東大文科三類(文三)の配点・試験と合格までの計画|偏差値40から1年・2年のスケジュール

この記事の結論

  • 東京大学の文科三類(文三)は、共通テスト110点+2次試験440点=550点で合否が決まります(2027年度)。2次は国語120・数学80・地理歴史120・外国語120点で、点数の8割は2次試験です。
  • 偏差値40からめざすなら、最初の半年で英語と数学の基礎の本を「次のページが浮かぶ」まで何周もやりこむことが出発点。日本史・世界史が得意な人は、東大の地歴(論述)を武器にできます。
東大赤門
東京大学の赤門(本郷キャンパス)

この記事は、2014年1月に読者のRYさんからいただいた相談への返答です。「偏差値40から、1年か2年で東大文科三類に合格するには、いつまでに何をすればよいか」という、まっすぐな質問でした。2026年10月に、今の東京大学(東大)の入試(2027年度)の配点・試験・日程と、1年・2年の計画の図を足して書き直しました。英語と数学の参考書のくわしい話は、続きの記事「東大文Ⅲ対策・英語と数学のお勧め参考書と勉強法」にまとめています。

東大文三に偏差値40から合格したい:RYさんの相談

まず、RYさんからいただいた相談をそのまま紹介します。

はじめましてRYです。
偏差値40から一年間もしくは二年間で東大文科三類に合格するには、いつまでに何をしなければならないか教えていただけませんか。
たとえ実現不可能だとしても、大まかなスケジュールを立てていただきたいのです。
真剣に書いてます。今20歳で、高校卒業後二年ほど働いていて、これから仕事を辞めて一年もしくは二年間、勉強し始めるという状況です。
得意科目は日本史、世界史で苦手科目は数学です。
よろしくお願いいたします。

20歳で、2年働いたあとに仕事を辞めて勉強に打ちこむ。その決心は、とても大きなものです。「実現不可能だとしても」と書きながら「真剣に書いてます」とある所に、本気が伝わってきました。

社会人から大学受験をする人、高校を出てしばらくしてから東大をめざす人は、毎年います。現役生とくらべて不利な点(勉強のブランク)もありますが、自分で決めて勉強を始める人は、やらされている人より伸びることも多いのです。

うかるくん

うかるくん

偏差値40から東大って、本当にできるんですか?ちょっと無理な気がします…。

合格先生

合格先生

簡単ではありません。でも「何点取れば合格か」から逆算すると、やることははっきりします。まず東大文三の配点を見てみましょう。

サクラちゃん

サクラちゃん

RYさんは数学が苦手なんですよね。東大って数学が難しいイメージです。

合格先生

合格先生

文科の2次の数学は440点のうち80点。数学が苦手でも、得意の日本史・世界史や英語・国語で取り返す作戦が立てられます。

東大 文科三類の配点と試験科目(2027年度)

東京大学の一般選抜は前期日程だけです(後期日程はありません)。文科三類の合否は、大学入学共通テスト(共通テスト、旧センター試験)と、東大の2次試験(第2次学力試験)の合計で決まります。

東大 文科三類の配点(総点550点) 共通テスト 2次試験(第2次学力試験)440点 📝110点共通テスト20%📖120点国語21.8%📐80点数学14.5%🌏120点地理歴史21.8%🔤120点外国語21.8% 合否は2次試験で8割が決まる! 数学は80点。苦手でも、ほかの3教科で取り返せる 令和9年度 東京大学入学者選抜要項より作図
図1 文科三類の配点。共通テスト110点+2次440点=550点
国語数学地理歴史外国語合計
2次試験の配点120点80点120点120点440点
試験時間150分100分150分(2科目)120分―
550点のうちの割合21.8%14.5%21.8%21.8%80%

この表から分かることは3つです。

  • 2次試験が550点のうち80%。共通テストで少し失敗しても、2次で十分に取り返せます。
  • 国語・地理歴史・外国語が各120点で、数学は80点。数学が苦手な人にとって、文科は戦いやすい形です。
  • 地理歴史は、日本史探究・世界史探究・地理探究から2科目(出願のときに届け出ます)。日本史と世界史が得意なRYさんには、ここが大きな武器になります。

東大の地理歴史は、文章で答える論述の問題が中心です。年号や人名を覚えるだけでなく、「なぜそうなったか」「ほかの地域とどうつながるか」を自分の言葉で書く力が問われます。歴史が好きな人ほど伸びやすい科目です。

外国語は英語を選ぶ人がほとんどです。英語の試験の一部は聞き取り(リスニング、30分程度)で、一部はマークシートです。英語を選んだ人は、問題の一部をドイツ語・フランス語・中国語・韓国朝鮮語に代えることもできます。

共通テストは1000点満点を110点に換算

文科の共通テストは、国語・地理歴史/公民(2科目)・数学(2科目)・理科・外国語・情報の1000点満点で受け、それを110点に換算して2次試験の点に足します。

共通テストは1000点 → 110点に「ぎゅっ」と換算 共通テスト 1000点 国語 200地歴・公民 200数学 200理科 100外国語 200情報 100 ➡ ×110/1000 東大の点 110点 国語 22地歴・公民 22数学 22理科 11外国語 22情報 11 英語はリーディング100点・リスニング100点を 140:60 の割合にして200点
図2 共通テストの1000点は、東大では110点に換算される

110点と聞くと小さく見えますが、共通テストには第1段階選抜(いわゆる足切り)というもう一つの役目があります。志願者が募集人員の約2.5倍(文科各類)をこえると、共通テストの成績で2次試験を受けられる人がしぼられます。2次に進むためにも、共通テストで手を抜くことはできません。

2014年にRYさんへお返事したときは、「平成27年、平成28年の入試では文科類でも理科が2科目必要」と書きました。当時はセンター試験の時代で、ちょうど理科の決まりが変わった時期でした。今は共通テストで、文科も理科(100点)と情報(100点)を受けます。日本史・世界史が得意でも、理科と情報の準備は早めに始めましょう。

文科三類の募集人員と、入学後の進学先

科類2027年度の募集人員第1段階選抜の倍率の目安
文科一類387人約2.5倍
文科二類341人約2.5倍
文科三類453人約2.5倍

2027年度の文科三類の募集人員は453人で、2026年度の469人から16人減ります。東大は入学後、全員がまず教養学部(駒場)で学び、2年生の途中の「進学選択」で進む学部が決まります。文科三類からは、主に文学部・教育学部に進みます。

東大の科類・二段階選抜・進学選択など、東大受験の全体像は「東大合格大作戦」にまとめています。東大のスクールカラー(淡青)については「東大と京大のスクールカラー」をどうぞ。

東大 文科三類 2027年度の入試日程と時間割

東大 文科三類 2027年度入試の流れ 📝共通テスト1月16・17日▶📮出願1月25日〜2月3日▶🚪第1段階選抜の発表2月10日✏️国語・数学2月25日▶🌏地理歴史・外国語2月26日▶🌸合格発表3月10日 令和9年度 東京大学入学者選抜要項より作図
図3 2027年度の東大入試の流れ(文科三類)

2027年度の共通テストは1月16日(土)・17日(日)、2次試験は2月25日(木)・26日(金)です。文科各類の試験場は駒場Ⅰキャンパス(東京都目黒区)。合格発表は3月10日(水)の12時ごろ、東大のサイトに受験番号がのります。

文科の2次試験の時間割(会場:駒場Ⅰキャンパス) 9時10時11時12時13時14時15時16時 1日目2月25日 2日目2月26日 国語150分数学100分 地理歴史150分外国語120分 外国語には聞き取り(リスニング)30分程度がふくまれる
図4 文科の2次試験は2日間で4教科。1日目は国語・数学、2日目は地理歴史・外国語

1日目の午前に国語150分、午後に数学100分。2日目の午前に地理歴史150分、午後に外国語120分です。150分の試験が2つあるので、長い時間、集中して書き続ける体力も必要です。過去問を解くときは、本番と同じ時間を計ってやってみましょう。前年までの時間割は「東大の入試時間割」でも見られます。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

文科の2次は「国語・地歴・英語」で360点、数学は80点。得意な科目で稼ぎ、苦手な数学は「0点にしない」のが文三の基本作戦です。

偏差値40から東大文三:まずは英語と数学の基礎

ここからは、2014年にRYさんへお返事した内容です。今の受験生にもそのまま役に立つので、ほぼ元のまま残し、今の情報を少し足しています。

現在偏差値40ということですので、基本的なことからやっていく必要があります。

英語の基礎:単語・文法・語法の3本柱

まずは英語の基礎編です。くわしくは「英語の勉強法【基礎編1〜3】」を参照してください。

  • 英単語:6000語レベルの英単語ターゲット1900などを徹底的にやりこむ。
  • 文法書:いままでやったことのある文法書があれば、それを徹底的にやりこむ(学校で配られた文法の問題集など)。
  • 語法:Next Stage 英文法・語法問題などを徹底的にやりこむ。

東大の英語は難しい単語をたくさん知っている人より、基本の単語を速く正確に使える人が強い試験です。東大の英単語の考え方は「東大の英単語」、熟語は「お勧め英熟語300」も見てください。

数学の基礎:青チャートの前に黄チャート

数学は、青チャートといいたいところですが、偏差値40からだとおそらく難しすぎると思いますので、次の2冊をやりこみます。

今の教育課程では、数学は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・Cに分かれていて、黄チャートも新しい課程に合わせた版が出ています。買うときは「今の課程」の版かどうかを確かめてください。東大の文科の2次の数学で何が出るかは、出願前に東大の募集要項で確かめましょう。

上の英語3冊と数学2冊、この5冊をやりこむことが英語と数学の基本となります。ただ、この5冊をやりこむのに、0から出発ですと1年はかかると思います。

まずは黄色チャートを手に取って見てみてください。黄チャートで例題の4割以下しか理解できないのであれば、もう少しやさしいものをお勧めしますので、また声をかけてください。数学の公式を1つずつ確かめたいときは「算数・数学公式辞典」、言葉の意味は「数学用語辞典」が使えます。青チャートと『1対1対応の演習』へ進む順番は「青チャートと1対1の使い方」にまとめています。

東大合格の勉強法:「やりこむ」とは何回やることか

「やりこむ」とは? 同じ本を何周もする階段 😐1〜2周わかった気がする🙂3〜4周解き方を説明できる😊5〜6周すらすら解ける🌟それ以上次のページが浮かぶ! 新しい本を増やすより、同じ本の周回を増やすほうが力になる
図5 「やりこむ」の階段。同じ本を何周もすると、次のページが浮かぶようになる

この5冊をやりこむこと。やりこむことが重要です。

やりこむというのは、何回も徹底的にやることです。1回、2回ではありません。5回、6回でもありません。次のページに何が載っているか自然と脳裏に浮かぶくらい、何回もやってください。

すでに勉強を始めておられるでしょうし、まったくの0からという訳ではないでしょうが、1年、2年で東大文Ⅲ合格レベルまで持っていくのであれば、半年で上の5冊を完璧にする必要があるでしょう。

サクラちゃん

サクラちゃん

同じ本を何回もやるのって、あきませんか?新しい本のほうが勉強した気になります…。

合格先生

合格先生

新しい本を何冊も1回ずつやるより、1冊を完璧にするほうが入試では強いのです。2周目からは、まちがえた問題だけに印を付けて解き直すと速く回せます。

うかるくん

うかるくん

じゃあ、何周したかを本の表紙に「正」の字で書いていこうかな。

合格先生

合格先生

いいですね。目に見える形にすると続けやすくなります。

東大文三 合格スケジュール:1年プランと2年プラン

RYさんは「1年もしくは2年」と書いていました。どちらの場合も、やることの順番は同じです。ちがうのは、基礎にかけられる時間です。

偏差値40から「1年」で東大文三をめざす道のり(例) 時期は重なってよい。基礎が終わらないうちは先へ進まない 4〜9月🧱基礎を固める英単語英文法黄チャート▶7〜11月🗺️東大の形に慣れる過去問を1年分ずつ論述▶10〜12月📝共通テスト対策理科情報地歴公民も▶1〜2月🏁2次の総仕上げ時間を計って過去問 いちばん大事なのは最初の半年。ここで基礎の本を完璧にする
図6 1年でめざす場合の道のりの例。最初の半年の基礎固めがすべての土台

1年でめざす場合

  • 4〜9月:英語3冊・数学2冊をやりこむ。日本史・世界史は教科書を読み直し、流れを説明できるようにする。古文・漢文の基礎(文法・句法)も始める。
  • 7〜11月:東大の過去問を1年分ずつ解き、問題の形に慣れる。地歴の論述は、書いたものを誰かに読んでもらう。
  • 10〜12月:共通テスト対策。理科・情報・公民など、2次で使わない科目もここで仕上げる。
  • 1〜2月:共通テストのあとは、本番と同じ時間割で2次の過去問を解く。

2年でめざす場合

1年プランと2年プラン、どこがちがう? 1年プラン基礎6か月東大の形3か月仕上げ3か月 2年プラン基礎(ゆっくり確実に)12か月東大の形6か月仕上げ6か月 どちらも「基礎の本を完璧に」から。2年なら苦手の数学に時間をかけられる
図7 1年プランと2年プランのくらべ。2年なら基礎を1年かけて確実にできる

2年あるなら、1年目は基礎をゆっくり確実に固め、苦手の数学にしっかり時間をかけられます。1年目の終わりに共通テストと東大を一度受けてみると、本番の空気や時間の使い方が分かり、2年目の計画が立てやすくなります。

ただし、2年あると思うと最初の1年がゆるみがちです。2年プランでも「最初の半年で5冊」を目標にし、早く終わったら次の段階へ進みましょう。

指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

1年でも2年でも、スタートは同じ「基礎の5冊」なんですね。まずは黄チャートの例題が何割わかるか、確かめてみます!

東大文三の国語・地歴の勉強法

2014年のお返事の最後には「受験予定科目を教えていただければ、日本史・世界史、国語とあわせてアドバイスさせていただきます」と書きました。ここでは、今の受験生向けに国語と地歴の進め方を足しておきます。

国語(120点・150分)

文科の国語は、現代文・古文・漢文がそろいます。社会人から受験する人は、古文・漢文の文法や句法を忘れていることが多いので、早めに基礎から始めましょう。古文の文法は「古文文法辞典」、2次の記述でよく問われる文法は「古文文法 2次試験編」で確かめられます。漢字は「漢字合格大作戦」、国語全体は「国語まとめ」から探せます。

地理歴史(120点・150分で2科目)

日本史・世界史が得意な人は、まず教科書を「説明できる」まで読みこみ、そのあと東大の過去問で論述を書く練習をします。書いた答案は、自分で模範解答とくらべるだけでなく、学校の先生や詳しい人に見てもらうと伸びが速くなります。過去問の選び方は「東京大学過去問題集」を参考にしてください。

まとめ:偏差値40から東大文科三類をめざすには

  • 東大文科三類は共通テスト110点+2次440点=550点(2027年度)。2次は国語120・数学80・地理歴史120・外国語120点。
  • 点数の80%は2次試験。数学が苦手でも、国語・地歴・英語で稼ぐ作戦が立てられる。
  • 共通テストは1000点を110点に換算。第1段階選抜(約2.5倍)をこえるためにも、理科・情報まで準備する。
  • 偏差値40からは、英語3冊・数学2冊の「基礎の5冊」を半年でやりこむ。次のページが浮かぶまで何周も。
  • 黄チャートの例題が4割以下しか分からなければ、もっとやさしい本から始める。

英語と数学の参考書をもっとくわしく知りたい人は、続きの「東大文Ⅲ対策・英語と数学のお勧め参考書と勉強法」へ。漫画『ドラゴン桜』の勉強法も参考になります(「ドラゴン桜を徹底的に活用してみる」)。東大の学費は「東京大学の学費」にまとめています。

受験の質問は「受験の質問・相談」からどうぞ。東大受験生どうしの情報交換は、受験掲示板「100点BBS」の「東京大学受験掲示板」へ。

参考になれば幸いです。

※配点・日程・募集人員は令和9(2027)年度 東京大学入学者選抜要項と令和8(2026)年度 入学者募集要項によります。2027年度の入学者募集要項は11月中旬に公表される予定なので、出願の前に必ず確認してください。勉強の計画は一つの例です。

よくある質問

東大文科三類の配点は?

2027年度は共通テスト110点(1000点満点を換算)と2次試験440点の合計550点です。2次は国語120点・数学80点・地理歴史120点・外国語120点です。

東大文科三類の2次試験の科目と時間は?

国語150分、数学100分、地理歴史150分(日本史探究・世界史探究・地理探究から2科目)、外国語120分です。2027年度は2月25日・26日に駒場Ⅰキャンパスで行われます。

東大文科三類の募集人員は何人ですか?

2027年度は453人です。2026年度の469人から16人減ります。

東大文科の第1段階選抜(足切り)の倍率は?

志願者が募集人員の約2.5倍をこえた場合に、共通テストの成績で第1段階選抜が行われます。

偏差値40から東大文三をめざすには何から始めればよいですか?

英語(単語・文法・語法)と数学(黄チャート)の基礎の本を、次のページが浮かぶくらい何周もやりこむことから始めます。半年で仕上げるのが目安です。

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出典・参考

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦

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