互いに素とは?意味と見分け方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

互いに素とは?意味と見分け方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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互いに素とは

2つの整数の最大公約数が 1 であることです。つまり、1以外に共通の約数をもちません。例:8 と 15 は互いに素です。

読み方:たがいにそ/英語:coprime / relatively prime/習う学年:数学A(整数の性質)。考え方は中学受験の算数でも使う

まなぶくん

まなぶくん

「互いに素」って、2つとも素数ってことですか?

合格先生

合格先生

よくある勘違いだね。「共通の約数が1しかない」という2つの数の関係のことだよ。9 と 10 はどちらも素数じゃないけど、互いに素なんだ。

この用語のポイント

  • 互いに素 = 最大公約数が1(共通の約数が1だけ)
  • 素数どうしでなくてもよい(9と10は互いに素)
  • 互いに素なら最小公倍数は積。約分できない分数の分子と分母は互いに素

やさしく言うと

2つの整数が1以外に共通の約数をもたないとき、「互いに素」といいます。「素」は「素数」の素と同じで、2つの数の間に共通の部品がないというイメージです。

  • 約数の円:8 の約数と 15 の約数を円にかくと、重なる部分には 1 しかありません。8 と 15 は互いに素です(下の図)。
  • 約分できない分数:815\dfrac{8}{15} はこれ以上約分できません。約分できない分数の分子と分母は、いつも互いに素です。
  • 歯車:歯の数が 3 と 4 の歯車をかみ合わせると、同じ歯どうしが再び出会うまでに 12 歯分まわります。3 と 4 は互いに素なので、その数は2つの積 3×4=123\times4=12 になります。
8の約数15の約数2483515112の約数18の約数4129181236 重なりは1だけ → 8と15は互いに素 重なりに2,3,6も → 互いに素ではない
8と15は重なりが1だけなので互いに素。12と18は互いに素ではない

まとめると、互いに素は「最大公約数が 1」という、2つの数の関係を表すことばです。

互いに素の例と、そうでない例

○ 互いに素

  • 8 と 15(232^3 と 3×53\times5。共通の素因数なし)
  • 9 と 10(どちらも素数ではないが互いに素)
  • 1 と 7(1 はどんな整数とも互いに素)
  • 異なる素数どうし(例 5 と 11)
  • となりあう整数 nn と n+1n+1(例 20 と 21)
  • 27 と 64(333^3 と 262^6)

× 互いに素ではない

  • 12 と 18(2, 3, 6 も共通の約数)
  • 14 と 21(7で割り切れる)
  • 6 と 9(3で割り切れる)
  • 7 と 21(素数 7 が 21 を割り切る)
  • 偶数どうし(いつも 2 が共通)
  • 51 と 85(17 が共通。見落としやすい)

最大公約数が1になるかどうかを確かめるには、素因数分解して共通の素数がないかを見ます。大きい数ではユークリッドの互除法を使います。

指さして説明するまなぶくん

まなぶくん

9 と 10 はどっちも素数じゃないのに互いに素! 「素数」とは別のことばなんだね。

図で見る

約分できない分数

分母が 12 の分数 112\dfrac{1}{12} 〜 1112\dfrac{11}{12} を並べると、約分できないのは分子が 1, 5, 7, 11 の4つだけです。この4つの数が、12 と互いに素な数です。

分母 12 の分数で、約分できないのは? 112○212÷2312÷3412÷4512○612÷6712○812÷4912÷31012÷21112○ 緑の分子 1, 5, 7, 11 は、12 と互いに素 → 約分できない分数(既約分数)は 4 個 ○は約分できない。「÷2」などは約分に使える数
分子が12と互いに素なら、約分できない

マス目の対角線

よこ aa マス、たて bb マスの長方形に対角線を引くと、aa と bb が互いに素のときだけ、対角線は途中でマス目の交点を通りません。中学受験の「対角線が通るマスの数」の問題は、この性質を使います。

よこ5・たて3(互いに素) 途中で交点を通らない よこ6・たて4 途中の交点(3, 2)を通る 対角線が通る途中の交点の数 =(最大公約数)−1
互いに素なら、対角線は途中の交点を通らない

通るマスの数は、よこ+たて−(最大公約数)で求められます。よこ5・たて3なら 5+3−1=75+3-1=7 マス、よこ6・たて4なら 6+4−2=86+4-2=8 マスです。

よく使う性質

互いに素は、整数の問題でとても役に立つ性質をもっています。

3 の倍数36912151821244 の倍数4812162024 12 = 3×4(互いに素) 4 の倍数48121620246 の倍数6121824 12(4×6=24 ではない) 互いに素なら、最小公倍数は 2 つの数の積
3と4は互いに素なので、最小公倍数は 3×4=12
  • 最小公倍数は積になる:互いに素な aa, bb の最小公倍数は abab です。だから「3 でも 4 でも割り切れる数」は 12 の倍数です。4 と 6 は互いに素ではないので、最小公倍数は 24 ではなく 12 です。
  • aa と bb が互いに素で、acac が bb で割り切れるなら、cc が bb で割り切れます。整数の問題でいちばんよく使う性質です(例:3c3c が 4 で割り切れるなら、cc が 4 で割り切れる)。
  • ax+by=1ax+by=1 をみたす整数 x,yx, y がある ⇔ aa と bb は互いに素(1次不定方程式)。
  • となりあう整数は互いに素:nn と n+1n+1 の公約数は、差の 1 も割り切るので 1 だけです。
2つの数最大公約数互いに素?最小公倍数
3 と 41○12(=3×4)
8 と 151○120(=8×15)
4 と 62×12
12 と 186×36
体で丸を作るまなぶくん

まなぶくん

最大公約数が1なら互いに素。素数どうしでなくてもいいんだよ!

テスト・入試ではこう出る

「互いに素」ということばは高校の数学A(整数の性質)で使います。考え方は中学受験の算数でも、約分できない分数の個数や、対角線が通るマスの数の問題などで出てきます。大学入試では、「〜と〜は互いに素であることを示せ」という証明問題や、互いに素を使って整数の解をしぼる問題がよく出ます。

例題1(互いに素な数の個数)

1 から 30 までの整数のうち、30 と互いに素なものは何個ありますか。

  1. 30=2×3×530=2\times3\times5 なので、30 と互いに素な数は、2 でも 3 でも 5 でも割り切れない数。
  2. 1〜30 から、偶数・3 の倍数・5 の倍数を消すと、1, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29 が残る。

答え 8 個

例題2(互除法で調べる)

391 と 299 は互いに素ですか。

  1. ユークリッドの互除法を使う:391=299×1+92391=299\times1+92
  2. 299=92×3+23299=92\times3+23
  3. 92=23×492=23\times4(割り切れた)
  4. 最後に割った数 23 が最大公約数。1 ではない。

答え 互いに素ではない(391=17×23391=17\times23、299=13×23299=13\times23)

ハルちゃん

ハルちゃん

391 と 299 って、ぱっと見では共通の約数がなさそうなのに…

合格先生

合格先生

大きい数は見た目ではわからないね。互除法なら、割り算をくり返すだけで最大公約数がわかる。最後が 1 なら互いに素、それ以外なら互いに素ではないよ。

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

「互いに素」は2つの数の関係。1つの数だけを見て「素だ」とは言わないよ!

  • 「互いに素」を「どちらも素数」と思う:9 と 10 はどちらも素数ではありませんが、互いに素です。逆に、7 と 21 のように片方が素数でも、互いに素とは限りません。
  • 1つの数だけを見て「素」と言う:互いに素は2つの数の関係です。「12 は互いに素」のような言い方はしません。
  • 3つ以上の数で意味をまちがえる:6, 10, 15 は3つ全部の最大公約数は1ですが、どの2つを選んでも1以外の公約数があります(6と10は2)。「どの2つも互いに素」とは別です。
  • 最小公倍数をいつも積にする:積になるのは互いに素なときだけです。4 と 6 の最小公倍数は 24 ではなく 12 です。
  • 1 を例外だと思う:1 の約数は 1 だけなので、1 はどの整数とも互いに素です。

ことばの由来

「素」は素数の「素」と同じで、「もと」という意味です。英語では relatively prime(たがいに素数のような関係)や coprime といいます。どちらも「2つの数の間で、共通の素因数がない」ことを表しています。

ミニ問題

問題1 次の2つの数のうち、互いに素なものをすべて選びましょう。(ア)14 と 25 (イ)21 と 35 (ウ)27 と 64

答えと解き方を見る

(ア)と(ウ)です。素因数分解すると、(ア)14=2×714=2\times7、25=5225=5^2 で共通の素因数なし。(イ)21=3×721=3\times7、35=5×735=5\times7 で 7 が共通なので互いに素ではありません。(ウ)27=3327=3^3、64=2664=2^6 で共通の素因数なし。どちらも素数でなくても互いに素になります。

問題2 分母が 15 で、1 より小さい分数 115, 215, ⋯ , 1415\dfrac{1}{15},\ \dfrac{2}{15},\ \cdots,\ \dfrac{14}{15} のうち、約分できないものは何個ありますか。

答えと解き方を見る

8 個です。15=3×515=3\times5 なので、分子が 3 の倍数でも 5 の倍数でもなければ、15 と互いに素で約分できません。1〜14 のうち 3 の倍数は 4 個(3, 6, 9, 12)、5 の倍数は 2 個(5, 10)。重なり(15 の倍数)はないので、14−4−2=814-4-2=8 個です(1, 2, 4, 7, 8, 11, 13, 14)。

問題3 nn が正の整数のとき、nn と 2n+12n+1 はいつも互いに素です。その理由を説明しましょう。

答えと解き方を見る

nn と 2n+12n+1 の公約数を dd とします。

  1. dd は nn を割り切るので、2n2n も割り切ります。
  2. dd は 2n+12n+1 も割り切るので、その差 (2n+1)−2n=1(2n+1)-2n=1 も割り切ります。
  3. 1 を割り切る正の整数は 1 だけなので、d=1d=1。

よって、公約数は 1 しかなく、互いに素です。「差を考える」のは、互いに素を示すときの定番の方法です。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

互いに素と素数のちがいは何ですか?

素数は1つの数の性質(約数が2個)で、互いに素は2つの数の関係(最大公約数が1)です。9と10のように、素数でない数どうしでも互いに素になります。

1と他の数は互いに素ですか?

はい。1の約数は1だけなので、1はどんな整数とも互いに素です。

となりあう整数はいつも互いに素ですか?

はい。nとn+1の公約数は、差の1も割り切るので、1しかありません。

互いに素かどうかの調べ方は?

2つの数を素因数分解して、共通の素数がなければ互いに素です。大きな数では、ユークリッドの互除法で最大公約数を求め、1になるかを確かめます。

互いに素な2つの数の最小公倍数は?

2つの数の積になります。3と4なら12、8と15なら120です。

3つの数が互いに素とはどういう意味ですか?

本によって意味が分かれます。3つ全部の最大公約数が1という意味と、どの2つを選んでも互いに素という意味があるので、問題文の言い方を確かめましょう。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学A(数学と人間の活動:整数の性質)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦