配点で志望校を選ぶ方法|得意科目の配点比率の計算と大学受験年鑑の使い方【図解】

この記事の結論

  • 志望校選びでは、自分の得意な教科で受験でき、その教科の配点が高い大学・学部・受験方式を選ぶのが近道です。得意科目の配点を総点で割った「配点比率」で比べます。
  • 同じ大学・同じ学部でも、方式によって配点はちがいます(例:京大の経済学部は文系と理系で数学の割合が約24%と約37%)。たくさんの大学の配点を見比べるには『全国大学受験年鑑』のような1冊が便利で、最後は大学公式の選抜要項・募集要項で確かめます。

2014年10月、私はこのページでこう書きました。

AO入試・推薦入試が始まり、早いところでは結果も届き始めました。いよいよ受験シーズン到来です。

志望校選びで迷っている人は、なるべく自分の得意な教科で受験できる大学・学部を選びましょう。

また、教科の配点にも注意です。得意科目の配点が高い受験方式を選べば1ランク上の大学も見えてきますよ!

受験情報を調べるには「全国大学受験年鑑 2014年」がお勧めです。

ここで紹介したのは2014年当時の号です。AO入試・推薦入試は、2021年度入試から「総合型選抜」「学校推薦型選抜」という名前に変わりました。名前は変わっても、秋に推薦・総合型の入試が始まり、冬に一般選抜が本番を迎えるという流れは同じです。

2026年10月に、この記事を「配点で志望校を選ぶ方法」として書き直しました。元の記事の2つの考え方、「得意な教科で受験できる大学・学部を選ぶ」と「得意科目の配点が高い方式なら1ランク上も見えてくる」を、実際の大学の配点と計算で確かめていきます。志望校についてどんな情報を集めるかの全体は「志望校の情報の集め方」にまとめているので、この記事では配点にしぼって深く見ていきます。

全国大学受験年鑑とは?志望校選びに使える1冊

コンテンツ 非表示

『全国大学受験年鑑』は、受験雑誌「螢雪時代」(旺文社)の臨時増刊として出ている本です。毎年、入試区分ごとの号が出ていて、一般選抜向けの号のほか、推薦・総合型選抜向けの号もあります。

2025年10月に出た一般選抜向けの号(11月増刊)の内容紹介を見ると、次のようなものが載っています。

  • 全国の大学の入試科目・配点の一覧
  • 国公立大学・私立大学の合格最低点
  • 前の年の全国の大学の入試結果
  • 入試科目・配点のデータの活用のしかた、出願のプランの立て方
  • 学費の早見表、学部の系統別の入試日程カレンダー(別冊の付録)

この本のよいところは、たくさんの大学の配点を、同じ形の表で見比べられることです。大学の公式サイトは1校ずつ開いて、選抜要項のPDFを探して…と手間がかかります。年鑑なら、同じ系統の学部をまとめて見て、「英語の配点が大きい大学」「数学を使わずに受けられる方式」といった候補を短い時間で拾い出せます。

年鑑は「候補を探す」、公式の要項は「確かめる」

年鑑は、秋の時点で集められた情報をもとに作られています。そのあとに大学が配点や日程を変えることもあります。そこで、使い分けはこうです。

  • 年鑑で候補を広く探す:系統・地域・科目の条件で、受けられそうな大学・学部・方式を拾い出す。
  • 大学の公式で確かめる:候補がしぼれたら、その大学の選抜要項・募集要項で配点・科目・日程を確かめる。

年鑑は値段の高い本なので、まずは学校の進路指導室や図書館に置いてあるか見てみるとよいでしょう。大学の資料(募集要項・大学案内)の手に入れ方は「大学の願書・募集要項の入手方法」にまとめています。大学そのものの選び方(定員割れのニュースの読み方や卒業生の進路の調べ方)は「『下流大学が日本を滅ぼす!』の紹介と大学選び」で書いています。

得意科目の配点比率の計算のしかた

「得意科目の配点が高い」とは、具体的にどういうことでしょうか。配点の数字そのもの(200点、300点)だけを見ても、大学によって総点がちがうので比べられません。そこで使うのが配点比率です。

配点比率=その科目の配点÷総点。これだけです。

配点比率の出し方 得意科目の配点350点 ÷ 総点950点 = 配点比率約37% 数学 ほかの科目 例:京大 経済学部(理系)の数学=共通テスト50点+個別300点 2027年度 京都大学入学者選抜要項の配点から計算
図1 配点比率の出し方。得意科目の配点を総点で割る

たとえば京都大学(京大)の経済学部(理系)は、2027年度の配点で総点950点です。そのうち数学は、共通テスト(大学入学共通テスト、旧センター試験)の数学50点と、2次試験(個別学力検査)の数学300点で、合わせて350点。350÷950で約37%です。総点の3分の1をこえる点が、数学だけで決まることになります。

計算のときの3つの注意

  1. 共通テストの点は「換算後」の点を使う:共通テストは1000点満点前後で受けますが、大学はそれを決まった点数に換算して使います。京大の経済学部なら、共通テストの各教科が50点・情報が50点の計300点です。選抜要項の表にある換算後の数字で計算します。
  2. 共通テストと2次の両方を足す:同じ「数学」でも、共通テストと2次試験に分かれています。両方を足すと、その科目の本当の重さが分かります。2次試験の分だけで比べてもかまいませんが、比べる大学どうしで同じやり方にそろえます。
  3. 選択科目は「自分が選ぶ科目」で計算する:理科や地理歴史を選ぶ形なら、自分が受ける科目の配点で計算します。

京大の学部別:2次試験の数学・外国語・理科の割合

京大の学部ごとに、2次試験の数学・外国語・理科が総点の何%かを計算してみました(2027年度の京都大学入学者選抜要項の配点から。共通テストの分は入れていません)。

学部・区分総点2次の数学2次の外国語2次の理科
総合人間(文系)825点200点(24%)200点(24%)―
総合人間(理系)825点200点(24%)150点(18%)200点(24%)
文学部750点100点(13%)150点(20%)―
教育(文系)915点150点(16%)200点(22%)―
教育(理系)915点200点(22%)200点(22%)100点(11%)
法学部885点150点(17%)200点(23%)―
経済(文系)850点150点(18%)150点(18%)―
経済(理系)950点300点(32%)200点(21%)―
理学部1225点300点(24%)225点(18%)300点(24%)
医学部 医学科1275点250点(20%)300点(24%)300点(24%)
医学部 人間健康科学科1025点200点(20%)200点(20%)200点(20%)
薬学部920点200点(22%)200点(22%)200点(22%)
工学部1025点250点(24%)200点(20%)250点(24%)
農学部1050点200点(19%)200点(19%)200点(19%)

こうして並べると、同じ京大でも数学の割合は文学部の約13%から経済学部(理系)の約32%まで、2倍以上の開きがあることが分かります。医学部医学科は外国語が300点で、総点の約24%です。学部ごとの配点の全体(共通テストの内訳や第1段階選抜の倍率)は「京都大学の学部別 配点一覧」に、京大で数学がどれほど大事かは「京大受験は数学が重要!学部別の配点比率」にくわしく書いています。工学部だけ共通テストの英語の扱いがちがう点は「京大工学部の配点」へ。

東京大学(東大)も見てみましょう。総点は共通テスト110点+2次試験440点の550点です。2次試験の数学は、文科が80点、理科が120点なので、総点に対して文科は約15%、理科は約22%です。東大の入試の全体は「東大合格大作戦」へ。

うかるくん

うかるくん

配点って、科目ごとの点数を見ればいいと思ってました。総点で割らないといけないんですか?

合格先生

合格先生

大学によって総点がちがうからね。数学200点でも、総点が750点の大学と1275点の大学では重さがちがう。総点で割って%にすれば、どの大学どうしでも比べられるんだ。

うかるくん

うかるくん

%にすれば、受けたい大学を同じものさしで並べられるんですね!さっそく計算してみます。

同じ大学でも方式で配点が違う

元の記事で「得意科目の配点が高い受験方式を選べば」と書いたように、大学によっては同じ学部の中に、配点のちがう入り口がいくつもあります。ここでは、経済学部を例に3つの大学を見てみます。

例1:京大の経済学部は「文系」と「理系」

京大の経済学部は、一般選抜の中に文系と理系の2つの区分があります。文系は2次試験で国語・地理歴史・数学・外国語、理系は国語・数学・外国語を受け、配点がちがいます。

京大 経済学部:文系と理系で数学の重さがちがう 文系総点850点 24% 数学200点(共通テスト50+個別150) 理系総点950点 37% 数学350点(共通テスト50+個別300) 数学 ほかの科目 2027年度 選抜要項より
図2 京大の経済学部は、文系と理系で数学が総点にしめる割合がちがう(2027年度)

数学の割合は、文系が約24%(850点のうち200点)、理系が約37%(950点のうち350点)です。数学が得意な人なら理系の区分、地理歴史が得意で数学はそこそこという人なら文系の区分、というように、同じ学部でも自分に合う入り口を選べます。京大の経済学部と工学部で迷っている人の相談は「京大の経済学部と工学部どちらにする?」で答えています。

例2:神戸大学の経済学部は「3つの選抜」

神戸大学の経済学部は、前期日程が数学選抜・英数選抜・総合選抜の3つに分かれています(2027年度の募集人員は数学選抜30人・英数選抜30人・総合選抜160人)。共通テストはどれも450点ですが、2次試験の450点の中身がちがいます。

神戸大学 経済学部:3つの選抜で個別の配点がちがう 数学選抜共通テスト450数450英数選抜共通テスト450数225英225総合選抜共通テスト450国150数150英150 総点はどれも900点(2027年度 神戸大学入学者選抜要項)
図3 神戸大学の経済学部は、3つの選抜で2次試験の配点がちがう(2027年度)
  • 数学選抜:2次試験は数学だけで450点。総点900点の半分が2次の数学です。
  • 英数選抜:数学225点・英語225点。数学と英語の両方が得意な人向けです。
  • 総合選抜:国語・数学・英語が各150点。3教科をバランスよく取れる人向けです。

同じ「神戸大学 経済学部」でも、数学が得意な人にとっては数学選抜、国語も得意な人にとっては総合選抜が有利になるかもしれません。どれを選ぶかは、過去問を解いてみてから決めるのがおすすめです。神戸大学の入試と勉強法は「神戸大学 合格の勉強法と参考書」にまとめています。

例3:慶應義塾大学の経済学部は「A方式」と「B方式」

私立大学では、方式のちがいがもっとはっきりしています。慶應義塾大学(慶應)の経済学部の一般選抜は、A方式とB方式に分かれています。

慶應 経済学部:A方式とB方式で科目がちがう A方式英語 200数学 200 → 数学が得意な人に向くB方式英語 200地歴 200 → 地歴が得意な人に向く どちらも400点満点(2027年度の一般選抜)
図4 慶應の経済学部は、A方式とB方式で受ける科目がちがう(2027年度)

どちらも英語が200点ですが、残りの200点がA方式は数学、B方式は地理歴史です。数学が得意な人はA方式、歴史や地理が得意な人はB方式を選べます。どちらも400点満点なので、もう1つの科目が総点の半分をしめます。早稲田大学・慶應の学部ごとの科目と配点は「早稲田・慶應 合格大作戦」に図でまとめています。

私立大学は方式がとても多い

私立大学には、ほかにも次のような方式があります(名前や中身は大学ごとにちがいます)。

  • 3教科で受ける方式と、2教科や1教科で受ける方式
  • 英語の配点を大きくした方式、英語の外部試験の成績を使う方式
  • 共通テストの成績だけで合否を決める方式、共通テストと大学の試験を組み合わせる方式
  • 同じ問題で、学部ごとに配点を変えて判定する方式

方式が多いぶん、自分の得意科目で勝負できる方式が見つかりやすいのが私立大学です。中部・近畿の私立大学の一覧と、各大学の受験掲示板へのリンクは「中部・近畿の私立大学一覧」にあります。

人差し指を立てて説明する合格先生

合格先生

同じ大学・同じ学部でも、入り口は1つとは限らない。選抜要項の最初にある「入試の種類と募集人員」の表で、方式がいくつあるかをまず確かめよう。

得意科目の配点が高い方式なら1ランク上も見えてくる

元の記事の「1ランク上の大学も見えてきますよ!」は、どういうしくみなのでしょうか。仮の数で計算してみます。

ある受験生の得点率が、英語80%・数学50%・国語60%だったとします。英語が得意で、数学が苦手なタイプです。この人が、次の2つの方式を受けたらどうなるでしょう。

得意科目の配点が高い方式なら1ランク上も(仮の数) 英語 80%数学 50%国語 60% 合格ライン70%(仮) 方式X63%3科目 各100点 → 190点/300点 方式Y73%英語200点・国語100点 → 220点/300点 数字はしくみを見せるための仮の数です
図5 得意科目の配点が高い方式を選ぶと、同じ実力でも総点の得点率が上がる(仮の数)
  • 方式X(英語・数学・国語が各100点、計300点):80+50+60=190点。得点率は約63%。
  • 方式Y(英語200点・国語100点、計300点):160+60=220点。得点率は約73%。

実力はまったく同じなのに、方式を変えただけで得点率が10ポイントも上がりました。合格ラインが70%の大学なら、方式Xでは届かず、方式Yなら届きます。これが「得意科目の配点が高い方式なら1ランク上も見えてくる」のしくみです。

ただし、まわりの受験生も同じことを考える

ここで注意したいのは、英語の配点が大きい方式には、英語が得意な受験生が集まりやすいことです。そのため、方式によって合格最低点がちがうことがあります。年鑑や大学の入試結果で方式ごとの合格最低点が分かるなら、「自分の得点率」と「その方式の合格最低点の得点率」を比べて判断します。数字が出ていなければ、倍率(受験者数÷合格者数)の動きも合わせて見ておきましょう。

苦手科目を「使わない」方式にも注意

苦手な科目を使わない方式は魅力的です。ただし、国公立大学では共通テストで多くの教科を受けることが多く、私立大学の方式だけに合わせて苦手科目を早くからやめてしまうと、あとで志望校を変えたくなったときに困ります。高2のうちは科目をしぼりすぎないのが安全です。

募集要項・選抜要項の配点の見方

配点のいちばん確かな出どころは、大学の公式の選抜要項(入学者選抜要項)と募集要項(学生募集要項)です。選抜要項は入試の前の年の夏ごろに出る「予告」、募集要項は秋から冬に出る「出願の手引き」です。配点の表を見るときは、次の4か所を見ます。

選抜要項の「配点の表」はここを見る 令和9年度 選抜要項(例:京大 理学部) 学部理学部共通250国語150数学300理科300外国語225総点1225 ①年度令和○年度か②共通テスト換算後の点③得意科目総点の何%か④総点全体の大きさ ③は数学(300)と理科(300)で、どちらも総点の約24%
図6 選抜要項の配点の表は、年度・共通テストの換算・得意科目の割合・総点を見る(例:京大理学部、2027年度)
  1. 年度:表紙や表の上の「令和○年度」を必ず確かめます。検索で出てきたPDFが去年のものだった、ということはよくあります。2027年4月入学の入試は「令和9年度」です。
  2. 共通テストの換算:共通テストの点は、大学ごとに決まった点数に換算されます。「950点満点を285点に換算」のような注がついていることもあります(京大の法学部)。
  3. 得意科目の配点:自分の得意科目の数字に印をつけ、総点で割って配点比率を出します。図6の京大理学部なら、数学300点・理科300点が、どちらも総点の約24%です。
  4. 総点:最後に総点を見て、全体の大きさをつかみます。合格最低点を「総点の何%」に直すときにも使います。

配点の表のまわりも読む

配点の表のまわりには、大事なことが小さく書かれています。

  • 共通テストの科目の指定:指定された科目を共通テストで受けていないと、出願できません。共通テストの出願(9〜10月)より前に確かめます。2027年の共通テストの日程は「2027年 共通テストの時間割・日程」へ。
  • 第1段階選抜(足切り):志願者が多いとき、共通テストの成績で2次試験を受けられる人をしぼります。京大は多くの学部が「募集人員の約3.5倍」(理学部・工学部は約3.0倍)です(2027年度)。
  • 英語の扱い:共通テストの英語のリーディングとリスニングの比をどうするかは、大学・学部でちがいます。
  • 同点のときの扱い・面接や書類の扱い:大学によっては書いてあります。

募集要項は、今は多くの大学が公式サイトでPDFを公開しています。出願の流れ(インターネット出願)は「国公立大学の出願期間とインターネット出願の流れ」にまとめています。

サクラちゃん

サクラちゃん

年鑑と大学の公式サイトで、配点がちがっていたらどうすればいいですか?

合格先生

合格先生

そのときは大学の公式の、いちばん新しい年度の要項を信じよう。年鑑は秋の時点の情報をまとめたものだから、そのあとに大学が変えることもある。年鑑で候補を探して、公式で確かめる。この順番がいちばん確かだよ。

サクラちゃん

サクラちゃん

年鑑は「探す」、公式は「確かめる」ですね。覚えておきます!

配点で志望校を選ぶ5ステップ

ここまでの話を、志望校選びの手順にまとめます。

配点で志望校を選ぶ5ステップ 1得意科目を知る高1〜高22方式と配点を集める高2〜高3春3配点比率を計算高3春4自分の点で試算する模試のたび5要項で確かめる出願の前 数字は最後に必ず大学の公式で確かめる
図7 配点で志望校を選ぶ5つのステップ。数字は最後に大学の公式で確かめる

ステップ1:得意科目を知る(高1〜高2)

定期テストではなく、模試や実力テストの得点率で、得意・苦手を見ます。教科ごとに、ここ数回の得点率を並べてみましょう。「英語はいつも70%以上」「数学は50%前後で波がある」のように、数字で言えるようにしておきます。

ステップ2:方式と配点を集める(高2〜高3の春)

行きたい系統(経済・工学・医学など)と地域を決めて、受けられそうな大学・学部・方式の配点を集めます。ここで年鑑が役に立ちます。気になる大学は5〜10校ほど、方式ごとに書き出しましょう。

ステップ3:配点比率を計算する(高3の春)

集めた方式ごとに、自分の得意科目の配点比率を計算します。表にして、比率の高い順に並べると、「自分に向いた方式」が上に集まってきます。

ステップ4:自分の点で試算する(模試のたび)

図5のように、自分の得点率を方式の配点にあてはめて、総点の得点率を出します。それを合格最低点(総点の何%)と比べます。模試の結果が出るたびに計算し直すと、どの方式が近いかが見えてきます。合格最低点から目標点を決め、科目ごとの得点計画にする方法は「京大合格の戦略(ストラテジー)の立て方」「東大合格の戦略(ストラテジー)の立て方」に図で書いています。

ステップ5:要項で確かめる(出願の前)

最後に、大学の公式の選抜要項・募集要項で、配点・科目・日程を確かめます。年度が変わって配点が変わっていないか、方式の名前が変わっていないかも見ます。

過去問で「形」も確かめる

配点比率が高くても、問題の形が自分に合わないこともあります。たとえば同じ英語でも、マーク式が中心の試験と、和訳や英作文が中心の試験では、求められる力がちがいます。候補がしぼれたら、過去問を1年分解いてみましょう。過去問集の使い方は「赤本の使い方」へ。

得意科目別:配点で探すときの見どころ

得意科目によって、年鑑や要項のどこを見ればよいかが少しずつちがいます。タイプ別に、探すときの見どころをまとめます。

英語が得意な人

英語は、国公立大学でも私立大学でも配点が大きくなりやすい科目です。2次試験や私立大学の試験で英語の配点が総点の3分の1をこえる方式を探してみましょう。京大の医学部医学科のように、理系でも外国語が300点という学部もあります。ただし、英語の配点が大きい方式ほど英語の得意な受験生が集まるので、合格最低点も合わせて見ます。共通テストのリーディングとリスニングの比も大学ごとにちがうので、リスニングが苦手な人はそこも確かめておきます。

数学が得意な人

理系の学部や、経済学部の理系の区分・数学を重く見る方式が候補になります。京大の経済学部(理系)や神戸大学の経済学部の数学選抜のように、文系の学部でも数学で勝負できる入り口があります。数学は1問の配点が大きく、完答できるかどうかで点差が開きやすい科目です。過去問で、自分がどれくらい安定して取れるかを確かめてから選びましょう。

国語・地理歴史が得意な人

文学部・法学部・教育学部などの文系学部や、私立大学の地理歴史を重く見る方式が候補です。慶應の経済学部のB方式のように、地理歴史が総点の半分をしめる方式もあります。国公立大学では国語の2次試験が記述式のことが多いので、記述の練習が自分に合っているかも大事な判断材料です。

理科が得意な人

理学部・工学部・医学部などは理科の配点が大きくなりやすいです。京大の理学部は2次試験の理科が300点(総点の約24%)です。理科は2科目を受けることが多いので、どの科目を選べるか(物理・化学・生物・地学の組み合わせ)も要項で確かめます。

得意科目がはっきりしない人

まだ得意科目がはっきりしない人は、科目ごとの配点の差が小さい、バランス型の方式が向いています。神戸大学の経済学部の総合選抜(国語・数学・英語が各150点)のような形です。そのあいだに、模試の点を見ながら「伸びている科目」を見つけて、その科目の配点が大きい方式も候補に入れていきましょう。

配点で選ぶときのよくある間違い

  • 配点の数字だけで比べる:数学200点でも、総点がちがえば重さはちがいます。必ず総点で割って%にします。
  • 共通テストの素点で計算する:大学は換算した点を使います。選抜要項の換算後の数字で計算します。
  • 区分・方式をまちがえる:京大の経済学部の文系と理系、慶應の経済学部のA方式とB方式のように、同じ学部でも配点がちがいます。
  • 古い年度の資料を見る:配点は年度で変わることがあります。2025年からの共通テストでは「情報Ⅰ」が加わり、配点を変えた大学が多くありました。
  • 配点だけで決めてしまう:配点は大事な手がかりですが、学びたい内容や大学の雰囲気も大切です。オープンキャンパスや大学の公式の情報(卒業生の進路など)も合わせて見ましょう。
  • 苦手科目を早く捨てすぎる:方式に合わせて科目をしぼるのは、志望校がある程度決まってからにします。

学年別:配点で志望校を選ぶ時期

学年・時期やること
高1気になる大学・学部の入試科目を見る。文系・理系や科目の選び方の参考にする
高2得意・苦手を数字でつかむ。候補の大学の方式と配点を集め始める
高3の春配点比率を計算して、自分に向いた方式を探す。過去問を1年分見る
高3の夏新しい年度の選抜要項で配点を確かめる。模試の点で試算する
高3の秋年鑑で併願校の候補を広く探す。共通テストの出願をする
高3の冬募集要項で出願の方法と日程を確かめ、受ける方式を決める

元の記事を書いたのは10月の終わりで、推薦・総合型の入試が始まるころでした。一般選抜を受ける人にとっては、秋は併願校を決める大事な時期です。年鑑が出るのもこのころです。勉強の計画の立て方は「勉強計画の立て方」へ。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

得意な英語の配点が大きい方式を探して、配点比率を計算してみよう!最後は大学の公式の要項で確かめるぞ。

まとめ:配点を味方につけて志望校を選ぶ

  • 志望校選びは、自分の得意な教科で受験できる大学・学部を選ぶ(元の記事の考え方)。
  • 配点は総点で割って「配点比率」にして比べる。
  • 同じ大学・同じ学部でも、方式によって配点がちがう(京大・神戸大・慶應の経済学部の例)。
  • 得意科目の配点が高い方式を選べば、同じ実力でも得点率が上がり、1ランク上の大学も見えてくる。
  • たくさんの大学を見比べるには『全国大学受験年鑑』のような1冊が便利。最後は大学の公式の要項で確かめる。

勉強法の全体は「大学受験の勉強法まとめ」に、志望校選びで迷ったときは「受験の質問・相談」へどうぞ。

志望校の受験生どうしの情報交換は、受験掲示板「100点BBS」へ。京大は「京都大学受験掲示板」、東大は「東京大学受験掲示板」。

よくある質問

配点比率はどうやって計算しますか?

その科目の配点を総点で割ります。共通テストは大学が換算したあとの点を使い、共通テストと2次試験の両方の配点を足すと、その科目の本当の重さが分かります。

同じ大学・学部でも配点がちがうことはありますか?

あります。2027年度の例では、京大の経済学部は文系と理系、神戸大学の経済学部は数学選抜・英数選抜・総合選抜、慶應の経済学部はA方式とB方式で配点がちがいます。

得意科目の配点が高い方式を選ぶと有利ですか?

同じ実力でも総点の得点率が上がるので有利になりやすいです。ただし、その科目が得意な受験生が集まりやすいので、方式ごとの合格最低点や倍率も確かめましょう。

全国大学受験年鑑とはどんな本ですか?

旺文社の受験雑誌「螢雪時代」の臨時増刊で、全国の大学の入試科目・配点の一覧や合格最低点などが載っています。一般選抜向けの号のほか、推薦・総合型選抜向けの号もあります。

配点はどこで確かめるのがいちばん確かですか?

大学の公式の入学者選抜要項と学生募集要項です。年度ごとに変わることがあるので、表紙の年度を確かめ、いちばん新しいものを見ます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 旺文社「螢雪時代」臨時増刊『全国大学受験年鑑』(2025年10月発売の一般選抜ガイドの号の内容紹介。書店・雑誌販売サイトの商品ページによる)
  • 京都大学「令和9年度 京都大学入学者選抜要項」(学部別の配点・第1段階選抜)
  • 東京大学「令和8(2026)年度 東京大学入学者募集要項」(2次試験の配点)
  • 神戸大学「令和9年度 神戸大学入学者選抜要項」(経済学部の3つの選抜の配点)
  • 慶應義塾大学 2027年度 一般選抜の試験教科・科目・配点(経済学部 A方式・B方式)
  • 図5の得点率・方式は、しくみを説明するための仮の数です

最終更新:2026年10月23日/作成:大学受験合格大作戦

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