この記事の結論

  • 京都大学(京大)工学部の国語は、2027年度(令和9年度)は共通テスト25点+個別試験(2次試験)100点=125点で、総点1025点の約12.2%です
  • 工学部の2次試験の国語は2009年度入試から必須になりました。試験は理系の国語(90分)で、入試1日目の朝に行われます

この記事は、工学部の2次試験に国語が入ることが2008年に発表されたのを受けて書いたものです。当時は「配点がまだ発表されていない」段階でした。2026年10月に、京都大学の令和9年度(2027年度)入学者選抜要項で今の配点と時間を確かめて、大きく書き足しました。2008年に書いた内容と予想は「当時」として残し、答え合わせもしています。

工学部全体の配点(数学・理科・英語・学科別の人数・足切り)は「京都大学工学部の配点【2027年度】」にまとめています。この記事は工学部の国語だけに絞って説明します。京大の理系学部どうしの国語の比べ方や、理系の国語の勉強法は「京都大学工学部で国語(理系の国語)」をご覧ください。

京大工学部の国語はいつから?2009年度に2次試験で必須

2008年に書いた元の記事は、次の一文から始まります。

2009年(平成21年)の入試から京都大学工学部の入試(2次試験)に国語が導入されます。

工学部は、共通一次試験(今の大学入学共通テスト、旧センター試験の前身)が始まった1979年度から、2次試験に国語を課していませんでした。それが2009年度入試から全学科で国語が必須になりました。これで京大は、後期日程(医学部保健学科、当時)を除くすべての学部で、2次試験に国語が必須になりました(2008年の京都新聞の報道による)。

京大工学部の2次試験と「国語」 1979〜2008年度2次に国語なし2009年度〜国語が必須に2027年度国語100点 共通一次が始まる 後期日程(医学部保健学科、当時)を除く すべての学部で2次試験に国語が必須に 2008年の京都新聞の報道・令和9年度 選抜要項より作図
図1 京大工学部の2次試験と国語の年表

当時、私はこう書いています。「基礎学力の低下が話題に上っている昨今、京大の理系学部で唯一国語の二次試験が必要なかった工学部もついに国語の入学試験を導入しました。」当時の工学研究科長は「理系であっても総合力が必要で、国語の力が基本になる」と説明していたと報じられています。

2008年当時の京大工学部が求めた人物像

元の記事では、当時の京都大学のホームページから、工学部が求める入学者を紹介しました(2008年当時の内容です。今の入学者受入方針は、京都大学の公式サイトで確かめてください)。

  1. 高等学校での学習内容をよく理解して、工学部での基礎学理の教育を受けるのに十分な能力を有している人。
  2. 既成概念にとらわれず、自分自身の目でしっかりと物事を確かめ、それを理解しようとする人。
  3. 創造的に新しい世界を開拓しようとする意欲とバイタリティーに満ちた人。

「高校での学習内容をよく理解」という1つめは、国語もふくめた基礎学力のことです。工学部の研究でも、論文を読み、報告書を書き、人に説明する場面はたくさんあります。国語の導入は、この方針とつながっていると私は考えています。

京大工学部 国語の配点(2027年度):共通テスト25点・個別試験100点

令和9年度(2027年度)の京都大学入学者選抜要項によると、工学部の配点は共通テスト225点+個別試験800点=1025点です。そのうち国語は次のとおりです。

国語工学部の合計国語の割合
共通テスト25点225点約11.1%
個別試験(2次)100点800点12.5%
合計125点1025点約12.2%
京大工学部の総点 1025点(2027年度) 国語125点数学275点理科275点英語250点 国語は合計125点=総点の約12.2% (共通テスト25点+個別試験100点) 細い帯:■地歴公民50・■情報50 令和9年度 京都大学入学者選抜要項より作図
図2 京大工学部の総点1025点の中の国語(共通テスト+個別試験)

数学と理科は各275点、外国語は250点なので、国語の125点は小さく見えます。それでも、地歴公民(50点)や情報(50点)よりは大きく、総点のおよそ8分の1です。合格最低点の近くでは少しの点差で合否が分かれることもあります。国語は「捨ててよい教科」ではありません。

共通テストの国語は200点満点→25点に換算

共通テストの国語は200点満点で受けますが、工学部では25点に換算して合否判定に使います。つまり共通テストの国語は、合否判定ではかなり軽くなります。ただし、志願者が多いときの第1段階選抜(足切り)では、共通テストを1000点満点(うち国語200点)で計算します(くわしくは工学部の配点)。共通テストの国語でも、大きく失敗しないことが大切です。

ほかの学部の国語の配点もふくめた一覧は「京都大学の学部別 配点一覧【2027年度】」にあります。

うかるくん

うかるくん

国語は125点で、数学は275点。やっぱり国語は後回しでいいんじゃないですか?

合格先生

合格先生

後回しはいいけれど、「0にする」のはだめです。合否判定では国語の1点も数学の1点も同じ1点。国語で20点上げるほうが、数学で難問をもう1題解くより楽なこともありますよ。

うかるくん

うかるくん

なるほど!数学の20点と国語の20点は同じ重さなんだ。

2008年の予想を答え合わせ:国語の配点はどうなった?

この記事を書いた時点では、京大から工学部の国語の配点は正式に発表されていませんでした。私は元の記事でこう予想しました。

センター試験の国語の配点は50点か100点ぐらいになり、2次個別試験の国語の配点は100点か150点くらいになるかと思われます。

そのころの工学部の一般的な配点は、次のようなものでした(2008年度まで。学科と配点方式により多少異なる)。

国語地歴数学理科外国語合計
センター試験1501000050300
2次個別試験――250250200700

国語が必須になった2009年度から、この配点は変わりました(今の配点は上の表のとおり)。当時はセンター試験の国語が150点と大きく、2次試験には国語がありませんでした。国語が2次試験に入るなら、センター試験の国語の割合は減るだろう、と考えたわけです。

2008年の予想を答え合わせ 2次試験(個別)の国語 2008年の予想:100〜150点 ▼ 今(2027年度):100点 ○ 共通テストの国語 2008年の予想:50〜100点 ▼ 今(2027年度):25点 △
図3 2008年の予想と2027年度の配点の答え合わせ

答え合わせをすると、2次試験の国語は100点で、予想の範囲に入りました。2008年12月に書いた「京都大学工学部の配点」のとおり、個別試験の国語100・数学250・理科250・外国語200の800点は、今も変わっていません。

一方、共通テストの国語は25点で、予想よりずっと小さくなりました。工学部は2次試験で数学・理科を重く見る学部なので、共通テストの比重全体が小さいのです。「国語の導入により、他教科の配点も多少変更されるかも知れません」とも書きましたが、これは当たっていたといえます。

京大工学部 国語の試験時間は90分(理系の国語)

京大の2次試験の国語は、国語(文系)と国語(理系)に分けて出題されます。工学部が受けるのは理系の国語です。令和9年度の入学者選抜要項では、試験は1日目(2月25日・木)の9時30分〜11時00分の90分です。文系の国語は120分なので、理系は30分短くなっています。

9時11時13時15時17時 1日目2/25(木) 2日目2/26(金) 国語90分 数学150分 英語120分 理科物理・化学 国語は入試のいちばん最初。ここで落ち着けるかが2日間を左右する 令和9年度 京都大学入学者選抜要項より作図
図4 京大工学部の個別試験の時間割(2027年度)

国語は2日間の入試のいちばん最初の科目です。ここで頭が真っ白になると、昼からの数学にも響きます。逆に、国語で「書けた」と思えれば、落ち着いて数学に向かえます。工学部の受験生にとって、国語は点数以上に「入試の流れをつくる科目」なのです。当日の流れは「2027年 京都大学の入試時間割」でも確かめてください。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

工学部の国語は1日目の朝いちばん。国語で落ち着けるかどうかで、そのあとの数学の出来も変わります。

京大工学部の国語の出題:現代文・古文の記述

京都大学は「個別学力検査の出題方針」を公表しています。国語では、論説文・随筆・小説など幅広いジャンルから、文体についても明治擬古文まで含めて問題文を選び、論述の形式で答えさせる、としています。古典では、古典文法の正確な理解をもとに文章を読み、現代語訳できる力を見る、という方針です。

つまり、工学部の国語も選択肢ではなく、すべて自分の言葉で書く記述式だと考えて準備しましょう。文系と理系で範囲は同じですが、問題は異なることがある、とされています。何題出るか、どれくらいの長さで書くかは年によって変わることがあるので、必ず過去問で確かめてください。

明治の文語文(擬古文)については「京大 国語 文語文(明治擬古文)の勉強法」でくわしく説明しています。古文の文法は「古文文法辞典」、とくに国公立2次試験で問われやすい点は「国公立二次・難関私大の古文文法」にまとめています。

京大工学部 国語の対策:数学・理科を削らずに点を取る

工学部の受験生は、数学と理科に多くの時間を使います。国語に同じだけの時間はかけられません。だからこそ、短い時間で点になる勉強を選ぶことが大切です。

合否判定では、どの教科の1点も同じ1点 国語で+20点 数学で+20点 数学の20点は大きな壁。国語の20点は記述の書き方と古文の基礎で届く差
図5 合否判定では、国語の20点も数学の20点も同じ重さ

1. 古文の単語と文法を先に固める

古文は、単語と文法を覚えた分だけ読めるようになります。現代文より「勉強した分が点になりやすい」分野です。高1・高2のうちに、学校の授業で助動詞と重要単語を固めておきましょう。助動詞の一覧は古文文法辞典で、和歌の読み方は百人一首で楽しく身につけられます。

2. 現代文は「本文の言葉で、筋道を書く」練習

京大の現代文は、傍線部の内容を説明させる問題が中心です。本文のどこに答えの材料があるかを探し、それをつないで自分の文にします。週に1題、時間を決めて書き、模範解答とくらべて直す。これを続けるだけで、記述の点は安定してきます。数学の答案で「筋道を書く」のと、考え方はよく似ています(京大数学の極意(答案の書き方))。

3. 漢字と語彙で取りこぼさない

記述の答案で、漢字を書きまちがえると減点されることがあります。読める漢字を「書ける漢字」にしておきましょう。漢字合格大作戦の常用漢字の一覧が使えます。京大の入試に出た漢字は「2014年の京大の漢字」でも紹介しています。

4. 過去問は「理系90分」で解く

高3の秋からは、京大の過去問を本番と同じ90分で解きます。時間内に全部の解答欄を埋めることが、まず最初の目標です。白紙の解答欄は0点ですが、書いてあれば部分点がもらえることがあります。

工学部志望の国語は「少しずつ・長く」 高1〜高2古文の単語・文法を学校の授業で固める高3 春〜夏現代文の記述を週1題、書いて直す高3 秋京大の過去問を理系90分で解く直前期古文単語の見直し1日20分を続ける 数学・理科の時間を削らないよう、国語は毎日の短い時間で
図6 工学部志望の国語の学年別計画
サクラちゃん

サクラちゃん

国語が苦手なので、京大工学部じゃなくて阪大にしようか迷ってます……。

合格先生

合格先生

2008年にも同じ迷いの受験生がいました。でも国語は100点、数学と理科は500点。国語が苦手でも、数学・理科で勝負できる学部です。国語は「大きく負けない」を目標にしましょう。

サクラちゃん

サクラちゃん

国語で勝たなくてもいいんだ。それなら続けられそう!

「国語があるから避ける」は損?2008年に書いたこと

2008年の元の記事では、こう書きました。

国語が導入されるので阪大に変更しようか迷う生徒もいましたが、国語の導入は逆に京大工学部受験の狙い目かもしれません。多くの受験生が国語を敬遠して阪大に志望校を変えがちですから。

「今の時期から二次国語対策をしておけば、今年の京大工学部入試は倍率的にも狙い目かもしれませんよ」とも書いています。これは国語が導入される最初の年についての、当時の私の見方です。今は国語があるのが当たり前になったので、「国語があるから倍率が下がる」とまでは言えません。

それでも、考え方は今も同じです。国語を理由に京大工学部をあきらめるのは、もったいない。国語は総点の約12.2%です。数学・理科で勝負しつつ、国語で大きく負けなければ、十分に合格をねらえます。数学がどれだけ大事かは「京大受験は数学が重要!学部別の配点比率」、経済学部(理系)と迷っている人は「京大の経済学部(理系)と工学部」も読んでみてください。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

国語は「大きく負けない」、数学・理科で「勝つ」。工学部の作戦が見えてきた!

合格までの作戦の立て方は「京大合格作戦の立て方」に、工学部の学生生活や女子の割合は「京大工学部女子の就職先と女子の割合」に書いています。

まとめ:京大工学部の国語

  • 工学部の2次試験の国語は2009年度から必須。それまでは1979年度から国語がなかった。
  • 2027年度の国語は共通テスト25点+個別試験100点=125点で、総点1025点の約12.2%。
  • 2008年の予想は、2次試験100点が的中。共通テストの国語は25点と、予想より小さくなった。
  • 試験は理系の国語・90分で、入試1日目の朝いちばん。答えはすべて記述式と考えて準備する。
  • 対策は、古文の単語・文法を先に固め、現代文の記述を週1題、高3秋から過去問を90分で。

国語全体の勉強の入口は「国語まとめ」です。わからないことは「受験の質問・相談」から気軽にどうぞ。京大受験の情報交換は、受験掲示板「100点BBS」の「京都大学受験掲示板」へ。

※配点・試験時間は令和9年度(2027年度)京都大学入学者選抜要項によります。出願の前に、12月中旬に公表される一般選抜学生募集要項で必ず確認してください。

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よくある質問

京大工学部の国語の配点は?

2027年度は共通テスト25点、個別試験(2次試験)100点の合計125点です。工学部の総点1025点の約12%にあたります。

京大工学部の2次試験に国語はいつからありますか?

2009年度入試からです。1979年度から2008年度までは、工学部の2次試験に国語はありませんでした。

京大工学部の国語の試験時間は?

理系の国語で90分です。2027年度は1日目(2月25日)の9時30分〜11時00分です。

京大工学部の国語は文系と同じ問題ですか?

京大の国語は文系と理系に分けて出題されます。範囲は同じですが、問題は異なることがあるとされています。工学部は理系の国語を受けます。

京大工学部の共通テストの国語は何点に換算されますか?

200点満点を25点に換算して合否判定に使います。第1段階選抜では1000点満点のうち国語200点で計算します。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 京都大学「令和9年度 京都大学入学者選抜要項」(工学部の配点・第1段階選抜・試験時間)
  • 京都大学「京都大学の個別学力検査の出題方針について」(国語の出題方針)
  • 京都新聞(2008年)の報道(工学部の2次試験に国語が必須になった経緯)
  • 2008年度までの工学部の配点は、2008年6月の元の記事の記載(学科と配点方式により多少異なる)

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦

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