黄金比と白銀比の公式|1:(1+√5)/2・1:√2 の求め方と証明・A4の紙・正五角形とcos36°【高校受験〜大学受験】

黄金比と白銀比の公式|1:(1+√5)/2・1:√2 の求め方と証明・A4の紙・正五角形とcos36°【高校受験〜大学受験】

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高校受験大学受験

φ=1+52,1:2\varphi=\frac{1+\sqrt5}{2},\qquad 1:\sqrt2

黄金比 1:φ1:\varphi(約 1:1.6181:1.618)、白銀比 1:21:\sqrt2(約 1:1.4141:1.414)

この公式のポイント

  • 黄金比は正方形を切り取っても同じ形
  • x2−x−1=0x^2-x-1=0 から φ=1+52\varphi=\dfrac{1+\sqrt5}{2}
  • 白銀比 1:21:\sqrt2 は半分に折っても同じ形(A4の紙)
  • 正五角形の対角線:辺=φ:1\varphi:1
うかるくん

うかるくん

黄金比の 1.618… って、どうしてそんな半端な数になるの?

合格先生

合格先生

正方形を切り取っても同じ形になる条件 1:x=(x−1):11:x=(x-1):1 から、x2−x−1=0x^2-x-1=0 を解いた答えだからだ。

黄金比と白銀比

黄金比と白銀比は、長方形の「縦:横」などに出てくる特別な比です。どちらも「切ったり折ったりしても同じ形のまま」という性質から決まります。

2つの比

黄金比 1:φ1:\varphi(ファイ)

φ=1+52=1.6180⋯ ,φ2=φ+1,1φ=φ−1=0.6180⋯\varphi=\frac{1+\sqrt5}{2}=1.6180\cdots,\qquad \varphi^2=\varphi+1,\qquad \frac1\varphi=\varphi-1=0.6180\cdots

白銀比 1:21:\sqrt2(2=1.4142⋯\sqrt2=1.4142\cdots)

  • 黄金長方形:正方形を切り取ると、残りが同じ形
  • 白銀長方形:半分に折ると、同じ形(A判・B判の紙)
正方形1φ−11φ(約1.618)もとの長方形 縦:横=1:φ残りの長方形 縦:横=(φ−1):1同じ形になる1:φ=(φ−1):1
黄金長方形から正方形を切り取ると、残りの長方形ももとと同じ形(相似)

呼び名の注意:日本では 1:21:\sqrt2 を「白銀比」(大和比)とよぶことが多いですが、1:(1+2)1:(1+\sqrt2) を白銀比とよぶ本もあります。問題文でどちらの意味か確かめましょう。このページでは 1:21:\sqrt2 を白銀比とします。

証明(なぜこの値になるのか)

黄金比:正方形を切り取っても同じ形

縦 1、横 xx(x>1x>1)の長方形から、1辺1の正方形を切り取ると、残りは縦 1、横 x−1x-1 の長方形です。残りの長方形は向きを変えると「短い辺 x−1x-1、長い辺 1」。これがもとの長方形(短い辺 1、長い辺 xx)と同じ形になる条件は

1:x=(x−1):1⟹x(x−1)=1⟹x2−x−1=01:x=(x-1):1\quad\Longrightarrow\quad x(x-1)=1\quad\Longrightarrow\quad x^2-x-1=0

解の公式で x=1±52x=\dfrac{1\pm\sqrt5}{2}。x>0x>0 なので x=1+52=φx=\dfrac{1+\sqrt5}{2}=\varphi。この式から φ2=φ+1\varphi^2=\varphi+1、両辺を φ\varphi でわって φ=1+1φ\varphi=1+\dfrac1\varphi、つまり 1φ=φ−1\dfrac1\varphi=\varphi-1 も出てきます。

白銀比:半分に折っても同じ形

短い辺 1、長い辺 xx の長方形を、長い辺の真ん中で半分に折ると、短い辺 x2\dfrac x2、長い辺 1 の長方形になります。もとと同じ形になる条件は

1:x=x2:1⟹x22=1⟹x=21:x=\frac x2:1\quad\Longrightarrow\quad \frac{x^2}{2}=1\quad\Longrightarrow\quad x=\sqrt2

だから A4 を半分にした A5 も、さらに半分の A6 も、みな 1:21:\sqrt2 です。半分に折ると面積は 12\dfrac12、相似比は 1:21:\sqrt2(面積比 1:21:2)になっています。

A5A6A6全体が A4(210mm×297mm)A4:210×297A5:148×210A6:105×148半分に折っても縦:横=1:√2(√2=1.414…)
A判の紙は、半分に折っても縦:横=1:√2 のまま

正五角形と黄金比

頂角が 36° の二等辺三角形 ABC(AB=AC=1)で、∠B(72°)の二等分線 BD を引くと、△BCD も頂角 36° の二等辺三角形になり、△ABC∽△BCD です。BC=xBC=x とすると、AD=BD=BC=xAD=BD=BC=x、DC=1−xDC=1-x なので

1:x=x:(1−x)⟹x2+x−1=0⟹x=5−12=1φ1:x=x:(1-x)\quad\Longrightarrow\quad x^2+x-1=0\quad\Longrightarrow\quad x=\frac{\sqrt5-1}{2}=\frac1\varphi

この三角形は正五角形の「対角線2本と辺1本」でできる三角形です。だから正五角形の対角線と辺の比は φ:1\varphi:1(黄金比)になります(トレミーの定理でも確かめられます)。

ABCD36°36°36°72°1x1−xxx△ABC∽△BCDAB:BC=BC:CD1:x=x:(1−x)x²=1−xx=(√5−1)÷2=0.618…=1÷φ
頂角36°の二等辺三角形。底角の二等分線で相似な三角形ができ、黄金比が出てくる

フィボナッチ数とのつながり:1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, …(フィボナッチ数)のとなりどうしの比は 138=1.625\dfrac{13}{8}=1.625、2113=1.615⋯\dfrac{21}{13}=1.615\cdots、3421=1.619⋯\dfrac{34}{21}=1.619\cdots、5534=1.617⋯\dfrac{55}{34}=1.617\cdots と、φ=1.618⋯\varphi=1.618\cdots に近づいていきます。

黄金比は「美しい比」として紹介されることが多いですが、有名な建物や絵画に使われているという話には、根拠のはっきりしないものもあります。数学として確かなのは、上の性質です。

高校受験(中学数学)での使い方

中学3年の平方根・二次方程式・相似を組み合わせた問題で出てきます。「同じ形になる」を比の式にして、二次方程式を解くのが基本です。

高校受験

例題1(白銀比とA4の紙)

縦:横=1:2\sqrt2 の長方形で、短い辺が 210mm のとき、長い辺は何 mm ですか。2=1.414\sqrt2=1.414 として、小数第1位まで求めなさい。

解き方

長い辺は短い辺の 2\sqrt2 倍。210×1.414=296.94210\times1.414=296.94 なので、約 296.9mm。

実際の A4 の紙は 210mm×297mm で、ほぼ 1:21:\sqrt2 になっています。

答え 約 296.9mm

高校受験

例題2(黄金長方形)

短い辺が 2cm、長い辺が (1+5)(1+\sqrt5)cm の長方形から、1辺 2cm の正方形を切り取ります。残った長方形の短い辺の長さを求め、残りの長方形の「長い辺÷短い辺」がもとと同じになることを確かめなさい。

解き方

残りの短い辺は (1+5)−2=5−1(1+\sqrt5)-2=\sqrt5-1(cm)、長い辺は 2cm。

25−1=2(5+1)(5−1)(5+1)=2(5+1)4=1+52\dfrac{2}{\sqrt5-1}=\dfrac{2(\sqrt5+1)}{(\sqrt5-1)(\sqrt5+1)}=\dfrac{2(\sqrt5+1)}{4}=\dfrac{1+\sqrt5}{2}。もとの 1+52\dfrac{1+\sqrt5}{2} と同じです。

答え (5−1)(\sqrt5-1)cm(比はどちらも 1+52\dfrac{1+\sqrt5}{2})

大学受験での使い方

大学受験

例題3(cos36°を求める)

頂角 A=36∘A=36^\circ、AB=AC=1AB=AC=1 の二等辺三角形 ABC を使って、cos⁡36∘\cos36^\circ の値を求めなさい。

解き方

上の証明より BC=x=5−12BC=x=\dfrac{\sqrt5-1}{2}、AD=BD=xAD=BD=x。

△ABD は AD=BDAD=BD の二等辺三角形で、∠BAD=∠ABD=36∘\angle BAD=\angle ABD=36^\circ。D から AB に垂線をおろすと、その足は AB の中点なので cos⁡36∘=1/2x=12x=15−1=5+14\cos36^\circ=\dfrac{1/2}{x}=\dfrac{1}{2x}=\dfrac{1}{\sqrt5-1}=\dfrac{\sqrt5+1}{4}。

答え cos⁡36∘=1+54\cos36^\circ=\dfrac{1+\sqrt5}{4}(=φ2=\dfrac{\varphi}{2})

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

x2−x−1=0x^2-x-1=0 の負の解 1−52\dfrac{1-\sqrt5}{2} を残してはだめだ。長さは正の数だぞ。

  • 黄金比を 1:1.61:1.6 ちょうどとする:φ=1+52\varphi=\dfrac{1+\sqrt5}{2} は無理数で、1.618⋯1.618\cdots と続きます。計算は φ2=φ+1\varphi^2=\varphi+1 を使うと正確です。
  • 二次方程式の負の解を残す:x2−x−1=0x^2-x-1=0 の解 1−52\dfrac{1-\sqrt5}{2} は負なので、長さとしては使えません。
  • 白銀比の意味の取りちがえ:1:21:\sqrt2 と 1:(1+2)1:(1+\sqrt2) の両方の使い方があります。問題文の定義に合わせましょう。

練習問題

ひらめいたうかるくん

うかるくん

φ2=φ+1\varphi^2=\varphi+1 を使えば計算が楽になるね!

  1. 高校受験 φ=1+52\varphi=\dfrac{1+\sqrt5}{2} のとき、φ2=φ+1\varphi^2=\varphi+1 が成り立つことを確かめなさい。
    答えと解説を見るφ2=1+25+54=3+52\varphi^2=\dfrac{1+2\sqrt5+5}{4}=\dfrac{3+\sqrt5}{2}、φ+1=1+52+1=3+52\varphi+1=\dfrac{1+\sqrt5}{2}+1=\dfrac{3+\sqrt5}{2}。等しい
  2. 高校受験 A4 の紙(210mm×297mm)を2枚、長い辺どうしをくっつけて並べると、何 mm×何 mm の紙になりますか。
    答えと解説を見る短い辺が2倍になるので 420mm×297mm(これが A3 の大きさ 297mm×420mm)
  3. 大学受験 φ2=φ+1\varphi^2=\varphi+1 をくり返し使って、φ5\varphi^5 を a+b5a+b\sqrt5 の形で表しなさい。
    答えと解説を見るφ3=φ2+φ=2φ+1\varphi^3=\varphi^2+\varphi=2\varphi+1、φ4=3φ+2\varphi^4=3\varphi+2、φ5=5φ+3=5+552+3=11+552\varphi^5=5\varphi+3=\dfrac{5+5\sqrt5}{2}+3=\dfrac{11+5\sqrt5}{2}

関連する公式

この公式に出てくる用語(数学用語辞典)

よくある質問

黄金比とはいくつですか?

1:(1+√5)/2 で、およそ 1:1.618 です。長方形から正方形を切り取ったとき、残りの長方形がもとと同じ形になる比です。

白銀比とは何ですか?

日本ではふつう 1:√2(約1:1.414)のことで、半分に折っても同じ形になる比です。A判・B判の紙の縦横の比です。1:(1+√2) を白銀比とよぶこともあります。

黄金比はどうやって求めますか?

縦1・横xの長方形から正方形を切り取った残りが同じ形になる条件 1:x=(x−1):1 から x²−x−1=0 を解き、正の解 x=(1+√5)/2 を求めます。

A4の紙が1:√2なのはなぜですか?

半分に折っても同じ形になるようにするためです。1:x=(x/2):1 を解くと x=√2 になります。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第3学年(平方根・二次方程式・図形の相似)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅰ(図形と計量)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦