
この記事の結論
- 2桁×11は、両はしに十の位と一の位、まん中に2つの数字の和を入れるだけ
- 例:42×11 → 4と2のあいだに 4+2=6 → 462
- まん中が10以上なら1を左に繰り上げる(87×11 → 8+7=15 → 957)
うかるくん
42×11って、42×10+42で……うーん、頭の中だとこんがらがるよ。
サクラちゃん
11をかけるときだけの、もっと楽なやり方はないのかな?
合格先生
あるぞ。42の4と2を左右にわけて、あいだに4+2を入れるだけだ。
11をかける計算は、インド式かけ算の中でもいちばん覚えやすい方法のひとつです。九九も使わず、たし算1回で答えが出ます。
2桁×11のやり方(3ステップ)
- かけられる数の十の位を左はし、一の位を右はしに置きます(4□2)。
- まん中の□に、十の位+一の位を入れます(4+2=6)。
- 左から読んだものが答えです(462)。
11×11なら、1と1のあいだに1+1=2で 121。63×11なら、6と3のあいだに9で 693。答えはかならず、もとの数の数字が両はしに来ます。
| 問題 | 両はし | まん中(和) | 答え |
|---|---|---|---|
| 11×11 | 1□1 | 1+1=2 | 121 |
| 42×11 | 4□2 | 4+2=6 | 462 |
| 63×11 | 6□3 | 6+3=9 | 693 |
| 35×11 | 3□5 | 3+5=8 | 385 |
繰り上がりがあるとき:87×11
十の位と一の位の和が10以上になるときは、まん中に2桁は入りません。和の一の位だけをまん中に置き、十の位の1を左に繰り上げます。ここがいちばん間違えやすいところです。
- 両はしに8と7を置きます(8□7)。
- まん中は 8+7=15。2桁になりました。
- 15の5をまん中に置き、1を左の8に足して9にします。
- ならべて 957。これが答えです。
95×11なら、9+5=14 → まん中は4、左は 9+1=10 → 答えは 1045。99×11は、9+9=18 → 左は10 → 1089 です。左はしが10になったら、そのまま「10」と書けば大丈夫です。
うかるくん
繰り上がっても、足すのは左に1だけなんだね!
合格先生
そうだ。まん中の和は最大でも 9+9=18。だから繰り上がるのはいつも1だ。
なぜこの方法で計算できるの?
筆算で見る
11は「10+1」です。だから 42×11 は、42×1 と 42×10 をたしたものです。筆算にすると、42と、1けた左にずらした42をたすことになり、まん中の位だけ4と2が重なります。両はしの位は、数字が1つしかないのでそのまま残ります。
面積図で見る
42×11は、よこ42、たて11の長方形の面積です。たてを10と1に分けると、42×10=420 の大きな長方形と、42×1=42 の細い帯になります。420+42 をたすと、十の位で2と4が重なって6になり、462です。
文字式で見る(中学生向け)
十の位を a、一の位を b とすると、2桁の数は 10a+b と書けます。
(10a+b)×11=(10a+b)×(10+1)
=100a+10b+10a+b
=100×a+10×(a+b)+b
百の位が a、十の位が a+b、一の位が b です。a+b が10以上なら、10×(a+b) が100をこえるので、百の位に1が繰り上がります。これが「1を左へ」の正体です。式の展開は乗法公式のページでも図で説明しています。
使えるとき・使えないときの見分け方
この方法は「×11」専用です。ただし、22や33のような11の倍数なら、先に×11をしてから2倍・3倍すれば使えます。
まん中の和で迷ったら、下の流れ図のように「9以下か、10以上か」だけを見ればOKです。
よくある間違い

合格先生
まん中に入れるのはかけ算(積)ではなくたし算(和)だぞ!
答えに自信がないときは、もとの数×10+もとの数(87×11=870+87=957)で確かめましょう。また、繰り上がりがないとき、答えの両はしはかならずもとの数と同じです。
練習問題①(繰り上がりなし 10問)

合格先生
まずは繰り上がりのない10問。両はしを書いて、まん中にたし算だ!
- 63×11=
- 54×11=
- 23×11=
- 72×11=
- 16×11=
- 81×11=
- 35×11=
- 44×11=
- 26×11=
- 18×11=
答えを見る
- 63×11=693 (6|6+3=9|3)
- 54×11=594 (5|5+4=9|4)
- 23×11=253 (2|2+3=5|3)
- 72×11=792 (7|7+2=9|2)
- 16×11=176 (1|1+6=7|6)
- 81×11=891 (8|8+1=9|1)
- 35×11=385 (3|3+5=8|5)
- 44×11=484 (4|4+4=8|4)
- 26×11=286 (2|2+6=8|6)
- 18×11=198 (1|1+8=9|8)
練習問題②(繰り上がりあり 10問)
まん中の和がすべて10以上になる問題です。1を左へを忘れずに。
- 38×11=
- 57×11=
- 66×11=
- 74×11=
- 85×11=
- 29×11=
- 93×11=
- 47×11=
- 99×11=
- 68×11=
答えを見る
- 38×11=418 (3+8=11 → 1を左へ → 4|1|8)
- 57×11=627 (5+7=12 → 1を左へ → 6|2|7)
- 66×11=726 (6+6=12 → 1を左へ → 7|2|6)
- 74×11=814 (7+4=11 → 1を左へ → 8|1|4)
- 85×11=935 (8+5=13 → 1を左へ → 9|3|5)
- 29×11=319 (2+9=11 → 1を左へ → 3|1|9)
- 93×11=1023 (9+3=12 → 1を左へ → 10|2|3)
- 47×11=517 (4+7=11 → 1を左へ → 5|1|7)
- 99×11=1089 (9+9=18 → 1を左へ → 10|8|9)
- 68×11=748 (6+8=14 → 1を左へ → 7|4|8)
応用①:3桁×11
3桁でも考え方は同じです。両はしはそのまま、あいだにはとなりどうしの和を順に入れます。
352×11なら、3|3+5|5+2|2 → 3・8・7・2 で 3872。和が10以上になったら、右から順に1を左へ繰り上げます。たとえば 785×11 は 7|15|13|5 → 右から 13の1を左へ(15+1=16)、16の1を左へ(7+1=8)で 8635 です。
| 問題 | となりどうしの和 | 答え |
|---|---|---|
| 123×11 | 1|3|5|3 | 1353 |
| 352×11 | 3|8|7|2 | 3872 |
| 785×11 | 7|15|13|5 → 右から繰り上げ | 8635 |
応用②:2桁×111
111は「100+10+1」です。2桁の数を、1けたずつずらして3回たすことになります。23×111なら、2|2+3|2+3|3 → 2・5・5・3 で 2553。まん中に和が2回ならびます。
34×111=3774、48×111=4・12・12・8 → 右から繰り上げて 5328 です。

うかるくん
11は2回、111は3回ずらしてたすんだ。しくみが分かれば、何桁でもできるね!
おまけ:11の累乗とパスカルの三角形
11×11=121、121×11=1331、1331×11=14641。この方法で11を次々にかけていくと、パスカルの三角形の数(1・2・1、1・3・3・1、1・4・6・4・1)がそのまま出てきます。となりどうしをたす計算が、パスカルの三角形の作り方と同じだからです。高校で習う二項定理にもつながります。
おまけ:答えが11の倍数か確かめる
×11の答えは、もちろん11の倍数です。11の倍数かどうかは、数字を左から「たす・引く・たす……」と交互に計算して、0か11の倍数になるかで見分けられます。中学受験でよく使う「11の倍数の見分け方」です。
| 答え | 交互に計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 462 | 4−6+2 | 0 → 11の倍数 |
| 957 | 9−5+7 | 11 → 11の倍数 |
| 8635 | 8−6+3−5 | 0 → 11の倍数 |
答えが3桁なら、両はしの和からまん中を引くと、かならず0か11になります。計算ミスをしたときは、この確かめでたいてい見つかります。
どこで役に立つ?
- 中学受験:11の倍数、11×11=121、3.14×11=34.54 など、計算の工夫の問題で役に立ちます。
- 高校受験:11²=121 のような2乗の数、22・33をかける計算(31×22=682)を速く確かめられます。
- 大学受験:11³=1331、11⁴=14641 と二項係数の関係は、二項定理の問題の検算に使えます。
うかるくん
11をかける計算は、もうこわくない! みんなもやってみてね。
インド式かけ算シリーズ
- 第一回 十の位を足すと10、一の位が同じ(72×32など)
- 第二回 十の位が同じで、一の位を足すと10(47×43など)
- 第三回 2桁×11(42×11など)(この記事)
- 第四回 くれない算(11〜19どうし)(12×16など)
- 第五回 和と差の積の公式が使える(53×47など)
- 第六回 一の位が1の数をかける(60×31など)
- 第七回 一の位が9の数をかける(60×39など)
- 第八回 たすきがけ(どんな2桁×2桁でも)(23×41など)
- 第九回 100に近い数どうし(97×96など)
どの数のときにどの方法を使うかは「インド式かけ算・目次と早見表」へ。11〜19どうしのかけ算は、名前で覚えるくれない算がおすすめです。
くれない算の本家ページ(京大紅萌会)
小学生にもわかるように、ふりがな・イラストつきで説明しています。
くれない算(紅算)のやり方|11〜19のかけ算が頭の中でできる ›
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よくある質問
2桁×11を暗算するには?
十の位と一の位を両はしに置き、まん中に2つの数字の和を入れます。42×11なら4と2のあいだに4+2=6を入れて462です。
87×11のように、まん中が2桁になったら?
8+7=15の5をまん中に置き、1を左の8に足して9にします。答えは957です。繰り上がるのはいつも1です。
なぜまん中に和を入れるのですか?
11は10+1なので、42×11=420+42です。筆算にすると、まん中の位だけ4と2が重なってたし算になるからです。
3桁×11にも使えますか?
使えます。両はしはそのまま、あいだにとなりどうしの和を入れます。352×11なら3|8|7|2で3872です。
22や33をかけるときにも使えますか?
使えます。先に×11をしてから2倍・3倍します。42×22なら、42×11=462を2倍して924です。
答えが合っているか確かめるには?
もとの数×10+もとの数で確かめられます。87×11なら870+87=957です。
あわせて読みたい
出典・参考
- 計算のしくみは、筆算と中学校数学の「式の展開」による説明です
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦











