3そこで君子(立派な人)は、すももの木の下では冠がずれていても手を上げず、そのまま通りすぎます。
4はなれてから直すここなら安心だ木からはなれた道瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず
4木から十分にはなれてから、冠を直します。これが「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」です。

1こま目は「瓜田に履を納れず」、2〜4こま目が「李下に冠を正さず」です。ポイントは、1・2こま目の人が本当は何も盗んでいないことです。それでも、うたがいは生まれてしまいます。3・4こま目の君子は、うたがわれる場所で手を上げないことで、うたがいそのものが生まれないようにしたのです。

人差し指を立てて説明するミスターT先生

ミスターT先生

大事なのは、詩の最初の「君子は未然を防ぐ」だ。「未然」は「まだそうなっていない」こと。悪いことが起こる前に防ぐ、という考え方だね。

「李下に冠を正さず」の原文・書き下し文・現代語訳

もとの言葉は、古い楽府(がふ)の詩「君子行」にあります。楽府とは、もとは漢の時代に音楽にあわせて歌われた詩のことです。宋の時代に郭茂倩(かくもせい)がまとめた『楽府詩集』では、作者の名前がない「古辞(こじ)」として載せられています。1句ずつ、返り点と送り仮名をつけた訓読文で見ていきましょう(書き下し文は代表的な読み方の一例です)。返り点の読み方は返り点(レ点・一二点・上下点)の読み方、書き下し文のきまりは書き下し文の書き方とルールでくわしく説明しています。

白文(古楽府「君子行」・前半)君子防未然 不処嫌疑間 瓜田不納履 李下不正冠 嫂叔不親授 長幼不比肩

1・2句目:君子は、うたがわれる前に防ぐ

書き下し文君くん子しは未み然ぜんを防ふせぎ、嫌けん疑ぎの間かんに処をらず。

(古楽府「君子行」)

現代語訳立派な人は、悪いことが起こる前にそれを防ぎ、人からうたがわれるような立場には身を置かない。

ここがポイント「未然(みぜん)」は「未(いま)だ然(しか)らず」=まだそうなっていないこと。「未」は「いまだ〜ず」と2回読む再読文字で、再読文字(未・将・当・宜・須・猶)の一覧でまとめています。「嫌疑(けんぎ)」は、うたがい。今も「嫌疑をかけられる」と使います。

3・4句目:瓜の畑でくつをはかず、すももの下で冠を直さず

書き下し文瓜くわ田でんに履くつを納いれず、李り下かに冠かんむりを正たださず。

(古楽府「君子行」)

現代語訳瓜の畑では(くつがぬげても)かがんでくつをはき直さない。すももの木の下では(冠がずれても)手を上げて冠を直さない。

ここがポイントここがことわざの出どころです。「納(い)る」は「入れる」、「履を納る」は「くつに足を入れる=くつをはく」。「不」は否定の句法(不・無・非・莫・弗)の字で、「不レ納レ履」のようにレ点が2つ続くと、下から順に「履→納→不」と返ります。

5・6句目:昔の礼儀の例

書き下し文嫂さう叔しゆくは親したしく授さづけず、長ちやう幼えうは肩かたを比ならべず。

(古楽府「君子行」)

現代語訳兄嫁と夫の弟は、物を直接手わたしでやりとりしない。年上と年下は、肩を並べて歩かない。

ここがポイント「嫂(そう)」は兄の妻、「叔(しゅく)」は夫の弟。昔の中国の礼儀では、うたがいを招かないように、こうしたきまりがありました。「〜せず」は「〜するな」という禁止の句法(勿・毋・莫「〜なかれ」)ではなく、「(君子は)〜しない」と言い切る形です。
2つの句は「足もと」と「頭の上」の対句場所何をしないうたがい瓜田瓜の畑履くつ不納はき直さない瓜どろぼう?足もと李下すももの下冠かんむり不正直さないすもも泥棒?頭の上どちらも「うたがわれる場所では、手を動かさない」
「瓜田に履を納れず」は足もと、「李下に冠を正さず」は頭の上。2つの句は対句になっています

原典(『楽府詩集』)の本文では

維基文庫(中国語のウィキソース)の『楽府詩集』巻三十二では、「君子行」は次のように載っています(句読点は維基文庫の本文のとおり。後半も一部示します)。

『楽府詩集』巻三十二「君子行」(古辞)君子防未然,不處嫌疑間。瓜田不納履,李下不正冠。嫂叔不親授,長幼不比肩。勞謙得其柄,和光甚獨難。周公下白屋,吐哺不及餐。一沐三握髮,後世稱聖賢。
  • 「処」が「處」、「労」が「勞」、「髪」が「髮」など:昔の字体(旧字体)で書かれています。意味は同じです。
  • 五言の詩:1句が5字でそろっています。漢詩の形については漢詩のきまり(五言・七言、押韻・対句)で説明しています。
  • 後半は周公の話:「周公は白屋(そまつな家の人)にもへりくだり、食事中でも口の中のものを吐き出して客に会い、1回髪を洗う間に3回も髪をにぎって(中断して)人に会った。だから後の世に聖人・賢者とたたえられた」と、立派な人の手本として周公をあげてしめくくっています。
「君子行」の前半の流れ君子防未然君子は、悪いことが起こる前に防ぐ不処嫌疑間うたがわれる立場に身を置かない瓜田不納履瓜の畑でくつをはき直さない李下不正冠すももの木の下で冠を直さない嫂叔不親授兄嫁と弟は物を手わたししない長幼不比肩年上と年下は肩を並べて歩かない考え(青)→ たとえ(みどり)→ 昔の礼儀の例(だいだい)
「君子行」は、はじめに考えを述べ、2つのたとえ、昔の礼儀の例へと続きます
原文で覚える句法4つ不ず〜しない否定未然いまだしからずまだそうなっていない再読文字から所ところ〜すること・もの「所」の用法不〜「〜するな」でなく「〜しない」と言い切る禁止とちがう
「君子行」の原文で覚える否定・再読文字・「所」の句法

出典「君子行」と話の背景

「君子行」は、君子(くんし)=立派な人物のふるまいをうたった詩です。宋の郭茂倩『楽府詩集』が引く『楽府解題』という本には、「古辞に『君子は未然を防ぐ』と云ふは、蓋し嫌疑を遠ざくるを言ふなり(この古い歌は、うたがいを遠ざけることを言っているのだろう)」と説明されています。

この詩の作者ははっきりしません。『楽府詩集』では作者名のない「古辞」として載せていますが、三国時代の魏の詩人曹植(そうしょく)の作として曹植の作品集に入れる本もあり、諸説あります。曹植は、『三国志』で有名な曹操の子で、すぐれた詩人として知られた人物です。いつ、だれが作ったのかについては、はっきりした資料が見つかっていません。

のちの歴史書での使われ方

2つの句は、のちに「瓜田李下(かでんりか)」という4字にまとめられて、「うたがわれやすい立場」のたとえとして使われるようになりました。たとえば『北斉書』袁聿修(えんいつしゅう)伝には、役人の袁聿修が、知り合いから白い絹をおくられたときに受け取らず、手紙で次のように書いたという話があります。

『北斉書』袁聿修伝:瓜田李下は古人の慎む所

書き下し文瓜くわ田でん李り下かは、古こ人じんの慎つつしむ所ところなり。

(『北斉書』袁聿修伝)

現代語訳瓜の畑やすももの木の下のような(うたがわれやすい)場面は、昔の人も気をつけてつつしんだところだ。

ここがポイント「所(ところ)」は、下の動詞を「〜すること・もの」に変える字で、「慎む所」は「つつしむこと」。「者・所・所以」の読み方と意味でまとめています。役人がおくりものを受け取ると、仕事で相手をひいきしたとうたがわれる。だから受け取らない、という使い方です。

このように、「李下に冠を正さず」「瓜田李下」は、とくに役人や政治家、人の上に立つ人の心がまえとして、昔から大切にされてきました。今の日本でも、政治家や公務員のおくりもの・お金の問題をめぐって、ニュースや国会でこの言葉が引かれることがあります。

サクラちゃん

サクラちゃん

「瓜田」と「李下」、どっちも果物なんですね。なんで瓜とすももなんでしょう?

ミスターT先生

ミスターT先生

どちらも畑や道ばたにあって、手を伸ばせばすぐ取れる果物だからだろうね。瓜は地面に、すももは頭の上になる。だから、足もとでかがむのも、頭の上に手を上げるのも、どちらも「取っている」ように見えてしまう。足と頭、下と上がきれいに対になっているのが、この詩のうまいところだよ。

「李下に冠を正さず」の使い方と例文・似た言葉

「李下に冠を正さず」は、うたがわれるような行動をつつしむべきだと言うときに使います。自分の心がけとして言うほか、人に注意するときや、政治家・役人などの行動を批判するときにもよく使われます。「李下に冠を正さずの精神で」「李下に冠を正さずと言うように」などの形もあります。

  • ○選挙の前に地元の人へ品物を配るのは、李下に冠を正さずで、ひかえるべきだ。
  • ○お金をあつかう係なので、李下に冠を正さずと考えて、集金袋はかならず2人で確かめている。
  • ○試験の監督をする先生は、李下に冠を正さずで、受験生の親とは個人的に連絡を取らない。
  • ○「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」と言うから、店の中で品物をかばんの近くに持っていかないようにしよう。
  • ×冠がずれていたけれど、李下に冠を正さずで、一日中そのままにしておいた。(「いつでも直さない」という意味ではない。うたがわれる場所でしないということ)
  • ×あの人はいつも人をうたがってばかりだ。李下に冠を正さずだね。(うたがう側のことを言う言葉ではない)
李下に冠を正さず似た言葉瓜田に履を納れず瓜田李下君子危うきに近寄らずまちがえやすい別の言葉疑心暗鬼火のない所に煙は立たぬ
似た言葉と、まちがえやすい別の言葉

似た言葉

  • 瓜田に履を納れず(かでんにくつをいれず):同じ詩の前の句。意味も同じで、2つ続けて言うこともあります。
  • 瓜田李下(かでんりか):2つの句をまとめた4字の形。「瓜田李下の疑いを招く」のように使います。
  • 君子危うきに近寄らず:立派な人は、危ない所にははじめから近づかない。「はじめから避ける」点が似ています。

まちがえやすい別の言葉

  • 疑心暗鬼の意味と由来(列子):うたがう心があると、何でもないことまで恐ろしく、あやしく思えること。うたがう側の心の話で、「李下に冠を正さず」(うたがわれる側の心がけ)とは立場が反対です。
  • 火のない所に煙は立たぬ:うわさが立つのは、何かしらの原因があるからだ。「うたがわれるのは本人にも原因がある」という見方で、「李下に冠を正さず」の教えと組み合わせて使われることもあります。

英語では、"Avoid even the appearance of evil."(悪いことのように見えることさえ避けよ)という言葉が、似た意味としてよく紹介されます。また "Caesar's wife must be above suspicion."(カエサルの妻はうたがいをかけられることさえあってはならない)も、立場のある人ほどうたがわれる行動をつつしむべきだ、という同じ考えの表現です。

受験勉強への生かし方

受験でいちばん「李下に冠を正さず」が大切になるのは、試験の本番です。試験中にきょろきょろしたり、机の下に手を入れたり、時間が終わってもえんぴつを動かしたりすると、本人にそのつもりがなくても不正をうたがわれることがあります。試験会場での注意は共通テスト当日の注意22(朝・会場・試験中)にまとめているので、本番の前に読んでおきましょう。

ふだんの勉強でも同じです。塾や学校で、宿題の答えを見せ合ったり、ノートを写させてもらったりすると、まわりからも先生からも「自分で解いていない」と見られてしまいます。受験の格言「予備校や塾で友達を作るな」の意味は、勉強仲間とのほどよい距離のとり方を教えてくれる記事です。ほかにも、受験生の心がまえになる言葉は受験の格言・名言100選(意味・出典つき)で、意味と出典つきで紹介しています。

「李下に冠を正さず」のよくあるまちがい

  • 「りげ」「りした」と読む:正しくは「りか」。「李下」は「すももの木の下」です。
  • 「冠」を「かん」と読む:ことわざでは「かんむり」と読みます(「りかにかんむりをたださず」)。
  • 「李」を「梨(なし)」や「桃(もも)」だと思う:「李」はすももです。「桃李(とうり)」と言えば、ももとすもも。
  • 「冠を正しくかぶりなさい」という意味だと思う:反対です。「正さず」は「(その場では)直さない」ということです。
  • 「瓜田に履を納れず」を「瓜田に靴を入れず」と書く:昔の書き方は「履(くつ)」。「納れず」は「(くつに足を)入れない=はかない」という意味です。
  • 「疑心暗鬼」と同じ意味だと思う:疑心暗鬼はうたがう側の心の話、李下に冠を正さずはうたがわれる側の心がけです。
うかるくん

うかるくん

何も悪いことをしていないのにうたがわれたら、どうすればいいんですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

まずは落ち着いて、本当のことをていねいに説明することだね。でも、この言葉の教えは「そうならないように、先回りして防ぐ」こと。たとえば、試験会場ではスマホを電源から切ってかばんの奥にしまう。それだけで、うたがわれる心配はぐっと減るよ。

入試ではこう出る

「李下に冠を正さず」は、中学受験から大学受験まで出てくる言葉です。

  • 中学受験:ことわざ・故事成語の意味を選ぶ問題、「李下に□を正さず」の空欄補充、「瓜田に履を納れず」と組にする問題、例文の正しい使い方を選ぶ問題がよく出ます。
  • 高校受験:故事成語の意味の問題のほか、「瓜田不納履、李下不正冠」の返り点・書き下し文を問う漢文の問題で使われることがあります。高校受験の漢文は高校受験の漢文(返り点・書き下し文の対策)にまとめています。
  • 大学受験:漢文では、「不」の否定、レ点が2つ続く返り方、「未然」の意味などが問われます。評論文や小論文では、政治と倫理、公正さをテーマにした文章で引用されることがあります。
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

「瓜田」は足もと、「李下」は頭の上。くつと冠をセットにして覚えると、空欄補充もばっちりですね!

練習問題

やさしい

  1. 「李下に冠を正さず」の意味として正しいものを選びましょう。
    ア 身だしなみはいつも正しくしなさい イ 人からうたがわれるような行いはしないほうがよい ウ うたがう心があると、何でもあやしく見える エ すももは木の下で食べるのがよい
    答えと解説を見るイ。ウは「疑心暗鬼」の意味です。
  2. 「李下に( )を正さず」の( )に入る言葉を答えましょう。また、「李」は何の木ですか。
    答えと解説を見る冠(かんむり)。「李」はすももの木です。

ふつう

  1. 「瓜田不納履」を書き下し文に直し、意味を答えましょう。
    答えと解説を見る瓜田に履を納れず。瓜の畑では、(くつがぬげても)かがんでくつをはき直さない、という意味です。
  2. 「李下に冠を正さず」と対になる句を、ひらがなをふくむ書き下し文の形で答えましょう。
    答えと解説を見る瓜田に履を納れず(かでんにくつをいれず)。

むずかしい

  1. 「君子防未然、不処嫌疑間。」を書き下し文に直し、「未然」の意味を説明しましょう。
    答えと解説を見る君子は未然を防ぎ、嫌疑の間に処らず。「未然」は「未だ然らず」で、まだそうなっていない(悪いことが起こる前の)状態のことです。
  2. 瓜田でくつをはき直すことと、李下で冠を直すことが、なぜうたがわれるのかを説明しましょう。
    答えと解説を見る瓜田でかがむと瓜をもいでいるように、李下で手を頭の上に上げるとすももの実を取っているように、まわりの人から見えてしまうからです。本人が何もしていなくても、まぎらわしい動きがうたがいを招きます。

「李下に冠を正さず」とあわせて覚えたい関連ページ

ほかの故事成語(絵で読む・意味と由来)

← 前の語:大器晩成の意味と由来 | 次の語:士別れて三日なれば刮目して見よの意味と由来 →

読みもの(合格大作戦の記事)

受験掲示板「100点BBS」で質問・相談しよう

よくある質問

李下に冠を正さずとはどういう意味ですか?

李下に冠を正さずとは、人からうたがわれるような行いは、はじめからしないほうがよいという意味です。すももの木の下で冠を直そうと手を上げると、すももを取っているように見えることから生まれた言葉です。

李下に冠を正さずの読み方は何ですか?

「りかにかんむりをたださず」と読みます。「李下」は「りか」で、すももの木の下という意味です。

李下に冠を正さずの由来・出典は何ですか?

中国の古い詩、古楽府「君子行」の「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」が出典です。『楽府詩集』では作者名のない古辞として載っていますが、曹植の作とする本もあり、作者には諸説あります。

李下に冠を正さずの原文と書き下し文は?

原文は「瓜田不納履、李下不正冠」で、書き下し文は「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」です。前に「君子防未然、不処嫌疑間(君子は未然を防ぎ、嫌疑の間に処らず)」という句があります。

李下に冠を正さずの例文を教えてください。

「取引先からの高価なおくりものは、李下に冠を正さずで、ていねいにことわった」のように使います。政治家や役人の行動について使われることも多い言葉です。

李下に冠を正さずはビジネスで使えますか?

はい、使えます。おくりものや接待、お金のあつかいなど、公正さが求められる場面での心がまえとしてよく使われます。

「瓜田に履を納れず」とはどういう意味ですか?

「瓜田に履を納れず」とは、瓜の畑では、くつがぬげてもかがんではき直さない、という意味です。瓜を盗んでいるとうたがわれるからで、「李下に冠を正さず」と対になる句です。2つをまとめて「瓜田李下」とも言います。

李下に冠を正さずに似た言葉は何ですか?

似た言葉は「瓜田に履を納れず」「瓜田李下」「君子危うきに近寄らず」です。「疑心暗鬼」はうたがう側の心を言う言葉で、意味がちがいます。

李下に冠を正さずは英語で何と言いますか?

"Avoid even the appearance of evil."(悪いことのように見えることさえ避けよ)が、似た意味の表現としてよく紹介されます。

李下に冠を正さずは入試でどう出ますか?

中学受験ではことわざの意味を選ぶ問題や「李下に□を正さず」の空欄補充がよく出ます。高校・大学受験では「瓜田不納履、李下不正冠」の返り点・書き下しや、否定の「不」の読み方が問われます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 原文:古楽府「君子行」(『楽府詩集』巻三十二・相和歌辞・平調曲、古辞。維基文庫の本文で確認)
  • 『楽府解題』の説明(『楽府詩集』に引くもの)、『北斉書』袁聿修伝(維基文庫の本文で確認)
  • 書き下し文・現代語訳:合格大作戦(教科書で多い読み方をもとにした一例)
  • お話の絵・図:合格大作戦

最終更新:2026年10月29日/作成:大学受験合格大作戦