合格大作戦 数学用語辞典 › 確率・統計
中学受験高校受験大学受験
場合の数とは
ある事柄について、起こりうる場合が全部で何通りあるかという数です。もれなく、重なりなく数えるために、樹形図や表、和の法則・積の法則、順列・組合せを使います。
まなぶくん
数えるたびに答えが変わっちゃうんです…
合格先生
思いつくまま数えると、もれたり重なったりするんだ。樹形図で、アルファベット順のように決まった順に書き出してごらん。慣れたら、かけ算でまとめて数えられるよ。
この用語のポイント
- 場合の数 = 全部で何通りあるか。もれなく、重なりなく数える
- 同時に起こらないならたす(和の法則)、続けて決めるならかける(積の法則)
- 順番をつけるなら順列、選ぶだけなら組合せ
やさしく言うと
場合の数は、「全部で何通りあるか」のことです。みのまわりにもたくさんあります。
- 服の組み合わせ:上着が 3 着、ズボンが 2 本あると、組み合わせは 通りです。
- リレーの走る順番:A・B・C の 3 人で走る順番は、1 番目が 3 通り、2 番目が 2 通り、3 番目が 1 通りで、6 通りです。
- 暗証番号:0〜9 の数字を 4 けた並べる番号は、0000 から 9999 まで 通りです。数字が 1 けたふえるごとに 10 倍になるので、けたが多いほど当てにくくなります。
どの場合も大切なのは、もれなく、重なりなく数えることです。そのための道具が、枝分かれの図で書き出す樹形図と、たて・横に並べる表です。
まとめると、場合の数は「決まった順に書き出して、全部を数える」ことです。書き出すうちに、かけ算でまとめて数えられることに気づきます。
正しい数え方・よくある数えまちがい
○ 正しい数え方
- 5人から班長1人と副班長1人を選ぶ: 通り(役割がちがうので順番を区別する)
- 5人から当番2人を選ぶ: 通り(2人に区別がない)
- 大小2つのさいころの目の出方: 通り(大と小を区別する)
- コインを3回投げる表裏の出方: 通り
- 上着3着とズボン2本: 通り
× よくある数えまちがい
- 当番2人の選び方で、AB と BA を別々に数える(2倍に数えすぎ)
- 3人の並び方で、C が先頭の並びを書き忘れて 4 通りと答える(もれ)
- さいころで「7の目」を数に入れる(起こりえない)
- 0, 1, 2 で 3 けたの数を作るとき、012 も数える(百の位に 0 は置けない)
- 大小のさいころで (1, 2) と (2, 1) を同じものとして数える(大小は区別する)
まちがいの多くは、「区別するかどうか」と「ありえない場合を入れていないか」の見落としから起こります。数える前に、この 2 つを確かめましょう。
和の法則と積の法則
たくさんの場合を、1 つずつ書き出さずに数えるための 2 つの決まりがあります。
| 法則 | いつ使うか | 例 |
|---|---|---|
| 和の法則(たす) | AとBが同時には起こらないとき、「AまたはB」の数 | 大小2つのさいころで、目の和が5の倍数:和が5は4通り、和が10は3通り → 通り |
| 積の法則(かける) | Aの決め方それぞれに、Bの決め方があるとき、「AとBを続けて決める」数 | 上着3着とズボン2本の組み合わせ: 通り |
積の法則は、表にするとよくわかります。上着 1 着ごとに、ズボンが 2 通りずつあります。
和の法則は、「場合分け」をしたときに使います。目の和が 5 の倍数になるのは、和が 5 か 10 のときです(12 以下なので 15 は出ません)。和が 5 と和が 10 は同時には起こらないので、それぞれの数をたします。
まなぶくん
たすのか、かけるのか、いつも迷っちゃいます。
合格先生
「または」で場合を分けたらたす。「そして」で続けて決めていくならかける。文の中のことばに注目してごらん。
順列と組合せ
順列は、選んだものに順番をつけて並べるときの数です。組合せは、選ぶだけで順番は考えないときの数です。4人から2人を選ぶとき、組合せは6通りですが、順番をつけると1組につき2通りずつあるので12通りになります。
この図から、組合せ=順列÷(選んだものの並べ方)だとわかります。2 人の並べ方は 通りなので、 です。
高校の数学Aでは、記号で (順列)、(組合せ)と書きます。、 です。 は と書く本もあります。
| こんなとき | どちら? | 例 |
|---|---|---|
| 役割・順位・席がちがう | 順列 | リレーの走順、班長と副班長、3けたの整数 |
| グループに入れるだけ | 組合せ | 当番の2人、チームのメンバー、カードを3枚もらう |
| 同じものをくり返し使える | 重複順列 | コインの表裏を3回、暗証番号 |
迷ったら、「2 つを入れかえたら、別のものになるか」を考えます。班長 A・副班長 B と、班長 B・副班長 A は別の結果なので順列。当番 A・B と当番 B・A は同じなので組合せです。

まなぶくん
並べる順番を区別するなら順列、区別しないなら組合せだよ!
テスト・入試ではこう出る
小学 6 年では、並べ方や組み合わせ方を、図や表を使って落ちや重なりがないように調べます。中学受験では、カードで整数を作る問題、道順の数、旗のぬり分けなどがよく出ます。中学 2 年では、確率を求めるために樹形図や表で場合の数を数えます。高校の数学Aでは、順列・組合せ・円順列・同じものをふくむ順列などをくわしく学び、大学入試では確率の問題の土台になります。
例題1(小学校・中学:カードで整数)
0, 1, 2, 3 の 4 枚のカードから 3 枚を並べて、3 けたの整数をつくります。全部で何個できますか。
- 百の位には 0 を置けないので、1, 2, 3 の 3 通り。
- 十の位には、百の位で使った数字以外の 3 枚(0 もふくむ)から 3 通り。
- 一の位には、残りの 2 通り。
- 続けて決めるので、積の法則で 。
答え 18 個(「」は、012 のような百の位が 0 のものまで数えたまちがい)
例題2(高校:組合せと「少なくとも」)
男子 4 人、女子 3 人の中から 3 人を選ぶとき、女子を少なくとも 1 人ふくむ選び方は何通りですか。
- 7 人から 3 人を選ぶ選び方は全部で 通り。
- 「女子を少なくとも 1 人ふくむ」の反対は「3 人とも男子」。男子 4 人から 3 人を選ぶのは 通り。
- 全体から引いて 。
答え 31 通り(女子 1 人・2 人・3 人の場合を数えてたしても で同じ)

まなぶくん
条件がある場所(百の位や一の位)から先に決めると、数えやすいんだね!
まちがえやすい点

合格先生
「入れかえたら別のものになる?」で、順列か組合せかを見分けよう!
- 順列と組合せを取りちがえる:「班長と副班長」のように役割がちがえば順列、「当番2人」のように区別がなければ組合せです。迷ったら「入れかえたら別のものになるか」を考えます。
- 和の法則と積の法則を取りちがえる:「または」で分かれる(同時に起こらない)ならたす、「続けて決める」ならかけます。たとえば「赤か青の上着」は 通り、「上着とズボン」は 通りです。
- 数えもれ・重なり:思いつくまま書くと、もれや重なりが出ます。アルファベット順・小さい順など、決まった順で樹形図や表に書き出すと防げます。
- 0 の扱いを忘れる:整数を作る問題では、いちばん上の位に 0 は置けません。0 をふくむカードのときは、上の位から先に決めます。
- 和の法則で重なりをたす:「2 の倍数または 3 の倍数」のように、同時に起こりうるもの(6 の倍数)をそのままたすと、重なりを 2 回数えてしまいます。重なりの分を 1 回引きます。
ことばの由来・記号
「場合の数」は、「起こりうる場合の、数」という意味のことばです。英語では、数え上げることを counting(カウンティング)といい、数え方を学ぶ数学の分野を combinatorics(組合せ論)といいます。
高校で使う記号の P は順列を表す英語 permutation(パーミュテーション)の頭文字、C は組合せを表す英語 combination(コンビネーション)の頭文字です。 のように 1 までかけたものは「4 の階乗」とよび、 と書きます。
ミニ問題
問題1 A, B, C, D の 4 人が 1 列に並ぶ並び方は、全部で何通りですか。
答えと解き方を見る
24 通りです。1 番目は 4 通り、2 番目は残りの 3 通り、3 番目は 2 通り、4 番目は 1 通りなので、。樹形図をかくと、A が先頭の並びだけで 6 本の枝になります。
問題2 6 人の中から、そうじ当番を 2 人選びます。選び方は何通りですか。
答えと解き方を見る
15 通りです。順番をつけて選ぶと 通りですが、当番の 2 人には区別がありません。(A, B) と (B, A) は同じ選び方なので、2 でわって 。高校の記号では です。
問題3 1, 2, 3, 4, 5 の 5 枚のカードから 3 枚を並べて 3 けたの整数をつくるとき、偶数は何個できますか。
答えと解き方を見る
24 個です。
- 偶数になるのは、一の位が 2 か 4 のとき。条件のある一の位から先に決めると 2 通り。
- 百の位は、残りの 4 枚から 4 通り。
- 十の位は、残りの 3 枚から 3 通り。
。百の位から順に決めると、一の位に使える数字が場合によって変わり、数えにくくなります。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
場合の数とは簡単にいうと何ですか?
起こりうる場合が全部で何通りあるか、という数です。服の組み合わせや、並ぶ順番の数などを数えます。
和の法則と積の法則のちがいは?
同時には起こらない場合に分けて数えるときは、それぞれの数をたします(和の法則)。1つ目を決めて、続けて2つ目を決めるときは、かけます(積の法則)。
順列と組合せのちがいは?
順列は選んだものに順番をつけて並べるときの数、組合せは選ぶだけで順番を考えないときの数です。4人から2人なら、順列は12通り、組合せは6通りです。
数えもれを防ぐにはどうすればいいですか?
アルファベット順や小さい順など、決まった順で樹形図や表に書き出します。書き出したあとで、かけ算で求めた数と合っているか確かめると安心です。
3けたの整数を作る問題で0のカードがあるときは?
百の位には0を置けないので、百の位から先に決めます。0, 1, 2, 3から3けたの整数を作ると、3×3×2=18個です。
場合の数は何年生で習いますか?
小学6年で並べ方と組み合わせ方を学び、高校の数学Aの「場合の数と確率」で順列や組合せをくわしく習います。
出典・参考
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」第6学年 D データの活用(起こり得る場合)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学A(場合の数と確率)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


