合格大作戦 数学用語辞典 › 確率・統計
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樹形図とは
起こりうる場合を、木の枝が分かれるようにかき出した図です。「1 番目は? その次は?」と順に枝分かれさせ、枝の先の数で場合の数をもれなく・重なりなく数えます。A・B・C の 3 人の並び方は、樹形図で 6 通りとわかります。
まなぶくん
並び方を書き出すと、いつも 1 つ足りなかったり、同じのを 2 回書いたりしちゃう…
合格先生
それなら樹形図をかこう。「1 番目が A のとき」「B のとき」…と順に枝分かれさせれば、もれも重なりもなく数えられるよ。
この用語のポイント
- 樹形図 = 場合を枝分かれでかき出す図。枝の先の数が場合の数
- 決める順番を決め、ABC 順・小さい順にかくともれない
- 並べる(順番あり)と選ぶ(順番なし)で数がかわる
やさしく言うと
樹形図は、起こりうる場合を、木の枝が分かれるようにかいて、もれなく・重なりなく数えるための図です。「1 番目は?」「その次は?」と、順番に枝分かれさせていきます。
- 服の組み合わせ:シャツが 3 まい、ズボンが 2 本あると、シャツを決めるたびにズボンが 2 通りずつ分かれます。枝の先を数えると、着方は (通り)です。
- トーナメント表:大会のトーナメント表も、枝が分かれていく形です。ただし向きが逆で、たくさんの枝が 1 つにまとまっていきます。
- 道順:分かれ道ごとに「右か左か」を選んでいくと、ゴールまでの道すじは枝の先の数だけあります。
A・B・C の 3 人が 1 列に並ぶ並び方を、樹形図にかいてみましょう。
まとめると、樹形図は「決める順番を決めて、1 つずつ枝分かれさせる」図です。枝の先(いちばん右)の数が、場合の数になります。

まなぶくん
Aから始まる枝を全部かいてから、Bから始まる枝へ。順番にかけば、もれないよ!
樹形図が役立つものと、気をつけたいもの
○ 樹形図が向いている
- 3 人の並び方(6 通り)
- コインを 3 回投げる表・裏の出方(8 通り)
- 4 人から 2 人を選ぶ(6 通り)
- 0, 1, 2 のカードで 3 けたの整数(4 通り)
- くじを順に引くときの確率(枝に確率を書く)
- じゃんけんの手の出し方(2 人で 9 通り)
× 注意が必要
- さいころ 2 個(36 通り)は、6×6 の表のほうがかきやすい
- 10 人の並び方(3628800 通り)は図にできない → 計算で求める
- 選ぶだけなのに AB と BA を両方数える(重なり)
- A の枝だけ 1 本かき忘れる(もれ)
- 同じ数字のカードを区別せずに 2 回数える
- 枝分かれの順番を途中で変えてしまう
樹形図は、場合の数が数十通りくらいまでのときに力を発揮します。それより多いときは、樹形図の「形」からかけ算の式(積の法則)を作って計算します。
図で見る:並べると、選ぶ
A・B・C・D の 4 人から 2 人を選ぶとき、順番を考えるかどうかで数がかわります。
ハルちゃん
左の樹形図だと 12 通りなのに、どうして右は 6 通りなの?
合格先生
「委員長と副委員長」なら AB と BA はちがうけど、「そうじ当番 2 人」なら同じ組だよね。選ぶだけのときは、自分より後ろの人だけに枝をのばすと、重ならずにかけるんだ。
左のように順番を考えるものを並べ方(順列)、右のように順番を考えないものを組み合わせ方(組合せ)といいます。高校では、これを 、 と計算します(順列・組合せ)。
じょうずなかき方
- 決める順番を最初に決める:「1 番目 → 2 番目 → 3 番目」や「百の位 → 十の位 → 一の位」のように、どの順に枝分かれさせるかを決めます。
- 枝は「小さい順」「ABC 順」に並べる:辞書の順(辞書式)にかくと、もれと重なりに気づきやすくなります。
- 条件に合わない枝は、早めに切る:3 けたの整数では、百の位に 0 は置けません。その枝は先にかかなくてよいのです。
- 同じ形のくり返しに気づく:A から始まる枝と B から始まる枝が同じ形なら、1 つだけかいて「× 個数」で数えられます。
この図の 2 段目以降は、どの枝も「2 通り → 1 通り」の同じ形です。だから、百の位が 1 か 2 の 2 通りに、 をかけて、(通り)と計算でも求められます。
確率の樹形図(枝に確率を書く)
中学 2 年では、樹形図ですべての場合を数えて確率を求めます。高校の数学Aでは、さらに枝に確率を書きこむ使い方も学びます。道すじにそって確率をかけ、ゴールが同じ道すじどうしの確率をたします。
くじを引いたあともどさないので、2 回目の枝の確率は、1 回目の結果によってかわります。この考え方は条件付き確率につながります。
テスト・入試ではこう出る
樹形図は小学 6 年の「並べ方と組み合わせ方」で習い、中学 2 年の確率、高校の数学A(場合の数と確率)でも使います。中学受験では、カードで整数をつくる問題、代表の選び方、道順、コイン・じゃんけんがよく出ます。高校入試では、樹形図や表で数えて確率を求める問題が定番です。
例題1(カードで偶数をつくる)
1・2・3・4 の 4 枚のカードから 2 枚を並べて 2 けたの整数をつくります。偶数は何通りできますか。
- 偶数になるのは、一の位が 2 か 4 のとき。一の位から先に決める樹形図をかく。
- 一の位が 2 のとき、十の位は 1・3・4 の 3 通り(12、32、42)。
- 一の位が 4 のとき、十の位は 1・2・3 の 3 通り(14、24、34)。
答え 6 通り(12, 14, 24, 32, 34, 42)。2 けたの整数は全部で 通りなので、ちょうど半分です。
例題2(確率の樹形図)
当たり 2 本、はずれ 3 本のくじがあります。A が 1 本引き、もどさずに B が 1 本引きます。B が当たる確率を求めなさい。
- A が当たる確率は 、はずれる確率は 。
- A が当たったあと、くじは当たり 1 本・はずれ 3 本なので、B が当たる確率は 。A がはずれたあとは当たり 2 本・はずれ 2 本なので 。
- それぞれの道すじの確率は、枝の確率をかけて 、。
- この 2 つは同時に起こらないので、たして 。
答え 。先に引いても後に引いても、当たる確率は同じです。

ハルちゃん
偶数なら一の位から決める! 条件のきびしいところから枝分かれさせると楽だね。
まちがえやすい点

合格先生
選ぶだけのときに AB と BA を両方数えないように! 並べるのか選ぶのか、まず確かめよう。
- 選ぶだけなのに、順番つきで数える:4 人から 2 人の当番を選ぶのに、AB と BA を別に数えて 12 通りとするまちがいです。順番を考えないなら 6 通りです。問題文が「並べる」か「選ぶ」かを確かめましょう。
- 枝のかきもれ:思いついた順にかくと、どこかがぬけます。「A から始まるもの」を全部かいてから「B から始まるもの」へ、と決まった順にかきます。
- 0 を百の位に置く:0・1・2 で 3 けたの整数を 6 通りとするまちがいです。012 は 3 けたの整数ではありません。
- 同様に確からしくないものを枝にする:コイン 2 回を「表 0 回・1 回・2 回」の 3 本の枝にすると、確率をまちがえます。枝は「1 回目 表・裏 → 2 回目 表・裏」のように、1 回ずつ分けてかきます。
- もどさないくじで、2 回目も同じ確率にする:1 本目を引いたあとは、くじの本数も当たりの本数もかわります。枝ごとに残りの本数を数えなおします。
ことばの由来
樹形図は「樹(き)の形をした図」という意味です。幹から枝が分かれ、その先でまた枝が分かれる様子にたとえた名前です。英語でも tree diagram(ツリー ダイアグラム、木の図)といいます。家族のつながりを表す「家系図」も、英語では family tree といい、同じように木にたとえています。
ミニ問題
問題1 A・B・C・D の 4 人でリレーの走る順番を決めます。A が 1 番目に走る順番は何通りありますか。
答えと解き方を見る
6 通りです。1 番目は A に決まっているので、残りの B・C・D の 3 人の並び方を数えます。樹形図をかくと、2 番目が 3 通り、3 番目が 2 通り、4 番目が 1 通りで、(通り)。ABCD、ABDC、ACBD、ACDB、ADBC、ADCB です。
問題2 A・B・C・D の 4 人から、そうじ当番を 2 人選びます。選び方は何通りありますか。
答えと解き方を見る
6 通りです。AB、AC、AD、BC、BD、CD。そうじ当番は「どちらが先か」を考えないので、AB と BA は同じ選び方です。並べる場合の 12 通りを、そのまま答えにしないように気をつけましょう(2 人の並べ方 2 通りずつで、)。
問題3 まなぶくんとハルちゃんが 1 回じゃんけんをします。あいこになる確率を求めましょう。
答えと解き方を見る
です。
- まなぶくんの出し方 3 通りそれぞれに、ハルちゃんの出し方が 3 通りあるので、全部で (通り)。
- あいこは(グー,グー)(チョキ,チョキ)(パー,パー)の 3 通り。
- 確率は 。
「勝ち・負け・あいこの 3 通りだから 」は、たまたま答えが同じになるだけで、考え方としてはまちがいです。3 つの結果が同じくらい起こりやすい(同様に確からしい)かを確かめずに分母にしているからです。樹形図や表で、2 人の手の出し方 9 通りまで分けて数えましょう。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
樹形図とは何ですか?
起こりうる場合を、木の枝が分かれるようにかき出した図です。枝の先の数を数えると、場合の数がわかります。
樹形図をもれなくかくコツは?
決める順番を最初に決め、ABC順や小さい順に枝をかくことです。Aから始まる枝を全部かいてから、Bに進みます。
並べ方と選び方で樹形図はどうちがいますか?
並べ方は順番を考えるので、ABとBAを別にかきます。選び方は順番を考えないので、自分より後ろの人だけに枝をのばします。
樹形図と表はどう使い分けますか?
さいころ2個やじゃんけんのように2つのものの組み合わせは表が便利です。3回以上続くものや、条件で枝が変わるものは樹形図が便利です。
樹形図で確率を求めるには?
同様に確からしい枝の先を数えて、全体の数でわります。高校では枝に確率を書き、道すじにそってかけ算をする方法も使います。
樹形図は何年生で習いますか?
小学6年の並べ方と組み合わせ方で習います。中学2年の確率や、高校の数学Aでも使います。
出典・参考
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」第6学年 D データの活用(起こり得る場合)
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第2学年 D データの活用(確率)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学A(場合の数と確率)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


