うかるくん
ボールを真上に投げて、いちばん高い所で止まった瞬間は、加速度も 0 ですよね?
合格先生
止まっているのは速度だけだよ。重力で下向きの加速度はずっとはたらいている。だから次の瞬間、落ち始めるんだ。
この用語のポイント
- 、。逆に積分すると速度・位置の変化
- 速度は符号つき、速さは 。 でも のことがある
- 道のりは を積分。向きが変わる時刻で区間を分ける
やさしく言うと
速度は「位置がどれだけの速さで、どちらの向きに変わっているか」、加速度は「速度がどれだけの速さで変わっているか」です。数学では、位置を時刻で微分したものが速度、速度を時刻で微分したものが加速度です。
- 電車の発車:止まっていた電車がだんだん速くなるのは、進む向きに加速度があるからです。速度が 0 でも、加速度は 0 とは限りません。
- 車のブレーキ:前に進みながらブレーキをかけると、速度は前向きのまま小さくなります。このとき加速度は後ろ向き(負)です。
- ボールを真上に投げる:いちばん高い所で、ボールは一瞬止まります(速度 0)。でも重力による下向きの加速度は、ずっとはたらいています。だからまた落ちてきます。
まとめると、位置 →(微分)→ 速度 →(微分)→ 加速度。速度は「位置の変化率」、加速度は「速度の変化率」です。

うかるくん
速度は「位置の変化率」、加速度は「速度の変化率」。どっちも微分なんだ!
速度・加速度の例と、まちがった見方
○ 正しい見方
- なら 、
- は「負の向きに速さ 3 で進んでいる」
- 止まった瞬間()でも、 のことがある
- 速度が負で加速度も負なら、負の向きにどんどん速くなる
- 物を落とすと、(m)より 、(m/s²)
× まちがった見方
- を「速さが 」と言う(速さは で 3)
- だから と決める
- 加速度が負だから、必ず遅くなると思う(速度も負なら速くなる)
- を進んだ道のりと考える(向きが変わると×)
- 位置 をそのまま速度と思う( が大きくても速いとは限らない)
数直線上の運動では、速度は符号(+・−)つきの数で、符号が向き、絶対値が速さを表します。加速度の符号は「速度がふえるか、へるか」を表すので、速度の符号と同じなら速くなり、逆なら遅くなります。
図で見る
数直線上を、位置 で動く点 P を考えます。時刻ごとの位置を並べると、動きがよく分かります。
なので、 では (左へ)、 で (一瞬止まる)、 では (右へ)です。加速度は でいつも正なので、速度はいつもふえ続けています。
位置のグラフでは、接線の傾きが速度です。
サクラちゃん
グラフが下がっているところでも、点はちゃんと動いているんですよね?
合格先生
そう。グラフが下がる所は、負の向きに動いているということだ。接線の傾きが負なら速度も負。傾きが急なほど速い、と読むんだよ。
逆に、速度のグラフの下の面積は、位置の変化になります(積分)。
平面上の運動
点が平面上を と動くときは、速度も加速度もベクトルで表します。
| 量 | 式 | 意味 |
|---|---|---|
| 速度 | 進む向きと速さ(向きは軌跡の接線方向) | |
| 速さ | 速度ベクトルの大きさ | |
| 加速度 | 速度ベクトルの変わり方 |
たとえば円の上を回る点 では、速度は で速さはいつも 、加速度は でいつも円の中心を向きます。速さが変わらなくても、向きが変わるので加速度があるのです。
テスト・入試ではこう出る
速度と加速度は、高校で微分・積分を学んだあと、その応用として学びます。物理の「速度・加速度」とも深く関係します。問題の形は、位置の式から速度・加速度を求める、 となる時刻(向きが変わる時刻)や位置の最大・最小を求める、速度を積分して位置の変化や道のりを求める、平面上の点の速さを求めるなどです。
例題1(位置から速度・加速度)
数直線上を動く点の時刻 ()における位置が のとき、速度 ・加速度 を求めなさい。また、点が進む向きを変える時刻と、 の最小値を求めなさい。
- 速度:
- 加速度:
- となるのは 。 では (負の向きに進む)、 では (正の向きに進む)。だから向きが変わるのは 。
- で は まで減り、そのあと増えるので、最小値は 。このとき 。
答え 、、向きが変わるのは 、 の最小値は
では速度は 0 ですが、加速度は で 0 ではありません。止まった瞬間にも、速度を変える力ははたらいています。
例題2(速度から変位と道のり)
数直線上を動く点の速度が のとき、 から までの位置の変化と、道のりを求めなさい。
- では 、 では 。
- 位置の変化:
- 道のり:
答え 位置の変化 0、道のり 8(図3の三角形2つの面積と一致します)

合格先生
道のりは を積分! の符号が変わる時刻で区間を分けよう。
まちがえやすい点

合格先生
道のりは「位置の差」ではなく、 の積分!
- 速度と速さを同じにする:速度 のとき、速さは です。速さは速度の絶対値(平面なら速度ベクトルの大きさ)です。
- なら と思う:例題1の では ですが です。ボールのいちばん高い所でも、重力の加速度ははたらいています。
- 道のりを位置の差で求める: で から までは、位置の差は ですが、道のりは です。向きが変わるときは、 を積分します。
- 加速度が負なら必ず遅くなると思う:速度も負なら、負の向きに速くなります。速くなるか遅くなるかは、 と の符号が同じか逆かで決まります。
- 単位をそろえない:位置が m、時刻が秒なら、速度は m/s、加速度は m/s²(1秒あたりに速度が何 m/s 変わるか)です。
ことばの由来
速度は「速さの度合い」、加速度は「速度が加わる(変わる)度合い」という意味の漢字の組み合わせです。英語では速度を velocity、速さを speed、加速度を acceleration といい、物理では velocity(向きのある量)と speed(大きさだけ)を区別して使います。
ミニ問題
問題1 数直線上を動く点の位置が のとき、 における速度・速さ・加速度を求めましょう。
答えと解き方を見る
速度 、速さ 、加速度 です。 より 。速さは速度の絶対値なので 。(いつも一定)です。速度が負なのは、負の向きに進んでいるということです。
問題2 位置が ()の点が、向きを変える時刻と、そのときの加速度を求めましょう。
答えと解き方を見る
、加速度 です。 で、 では のとき 、その前後で の符号が負から正に変わります。 なので です。
問題3 座標平面上を動く点の位置が のとき、 における速さを求めましょう。
答えと解き方を見る
です。速度は で、 では 。速さはその大きさで 。加速度は で、 の向きにだけはたらいています。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
速度と速さのちがいは?
速度は向きをもつ量で、数直線上では正負の符号つきの数です。速さは速度の大きさ(絶対値)で、いつも0以上です。
加速度とは何ですか?
速度が時間とともにどれだけ変わるかを表す量です。速度を時刻で微分すると加速度になります。
速度が0のとき、加速度も0ですか?
そうとは限りません。ボールを真上に投げていちばん高い所で止まった瞬間も、下向きの加速度がはたらいています。
道のりはどう求めますか?
速度の絶対値を時刻で積分します。速度の符号が変わる時刻で区間を分けて計算します。
位置の差と道のりはどうちがいますか?
位置の差は、向きを考えたはじめと終わりの位置の変化です。途中で向きが変わると、実際に動いた道のりより小さくなります。
平面上の運動の速さはどう求めますか?
速度ベクトル(xの微分、yの微分)の大きさ、つまり2つの成分の2乗の和の平方根で求めます。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」(微分法・積分法の応用)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


