玉石混淆(玉石混交)の意味と由来|抱朴子の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

玉石混淆(玉石混交)の意味と由来|抱朴子の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

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玉石混淆ぎょくせきこんこう

ひとことで言うと

すぐれたものとつまらないものが、入りまじっていること。宝石の「玉」と石ころの「石」がまじっている、という『抱朴子』の言葉から。

読み方ぎょくせきこんこう
意味すぐれたもの(玉)とつまらないもの(石)が、区別されずに入りまじっていること。
出典葛洪『抱朴子』外篇・尚博「真偽顛倒,玉石混淆」
お話人々が浅い詩文ばかり好み、深い思想の本を軽く見るのを、葛洪が「本物とにせ物が逆さま、玉と石がまじっている」となげいた
別の書き方玉石混交(常用漢字で書きかえた形)
似た言葉ピンからキリまで・有象無象
反対の言葉粒ぞろい・選りすぐり・珠玉
漢文の句法以A為B(AをBとみなす)・置き字(於)

このページのポイント

  • 「玉石混淆」はすぐれたものとつまらないものがまじっていること。常用漢字で「玉石混交」とも書きます
  • 出典は東晋の葛洪の『抱朴子』外篇・尚博。原文は「真偽顛倒,玉石混淆」の対句です
  • 「よいものばかり」「種類が多いだけ」には使いません。よしあしの差があることがポイントです

「玉石混淆」の意味と読み方

「玉石混淆」はぎょくせきこんこうと読みます。意味は「すぐれたものと、つまらないものが、入りまじっていること」です。「よいものも悪いものも区別されずに、ごちゃまぜになっている」ようすを言います。常用漢字で「玉石混交」と書くこともあり、今の新聞や本ではこちらの形もよく見かけます。

「玉(ぎょく)」は、ひすいのように美しく値打ちのある石のことで、すぐれたもののたとえです。「石(いし)」は、どこにでもある石ころで、つまらないもののたとえです。「混淆(こんこう)」は「まじり合う」という意味です。

「玉」と「石」は、値打ちが正反対玉(ぎょく)美しく値打ちのある石石(いし)どこにでもある石ころすぐれたもの+つまらないもの がまじり合っている=玉石混淆
「玉」はすぐれたもの、「石」はつまらないもの。この2つがまじっているのが「玉石混淆」です
うかるくん

うかるくん

「玉石混淆」って、むずかしそうな字ですね。「玉」は「たま」じゃなくて「ぎょく」なんですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

そう、ここでは「ぎょく」と読む。漢文の世界で「玉」と言えば、丸いたまではなく美しい宝石の石のことなんだ。中国では昔から玉がとても大切にされてきた。だから「玉と石」と言えば、「宝物と石ころ」くらい差のあるものの組み合わせになるんだよ。

ふだんの言い方では、たとえば次のように使います。

  • ○インターネットの情報は玉石混淆だから、確かめてから使おう。
  • ○応募作品は玉石混交で、選ぶのに時間がかかった。
  • ○古本市の本は玉石混淆だが、ときどき思わぬ名作が見つかる。
「玉石」が「混淆」している玉すぐれたもの石つまらないもの混まじる淆入りみだれる何が?(名詞)どうなる?(動詞)よいものと悪いものが、まじっている
前の2字が「何が」、後ろの2字が「どうなる」。「玉石が混淆する」という組み立てです

上の図のように、「玉石混淆」は「玉石(よいものと悪いもの)」が「混淆(まじる)」しているという組み立てです。ポイントは、よいものと悪いものの「差」があることです。ただ種類が多いだけ、数が多いだけのときには使いません。

絵で読む「玉石混淆」のお話

「玉石混淆」は、中国の東晋(とうしん)の時代の葛洪(かっこう)が書いた『抱朴子(ほうぼくし)』という本の言葉から生まれました。登場人物が動き回る物語ではなく、葛洪が世の中の本の読まれ方をなげいた文章です。ここでは、その文章が言いたいことを4つの場面にして描きました(実際にあった出来事を描いたものではなく、たとえの絵です)。

絵で読む「玉石混淆」のお話(4こま・葛洪の文章を場面にしたたとえ)

1浅い詩文ばかり人気深く豊かな本この短い詩、気が利いてる!
1人々は、気の利いた短い詩や文章ばかりをもてはやします。思想を深く書いた本は、ほこりをかぶったままです。
2深い本は軽く見られる葛洪(かっこう)深くて豊かな本が軽く見られている…むずかしい本はいいや
2深く豊かな本が「むずかしい」と軽く見られることを、葛洪はなげきます。
3玉と石がまじる本物の玉玉と石がまぜこぜこれこそ宝だ!
3これでは、ほんとうの宝(玉)を捨てて、石ころを宝だと思うようなものです。玉と石の見分けがつきません。
4葛洪のなげき本物とにせ物が逆さま、玉と石がまじっている…真偽顛倒し、玉石混淆す
4葛洪は「真偽顛倒し、玉石混淆す」――本物とにせ物が逆さまになり、玉と石がまじっている、と書きました。

葛洪がなげいたのは、人々が読みやすくて気の利いた短い詩や文章ばかりをありがたがって、深く豊かな思想の本を「むずかしい」「つまらない」と軽く見ていることでした。本当に値打ちのあるものと、うわべだけのものの評価が、さかさまになっていたのです。

人差し指を立てて説明するミスターT先生

ミスターT先生

このお話のポイントは、玉と石がただまじっているだけではなく、「石を玉だと思い、玉を石だと思う」ほど見分けがつかなくなっているところだ。だから「玉石混淆」には、「よいものと悪いものを見分けるのが大切だ」という気持ちがこもっているんだね。

葛洪が書いた「子書(ししょ)」とは、孔子・老子・荘子のような思想家の本のことです。葛洪は、こうした本を広く読むことを大切に考えていました。この文章がある篇の名前「尚博(しょうはく)」も、「博(ひろく学ぶこと)を尚ぶ(たっとぶ)」という意味です。

「玉石混淆」の原文・書き下し文・現代語訳

『抱朴子』外篇・尚博の、「玉石混淆」が出てくる部分を読みましょう。ここでは、文の流れが分かるように、「玉石混淆」の前後をあわせて3つに分けて読みます(書き下し文は読み方の一例です)。返り点の読み方は返り点(レ点・一二点・上下点)の読み方、書き下し文のきまりは書き下し文の書き方でくわしく説明しています。

『抱朴子』外篇・尚博の本文(維基文庫の本文。句読点を補ったもの)以磋切之至言為騃拙,以虛華之小辯為妍巧,真偽顛倒,玉石混淆,同廣樂於桑間,鈞龍章於卉服。

この前には、「人々は、浅く身近な詩文をありがたがり、深く美しく豊かな子書(思想の本)を軽く見る」という意味の文があります。そのあとに、次の文が続きます。

1文目:評価がさかさま

書き下し文磋切させつの至言を以もつて騃拙がいせつと為なし、虚華の小弁を以もつて妍巧けんかうと為なす。

(葛洪『抱朴子』外篇・尚博(原文は「虛」「辯」。ここでは「虚」「弁」で表示))

現代語訳心をこめてみがき上げた大切な言葉を、おろかでへただと考え、うわべだけ華やかな小さな理屈を、美しくてうまいと考える。

ここがポイント「以A為B(AをもってBとなす)」は「AをBだと考える・AをBとみなす」という句法。「以」の読み方と働きは「以」の読み方(以て・以為)でまとめています。「磋切(させつ)」は「切磋」と同じで、玉や骨をみがくように、心をこめて考えをみがくこと。切磋琢磨の「切磋」と同じ字です。

2文目:真偽顛倒・玉石混淆

書き下し文真偽顛倒てんたうし、玉石混淆こんかうす。

(葛洪『抱朴子』外篇・尚博)

現代語訳本物とにせ物とがさかさまになり、玉と石とが入りまじっている。

ここがポイント「顛倒(てんとう)」は「さかさまになる」。「混淆(こんこう)」は「入りまじる」。4字+4字の対句(漢詩の表現)のように、同じ形の句を2つ並べて意味を強めています。この「玉石混淆」の4字が、そのまま今の言葉になりました。

3文目:たとえを重ねる

書き下し文広楽を桑間に同おなじくし、竜章を卉服きふくに鈞ひとしくす。

(葛洪『抱朴子』外篇・尚博(原文は「廣」「龍」。ここでは「広」「竜」で表示))

現代語訳天上のりっぱな音楽を、品のない流行歌と同じあつかいにし、竜のもようの天子の服を、草で編んだ粗末な服と同じものとみなしている。

ここがポイント「於(お)」は「〜に」の意味を表す置き字で、読みません(送り仮名の「ニ」で働きを表します)。「桑間(そうかん)」は、昔の中国で「みだらな音楽」の代表とされた歌の場所の名前。ここでもまた「すぐれたもの」と「つまらないもの」を同じあつかいにしている、とたとえを重ねています。
原文は4字ずつの「対句」真偽顛倒玉石混淆本物にせ物さかさま/まじる上と下が、同じ形・にた意味で並ぶ→ 同じことを2回言って、なげきを強める
「真偽顛倒」と「玉石混淆」は同じ形の4字句。「本物とにせ物」「玉と石」が向かい合っています
句法「以A為B」=AをBとみなす以 A 為 BA を以て B と為す磋切の至言心をこめた大事な言葉騃拙と為すおろかでへただとみなす虚華の小弁うわべだけの小さな理屈妍巧と為す美しくうまいとみなすどちらも「評価がさかさま」になっている例
「以A為B」で、本当に値打ちのある言葉と、うわべだけの言葉の評価がさかさまになっていることを言っています

原文で気をつけたいところ

  • 「淆」の字:原文は「混淆」。「淆(こう)」は「入りみだれる」という意味の字で、常用漢字ではありません。そのため今の日本語では、同じ音の「交」を使って「玉石混交」と書くことが多くなりました。
  • 「真偽顛倒」とセット:原文では「真偽顛倒,玉石混淆」と2つ並んでいます。「本物とにせ物の評価がさかさま」だから「玉と石がまじって見分けられない」のだ、という流れで読むと、意味がはっきりします。
  • 旧字体:維基文庫の本文は「虛」「辯」「廣」「龍」などの旧字体(繁体字)で書かれています。上の訓読文では、今の字(虚・弁・広・竜)で表示しました。
サクラちゃん

サクラちゃん

「玉石混淆」って、物語のせりふじゃなくて、葛洪さんの「意見」の中の言葉なんですね。

ミスターT先生

ミスターT先生

そのとおり。「矛盾」や「蛇足」のようなお話から生まれた故事成語もあれば、こういう昔の本の名文句がそのまま言葉になったものもある。どちらも「故事成語」とよぶんだ。原文の中で「何と何が対になっているか」を見つけると、意味がぐっと読みやすくなるよ。

出典『抱朴子』と話の背景

「玉石混淆」の出典は『抱朴子(ほうぼくし)』です。中国の東晋(317年〜420年)の時代の葛洪(かっこう)が書いた本です。葛洪は283年ごろに生まれ、4世紀の前半に活やくした人とされます(亡くなった年は資料によって分かれます)。字(あざな)は稚川(ちせん)、「抱朴子」は葛洪が自分につけた号(よび名)でもあります。

岩山のふもとの橋の上に立つ白い衣の人物と鹿、その下を牛に乗った家族や荷物を持った人々が進む、山水画の一部
元の王蒙(おうもう)が描いた「葛稚川移居図(かつちせんいきょず)」の一部。葛洪(字は稚川)が家族をつれて山へ移り住む場面を描いた絵で、橋の上に立つのが葛洪、下は牛に乗った家族とされます。画像:王蒙「葛稚川移居図」(元・14世紀、北京・故宮博物院蔵)の一部、Wikimedia Commons・パブリックドメイン

『抱朴子』は、内篇(ないへん)と外篇(がいへん)に分かれています。内篇は、仙人になる方法や薬の作り方など、神仙思想(道教)の内容です。外篇は、政治や世の中のこと、人の生き方や学問について書いたもので、儒家の考えに近い内容が多いとされます。「玉石混淆」が出てくる「尚博」は、外篇の一つです。

葛洪の時代は、文章の見た目の美しさを競う風潮が強くなっていた時代でもありました。葛洪は、言葉をかざることより、中身のある本を広く読むことの大切さを説きました。「尚博」という篇の名前どおり、「広く学ぶことをたっとべ」というのが、この文章の中心の考えです。中国の思想家たちの考え方の流れは諸子百家(儒家・道家・法家)の考え方、中国の文学の流れは漢文の文学史(中国の文学の流れ)でまとめています。

「玉」が宝物とされた中国

中国では、昔から「玉(ぎょく)」がとても大切にされてきました。王さまのしるしや、儀式の道具、身につける飾りなどに使われ、「完璧」の話に出てくる「和氏の璧(かしのへき)」も、玉で作った宝物です。「他山の石」(よその山の石も、自分の玉をみがく役に立つ)や「玉磨かざれば光なし」のように、玉と石を使ったたとえは、ほかの故事成語にもたくさんあります。

玉と石は、見た目が似ていることもあり、見分けるには目ききの力がいります。だからこそ、「玉と石がまじっている」というたとえは、「本当によいものを見分ける力が大切だ」という意味をふくむのです。

玉と石が出てくる、ほかの言葉

玉と石を並べた言い方は、葛洪より前の本にも出てきます。たとえば、儒家の古い経典『書経(しょきょう)』には、山火事が玉も石も区別なく焼いてしまう、という意味の「玉石倶に焚く(ぎょくせきともにやく)」という言い方があります。こちらは「よいものも悪いものも、いっしょにほろびてしまう」という意味で、「玉石混淆」とは使い方がちがいます。

「玉石混淆」は「まじっていて見分けがつかない」、「玉石倶に焚く」は「いっしょにだめになる」。どちらも「玉と石を区別しない」ことへの残念な気持ちが入っていますが、言いたいことは別です。似た形の言葉は、何がどうなるのかまで読み分けるようにしましょう。

今の時代の「玉石混淆」

葛洪がなげいたのは、1700年ほど前の本の読まれ方でした。けれども、この言葉は今の時代にこそよく使われます。インターネットには、だれでも情報を書きこめます。正確で役に立つ情報(玉)もあれば、まちがいや古い情報、うわさ(石)もたくさんあります。まさに「玉石混淆」です。

このとき大切なのは、葛洪が言ったように「見た目の気の利き方」より「中身」で判断することです。だれが書いたのか(出どころ)、いつの情報か、ほかの資料と食いちがっていないかを確かめれば、玉と石を見分けやすくなります。受験の情報も同じで、入試の日程や科目は、必ず大学や学校の公式の発表で確かめましょう。

「玉石混淆」の使い方と例文・似た言葉

「玉石混淆」は、たくさんの物や人の中に、すぐれたものとつまらないものがまじっているときに使います。「玉石混淆の〇〇」「〇〇は玉石混淆だ」という形が多いです。少し批判する気持ち(「だから気をつけよう」「見分けが大切だ」)をふくむことが多い言葉です。

  • ○ネット上の口コミは玉石混淆なので、うのみにしないようにしている。
  • ○受験の参考書は玉石混交だから、先生や先輩に評判を聞いてから選ぼう。
  • ○新人賞への応募作は玉石混淆で、きらりと光る作品は数えるほどだった。
  • ○フリーマーケットは玉石混淆だからこそ、宝さがしのような楽しさがある。
  • ×このクラスは全員が成績優秀で、まさに玉石混淆だ。(よいものばかりのときは使わない。「粒ぞろい」が正しい)
  • ×スーパーには果物や野菜が玉石混淆に並んでいる。(ただ種類が多いだけのときは使わない。「多種多様」などが正しい)
玉石混淆似た言葉玉石混交ピンからキリまで有象無象少しちがう千差万別多種多様反対の言葉粒ぞろい選りすぐり珠玉
似た言葉・反対の言葉。「千差万別」「多種多様」は種類の多さを言う言葉で、よしあしの差は言いません

似た言葉

  • 玉石混交(ぎょくせきこんこう):「玉石混淆」を常用漢字で書いた形。意味は同じです。
  • ピンからキリまで:いちばんよいものから、いちばん悪いものまで。「玉石混淆」をくだけた言い方にしたもの。
  • 有象無象(うぞうむぞう):数ばかり多くて、役に立たないつまらないもの・人。「玉石混淆」より、つまらないほうを強く言う言葉です。
  • 千差万別(せんさばんべつ):いろいろな種類やちがいがあること。よしあしの差ではなく「ちがいが多い」ことを言うので、使い方が少しちがいます。

反対の言葉

  • 粒ぞろい(つぶぞろい):集まったものが、どれもすぐれていること。
  • 選りすぐり(よりすぐり):よいものだけを選び出したもの。
  • 珠玉(しゅぎょく):真珠と玉。「珠玉の短編」のように、すぐれたものだけを集めたほめ言葉に使います。

英語では、「the good and the bad mixed together」のように言います。「a mixed bag(いろいろまじった袋)」という言い方も、「よいものも悪いものもまじっている」という意味で使われます。

「玉石混淆」のよくあるまちがい

「こんこう」の書き方混淆原文の形淆は常用外○混交常用漢字で書きかえた形○混合まちがいとされやすい×混同別の言葉とりちがえ×読みは「ぎょくせきこんこう」「こんごう」「たまいし」とは読みません
「混淆」と「混交」はどちらも正しい書き方。「混合」「混同」はまちがいです
  • 「玉石混合」と書く:「混合(こんごう)」は「まぜ合わせる」という別の言葉です。「玉石混淆」「玉石混交」が正しい形で、「玉石混合」はまちがいとされることが多いので、テストでは書かないようにしましょう。字は「混」の読み方・書き順・部首・「交」の読み方・書き順・部首で確かめられます。
  • 「玉石混同」と書く:「混同(こんどう)」は「別のものを同じだととりちがえる」こと(「公私混同」など)。似ていますが、別の言葉です。
  • 「たまいし」「こんごう」と読む:正しくは「ぎょくせき・こんこう」。「玉」は宝石の意味の「ぎょく」と読みます。「玉」の読み方・書き順・部首・「石」の読み方・書き順・部首のページで音読みを確かめましょう。
  • 「よいものばかり」の意味で使う:「玉」の字から「宝物がいっぱい」と思いがちですが、反対です。石(つまらないもの)もまじっていることが大事なポイントです。
  • 「種類が多い」だけの意味で使う:よしあしの差がないときは「多種多様」「千差万別」を使います。
うかるくん

うかるくん

「玉石混淆」って、ほめ言葉なんですか?それとも悪口ですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

ほめ言葉ではないね。「よいものもあるけど、つまらないものもまじっているよ」という、少し注意をうながす言い方だ。だから、人の作品をほめたいときに「玉石混淆ですね」と言うと失礼になる。ほめたいなら「粒ぞろい」「珠玉の作品」を使おう。

入試ではこう出る

「玉石混淆」は、中学受験から大学受験まで、それぞれの形で出てきます。

  • 中学受験:四字熟語・故事成語の意味を選ぶ問題、「ぎょくせきこんこう」を漢字で書く問題(「玉石混交」の形で答えることも多い)、反対の意味の言葉を選ぶ問題。説明文の中の「玉石混交の情報」の意味を問う問題にも出ます。
  • 高校受験:空らんに漢字を入れて四字熟語を完成させる問題(「玉石□□」)、正しい使い方の文を選ぶ問題がよく問われます。高校受験の漢文の出方は高校受験の漢文(返り点・書き下し文の対策)にまとめています。
  • 大学受験:評論文で「情報が玉石混淆である」のように使われ、意味や言いかえを問われます。漢文では「以A為B」の句法や、「真偽顛倒」との対句の関係が読めるかがポイントです。共通テストでの漢文の出方は共通テストの漢文(配点・時間配分)へ。
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

使い方を選ぶ問題では、「よいもの」と「悪いもの」の両方が入っているかをチェックすればいいんですね!よいものだけ、種類が多いだけの文は×です!

練習問題

やさしい

  1. 「玉石混淆」の意味として正しいものを選びましょう。
    ア 宝物がたくさんあること イ すぐれたものとつまらないものがまじっていること ウ 石を玉のようにみがくこと エ いろいろな種類があること
    答えと解説を見るイ。「玉」はすぐれたもの、「石」はつまらないもののたとえで、それがまじっていることです。エは「多種多様」「千差万別」の意味です。
  2. 「ぎょくせきこんこう」を、常用漢字だけを使って漢字で書きましょう。
    答えと解説を見る玉石混交。原文の形は「玉石混淆」ですが、「淆」が常用漢字ではないため、同じ音の「交」で書きかえた形です。

ふつう

  1. 「真偽顛倒、玉石混淆」を書き下し文に直し、意味を答えましょう。
    答えと解説を見る真偽顛倒し、玉石混淆す。意味は「本物とにせ物がさかさまになり、玉と石が入りまじっている」。
  2. 次の文のうち、「玉石混淆」の使い方が正しいものを1つ選びましょう。
    ア 代表選手は全員が一流で、玉石混淆のチームだ。 イ ネットの情報は玉石混淆なので、出どころを確かめる。 ウ 八百屋に野菜が玉石混淆に並ぶ。
    答えと解説を見るイ。アはよいものばかり(「粒ぞろい」)、ウは種類が多いだけなので、「玉石混淆」は使いません。

むずかしい

  1. 「以磋切之至言為騃拙」の「以A為B」はどのような意味の句法ですか。文全体の意味もあわせて答えましょう。
    答えと解説を見る「AをもってBとなす」と読み、「AをBだとみなす・考える」という意味。文全体は「心をこめてみがいた大切な言葉を、おろかでへただと考える」という意味で、評価がさかさまになっていることを表しています。
  2. 葛洪が『抱朴子』の尚博篇で「玉石混淆」となげいたのは、世の中のどのようなようすですか。
    答えと解説を見る人々が浅く気の利いた詩文ばかりを好み、深く豊かな思想の本(子書)を軽く見て、すぐれたものとつまらないものの評価がさかさまになり、見分けがつかなくなっているようす。

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よくある質問

玉石混淆の意味を簡単に言うと何ですか?

すぐれたものとつまらないものが入りまじっていることです。「玉」は宝石のように値打ちのある石、「石」は石ころのたとえです。

玉石混淆と玉石混交はどちらが正しいですか?

どちらも正しい書き方です。原文の形は「玉石混淆」で、「淆」が常用漢字でないため、同じ音の「交」を使った「玉石混交」もよく使われます。「玉石混合」はまちがいとされることが多い書き方です。

玉石混淆の出典は何ですか?

中国の東晋の時代の葛洪が書いた『抱朴子』の外篇・尚博です。原文は「真偽顛倒,玉石混淆」(本物とにせ物がさかさまになり、玉と石が入りまじっている)です。

玉石混淆の反対の言葉は何ですか?

粒ぞろい・選りすぐり・珠玉などです。どれも、すぐれたものだけがそろっていることを表します。

玉石混淆の玉はなんと読みますか?

「ぎょく」と読みます。宝石のように美しく値打ちのある石のことで、「たま」とは読みません。全体で「ぎょくせきこんこう」です。

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出典・参考

  • 原文:葛洪『抱朴子』外篇・尚博(維基文庫「抱朴子/外篇/卷32」の本文で確認)
  • 書き下し文・現代語訳:合格大作戦(読み方の一例)
  • 絵:王蒙「葛稚川移居図」(Wikimedia Commons、パブリックドメイン)
  • お話の絵・図:合格大作戦

最終更新:2026年10月29日/作成:大学受験合格大作戦