区分求積法とは?意味と式の使い方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験大学院入試

区分求積法とは

曲線の下の面積を細い長方形の面積の和で近づけ、長方形を限りなく細くした極限として求める方法です。式では lim⁡n→∞1n∑k=1nf ⁣(kn)=∫01f(x) dx\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac1n\sum_{k=1}^{n}f\!\left(\frac kn\right)=\int_0^1f(x)\,dx と表します。

読み方:くぶんきゅうせきほう/習う学年:数学Ⅲ(積分法)

サクラちゃん

サクラちゃん

∑k=1n1n+k\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\dfrac1{n+k} の極限なんて、Σ\Sigma の公式じゃ計算できません…。

合格先生

合格先生

そんなときが区分求積法の出番だ。和を細い長方形の面積の和と見れば、極限は定積分になる。log⁡2\log2 と答えが出せるよ。

この用語のポイント

  • 長方形の和の極限が定積分:lim⁡n→∞1n∑k=1nf ⁣(kn)=∫01f(x) dx\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac1n\sum_{k=1}^{n}f\!\left(\frac kn\right)=\int_0^1f(x)\,dx
  • まず1n\dfrac1n を外に出し、残りを kn\dfrac kn だけの式にする
  • 区間は kn\dfrac kn が動く範囲で決まる(いつも 00〜11 とは限らない)

やさしく言うと

区分求積法は、曲線で囲まれた形を、細い長方形に切って面積をたし、切り方をどんどん細かくして本当の面積を求める方法です。「区分」は分けること、「求積」は面積や体積を求めることです。

  • 田んぼの面積:形がいびつな田んぼでも、細長い短冊に区切って、短冊1枚ずつの面積(たて×よこ)をたせば、だいたいの広さが分かります。短冊を細くするほど、誤差は小さくなります。
  • 階段と坂道:なめらかな坂道を、段のある階段で置きかえるところを考えます。段を細かくするほど、階段の形は坂道にぴったり重なっていきます。
  • デジタル写真:写真を拡大すると、四角い点(画素)の集まりだと分かります。点が細かいほど、まるい形もなめらかに見えます。

まとめると、「長方形の和」の極限が「面積(定積分)」になる、というのが区分求積法の考え方です。

xy 1 01/52/53/54/51 y=x² 5 本の和 = 0.44(本当の面積 1/3 ≒ 0.3333)
0 から 1 を 5 等分した長方形。和は 0.44 で、本当の面積 1/3 より大きい

上の図は、放物線 y=x2y=x^2 の下(0≤x≤10\le x\le1)を、幅 15\dfrac15 の長方形 5 本で近づけたものです。高さは右の端の値 (15)2, (25)2, ⋯ , 12\left(\dfrac15\right)^2,\ \left(\dfrac25\right)^2,\ \cdots,\ 1^2 にしています。和は 15⋅1+4+9+16+2525=55125=0.44\dfrac15\cdot\dfrac{1+4+9+16+25}{25}=\dfrac{55}{125}=0.44 です。

指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

長方形は「たて×よこ」で面積がすぐ出る。だから曲線を長方形で置きかえるのね!

区分求積法で求められるもの・そうでないもの

○ 区分求積法で定積分に直せる

  • lim⁡n→∞1n∑k=1n(kn)2=∫01x2 dx\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac1n\sum_{k=1}^{n}\left(\dfrac kn\right)^2=\int_0^1x^2\,dx(1n\dfrac1n と kn\dfrac kn がそろっている)
  • lim⁡n→∞∑k=1n1n+k\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\dfrac1{n+k}(nn で割ると 1n⋅11+kn\dfrac1n\cdot\dfrac1{1+\frac kn})
  • lim⁡n→∞1n∑k=0n−1(kn)2\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac1n\sum_{k=0}^{n-1}\left(\dfrac kn\right)^2(左の端の値でも同じ 13\dfrac13)
  • lim⁡n→∞13+23+⋯+n3n4\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac{1^3+2^3+\cdots+n^3}{n^4}(1n∑(kn)3\dfrac1n\sum\left(\dfrac kn\right)^3 の形になる)
  • lim⁡n→∞πn∑k=1nsin⁡kπn\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac\pi n\sum_{k=1}^{n}\sin\dfrac{k\pi}n(幅 πn\dfrac\pi n、区間 00〜π\pi)

× そのままでは直せない・ちがうもの

  • ∑k=1n(kn)2\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\left(\dfrac kn\right)^2 だけ(1n\dfrac1n がない。n→∞n\to\infty で発散する)
  • lim⁡n→∞∑k=1n1k\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\dfrac1k(kn\dfrac kn の形が作れない。これは発散する)
  • 有限の nn のときの和(たとえば n=5n=5 の 0.44 は近い値で、定積分そのものではない)
  • 数列の和 ∑k=1nk\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k(極限をとらない、ふつうの和)
  • lim⁡n→∞1n2∑k=1nkn\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac1{n^2}\sum_{k=1}^{n}\dfrac kn(1n\dfrac1n が1つ多く、極限は 0)

見分けるポイントは、「幅 1n\dfrac1n」×「高さ f ⁣(kn)f\!\left(\dfrac kn\right)」の形にできるかです。1n\dfrac1n が足りなかったり多すぎたりすると、長方形の面積の和になっていません。

図で見る

長方形を 5 本から 20 本にふやすと、曲線からはみ出す部分が、ずっと小さくなります。

xy 1 01 y=x² 20 本の和 = 0.35875(本当の面積 1/3 ≒ 0.3333)
20 本にすると和は 0.35875。はみ出しが小さくなり、1/3 に近づく

本数 nn をもっとふやしたときの和を、グラフにしてみましょう。

1/3 1120.62550.44100.385200.359500.3431000.338 1 0 長方形の本数 n 長方形の面積の和
本数をふやすほど、長方形の面積の和は 1/3 に近づく
うかるくん

うかるくん

本数をふやしても、ずっと 13\dfrac13 より大きいままですよね。それでも答えは 13\dfrac13 なんですか?

合格先生

合格先生

どの有限の nn でも、和は 13\dfrac13 より少し大きい。でも、その差は nn をふやせばいくらでも小さくなる。だから極限は、ぴったり 13\dfrac13 になるんだ。

式と図の対応を、1本の長方形で確かめておきます。

x 01 k/n 幅 1/n 高さ f(k/n) y=f(x) 1本の面積 = (1/n)×f(k/n) 全部たす → Σ、n→∞ → ∫₀¹ f(x)dx
k 番目の長方形:幅 1/n、高さ f(k/n)、面積 (1/n)×f(k/n)
式の部分図での意味
1n\dfrac1n長方形1本の幅(00 から 11 を nn 等分)
kn\dfrac knkk 番目の長方形の右の端の xx 座標
f ⁣(kn)f\!\left(\dfrac kn\right)kk 番目の長方形の高さ
∑k=1n\displaystyle\sum_{k=1}^{n}長方形 nn 本の面積を全部たす
lim⁡n→∞\displaystyle\lim_{n\to\infty}長方形を限りなく細くする

区分求積法の式

関数 f(x)f(x) が 0≤x≤10\le x\le1 で連続なとき、次の式が成り立ちます。

lim⁡n→∞1n∑k=1nf ⁣(kn)=∫01f(x) dx\lim_{n\to\infty}\frac1n\sum_{k=1}^{n}f\!\left(\frac kn\right)=\int_0^1f(x)\,dx

高さを左の端の値 f ⁣(k−1n)f\!\left(\dfrac{k-1}n\right) にして ∑k=0n−1\displaystyle\sum_{k=0}^{n-1} としても、極限は同じです。たとえば y=x2y=x^2 で 5 本の左の端を使うと、和は 0+1+4+9+16125=0.24\dfrac{0+1+4+9+16}{125}=0.24 で 13\dfrac13 より小さくなりますが、n→∞n\to\infty では同じ 13\dfrac13 に近づきます。本当の面積は、右の端の和と左の端の和にはさまれているのです。

区間が aa から bb のときは、幅が b−an\dfrac{b-a}n、kk 番目の点が a+b−anka+\dfrac{b-a}nk になり、

lim⁡n→∞b−an∑k=1nf ⁣(a+b−ank)=∫abf(x) dx\lim_{n\to\infty}\frac{b-a}n\sum_{k=1}^{n}f\!\left(a+\frac{b-a}nk\right)=\int_a^bf(x)\,dx

となります。入試では、まず和を 1n∑f ⁣(kn)\dfrac1n\displaystyle\sum f\!\left(\dfrac kn\right) の形に変形できるかを考えます。

x 01 11/2 y=1/(1+x) 面積 = log 2 ≒ 0.693
∑k=1n1n+k\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\dfrac1{n+k} は、y=1/(1+x) の下の長方形の和

テスト・入試ではこう出る

区分求積法は、高校の数学Ⅲ(積分法)で学びます。大学入試では、和の極限を定積分に直して求める問題がよく出ます。∑\displaystyle\sum の公式で計算できない和(1n+k\dfrac1{n+k} や sin⁡kπn\sin\dfrac{k\pi}n など)でも、定積分に直せば値が分かるのが強みです。また、和と積分の大小をくらべて不等式を示す問題(積分による評価)も、同じ「長方形と面積」の図が出発点です。

例題1(基本)

lim⁡n→∞∑k=1nk2n3\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\dfrac{k^2}{n^3} を求めなさい。

  1. k2n3=1n(kn)2\dfrac{k^2}{n^3}=\dfrac1n\left(\dfrac kn\right)^2 と、1n\dfrac1n と kn\dfrac kn の形を作る。
  2. f(x)=x2f(x)=x^2 とすると、和は 1n∑k=1nf ⁣(kn)\dfrac1n\displaystyle\sum_{k=1}^{n}f\!\left(\dfrac kn\right) の形。kn\dfrac kn は 1n\dfrac1n から 11 まで動くので、区間は 00 から 11。
  3. lim⁡n→∞1n∑k=1n(kn)2=∫01x2 dx=[x33]01=13\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac1n\sum_{k=1}^{n}\left(\dfrac kn\right)^2=\int_0^1x^2\,dx=\left[\dfrac{x^3}3\right]_0^1=\dfrac13

答え 13\dfrac13

確かめ:∑k=1nk2=n(n+1)(2n+1)6\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k^2=\dfrac{n(n+1)(2n+1)}6 を使うと、(n+1)(2n+1)6n2=16(1+1n)(2+1n)→26=13\dfrac{(n+1)(2n+1)}{6n^2}=\dfrac16\left(1+\dfrac1n\right)\left(2+\dfrac1n\right)\to\dfrac26=\dfrac13 で、同じ答えになります。

例題2(入試の定番)

lim⁡n→∞∑k=1n1n+k\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\dfrac1{n+k} を求めなさい。

  1. 1n+k=1n⋅11+kn\dfrac1{n+k}=\dfrac1n\cdot\dfrac{1}{1+\frac kn} と、分母・分子を nn で割って kn\dfrac kn を作る。
  2. f(x)=11+xf(x)=\dfrac1{1+x} とすると、和は 1n∑k=1nf ⁣(kn)\dfrac1n\displaystyle\sum_{k=1}^{n}f\!\left(\dfrac kn\right)。
  3. lim⁡n→∞∑k=1n1n+k=∫01dx1+x=[log⁡(1+x)]01=log⁡2\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\dfrac1{n+k}=\int_0^1\dfrac{dx}{1+x}=\Bigl[\log(1+x)\Bigr]_0^1=\log2

答え log⁡2\log 2

この和は ∑\displaystyle\sum の公式では計算できません。区分求積法を使うと、はじめて値が分かります。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

まず 1n\dfrac1n を外に出して、残りを kn\dfrac kn だけの式にする。これが合言葉だ!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

まず 1n\dfrac1n と kn\dfrac kn の形を作ってから、定積分に直そう!

  • 1n\dfrac1n を出し忘れる:∑k=1n(kn)2\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\left(\dfrac kn\right)^2 をそのまま ∫01x2 dx\displaystyle\int_0^1x^2\,dx にするのはまちがいです。幅 1n\dfrac1n がないと面積の和になりません。1n\dfrac1n が足りなければ、式の中から作り出します。
  • 区間をいつも 00 から 11 と決めつける:区間は kn\dfrac kn が動く範囲で決まります。kk が 11 から 2n2n まで動くなら、kn\dfrac kn は 00 から 22 までで、区間は 00〜22 です(ミニ問題3)。
  • kn\dfrac kn の形に直さないまま積分にする:1n+k\dfrac1{n+k} を 11+x\dfrac1{1+x} にするには、分母・分子を nn で割る変形が必要です。kk や nn が残ったまま xx に置きかえてはいけません。
  • 先に n→∞n\to\infty を和の中に入れる:kn→0\dfrac kn\to0 だからと和の中身を 0 にすると、「0 を nn 個たす」ことになり、答えをまちがえます。たす個数も同時にふえているので、和のまま定積分に直します。
  • 有限の和を答えにする:n=5n=5 の 0.44 や n=20n=20 の 0.35875 は近い値です。区分求積法の答えは、極限の 13\dfrac13 です。

ことばの由来・歴史

区分は「区切って分ける」、求積は「面積(積)を求める」という意味で、名前のとおり「分けて面積を求める方法」です。「区分求積法」は日本の教科書や受験で使われる呼び名で、大学では長方形の和をリーマン和と呼び、定積分の定義そのものに使います。

細かく分けた図形の和で面積に近づける考え方そのものは古く、古代ギリシャのアルキメデスが、放物線と直線で囲まれた部分の面積を求めたことがよく知られています。

ミニ問題

問題1 lim⁡n→∞1n∑k=1nkn\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac1n\sum_{k=1}^{n}\dfrac kn を求めましょう。

答えと解き方を見る

12\dfrac12 です。f(x)=xf(x)=x として ∫01x dx=[x22]01=12\displaystyle\int_0^1x\,dx=\left[\dfrac{x^2}2\right]_0^1=\dfrac12。図で見ると、直角二等辺三角形(底辺 1・高さ 1)の面積 12\dfrac12 と同じです。

問題2 lim⁡n→∞∑k=1nknn\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\dfrac{\sqrt k}{n\sqrt n} を求めましょう。

答えと解き方を見る

23\dfrac23 です。knn=1nkn\dfrac{\sqrt k}{n\sqrt n}=\dfrac1n\sqrt{\dfrac kn} なので、f(x)=xf(x)=\sqrt x として ∫01x dx=[23x32]01=23\displaystyle\int_0^1\sqrt x\,dx=\left[\dfrac23x^{\frac32}\right]_0^1=\dfrac23。まず 1n\dfrac1n を外に出すのがコツです。

問題3 lim⁡n→∞1n∑k=12nkn\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac1n\sum_{k=1}^{2n}\dfrac kn を求めましょう(kk は 2n2n までたします)。

答えと解き方を見る

2 です。kn\dfrac kn は 1n\dfrac1n から 2nn=2\dfrac{2n}n=2 まで動くので、区間は 00 から 22。∫02x dx=[x22]02=2\displaystyle\int_0^2x\,dx=\left[\dfrac{x^2}2\right]_0^2=2。「いつも 00 から 11」と決めつけて 12\dfrac12 とするのはまちがいです。確かめ:1n⋅2n(2n+1)2n=2n+1n→2\dfrac1n\cdot\dfrac{2n(2n+1)}{2n}=\dfrac{2n+1}n\to2。

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

区分求積法とは何ですか?

図形を細い長方形に分けて面積をたし、長方形を限りなく細くした極限として面積を求める方法です。和の極限を定積分に直すときに使います。

区分求積法の式は?

関数f(x)が0から1で連続なとき、nを無限大にした (1/n)×{f(1/n)+f(2/n)+…+f(n/n)} の極限が、0から1までのf(x)の定積分に等しくなります。

長方形の高さは右の端と左の端のどちらを使いますか?

どちらでも極限は同じです。有限のnでは値が少しちがいますが、nを無限大にすると同じ定積分になります。

積分区間はどう決めますか?

k/n が動く範囲で決めます。kが1からnなら0から1、kが1から2nなら0から2です。

どんな和に使えますか?

1/(n+k) の和や sin(kπ/n) の和のように、Σの公式では計算しにくい和の極限に使えます。和を (1/n)×f(k/n) の形に変形できることが条件です。

区分求積法は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅲの積分法で習います。大学入試では和の極限の問題としてよく出ます。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅲ(積分法)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦