確率変数とは?確率分布・期待値・分散をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

確率変数とは?確率分布・期待値・分散をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

確率変数とは

試行の結果によって値が決まり、それぞれの値をとる確率が決まっている数です。さいころの目 XX は、1〜6 の値を確率 16\dfrac16 ずつとる確率変数です。値と確率の対応を確率分布といいます。

読み方:かくりつへんすう/英語:random variable/習う学年:数学B(統計的な推測)

うかるくん

うかるくん

「確率変数」って、確率のことですか? 変数のことですか?

合格先生

合格先生

値は変数で、どの値が出るかに確率がついているんだ。さいころの目 XX なら、値は 1〜6、確率は 16\dfrac16 ずつ。この 2 つをセットで考えるよ。

この用語のポイント

  • 確率変数 = 試行で値が決まり、各値の確率が決まっている数
  • 確率分布の表を作り、確率の合計が 1 か確かめる
  • E(aX+b)=aE(X)+bE(aX+b)=aE(X)+b、V(aX+b)=a2V(X)V(aX+b)=a^2V(X)

やさしく言うと

確率変数は、試行の結果によって値が決まる数で、しかもそれぞれの値をとる確率が決まっているものです。ふつう大文字の XX, YY などで表します。

  • さいころの目:さいころを投げて出た目を XX とすると、XX は 1〜6 のどれかで、どの値も確率 16\dfrac16 です。投げるまで値はわかりませんが、確率はわかっています。
  • コインの表の回数:コインを 3 回投げて表が出た回数を XX とすると、XX は 0, 1, 2, 3 のどれかです。
  • くじの賞金:1 本引いたときにもらえる金額も確率変数です。「平均するといくらもらえるか」を考えるときに使います。

まとめると、確率変数は「偶然で決まるけれど、どの値がどのくらいの確率で出るかはわかっている数」です。

試行の結果(8 通り) 表の回数 X 表表表表表裏表裏表裏表表表裏裏裏表裏裏裏表裏裏裏X=3確率 1/8X=2確率 3/8X=1確率 3/8X=0確率 1/8
8 通りの結果に、表の回数 X の値を対応させる。X=2 には 3 通りが集まる

XX のとりうる値と、その確率の対応を確率分布といい、表で表します。確率の合計は必ず 1 です。

XX0123計
PP18\dfrac1838\dfrac3838\dfrac3818\dfrac181

「X=2X=2 となる確率」を P(X=2)P(X=2) と書きます。この例では P(X=2)=38P(X=2)=\dfrac38 です。

本で説明するサクラちゃん

サクラちゃん

確率変数は「値」と「その確率」がセット。まず確率分布の表を作るのが第一歩ね!

確率変数の例と、そうではないもの

○ 確率変数

  • さいころの目 XX(1〜6、各 16\dfrac16)
  • コイン 3 回の表の回数 XX(0〜3)
  • くじ 1 本の賞金 XX 円
  • 10 問の○×問題でまぐれで当たる数 XX
  • 無作為に選んだ 1 人の身長 XX cm(連続な値をとる)
  • XX から作った Y=2X+1Y=2X+1 も確率変数

× 確率変数ではないもの

  • 「さいころ」という物そのもの(数ではない)
  • 「表が 2 回出る」という事象(できごとで、数ではない)
  • 確率 38\dfrac38 そのもの(確率は XX の値ではない)
  • 確率が決まっていない数(例:明日の自分のテストの点を確率なしで考える)
  • 確率の合計が 1 にならない表

大文字の XX は「確率変数そのもの」、小文字の xx は「XX がとる 1 つの値」を表すのがふつうです。P(X=x)P(X=x) は「XX が値 xx をとる確率」と読みます。

図で見る

確率分布は、横に XX の値、縦に確率をとった棒グラフにするとよくわかります。

1/82/83/81/83/83/81/8 0123 期待値 E(X)=1.5 X確率 高さの合計 = 1/8+3/8+3/8+1/8 = 1
コイン 3 回の表の回数。左右対称で、まん中の 1.5 が期待値
うかるくん

うかるくん

表の回数は 0, 1, 2, 3 のどれかなのに、期待値が 1.5 って変じゃないですか?

合格先生

合格先生

期待値は「何回もくり返したときの平均」なんだ。1 回で 1.5 回表が出ることはないけど、1000 セットくり返せば、表の回数の平均は 1.5 に近づくよ。

期待値は、棒グラフを板にのせたときのつり合いの点(重心)にあたります。さいころの目の期待値 3.5 も、実際には出ない値ですが、分布のまん中を表しています。

さいころの目 X の確率分布 1/61/61/61/61/61/6 123456 E(X)=3.5 でつり合う
さいころの目の分布は、3.5 の位置でつり合う

期待値・分散・標準偏差

確率変数 XX が値 x1,x2,…,xnx_1, x_2, \ldots, x_n をとる確率が p1,p2,…,pnp_1, p_2, \ldots, p_n のとき、次の 3 つで分布の「まん中」と「散らばり」を表します。

名前式意味
期待値(平均)E(X)E(X)x1p1+x2p2+⋯+xnpnx_1p_1+x_2p_2+\cdots+x_np_n分布のまん中(つり合いの点)
分散 V(X)V(X)E((X−m)2)=E(X2)−{E(X)}2E\big((X-m)^2\big)=E(X^2)-\{E(X)\}^2平均 mm からのずれの 2 乗の平均
標準偏差 σ(X)\sigma(X)V(X)\sqrt{V(X)}散らばりを、もとの単位で表したもの

これはデータの分散と標準偏差と同じ考え方です。データでは「個数でわる」ところを、確率変数では「確率をかけてたす」と考えればよいのです。期待値の意味や身近な例は期待値のページでくわしく説明しています。

分散は、定義どおり E((X−m)2)E\big((X-m)^2\big) でも、E(X2)−{E(X)}2E(X^2)-\{E(X)\}^2 でも求められます。期待値が分数のときは、後者のほうが計算が楽になることが多いです。

aX+b の期待値と分散

確率変数 XX を使って Y=aX+bY=aX+b を作ると、YY も確率変数です。このとき次の式が成り立ちます。

E(aX+b)=aE(X)+b,V(aX+b)=a2V(X),σ(aX+b)=∣a∣ σ(X)E(aX+b)=aE(X)+b,\qquad V(aX+b)=a^2V(X),\qquad \sigma(aX+b)=|a|\,\sigma(X)
02468101214X(さいころの目) E(X)=3.5 はば 5 02468101214Y=2X+1 E(Y)=8 はば 10(2 倍) ▲ は期待値 2 倍すると、散らばり(標準偏差)も 2 倍、分散は 4 倍
Y=2X+1 は、平均が 8 にずれ、はばが 2 倍になる

+b+b は分布全体をずらすだけなので、散らばりはかわりません。aa 倍すると散らばりのはばは ∣a∣|a| 倍になり、分散はその 2 乗の a2a^2 倍になります。テストの点を「2 倍して 1 点たす」ように換算したときも、同じ関係が成り立ちます。

また、コインを nn 回投げて表が出る回数のように、成功の確率 pp の試行を nn 回くり返して成功する回数 XX の分布を二項分布 B(n, p)B(n,\ p) といいます。このとき E(X)=npE(X)=np、V(X)=np(1−p)V(X)=np(1-p) です。コイン 3 回なら E(X)=3×12=32E(X)=3\times\dfrac12=\dfrac32、V(X)=3×12×12=34V(X)=3\times\dfrac12\times\dfrac12=\dfrac34 で、上の計算と一致します。

ここまでの XX は、とびとびの値をとる離散型の確率変数です。身長や時間のように連続した値をとるものは連続型の確率変数といい、その代表が正規分布です。

テスト・入試ではこう出る

確率変数は高校の数学B(統計的な推測)で習います。テストや大学入学共通テストでは、確率分布の表を作る、期待値・分散・標準偏差を求める、aX+baX+b の期待値・分散、二項分布の期待値・分散、そこから正規分布を使った推定・検定へつなぐ問題がよく出ます。

例題1(確率分布と期待値・分散)

コインを 3 回投げて表が出る回数を XX とします。XX の確率分布を求め、期待値・分散・標準偏差を求めなさい。

  1. XX のとりうる値は 0, 1, 2, 3。8 通りの結果を数えて、確率は順に 18, 38, 38, 18\dfrac18,\ \dfrac38,\ \dfrac38,\ \dfrac18。
  2. 期待値:E(X)=0⋅18+1⋅38+2⋅38+3⋅18=128=32E(X)=0\cdot\dfrac18+1\cdot\dfrac38+2\cdot\dfrac38+3\cdot\dfrac18=\dfrac{12}8=\dfrac32
  3. E(X2)=0⋅18+1⋅38+4⋅38+9⋅18=248=3E(X^2)=0\cdot\dfrac18+1\cdot\dfrac38+4\cdot\dfrac38+9\cdot\dfrac18=\dfrac{24}8=3
  4. 分散:V(X)=E(X2)−{E(X)}2=3−94=34V(X)=E(X^2)-\{E(X)\}^2=3-\dfrac94=\dfrac34、標準偏差:σ(X)=34=32\sigma(X)=\sqrt{\dfrac34}=\dfrac{\sqrt3}2

答え E(X)=32E(X)=\dfrac32、V(X)=34V(X)=\dfrac34、σ(X)=32\sigma(X)=\dfrac{\sqrt3}2

例題2(aX+b)

確率変数 XX の確率分布が P(X=0)=14P(X=0)=\dfrac14、P(X=1)=12P(X=1)=\dfrac12、P(X=2)=14P(X=2)=\dfrac14 のとき、Y=3X+2Y=3X+2 の期待値・分散・標準偏差を求めなさい。

  1. E(X)=0⋅14+1⋅12+2⋅14=1E(X)=0\cdot\dfrac14+1\cdot\dfrac12+2\cdot\dfrac14=1
  2. E(X2)=0+1⋅12+4⋅14=32E(X^2)=0+1\cdot\dfrac12+4\cdot\dfrac14=\dfrac32 より、V(X)=32−12=12V(X)=\dfrac32-1^2=\dfrac12
  3. E(Y)=3E(X)+2=5E(Y)=3E(X)+2=5、V(Y)=32V(X)=92V(Y)=3^2V(X)=\dfrac92、σ(Y)=3 σ(X)=3×12=322\sigma(Y)=3\,\sigma(X)=3\times\dfrac1{\sqrt2}=\dfrac{3\sqrt2}2

答え E(Y)=5E(Y)=5、V(Y)=92V(Y)=\dfrac92、σ(Y)=322\sigma(Y)=\dfrac{3\sqrt2}2

机で勉強するうかるくん

うかるくん

分散は「2 乗の平均 − 平均の 2 乗」。順番をまちがえるとマイナスになるから注意だ!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

V(aX+b)V(aX+b) は a2V(X)a^2V(X)! bb は消えて、aa は 2 乗されるよ。

  • 確率の合計を確かめない:確率分布の表を作ったら、合計が 1 になるか必ず確かめます。1 にならなければ、数えもれや重なりがあります。
  • E(X2)E(X^2) と {E(X)}2\{E(X)\}^2 を取りちがえる:E(X2)E(X^2) は「値を 2 乗してから平均」、{E(X)}2\{E(X)\}^2 は「平均してから 2 乗」です。分散は E(X2)−{E(X)}2E(X^2)-\{E(X)\}^2 で、0 以上になります。マイナスになったら順番を見直しましょう。
  • V(aX+b)V(aX+b) を aV(X)+baV(X)+b とする:分散は「ずれの 2 乗」なので、bb は消え、aa は 2 乗されます。V(2X+1)=4V(X)V(2X+1)=4V(X) です。
  • 確率変数 XX と確率 PP を混同する:XX は「表の回数」のような数、P(X=2)=38P(X=2)=\dfrac38 はその値をとる確率です。期待値を「確率の合計」などと考えないようにしましょう。

ことばの由来

確率変数は、「確率にしたがって値がかわる数(変数)」という意味です。英語では random variable(ランダム バリアブル)といいます。random は「でたらめな・無作為な」という意味ですが、確率変数は「なんでもあり」ではなく、どの値がどの確率で出るかが決まっているところが大切です。分散の VV は variance(分散)、標準偏差の σ\sigma はギリシャ文字のシグマで、EE は expectation(期待)の頭文字です。

ミニ問題

問題1 確率変数 XX の確率分布が次のとき、pp の値と期待値 E(X)E(X) を求めましょう。
X=1X=1 の確率 0.2、X=2X=2 の確率 pp、X=3X=3 の確率 0.5

答えと解き方を見る

p=0.3p=0.3、E(X)=2.3E(X)=2.3 です。確率の合計は 1 なので 0.2+p+0.5=10.2+p+0.5=1 より p=0.3p=0.3。E(X)=1×0.2+2×0.3+3×0.5=0.2+0.6+1.5=2.3E(X)=1\times0.2+2\times0.3+3\times0.5=0.2+0.6+1.5=2.3 です。

問題2 さいころを 1 回投げて出た目を XX とします。E(X)E(X) と E(2X+1)E(2X+1) を求めましょう。

答えと解き方を見る

E(X)=72E(X)=\dfrac72、E(2X+1)=8E(2X+1)=8 です。E(X)=1+2+3+4+5+66=216=72E(X)=\dfrac{1+2+3+4+5+6}6=\dfrac{21}6=\dfrac72。E(aX+b)=aE(X)+bE(aX+b)=aE(X)+b なので、E(2X+1)=2×72+1=8E(2X+1)=2\times\dfrac72+1=8 です。

問題3 さいころを 1 回投げて出た目を XX とすると、V(X)=3512V(X)=\dfrac{35}{12} です。V(−3X+5)V(-3X+5) を求めましょう。

答えと解き方を見る

1054\dfrac{105}4 です。V(aX+b)=a2V(X)V(aX+b)=a^2V(X) なので、V(−3X+5)=(−3)2×3512=9×3512=1054V(-3X+5)=(-3)^2\times\dfrac{35}{12}=9\times\dfrac{35}{12}=\dfrac{105}4。

  • +5+5 は全体を右にずらすだけなので、散らばりは変わらない(分散に影響しない)。
  • −3-3 倍は、向きが逆になっても散らばりのはばは 3 倍。分散は 2 乗の 99 倍。

−3×3512-3\times\dfrac{35}{12} のようにマイナスの分散が出たら、2 乗を忘れています。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

確率変数とは簡単にいうと何ですか?

偶然で値が決まるけれど、どの値がどのくらいの確率で出るかがわかっている数です。さいころの目などがその例です。

確率分布とは何ですか?

確率変数のとりうる値と、それぞれの値をとる確率の対応のことです。表や棒グラフで表し、確率の合計は1になります。

確率変数の分散の求め方は?

値を2乗したものの期待値から、期待値の2乗を引きます。V(X)=E(X²)−{E(X)}² です。

V(aX+b) はどうなりますか?

a²V(X) です。bをたしても散らばりは変わらず、a倍すると散らばりのはばが|a|倍、分散はa²倍になります。

二項分布の期待値と分散は?

成功の確率pの試行をn回くり返したときの成功回数の分布B(n, p)では、期待値はnp、分散はnp(1−p)です。

確率変数は何年生で習いますか?

高校の数学B(統計的な推測)で習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学B(統計的な推測)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦