補集合とは?意味と記号・ド・モルガンをわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

補集合とは?意味と記号・ド・モルガンをわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

補集合とは

全体集合 UU の中で、集合 AA に入らない要素をすべて集めた集合です。A‾\overline{A}(A バー)と書きます。U={1,2,…,10}U=\{1,2,\dots,10\}、A={A=\{偶数}\} なら A‾={1,3,5,7,9}\overline{A}=\{1,3,5,7,9\} です。

読み方:ほしゅうごう/英語:complement/習う学年:数学Ⅰ(集合と命題)

うかるくん

うかるくん

補集合って、A の「反対」のことですか?

合格先生

合格先生

近いけれど、正しくは「全体の中で、A 以外」だよ。だから、まず全体集合 UU が何かを確かめるのが大事なんだ。

この用語のポイント

  • A‾\overline{A} = 全体 UU の中で、AA に入らないもの
  • 補集合は全体集合 UU しだいで変わる
  • n(A‾)=n(U)−n(A)n(\overline{A})=n(U)-n(A)。「〜でない」は全体から引いて数える

やさしく言うと

補集合は、「全体の中で、それ以外」のことです。まず「全体」を決めて、その中から集合 AA に入るものを取りのぞいた残りが、AA の補集合 A‾\overline{A} です。

  • クラスと部活:全体をクラスの 35 人、AA を「部活に入っている人」とします。すると A‾\overline{A} は「部活に入っていない人」です。AA が 28 人なら、A‾\overline{A} は 35−28=735-28=7 人です。
  • トランプ:全体をジョーカーを除く 52 枚、AA を「ハート」とします。A‾\overline{A} は「ハート以外」で、スペード・ダイヤ・クラブの 39 枚です。
  • 出席と欠席:出席した人の集合の補集合は、欠席した人の集合です。どちらか一方がわかれば、もう一方もわかります。
U(全体集合):1 から 10 までの整数 A:偶数 246810 13579 A = {1, 3, 5, 7, 9}(青い部分) U の中で、A に入らない要素の集まり
U=1〜10、A=偶数のとき、A の外側(青)が補集合 Ā={1, 3, 5, 7, 9}

まとめると、補集合は「全体集合 UU の中で、AA に入らない要素の集まり」です。記号では A‾={x∣x∈U かつ x∉A}\overline{A}=\{x\mid x\in U \text{ かつ } x\notin A\} と書きます。

補集合の例

○ 正しい補集合

  • U={1,2,…,10}U=\{1,2,\dots,10\}、A={A=\{偶数}\} → A‾={1,3,5,7,9}\overline{A}=\{1,3,5,7,9\}
  • U={U=\{さいころの目}\}、A={1,2}A=\{1,2\} → A‾={3,4,5,6}\overline{A}=\{3,4,5,6\}
  • U=U=実数全体、A={x∣x≥0}A=\{x\mid x\ge0\} → A‾={x∣x<0}\overline{A}=\{x\mid x<0\}
  • U=U=自然数全体、A={A=\{素数}\} → A‾={1\overline{A}=\{1 と合成数}\}
  • U‾=∅\overline{U}=\varnothing(全体の外には何もない)
  • ∅‾=U\overline{\varnothing}=U(空集合の補集合は全体)

× まちがった補集合

  • 全体集合を決めずに「偶数の補集合」と言う(全体で答えが変わる)
  • U={1,…,10}U=\{1,\dots,10\} で A={2,4}A=\{2,4\} の補集合を {1,3,5,7,9}\{1,3,5,7,9\} とする(6, 8, 10 がぬけている)
  • A={x∣x>2}A=\{x\mid x>2\} の補集合を {x∣x<2}\{x\mid x<2\} とする(2 がもれる)
  • A∩B‾\overline{A\cap B} を A‾∩B‾\overline{A}\cap\overline{B} とする(∩ は ∪ に変わる)
  • UU に入っていない要素を補集合に入れる

補集合は、いつも全体集合 UU とセットで考えます。たとえば「偶数の補集合」は、全体が「1〜10 の整数」なら {1,3,5,7,9}\{1,3,5,7,9\} ですが、全体が「自然数全体」なら「奇数全体」です。全体を変えると、答えも変わります。

図で見る

補集合は、ベン図では円の外側(四角の中)です。図1のように、四角が UU、円が AA のとき、四角の中で円に入らない部分が A‾\overline{A} でした。

2 つの集合 AA、BB があるときも、ベン図で考えると補集合の関係がよくわかります。A‾\overline{A} と B‾\overline{B} をあわせると、AA と BB の重なり以外の全部になります。

ぬった部分が「その集合」 AB AB AB A B A ∪ B ∪= 右の図は「A と B の重なり」以外の全部 A∩B = A ∪ B 補集合をとると、∩ と ∪ が入れかわる
A の補集合と B の補集合をあわせると、A∩B の外側(重なり以外の全部)になる
うかるくん

うかるくん

「A かつ B」の補集合が、どうして「A でない または B でない」になるんですか?

合格先生

合格先生

「A かつ B」でないのは、どちらか片方でも欠けているときだよね。「A でない」か「B でない」か、少なくとも一方が起これば、もう「A かつ B」ではなくなる。だから「または」になるんだ。これがド・モルガンの法則だよ。

数直線の上の集合でも、補集合はよく出てきます。このとき気をつけるのは境目の点です。

U:実数全体 -2-1012345 A:x > 2 A:x ≦ 2 2 は A に入らない(白丸)→ 補集合に入る(黒丸) 「>」の反対は「≦」。「<」ではない
A={x | x>2} の補集合は {x | x≦2}。境目の 2 は補集合に入る

補集合の性質

全体集合を UU とすると、補集合には次の性質があります。どれもベン図をかくとすぐに確かめられます。

性質意味
A∩A‾=∅A\cap\overline{A}=\varnothingAA と A‾\overline{A} に共通の要素はない
A∪A‾=UA\cup\overline{A}=UAA と A‾\overline{A} をあわせると全体になる
A‾‾=A\overline{\overline{A}}=A補集合の補集合は、もとの集合
A∩B‾=A‾∪B‾\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}ド・モルガンの法則(その1)
A∪B‾=A‾∩B‾\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}ド・モルガンの法則(その2)
n(A‾)=n(U)−n(A)n(\overline{A})=n(U)-n(A)要素の個数は「全体ひくA」

いちばんよく使うのは最後の n(A‾)=n(U)−n(A)n(\overline{A})=n(U)-n(A) です。「〜でないもの」を数えるとき、直接数えるより全体から AA をひくほうが楽なことがよくあります。この考え方は、確率の事象では「余事象」として出てきます。

U:1 から 100 までの整数(100 個) A:2 の倍数 50 個 B:3 の倍数 33 個 341617 6 の倍数 33どちらでもない n(A∪B) = 50 + 33 − 16 = 67 n(A∪B) = 100 − 67 = 33(個)
2 でも 3 でも割り切れない数は、全体 100 個から 67 個をひいて 33 個
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

「〜でない」を数えるときは、全体から引けばいいのね!

テスト・入試ではこう出る

補集合は、高校の数学Ⅰ「集合と命題」で習います。定期テストでは、要素を書き出して補集合や共通部分を求める問題、ド・モルガンの法則を使う問題がよく出ます。数学Aの場合の数・確率では、「〜でないもの」の個数を補集合で数える形で何度も使います。

例題1(要素の書き出し)

U={1,2,3,…,10}U=\{1,2,3,\dots,10\} を全体集合とし、A={x∣xA=\{x\mid x は 3 の倍数}\}、B={x∣xB=\{x\mid x は偶数}\} とします。(1) A‾\overline{A} (2) A‾∩B\overline{A}\cap B (3) A∪B‾\overline{A\cup B} を求めなさい。

  1. まず AA、BB を書き出す:A={3,6,9}A=\{3,6,9\}、B={2,4,6,8,10}B=\{2,4,6,8,10\}。
  2. (1) A‾\overline{A} は、UU から 3,6,93,6,9 を除いた {1,2,4,5,7,8,10}\{1,2,4,5,7,8,10\}。
  3. (2) A‾∩B\overline{A}\cap B は、「3 の倍数でない」かつ「偶数」。BB から 66 を除いて {2,4,8,10}\{2,4,8,10\}。
  4. (3) A∪B={2,3,4,6,8,9,10}A\cup B=\{2,3,4,6,8,9,10\} なので、A∪B‾={1,5,7}\overline{A\cup B}=\{1,5,7\}。

(3) は、ド・モルガンの法則で A‾∩B‾\overline{A}\cap\overline{B} と同じです。B‾={1,3,5,7,9}\overline{B}=\{1,3,5,7,9\} と A‾\overline{A} の共通部分を求めても {1,5,7}\{1,5,7\} になり、答えが確かめられます。

例題2(個数)

1 から 100 までの整数のうち、2 でも 3 でも割り切れない数は何個ありますか。

  1. 2 の倍数の集合を AA、3 の倍数の集合を BB とする。求めるのは n(A∪B‾)n(\overline{A\cup B})。
  2. n(A)=50n(A)=50、n(B)=33n(B)=33(100÷3=33100\div3=33 あまり 1)、n(A∩B)=16n(A\cap B)=16(6 の倍数。100÷6=16100\div6=16 あまり 4)。
  3. n(A∪B)=50+33−16=67n(A\cup B)=50+33-16=67。
  4. n(A∪B‾)=100−67=33n(\overline{A\cup B})=100-67=33。

答え 33 個。「どちらでもない」を直接数えるより、全体からひくほうがずっと楽です。

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

{x∣x>2}\{x\mid x>2\} の補集合は x≤2x\le2。境目の 2 を忘れない!

  • 全体集合を確かめない:同じ A={2,4,6}A=\{2,4,6\} でも、U={1,…,6}U=\{1,\dots,6\} なら A‾={1,3,5}\overline{A}=\{1,3,5\}、U={1,…,10}U=\{1,\dots,10\} なら A‾={1,3,5,7,8,9,10}\overline{A}=\{1,3,5,7,8,9,10\} です。問題文の UU を必ず見ます。
  • 境目の点を落とす:{x∣x>2}\{x\mid x>2\} の補集合は {x∣x≤2}\{x\mid x\le2\} です。「>>」の反対を「<<」にすると、x=2x=2 がどちらにも入らなくなります。「≥\ge」の反対は「<<」です。
  • 上の線を分けるときに記号を変えない:A∩B‾=A‾∩B‾\overline{A\cap B}=\overline{A}\cap\overline{B} は×。線を分けたら ∩\cap と ∪\cup を入れかえて、A‾∪B‾\overline{A}\cup\overline{B} です。
  • 「または」の補集合を「または」のままにする:「2 か 3 の倍数」でないものは、「2 の倍数でないかつ 3 の倍数でない」ものです。例題2の 33 個がこれです。
  • n(U)n(U) を忘れる:n(A‾)n(\overline{A}) を「AA の個数をひく」だけで終わらせず、全体の個数から引きます。

ことばの由来

「補」は「おぎなう」という意味の漢字です。AA に A‾\overline{A} をおぎなうと、ちょうど全体 UU になる。だから補集合とよびます。英語では complement(コンプリメント)で、「足りないところをおぎなって、全体をそろえるもの」という意味の言葉です。つづりのよく似た compliment(ほめ言葉)とは別の単語です。

記号は、高校の教科書では A‾\overline{A}(A バー)がふつうです。大学の本などでは AcA^c や A∁A^{\complement} と書くこともあります。

ミニ問題

問題1 U={1,2,3,4,5,6,7,8}U=\{1,2,3,4,5,6,7,8\}、A={1,2,3}A=\{1,2,3\} のとき、A‾\overline{A} を求めましょう。

答えと解き方を見る

A‾={4,5,6,7,8}\overline{A}=\{4,5,6,7,8\} です。UU の要素のうち、AA に入っていない 4,5,6,7,84,5,6,7,8 を集めます。AA と A‾\overline{A} をあわせると、ちょうど UU になります。

問題2 全体集合を実数全体とします。A={x∣x>2}A=\{x\mid x>2\} の補集合を求めましょう。

答えと解き方を見る

A‾={x∣x≤2}\overline{A}=\{x\mid x\le2\} です。x=2x=2 は AA に入らないので、補集合のほうに入ります。{x∣x<2}\{x\mid x<2\} と答えると、22 がどちらにも入らなくなってしまいます。

問題3 1 から 60 までの整数のうち、4 の倍数でも 6 の倍数でもない数は何個ありますか。

答えと解き方を見る

40 個です。

  1. 4 の倍数は 60÷4=1560\div4=15 個、6 の倍数は 60÷6=1060\div6=10 個。
  2. 両方の倍数は 12 の倍数で、60÷12=560\div12=5 個。
  3. 4 か 6 の倍数は 15+10−5=2015+10-5=20 個。
  4. その補集合なので 60−20=4060-20=40 個。

両方の倍数は「24 の倍数」ではなく、最小公倍数の「12 の倍数」です。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

補集合とは簡単にいうと何ですか?

全体集合の中で、ある集合Aに入らないものを全部集めた集合です。「全体の中のA以外」と考えるとわかりやすいです。

補集合の記号は何ですか?

高校ではAの上に横線を引いて Ā(Aバー)と書きます。大学の本などでは A^c と書くこともあります。

全体集合が変わると補集合も変わりますか?

変わります。偶数の補集合は、全体が1〜10の整数なら{1, 3, 5, 7, 9}、全体が自然数全体なら奇数全体です。

x>2 の補集合はどうなりますか?

全体が実数全体なら x≦2 です。境目の2は x>2 に入らないので、補集合のほうに入ります。

補集合の要素の個数はどう求めますか?

n(Ā)=n(U)−n(A) です。全体の個数から、Aの個数をひきます。

補集合は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅰ「集合と命題」で習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(集合と命題)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦