この記事の結論
- 京大理系数学(試験時間150分・大問6題・200点)の参考書は、青チャート→1対1対応の演習→京大の過去問の順に進めるのが王道。京大の医学部を受ける人でも、最初の1冊は青チャートで十分
- 演習を増やすなら『難関大突破 数学の底力』『やさしい理系数学』『理系数学の良問プラチカ』。直前期は問題数の多い本に手を広げず、京大型の問題を数多く解く
- 理学部は2次の数学が300点、工学部・医学部医学科は250点。理系の京大入試では、数学の出来が合否を大きく左右する
一番お問い合わせの多い「京大理系数学」のおすすめ参考書と勉強法です。2011年に書き、2014年6月に当時の新課程に合わせて加筆した記事を、2026年10月に今の教育課程(2025年度入試から)と2027年度の配点に合わせて書き直しました。
ここでいう京大理系数学とは、京都大学(京大)の一般選抜・前期日程で、理系の数学の問題を解く学部のことです。
- 京都大学 理学部
- 京都大学 工学部
- 京都大学 医学部(医学科・人間健康科学科)
- 京都大学 薬学部
- 京都大学 農学部
- 京都大学 総合人間学部(理系)・教育学部(理系)・経済学部(理系)
どの学部も同じ理系の問題を解きます。ただし、2次試験(個別学力検査)での数学の配点は学部によってちがいます。
京大理系 数学の配点と試験の形
京大理系数学は試験時間150分・大問6題・200点満点で、すべて記述式です。答えだけでなく、そこに至る説明の筋道も採点されます。この200点を、学部ごとの配点に換算して合否判定に使います。
- 理学部・経済学部(理系):数学300点。理学部は理科も300点で、数学と理科で個別試験の6割をこえます。
- 工学部・医学部医学科:数学250点。工学部は理科も250点です。
- 総合人間学部(理系)・教育学部(理系)・医学部人間健康科学科・薬学部・農学部:数学200点。
どの学部も、共通テスト(大学入学共通テスト、旧センター試験)より2次試験の比率がずっと高いのが京大の特徴です。学部ごとのくわしい配点は「京都大学の学部別 配点一覧」、工学部の学科ごとの話は「京大工学部の配点」を見てください。数学がどれほど重いかは「京大受験生が思っている以上に数学は重要」でも図にしています。
出題範囲は今の教育課程の数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C
京大の出題方針では、理系の数学は高校の学習指導要領の数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・Cに対応します(文系は数学Ⅲをのぞく)。数学B・数学Cのどの単元から出すかなど、細かい範囲はその年の入学者選抜要項で必ず確かめてください。
京大理系数学 よく出る分野
合格大作戦で1999年度から2026年度までの28年分の問題を分野ごとに整理すると、微分・積分は100%、確率・場合の数は89%、数列・漸化式は86%の年に出ていました。数学Ⅲの微分・積分は、ほぼ毎年出る中心分野です。
京大は整数の問題が多い大学としても知られています。また、証明問題(論証)がよく出るので、「なぜそう言えるのか」を言葉と式で書く練習が欠かせません。年度ごとの大問の一覧は「京大理系数学 出題分析」に、文系の傾向は「京大文系数学 出題分析」にまとめています。
うかるくん
京大の数学って難しい問題ばかりなんですよね? いきなり難しい問題集をやったほうがいいですか?
合格先生
それは逆だよ。京大の問題は「見たことのない形」で出るけれど、分けていくと基本の解法の組み合わせなんだ。だから最初は青チャートで基本の解法を体に入れることが一番の近道だよ。
サクラちゃん
医学部を受ける人も、青チャートからでいいんですか?
合格先生
いいよ。京大医学部を受ける場合でも、初めに手を付ける1冊は青チャートで十分。もっと上の本は、そのあとで使えばいいんだ。
京大 理系数学 おすすめ参考書(段階別)
参考書は「たくさん買う」より「決めた本をやりこむ」ほうが力になります。上の図の1から順に、前の段階が仕上がってから次へ進みましょう。
① 基本的な解法を覚える:青チャート
一番のおすすめは、数研出版の青チャート(チャート式 基礎からの数学)です。京大医学部を受験する場合でも、初めに手を付ける参考書は青チャートで十分です。数学にさらに磨きをかけたい場合など、より難しい参考書を使うこともありますが、基本となる参考書は青チャートだと覚えておきましょう。
- チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A
- チャート式 基礎からの数学Ⅱ+B
- チャート式 基礎からの数学Ⅲ+C(今の教育課程では、ベクトルや複素数平面は数学Cに入ります)
高校で青チャートと同じくらいのレベルの参考書(学校で配られるチャート式など)を使っている場合は、その本で代わりにしてもかまいません。学校の勉強と青チャートが重なって、効率の悪い勉強にならないように注意しましょう。
青チャートを使った勉強法として有名なものに、和田秀樹さんの『数学は暗記だ』があります。「まず解き方を覚え、それを組み合わせて使う」という考え方は、京大を目指す人にも役に立ちます。ただし、ただ丸暗記するのではなく、なぜその解き方になるのかを説明できるところまで理解するのが大切です。
青チャートは1回読んだだけでは身につきません。例題を何も見ずに解き、できなかった問題に印をつけ、日をあけて解き直します。問題を見た瞬間に解き方の方針が浮かぶところまでくり返すのが「やりこむ」ということです。いつまでに仕上げるかの目安は「青チャートと1対1対応の演習はいつまでに終わらせる?」にまとめています。
② 問題演習:学校の問題集(4STEP・4TRIAL)
高校でよく使われる4STEPや4TRIALといった問題集も、しっかりやりこみましょう。現役生にとっては、授業の復習としてこれをきちんとこなすことが土台になります。青チャートと同じ単元を、同じ時期に学校の問題集で練習すると、解法が定着しやすくなります。
③ 入試の標準問題:1対1対応の演習
青チャートで基本の解法を身につけたら、大学への数学「1対1対応の演習」で演習量を増やします。入試によく出る形の問題を、1題ずつ「例題+演習題」の形で練習できるシリーズです。
2014年当時は、数学Ⅰ・数学A(場合の数・確率を切れ味よく解説)・数学Ⅱ(「逆手流」など大学への数学ならではの手法も解説)・数学B(融合問題も収録)・数学Ⅲの曲線・複素数編と微積分編(2014年3月発売)がそろっていました。今の教育課程の版を買うときは、数学Cに対応した版かどうかを表紙や目次で確かめてください。数学Ⅰの巻には、京大で頻出の「整数」も入っていました。
④ 考える力をつける:数学の底力・やさしい理系数学・プラチカ
問題集と並行してやっておきたいのが、『難関大突破 数学の底力―Top Grade』です。京都大学理学部出身の露木繁さんの本です。
問題数は126題と少ないですが、非常に良問ぞろいです。数学ができる人になるにはちょっとしたコツが必要で、そのコツを学べる1冊です。底力をつけるためにぜひやっておきたい本ですが、古い本なので、今の教育課程と範囲がずれる問題がないか注意して使いましょう。
『数学の底力』だけでは演習量が足りないので、1対1対応の演習で量を増やします。1対1対応の演習をやる時間がない人は、『やさしい理系数学』や『理系数学の良問プラチカ』で演習を増やしましょう。『やさしい理系数学』は書名に反して手ごたえのある問題が多いので、青チャートが仕上がってから取り組むのがおすすめです。

合格先生
参考書は1段ずつ上ること! 青チャートがあやふやなまま難しい本に進むと、解説を読んでも「なぜそうするのか」がわからない。迷ったら、1つ下の段にもどろう。
⑤ 京大の過去問:赤本と25カ年
京大対策は、赤本で京大の過去問を解くのが一番です。赤本(京都大学・理系)で数年分を本番と同じ150分で解き、時間配分をつかみましょう。さらに多くの年度を分野ごとに解きたい人には『京大の理系数学25カ年』が便利です。
赤本以外で京大型の問題を解くには、大手予備校の京大型模試の過去問題集や、通信添削の京大コースの問題を手に入れるとよいでしょう。通信添削には、無料で教材の見本をもらえるものもあります。
過去問を解くときは、答えが合っているかだけでなく、答案の書き方も見直しましょう。京大は記述式なので、途中の説明が足りないと点が伸びません。学校や塾の先生に答案を見てもらうのもよい方法です。
京大の答案で気をつけたいこと
- 何を求めるか・何を示すかを最初に書く:方針を一言書いてから計算に入ると、採点する人にも自分にも道筋が見えます。
- 場合分けはもれなく:整数や確率の問題では、「すべての場合を調べた」ことが分かるように書きます。
- 図をかく:ベクトル・空間図形・面積の問題は、図をかくと条件の見落としが減ります。
- 部分点をねらう:最後まで解けなくても、途中の正しい議論には点がつくことがあります。白紙にしないことが大切です。
京大 理系数学 勉強法:学年別の計画
上の図は、高1から京大を目指す場合の目安です。中高一貫校で先取りしている人は、全体を前にずらして考えてください。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 高1 | 青チャート(数学Ⅰ・A)と学校の問題集 | 授業の進みに合わせて、例題を何も見ずに解けるまでくり返す |
| 高2 | 青チャート(数学Ⅱ・B・C)、1対1対応の演習を始める | 高2の終わりまでに青チャートを仕上げるのが理想 |
| 高3 春〜夏 | 1対1対応の演習・数学Ⅲの仕上げ、底力やプラチカ | 夏休み前までに青チャート→1対1が完璧なら、京大レベルの目処が立つ |
| 高3 秋 | 京大の過去問・京大型の模試 | 150分で6題を解く練習。答案の書き方も見直す |
| 直前期 | 京大型の問題を数多く解く、苦手分野は青チャートで復習 | 問題数の多い問題集には新しく手をつけない |
苦手な分野があれば、青チャートでその分野を復習しましょう。受験直前期には、あまり問題量の多い問題集には手をつけず、京大型の問題を数多く解くように心がけましょう。
共通テスト(旧センター試験)の数学は、京大の2次試験とは形がまったくちがいます。マークシートで速く正確に解く練習は、秋以降に別に時間をとりましょう。高2の数学の進め方や、京大数学2次試験の対策は「京大数学2次試験対策&高2の数学勉強法」で、読者の相談に答える形で書いています。数学全体の勉強の考え方は「京大受験数学の勉強法」へ。
サクラちゃん
高3の夏になっても、青チャートが終わっていません……。もう京大は無理でしょうか?
合格先生
あきらめるのは早いよ。まずはよく出る分野(微分・積分、確率、整数、ベクトルなど)から青チャートを仕上げよう。基礎がしっかりしていれば、秋から京大型の演習を始めても一気に伸びることがあるんだ。
うかるくん
全部を同じ速さでやらなくていいんですね!
合格先生
その通り。出る分野から、確実にやりこむ。それが限られた時間で京大に近づくコツだよ。
2014年当時の「新課程」と今の教育課程
この記事を加筆した2014年当時の「新課程」は、2015年度入試から始まった教育課程です。このとき行列が高校の範囲から外れ、複素数平面(複素平面・ガウス平面)が数学Ⅲに入りました。
今は、2022年度に高校に入学した人から新しい学習指導要領の教育課程になり、2025年度入試からその範囲で出題されています。数学Cが復活し、ベクトルと「平面上の曲線と複素数平面」は数学Cに移りました。数学Bは数列と統計的な推測です。参考書を選ぶときは、今の教育課程に対応した版かどうかを確かめましょう。くわしくは「新課程の「複素数平面」」の記事で、当時と今を並べています。
京大理系では複素数平面が出題される年もあります(1999〜2026年度の28年分では14年)。数学Cをおろそかにしないようにしましょう。
京大入試に役立つ本
数学の参考書以外に、京大入試や京大の雰囲気を知るのに役立つ本です。
どれも出版から年月がたっているので、入試制度の話は今の募集要項で確かめながら読んでください。

数学の公式・用語を調べるには
青チャートや過去問で出てきた公式・用語の意味が分からないときは、合格大作戦の「算数・数学公式辞典」と「数学用語辞典」で調べられます。分野ごとの入口は「数学のまとめ」です。同じ京大の参考書でも、段階ごとに1冊ずつ選ぶなら「京大合格までのお勧め参考書(数学)」、英語は「京大合格までのお勧め参考書(英語)」も参考にしてください。
勉強法や参考書についての質問は「受験の質問・相談」で受け付けています。京大受験の情報交換は受験掲示板「100点BBS」の「京都大学の掲示板」へどうぞ。
PR(この枠は広告です)
京大志望は「京大入試徹底解剖」がもらえる
Z会の資料請求は無料。第一志望を京大にすると特典つき
Z会の資料を無料で請求する ›Z会の公式サイト(高校生向けコース)が開きます。特典とプランの選び方は「Z会の資料請求でもらえる入試徹底解剖と3プランの選び方」にまとめています
よくある質問
京大理系数学の最初の参考書は何がよいですか?
青チャート(チャート式 基礎からの数学)がおすすめです。京大医学部を受ける場合でも、最初の1冊は青チャートで十分です。
青チャートの次は何をやればいいですか?
1対1対応の演習で入試の標準問題を練習し、そのあと数学の底力・やさしい理系数学・理系数学の良問プラチカなどで演習を増やし、京大の過去問へ進みます。
京大理系数学の試験時間と配点は?
試験時間150分・大問6題・200点満点の記述式です。合否判定では学部ごとに換算され、2027年度は理学部と経済学部(理系)が300点、工学部と医学部医学科が250点、ほかの理系学部は200点です。
直前期は何をすればいいですか?
問題数の多い問題集には新しく手をつけず、京大の過去問や京大型の問題を数多く解きます。苦手な分野は青チャートで復習します。
今の教育課程で注意することは?
2025年度入試から、ベクトルと複素数平面は数学Cに入りました。参考書は今の教育課程に対応した版を選びましょう。
あわせて読みたい
- 京大理系数学 出題分析
- 青チャートと1対1対応の演習はいつまでに終わらせる?
- 京大合格までのお勧め参考書(数学)
- 京大数学2次試験対策&高2の数学勉強法
- 京大受験数学の勉強法
- 京大受験生が思っている以上に数学は重要
- 京都大学の学部別 配点一覧
- 新課程の「複素数平面」
出典・参考
- 京都大学「令和9年度 京都大学入学者選抜要項」(一般選抜・前期日程の配点)
- 京都大学「出題方針」(理系の数学は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C に対応)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成21年告示)」数学
- 京都大学 前期日程 理系数学の問題(1999〜2026年度、合格大作戦が分野別に整理)
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦











