条件付き確率とは?意味と求め方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

条件付き確率とは?意味と求め方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

条件付き確率とは

あること(AA)が起こったとわかったうえで、別のこと(BB)が起こる確率です。PA(B)P_A(B) と書き、PA(B)=P(A∩B)P(A)P_A(B)=\dfrac{P(A\cap B)}{P(A)} で求めます。わかったことによって、分母(考える範囲)がせまくなるのが特徴です。

読み方:じょうけんつきかくりつ/英語:conditional probability/習う学年:数学A(場合の数と確率)

うかるくん

うかるくん

「偶数のとき4以上の確率」と「偶数で4以上の確率」って、同じじゃないんですか?

合格先生

合格先生

ちがうんだ。「とき」は偶数だとわかったあとだから、分母は偶数の3通り。答えは 23\dfrac23。「かつ」は分母が6通りのままで 13\dfrac13 だよ。

この用語のポイント

  • PA(B)=P(A∩B)P(A)P_A(B)=\dfrac{P(A\cap B)}{P(A)}。分母は条件の事象 AA
  • 問題文の「〜とき」が合図。「かつ」とは別もの
  • 乗法定理 P(A∩B)=P(A)PA(B)P(A\cap B)=P(A)P_A(B):樹形図の枝の確率をかける

やさしく言うと

条件付き確率は、「〇〇だった」とわかったうえで、△△が起こる確率です。わかったことによって、考える範囲(分母)がせまくなるのがポイントです。身近なところにもあります。

  • 天気:ある日に雨が降る確率より、「朝から空がくもっている」とわかった日に雨が降る確率のほうが高いと感じます。くもりの日だけにしぼって考えているからです。
  • クラスの名簿:クラス全員から1人選ぶのと、「めがねの人」の中から1人選ぶのでは、男子が選ばれる確率が変わります。
  • くじ引き:前の人が当たりを引いたとわかると、残りの当たりが減るので、次の人の当たる確率が変わります。

さいころを1個投げて、4以上の目が出る確率は 36=12\dfrac36=\dfrac12 です。ところが、友だちが目を見て「偶数だったよ」と教えてくれたら、考えるのは 2, 4, 6 の3通りだけです。そのうち4以上は 4 と 6 の2通りなので、確率は 23\dfrac23 に変わります。

ふつうに考える(6通り) 123456 4以上は 4, 5, 6 → 3/6=1/2 「偶数だった」とわかったら(3通りに縮む) 246135 偶数 2, 4, 6 のうち4以上は 4, 6 → 2/3(分母は条件の3通り)
「偶数だった」とわかると、分母が6通りから3通りに縮む
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

わかったことで「全体」が小さくなるんだ。分母を取りかえるのがコツね!

式と記号

事象 AA が起こったという条件のもとで BB が起こる確率を、高校では PA(B)P_A(B) と書きます。

PA(B)=P(A∩B)P(A)P_A(B)=\frac{P(A\cap B)}{P(A)}

「AA の中で、BB でもあるものの割合」という意味です。さいころの例なら AA=偶数、BB=4以上で、PA(B)=2/63/6=23P_A(B)=\dfrac{2/6}{3/6}=\dfrac23 です。場合の数で考えるなら、PA(B)=n(A∩B)n(A)P_A(B)=\dfrac{n(A\cap B)}{n(A)} と、個数どうしの割り算でも求められます。大学や海外の本では、同じものを P(B∣A)P(B\mid A) と書きます(縦棒の右が条件)。

書き方読み方使われる場所
PA(B)P_A(B)「A が起こったときの B の条件付き確率」日本の高校の教科書
P(B∣A)P(B\mid A)「A のもとでの B の確率」大学・海外の本

条件付き確率の問題・そうでない問題

○ 条件付き確率

  • 「1人目が当たったとき、2人目が当たる確率」
  • 「取り出した玉が赤だったとき、それが袋Aの玉である確率」
  • 「偶数が出たとわかっているとき、4以上である確率」
  • 「めがねの人の中から選んだとき、男子である確率」
  • 「目の和が8だったとき、6の目をふくむ確率」
  • 「検査で陽性だったとき、本当に病気である確率」

× 条件付き確率ではない

  • 「1人目も2人目も当たる確率」(これは P(A∩B)P(A\cap B))
  • 「偶数で、しかも4以上である確率」(2/6=1/3)
  • 「4以上である確率」(条件なし、1/2)
  • 「クラス全員から選んで、めがねの男子である確率」
  • 「2人目が当たる確率」(1人目の結果を知らない)
  • 「赤玉を取り出す確率」

問題文に「〜とき」「〜だとわかっているとき」「〜という条件のもとで」があれば、条件付き確率の合図です。「〜で、しかも」「〜かつ」は、両方が起こる確率 P(A∩B)P(A\cap B) です。

図で見る:表で分母をしぼる

条件付き確率は、表のどこを分母にするかで考えるとわかりやすくなります。40人のクラスで、めがねの人の中から1人選ぶとき、男子である確率を考えます。

40人のクラス(めがねの人の列だけを見る) めがねなし計男子81220女子61420計142640 めがねの人のとき男子:8 ÷ 14 = 4/7(分母は14人) めがねでかつ男子:8 ÷ 40 = 1/5(分母は全員)
条件「めがね」の列(14人)だけを見る。その中の男子8人の割合が条件付き確率

「めがねのとき男子」は、分母がめがねの14人です。「めがねで、かつ男子」は、分母が全員の40人です。同じ「8人」を見ていても、分母がちがうので確率もちがいます。

うかるくん

うかるくん

「めがねのとき男子」と「男子のときめがね」は、同じ答えになりますか?

合格先生

合格先生

ならないよ。「男子のときめがね」は分母が男子20人で 820=25\dfrac8{20}=\dfrac25。「めがねのとき男子」は 814=47\dfrac8{14}=\dfrac47。何が条件かで分母が変わるんだ。

乗法定理:「かつ」の確率を順に求める

上の式を変形すると、P(A∩B)=P(A)×PA(B)P(A\cap B)=P(A)\times P_A(B) になります。これを確率の乗法定理といいます。当たり3本を含む10本のくじを、戻さずに2人が順に引くとき、2人とも当たる確率は 310×29=115\dfrac3{10}\times\dfrac29=\dfrac1{15} です。

1人目2人目 3/107/102/97/93/96/9当は当・当3/10×2/9=1/15当・は3/10×7/9=7/30は・当7/10×3/9=7/30は・は7/10×6/9=7/15 2本目の枝の確率(2/9 など)が条件付き確率
2本目の枝の確率が条件付き確率。枝の確率をかけると「かつ」の確率
指し棒で説明する合格先生

合格先生

樹形図の2段目の数字は、1段目の結果がわかったあとの条件付き確率なんだ。

なお、2人目が当たる確率そのもの(1人目の結果を知らない場合)は、115+730=310\dfrac{1}{15}+\dfrac{7}{30}=\dfrac{3}{10} で、1人目と同じです。くじは引く順番によって有利・不利がないことがわかります。

結果から原因を考える

条件付き確率は、「結果がわかったとき、原因はどれだったか」を考えるのにも使います。たとえば「赤玉が出た」という結果から「袋Aから取り出した」確率を求める問題です。面積図をかくと、赤い部分だけが新しい「全体」になることがよくわかります。

袋A(1/2) 袋B(1/2) 赤 3/10 赤 1/10 白 白 A の中の 赤は 3/5 B は 1/5 赤だったとき袋A:3/10 ÷ (3/10 + 1/10) = 3/4(赤い部分だけが「全体」になる)
赤玉が出たとわかると、赤い部分だけが「全体」になる

テスト・入試ではこう出る

条件付き確率は数学A(場合の数と確率)で習います。よく出るのは、表から条件付き確率を読む問題、くじや玉を戻さずに取り出す問題(乗法定理)、結果から原因の確率を求める問題です。原因の問題では、「どちらの袋か」「本当に病気か」などを問われます。

例題1(表で考える)

上の図の40人のクラスで、めがねをかけている人の中から1人を選ぶとき、その人が男子である確率を求めなさい。

  1. 「めがねの人を選んだ」が条件なので、分母はめがねの人数 8+6=148+6=14 人。
  2. そのうち男子は 8 人。
  3. PA(B)=814=47P_A(B)=\dfrac{8}{14}=\dfrac47(AA=めがね、BB=男子)。

答え 47\dfrac47(分母を 40 にして 840\dfrac8{40} とするのは「めがねで男子」の確率で、問われているものとちがいます)

例題2(原因の確率)

袋Aには赤玉3個・白玉2個、袋Bには赤玉1個・白玉4個が入っています。どちらかの袋を確率 12\dfrac12 ずつで選び、玉を1個取り出したところ赤玉でした。それが袋Aから取り出したものである確率を求めなさい。

  1. AA=袋Aを選ぶ、RR=赤玉が出る、とする。P(A∩R)=12×35=310P(A\cap R)=\dfrac12\times\dfrac35=\dfrac3{10}。
  2. 袋Bから赤が出る確率は 12×15=110\dfrac12\times\dfrac15=\dfrac1{10}。赤が出る確率は P(R)=310+110=410P(R)=\dfrac3{10}+\dfrac1{10}=\dfrac4{10}。
  3. 赤だったとき袋Aである確率は PR(A)=P(R∩A)P(R)=3/104/10=34P_R(A)=\dfrac{P(R\cap A)}{P(R)}=\dfrac{3/10}{4/10}=\dfrac34。

答え 34\dfrac34(結果から「原因」を考える問題です。上の面積図で、赤い部分のうち袋Aの部分の割合です)

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

分母は「わかっていること」の場合の数。全体のままにしない!

  • 条件を逆にする:さいころで AA=偶数、BB=6の目とすると、PA(B)=13P_A(B)=\dfrac13(偶数の中で6)ですが、PB(A)=1P_B(A)=1(6は必ず偶数)です。どちらが「わかっていること」かを先に決めましょう。
  • 分母を全体のままにする:条件付き確率の分母は、全体ではなく条件の事象です。さいころの例で 26\dfrac26 と答えるのはまちがいです。
  • 「かつ」と「とき」を取りちがえる:「偶数で4以上」は 13\dfrac13、「偶数のとき4以上」は 23\dfrac23 です。
  • 戻すか戻さないかを見落とす:くじを戻すなら2人目の確率は1人目の結果に関係なく 310\dfrac3{10} のまま、戻さないなら 29\dfrac29 や 39\dfrac39 に変わります。
  • 独立のときも分母を変えようとする:AA と BB が独立なら PA(B)=P(B)P_A(B)=P(B) です。条件がわかっても確率は変わりません。

ことばの由来

英語では conditional probability(コンディショナル プロバビリティ)で、conditional は「条件つきの」という意味です。PA(B)P_A(B) の右下の AA、P(B∣A)P(B\mid A) の縦棒の右の AA は、どちらも「条件」を表す場所です。

ミニ問題

問題1 さいころを1回投げたら、3の倍数の目が出たとわかりました。このとき、偶数の目である確率を求めましょう。

答えと解き方を見る

12\dfrac12 です。3の倍数の目は 3 と 6 の2通りで、これが分母です。そのうち偶数は 6 の1通りなので 12\dfrac12。分母を 6 にして 16\dfrac16 としないように注意しましょう。

問題2 当たり3本を含む10本のくじを、引いたくじを戻さずに2人が順に引きます。1人目がはずれたとき、2人目が当たる確率を求めましょう。

答えと解き方を見る

13\dfrac13 です。1人目がはずれたので、残りは 9 本で、当たりは 3 本のまま。だから 39=13\dfrac39=\dfrac13 です。上の樹形図の「は → 当」の枝の確率です。

問題3 2個のさいころを投げたら、目の和が 8 でした。このとき、少なくとも1個は 6 の目である確率を求めましょう。

答えと解き方を見る

25\dfrac25 です。和が 8 になるのは (2,6)(3,5)(4,4)(5,3)(6,2) の5通りで、これが分母です。そのうち 6 をふくむのは (2,6)(6,2) の2通りなので 25\dfrac25。条件の場合を全部書き出すのが確実です。

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

条件付き確率の求め方は?

AとBがどちらも起こる確率を、Aが起こる確率で割ります。場合の数で考えるなら、Aの場合の数を分母、AかつBの場合の数を分子にします。

P_A(B)とP(B|A)は同じですか?

同じ意味です。日本の高校の教科書ではP_A(B)、大学や海外の本ではP(B|A)と書くことが多いです。どちらもAが条件です。

「AのときB」と「AかつB」のちがいは?

「AのときB」はAが起こったとわかったあとの確率で、分母はAです。「AかつB」は両方が起こる確率で、分母は全体です。

乗法定理とは何ですか?

AとBがどちらも起こる確率は、Aが起こる確率に、Aが起こったときのBの条件付き確率をかけたものになる、という定理です。

くじは先に引くほうが有利ですか?

有利・不利はありません。戻さずに引くくじでも、前の人の結果を知らなければ、何番目に引いても当たる確率は同じです。

条件付き確率は何年生で習いますか?

高校の数学A「場合の数と確率」で習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学A(場合の数と確率:条件付き確率)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦