期待値とは?意味と求め方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

期待値とは?意味と求め方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

期待値とは

くり返し行ったとき、1回あたり平均してどれくらいの値になるかを表す数です。とりうる値にその確率をかけて、全部たして求めます。さいころの目の期待値は 3.53.5 です。

読み方:きたいち/英語:expected value

うかるくん

うかるくん

くじの期待値が130円なら、1本引けば130円もらえるんですか?

合格先生

合格先生

1本では1000円か100円か0円のどれかだね。期待値は、たくさん引いたときに1本あたり平均でいくらか、という意味なんだ。

この用語のポイント

  • 期待値=(値)×(確率)を全部たしたもの
  • くり返したときの1回あたりの平均。願いや予想ではない
  • さいころの期待値 3.5 のように、とりうる値の中にないこともある

やさしく言うと

期待値は、何回もくり返したときに、1回あたり平均してどれくらいになるかを表す数です。「期待」という言葉がついていますが、「こうなってほしい」という願いではなく、平均の見こみのことです。身近な例で考えてみましょう。

  • くじ:10 本のくじに、1 等 1000 円が 1 本、2 等 100 円が 3 本、はずれが 6 本入っているとします。賞金を全部たすと 1300 円。10 本で平等に分けると 1 本あたり 130 円。これがこのくじの期待値です。
  • フリースロー:成功する確率が 0.6 の選手が 10 本打つと、平均して 10×0.6=610\times0.6=6 本入ると見こめます。毎回ちょうど 6 本入るわけではありませんが、何回も試すと平均は 6 本に近づきます。
  • すごろく:さいころ 1 回で進むマスは、平均すると 3.5 マス。10 回ふれば、だいたい 35 マス進むと見こめます。
くじ10本の賞金(円) 1000100100100000000 合計 1300 円を10本で平等に分ける 130130130130130130130130130130 1本あたり 130 円 = 期待値
賞金をならすと1本130円。これが期待値

まとめると、期待値は「ばらばらな結果を、確率に合わせてならした平均」です。

期待値の例と、期待値ではないもの

○ 期待値

  • さいころ1個の目:(1+2+⋯+6)×16=3.5(1+2+\cdots+6)\times\dfrac16=3.5(どの目も同じ確率)
  • コインを2回投げたときの表の枚数:0×14+1×12+2×14=10\times\dfrac14+1\times\dfrac12+2\times\dfrac14=1(枚)
  • 上のくじの賞金:130円(全部の賞金を本数で割った額と同じ)
  • フリースロー 10 本の成功数:10×0.6=610\times0.6=6(本)
  • さいころを 10 回ふったときの目の合計:3.5×10=353.5\times10=35

× 期待値ではないもの

  • いちばん出やすい値(これは最頻値。くじならはずれの 0 円)
  • くじを1本引いて「必ずもらえる」金額(1 本では 1000 円・100 円・0 円のどれか)
  • いちばん高い賞金(1000円)
  • 賞金の種類だけを平均した (1000+100+0)÷3(1000+100+0)\div3(確率をかけていない)
  • 実際に 10 回ふって出た目の平均(これは実際のデータの平均値)

最後の例のように、実際にやってみた結果の平均は「平均値」、確率から計算した平均の見こみは「期待値」と呼び分けます。くり返す回数をふやすほど、平均値は期待値に近づいていきます。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

期待値って、全部の賞金を「平等に分けた」金額なんだ!

図で見る

数直線の上に、それぞれの値の場所へ確率の重さのおもりをのせると、期待値の場所でちょうどつり合います。さいころなら、1〜6 に同じ重さをのせるので、まん中の 3.5 でつり合います。

目 1〜6 に、確率 1/6 ずつのおもり 1/611/621/631/641/651/66 3.5 3.5で支えるとつり合う → 期待値は 3.5
さいころの目の期待値は3.5。1〜6 に同じ重さのおもりをのせた板のつり合う点
うかるくん

うかるくん

3.5 の目なんて出ないのに、期待値が 3.5 って変じゃないですか?

合格先生

合格先生

期待値は「1 回で出る値」ではなく、たくさんくり返したときの平均なんだ。テストの平均点が 63.5 点でも、63.5 点の人がいなくてもいいのと同じだよ。

くじの期待値 130 円がどこから来るのかは、(値)×(確率) を積み上げると見えます。1 等が 100 円分、2 等が 30 円分、はずれは 0 円分です。高い賞金でも、確率が小さいと期待値への効き目は小さくなります。

(値)×(確率)を積み上げる 100 30 130円 1等:1000円 × 1/10 = 100円 2等:100円 × 3/10 = 30円 はずれ:0円 × 6/10 = 0円(長さ 0)
くじの期待値130円は、1等の100円分と2等の30円分を積み上げたもの

求め方:(値)×(確率)をたす

期待値は、とりうる値にその値になる確率をかけて、全部たすと求められます。上のくじで表を作ると、次のとおりです。

賞金確率賞金 × 確率
1000円110\dfrac1{10}100円
100円310\dfrac3{10}30円
0円610\dfrac6{10}0円
合計1130円

式で書くと、値 x1, x2, …, xnx_1,\ x_2,\ \dots,\ x_n をとる確率がそれぞれ p1, p2, …, pnp_1,\ p_2,\ \dots,\ p_n(合計1)のとき、期待値は

x1p1+x2p2+⋯+xnpnx_1p_1+x_2p_2+\cdots+x_np_n

です。手順は次の3つです。

  1. とりうる値を全部書き出す(もれなく、重なりなく)。
  2. それぞれの確率を求める。樹形図や表を使うと数えもれが防げます。確率の合計が 1 になるか確かめます。
  3. (値)×(確率)を全部たす。

コインを 2 回投げる例なら、樹形図で 4 通りを書き出し、表の枚数ごとに確率をまとめます。

1回目2回目 表裏表→ 表 2 枚(1/4)裏→ 表 1 枚(1/4)表→ 表 1 枚(1/4)裏→ 表 0 枚(1/4) 2×1/4 + 1×2/4 + 0×1/4 = 1(枚) 2回投げると、表は平均 1 枚
コインを2回投げると、表の枚数の期待値は1枚

期待値の性質

高校の数学B(統計的な推測)では、値が確率で決まる数 XX を確率変数と呼び、期待値を E(X)E(X) と書きます(E は英語 expectation の頭文字)。期待値には、計算を楽にする性質があります。

性質例
E(aX+b)=aE(X)+bE(aX+b)=aE(X)+bさいころの目 XX で、E(2X+3)=2×3.5+3=10E(2X+3)=2\times3.5+3=10
E(X+Y)=E(X)+E(Y)E(X+Y)=E(X)+E(Y)さいころ 2 個の目の和の期待値は 3.5+3.5=73.5+3.5=7

2 つ目の性質は、XX と YY が関係し合っていても使えます。「さいころを 10 回ふった目の合計の期待値は 3.5×10=353.5\times10=35」も、この性質から言えます。

テスト・入試ではこう出る

大学入試では、玉の取り出し・さいころ・じゃんけんなどで、取る値と確率を表にして期待値を求める問題がよく出ます。数学B(統計的な推測)では、確率変数の期待値・分散や、二項分布の期待値 npnp も出ます。また「このゲームに参加するのは得か」のように、期待値で損得を判断する問題もあります。

例題1(玉の取り出し)

赤玉 2 個と白玉 3 個が入った袋から、同時に 2 個取り出します。取り出した赤玉の個数の期待値を求めなさい。

  1. 取り出し方は全部で 5C2=10_{5}\mathrm{C}_{2}=10 通り。
  2. 赤玉 0 個(白 2 個):3C2=3_{3}\mathrm{C}_{2}=3 通り → 確率 310\dfrac3{10}
  3. 赤玉 1 個:2×3=62\times3=6 通り → 確率 610\dfrac6{10}
  4. 赤玉 2 個:1 通り → 確率 110\dfrac1{10}(合計 3+6+110=1\dfrac{3+6+1}{10}=1 を確認)
  5. 期待値 =0×310+1×610+2×110=810=45=0\times\dfrac3{10}+1\times\dfrac6{10}+2\times\dfrac1{10}=\dfrac8{10}=\dfrac45

答え 45\dfrac45 個(0.8 個)

例題2(損か得か)

参加費 100 円のゲームがあります。さいころを 1 回投げ、6 の目が出たら 500 円もらえ、それ以外は何ももらえません。このゲームは、くり返すと得でしょうか、損でしょうか。

  1. もらえる額は、6 の目なら 500 円(確率 16\dfrac16)、それ以外は 0 円(確率 56\dfrac56)。
  2. もらえる額の期待値は 500×16+0×56=5006=83.33⋯500\times\dfrac16+0\times\dfrac56=\dfrac{500}6=83.33\cdots(円)。
  3. 参加費 100 円と比べると、83.3<10083.3<100。

答え 1 回あたり平均で約 16.7 円の損になるので、何回も続けると損をすると考えられる。

机で勉強するうかるくん

うかるくん

まず「値と確率の表」を作る。合計が 1 になるか確かめてから、かけてたす!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

期待値はいちばん出やすい値ではないよ。平均の見こみだ!

  • いちばん起こりやすい値だと思う:上のくじでいちばん起こりやすいのは「はずれ(0円)」です。期待値の130円とはちがいます。
  • 期待値が実際に出る値だと思う:さいころの期待値3.5の目は、実際には出ません。期待値は、とりうる値の中にないこともあります。
  • 確率をかけずに、値だけを平均する:くじの賞金 1000 円・100 円・0 円を (1000+100+0)÷3≒367(1000+100+0)\div3\fallingdotseq367 円とするのは×。出やすさ(確率)がちがうので、必ず確率をかけます。
  • 確率の合計を確かめない:表を作ったら、確率の合計が1になっているか確かめましょう。数え落としがあると、期待値もずれます。
  • 「期待値が得なら 1 回でも得」と思う:期待値はくり返したときの平均です。期待値が参加費より大きくても、1 回だけなら損をすることはふつうにあります。

ことばの由来・歴史

「期待値」は英語の expected value(expectation)の訳で、「期待される(見こまれる)値」という意味です。記号 EE もこの頭文字です。

期待値の考え方は、かけ事の「勝負を途中でやめたとき、かけ金をどう分けるのが公平か」という問題から生まれました。17 世紀に、フランスのパスカルとフェルマーが手紙でこの問題を議論したことが、確率論の始まりの一つとされています。

ミニ問題

問題1 コインを 3 回投げるとき、表が出る回数の期待値を求めましょう。

答えと解き方を見る

1.5 回です。表の回数が 0, 1, 2, 3 回になる確率は、それぞれ 18, 38, 38, 18\dfrac18,\ \dfrac38,\ \dfrac38,\ \dfrac18 です。0×18+1×38+2×38+3×18=128=1.50\times\dfrac18+1\times\dfrac38+2\times\dfrac38+3\times\dfrac18=\dfrac{12}8=1.5。「1 回あたり平均 12\dfrac12 回 × 3 回」と考えても同じ答えになります。

問題2 20 本のくじに、1 等 500 円が 2 本、2 等 100 円が 5 本、残りははずれ(0 円)が入っています。1 本引くときの賞金の期待値は何円ですか。

答えと解き方を見る

75 円です。500×220+100×520+0×1320=50+25=75500\times\dfrac2{20}+100\times\dfrac5{20}+0\times\dfrac{13}{20}=50+25=75。賞金の合計 1000+500=15001000+500=1500 円を 20 本で分けて、1500÷20=751500\div20=75 と考えても同じです。

問題3 さいころを 1 回投げ、出た目を XX とします。もらえる点数を「目の 2 倍に 3 点を足したもの」(2X+32X+3 点)とするとき、点数の期待値を求めましょう。

答えと解き方を見る

10 点です。XX の期待値は 3.5 なので、E(2X+3)=2E(X)+3=2×3.5+3=10E(2X+3)=2E(X)+3=2\times3.5+3=10。目ごとに 5, 7, 9, 11, 13, 15 点を計算して平均しても 606=10\dfrac{60}6=10 になります。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

期待値の求め方は?

とりうる値それぞれに、その値になる確率をかけて、全部たします。確率の合計が1になっているかも確かめましょう。

さいころの目の期待値はいくつですか?

3.5です。1から6の目がそれぞれ確率6分の1で出るので、(1+2+3+4+5+6)÷6=3.5になります。

期待値と平均値はちがうのですか?

考え方は同じで、期待値は確率をもとにした平均です。実際に集めたデータの平均を平均値、確率から計算した平均を期待値と呼び分けることが多いです。

期待値と最頻値のちがいは?

最頻値はいちばん起こりやすい値、期待値は確率をかけてならした平均です。くじでは最頻値ははずれの0円でも、期待値は130円のようにちがうことがあります。

期待値が参加費より大きければ、必ず得をしますか?

1回だけでは損をすることもあります。期待値は何回もくり返したときの1回あたりの平均なので、回数が多いほど平均がそれに近づきます。

E(X) の E は何の意味ですか?

英語の expectation(期待値)の頭文字です。高校の数学Bで、確率変数Xの期待値をE(X)と書きます。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学A(場合の数と確率)・数学B(統計的な推測)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦