この公式のポイント
- 対角の和は 180°(となりの角ではない)
- 外角=内対角
- 証明は中心角 2a+2c=360∘
- 大学受験は cosD=−cosB と余弦定理

うかるくん
180°になるのは、となり合う角?向かい合う角?
![合格先生]()
合格先生
向かい合う角だ。2つの対角の中心角は 2a と 2c で、合わせて円1周の360°になるからだ。
円に内接する四角形の性質
4つの頂点がすべて1つの円の周上にある四角形を「円に内接する四角形」といいます。この四角形には、次の性質があります。
円に内接する四角形 ABCD
① 向かい合う角(対角)の和は 180°
∠A+∠C=180∘,∠B+∠D=180∘② 1つの外角は、それと向かい合う内角(内対角)に等しい
∠DCE=∠A(E は辺 BC を C の先にのばした点)③ 逆も成り立つ:対角の和が 180° の四角形は、円に内接する。
∠A と ∠C の和は180°。C の外角 ∠DCE は向かい合う ∠A と同じ大きさ証明
① 対角の和が 180° になる理由
円の中心を O とし、O と B、O と D を結びます。円周角の定理(中心角は円周角の2倍)を使います。
- ∠A は弧 BCD(A をふくまないほうの弧)に対する円周角なので、その弧の中心角は 2∠A。
- ∠C は弧 BAD(C をふくまないほうの弧)に対する円周角なので、その弧の中心角は 2∠C。
2つの弧を合わせると円1周なので、中心角の和は 360°。
2∠A+2∠C=360∘⟹∠A+∠C=180∘∠B+∠D も同じように 180° です(四角形の内角の和は 360° なので、残りの2つの和も 180° と考えても同じです)。
弧 BCD の中心角は 2a、弧 BAD の中心角は 2c。2つで1周するので 2a+2c=360°② 外角=内対角になる理由
辺 BC を C の先にのばした点を E とすると、B、C、E は一直線なので ∠BCD+∠DCE=180∘。①より ∠BCD+∠A=180∘。くらべると ∠DCE=∠A です。
③ 逆について
対角の和が 180° の四角形が円に内接することは、円周角の定理の逆と同じ考え方(点が円の内側・外側にあるときの角をくらべる)で証明できます。4点が同じ円周上にあるかを調べるときに使います。
どんな四角形が円に内接するか
高校受験(中学数学)での使い方
高校受験例題1(対角の和)
円に内接する四角形 ABCD で、∠A=95°、∠B=70° です。∠C と ∠D を求めなさい。
解き方
対角の和は 180° なので、∠C=180∘−95∘=85∘、∠D=180∘−70∘=110∘。
答え ∠C=85∘、∠D=110∘
高校受験例題2(外角=内対角)
円に内接する四角形 ABCD で、∠ABD=35°、∠ADB=45° です。辺 BC を C の先にのばした点を E とするとき、∠DCE を求めなさい。
解き方
△ABD で ∠BAD=180∘−35∘−45∘=100∘。
外角は内対角に等しいので ∠DCE=∠BAD=100∘。(∠BCD=180∘−100∘=80∘ から 180∘−80∘ としても同じ。)
答え 100∘
大学受験(数学Ⅰ・数学A)での使い方
大学受験では、∠D=180∘−∠B だから cosD=−cosB を使い、対角線を余弦定理で2通りに表す問題が定番です。
AB=3、BC=5、CD=5、DA=8 の内接四角形。cos D=−cos B から ∠B=120°、AC=7大学受験例題3(余弦定理を2回)
円に内接する四角形 ABCD で、AB=3、BC=5、CD=5、DA=8 である。∠B の大きさ、対角線 AC の長さ、四角形 ABCD の面積を求めよ。
解き方
cosB=x とすると cosD=−x。△ABC と △ACD で余弦定理:
AC2=9+25−30x=25+64+80x。よって 110x=−55、x=−21、∠B=120∘。
AC2=34+15=49 より AC=7。
面積は 21⋅3⋅5sin120∘+21⋅5⋅8sin60∘=(215+20)23=4553。
答え ∠B=120∘、AC=7、面積 4553
大学受験例題4(もう1本の対角線)
例題3の四角形で、対角線 BD の長さを求めよ。
解き方
cosA=y とすると cosC=−y。BD2=9+64−48y=25+25+50y より 98y=23、y=9823。
BD2=73−48⋅9823=493025 なので BD=755。
検算:トレミーの定理AC⋅BD=AB⋅CD+AD⋅BC より 7⋅BD=15+40=55。一致します。
答え BD=755
よくある間違い
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合格先生
外角に等しいのは、となりの内角ではない。その頂点と向かい合う内角だぞ。
- となり合う角の和を 180° にする:180° になるのは向かい合う角(∠A と ∠C、∠B と ∠D)。
- 外角を「となりの内角」と等しいとする:外角に等しいのは、その頂点と向かい合う内角。
- どんな四角形でも対角の和が 180° と思う:円に内接しているときだけ。平行四辺形などでは成り立たない。
練習問題
![「ここが大事!」と説明する合格先生]()
合格先生
大学受験では cosD=−cosB が決め手だ。
- 高校受験 円に内接する四角形 ABCD で、∠A が ∠C の3倍のとき、∠A は何度?
答えと解説を見る
∠A+∠C=180∘、∠A=3∠C より 4∠C=180∘、∠C=45∘。答え ∠A=135∘ - 高校受験 円に内接する平行四辺形は、どんな四角形か。理由も答えなさい。
答えと解説を見る
平行四辺形は対角が等しい。円に内接するので対角の和は 180°。よって1つの角は 90° で、長方形。 - 大学受験 円に内接する四角形 ABCD で AB=3、BC=5、CD=2、DA=3 のとき、cosB と AC を求めよ。
答えと解説を見る
cosB=x、cosD=−x。AC2=9+25−30x=4+9+12x より 42x=21、x=21。AC2=34−15=19。答え cosB=21、AC=19
関連する公式
よくある質問
円に内接する四角形の性質は?
向かい合う角(対角)の和が180°になります。また、1つの外角は、それと向かい合う内角(内対角)に等しくなります。
なぜ対角の和は180°になるのですか?
円周角の定理より、2つの対角に対する中心角はそれぞれ角の2倍で、合わせて円1周の360°になるからです。
平行四辺形は円に内接しますか?
長方形(正方形をふくむ)だけが内接します。平行四辺形は対角が等しいので、和が180°になるには90°ずつでなければなりません。
大学入試ではどう使いますか?
∠D=180°−∠B から cosD=−cosB となるので、対角線を2つの三角形で余弦定理を使って2通りに表し、辺や角を求めます。
あわせて読みたい
出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第3学年(円周角と中心角)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅰ(図形と計量)・数学A(図形の性質)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦