ド・モルガンの法則とは?意味と否定の作り方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

ド・モルガンの法則とは?意味と否定の作り方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

ド・モルガンの法則とは

A∩B‾=A‾∪B‾\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}、A∪B‾=A‾∩B‾\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B} という法則です。ことばでいうと、「かつ」の否定は「または」、「または」の否定は「かつ」になります。

読み方:ど・もるがんのほうそく/英語:De Morgan's laws/習う学年:数学Ⅰ(集合と命題)

うかるくん

うかるくん

「A かつ B」じゃない、って「A じゃない かつ B じゃない」ですよね?

合格先生

合格先生

そこが落とし穴! 「両方そろう」がくずれるには、どちらか一方がだめならいい。だから「A でないまたは B でない」になるんだ。

この用語のポイント

  • A∩B‾=A‾∪B‾\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}、A∪B‾=A‾∩B‾\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}
  • 否定すると「かつ」と「または」が入れかわる
  • 「x>0x>0」の否定は「x≦0x\leqq0」(等号をわすれない)

やさしく言うと

ド・モルガンの法則は、「かつ」と「または」を否定すると、入れかわるというきまりです。身近な例で考えてみましょう。

  • テストの合格:「数学 かつ 英語が80点以上」でない人は、「数学が80点未満 または 英語が80点未満」の人です。「両方とも80点以上」がくずれるには、どちらか一方がだめならよいからです。
  • 遠足の中止:「雨がふらない かつ 風が強くない」なら遠足を行うとき、中止になるのは「雨がふる または 風が強い」ときです。
  • どちらも苦手:「ピーマンかにんじんが好き」(または)でない人は、「ピーマンもにんじんも好きではない」(かつ)人です。
AB AB A∩B = A∪B 「かつ」の否定 →「または」 A∪B = A∩B 「または」の否定 →「かつ」
左:「A かつ B」の外側は「A の外 または B の外」。右:「A または B」の外側は「A の外 かつ B の外」

まとめると、否定すると「かつ」は「または」に、「または」は「かつ」に変わるということです。

集合の式で書くと

全体集合 UU の中の集合 A,BA, B について、次の2つが成り立ちます。上線は補集合(その集合に入らないもの)です。

ド・モルガンの法則

A∩B‾=A‾∪B‾\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}
A∪B‾=A‾∩B‾\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}

上線を分けるとき、∩\cap と ∪\cup が入れかわると覚えましょう。

数で確かめます。1から10までの整数を全体 UU、AA=2の倍数、BB=3の倍数とすると、A‾={1,3,5,7,9}\overline{A}=\{1, 3, 5, 7, 9\}、B‾={1,2,4,5,7,8,10}\overline{B}=\{1, 2, 4, 5, 7, 8, 10\} です。

全体 U:1〜10 の整数A:2の倍数 B:3の倍数 A B 24810 6 39 157 赤い部分(どちらにも入らない):1, 5, 7 の 3 個 A∪B = A∩B = {1, 5, 7}
1〜10 のベン図。どちらにも入らない 1, 5, 7 が、A∪B の補集合
法則左辺右辺
A∩B‾=A‾∪B‾\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}A∩B={6}A\cap B=\{6\} の外 → 6 以外の9個A‾∪B‾\overline{A}\cup\overline{B} → 6 以外の9個
A∪B‾=A‾∩B‾\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}A∪B={2,3,4,6,8,9,10}A\cup B=\{2, 3, 4, 6, 8, 9, 10\} の外 → {1,5,7}\{1, 5, 7\}A‾∩B‾={1,5,7}\overline{A}\cap\overline{B}=\{1, 5, 7\}

「2の倍数でも3の倍数でもない数は何個?」という問題では、A‾∩B‾=A∪B‾\overline{A}\cap\overline{B}=\overline{A\cup B} を使って、全体の10個から A∪BA\cup B の7個を引き、10−7=310-7=3 個と求められます。

図で見る:ぬり重ねで確かめる

A‾∩B‾=A∪B‾\overline{A}\cap\overline{B}=\overline{A\cup B} が本当に成り立つか、ベン図をぬり重ねて確かめてみましょう。A‾\overline{A} と B‾\overline{B} を別々にぬり、両方にぬられたところが A‾∩B‾\overline{A}\cap\overline{B} です。

両方にぬられたところ(共通部分)を探す ABA ∩ ABB = ABA∪B A の外 かつ B の外 = A にも B にも入らない =「A または B」の外 A ∩ B = A∪B
A の外と B の外の重なりは、A にも B にも入らない部分=A∪B の外
うかるくん

うかるくん

もう 1 つの A∩B‾=A‾∪B‾\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B} は、どうやって確かめるんですか?

合格先生

合格先生

今度は A‾\overline{A} と B‾\overline{B} のどちらか一方にでもぬられたところを探す。すると、ぬられていないのは A と B の重なりだけ。つまり「A∩BA\cap B の外」になるんだ。

「入る・入らない」を ○・× で表にしても確かめられます。下の表で、太字の 2 つの列はどの行も同じになります。

A にB にA∩BA\cap B にA∩B‾\overline{A\cap B}A‾∪B‾\overline{A}\cup\overline{B}
○○○××
○××○○
×○×○○
×××○○

条件の否定(「かつ」と「または」)

条件でも同じです。「pp かつ qq」の否定は「p‾\overline{p} または q‾\overline{q}」、「pp または qq」の否定は「p‾\overline{p} かつ q‾\overline{q}」です。

xyO x>0 かつ y>0 x≦0 または y≦0 (赤い部分。軸の上もふくむ) 青の外側(赤)が、「x>0 かつ y>0」の否定
「x>0 かつ y>0」(青)の否定は「x≦0 または y≦0」(赤)

○ 正しい否定

  • 「x>0x>0 かつ y>0y>0」の否定 →「x≦0x\leqq0 または y≦0y\leqq0」
  • 「x=1x=1 または x=2x=2」の否定 →「x≠1x\ne1 かつ x≠2x\ne2」
  • 「a,ba, b の少なくとも一方は偶数」の否定 →「a,ba, b はどちらも奇数」
  • 「−1<x<3-1<x<3」(x>−1x>-1 かつ x<3x<3)の否定 →「x≦−1x\leqq-1 または x≧3x\geqq3」
  • 「晴れ または くもり」の否定 →「晴れでない かつ くもりでない」

× まちがった否定

  • 「x>0x>0 かつ y>0y>0」の否定 →「x≦0x\leqq0 かつ y≦0y\leqq0」
  • 「x>0x>0」の否定 →「x<0x<0」(x=0x=0 がぬける)
  • 「x=1x=1 または x=2x=2」の否定 →「x≠1x\ne1 または x≠2x\ne2」(いつでも成り立ってしまう)
  • 「−1<x<3-1<x<3」の否定 →「−1≧x≧3-1\geqq x\geqq3」(そんな xx はない)
  • 「a,ba, b の少なくとも一方は偶数」の否定 →「少なくとも一方は奇数」

「−1<x<3-1<x<3」のような 2 つの不等号がつながった条件は、「x>−1x>-1 かつ x<3x<3」のことです。否定すると「または」になり、数直線の両側に分かれた範囲になります。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

否定すると「かつ」と「または」が入れかわる。ここが大事だ!

テスト・入試ではこう出る

高校の数学Ⅰ「集合と命題」で学びます。補集合を答える問題、条件の否定をつくる問題、対偶や背理法で証明する問題で使います。数学Aでは「2 の倍数でも 3 の倍数でもない数の個数」のような集合の要素の個数や、確率の「少なくとも〜」(余事象)の問題で、考え方として何度も出てきます。

例題1(集合の要素の個数)

1 から 100 までの整数のうち、2 の倍数でも 3 の倍数でもない数は何個ありますか。

  1. UU を 1〜100 の整数、AA=2 の倍数、BB=3 の倍数とする。求めるのは A‾∩B‾\overline{A}\cap\overline{B} の個数。
  2. ド・モルガンの法則で A‾∩B‾=A∪B‾\overline{A}\cap\overline{B}=\overline{A\cup B} なので、全体から A∪BA\cup B を引けばよい。
  3. n(A)=50n(A)=50、n(B)=33n(B)=33、n(A∩B)n(A\cap B) は 6 の倍数で 16。n(A∪B)=50+33−16=67n(A\cup B)=50+33-16=67。
  4. 100−67=33100-67=33。

答え 33 個

例題2(対偶と条件の否定)

実数 xx, yy について、命題「x+y≧4x+y\geqq4 ならば x≧2x\geqq2 または y≧2y\geqq2」の真偽を調べなさい。

  1. 対偶をつくる。「x≧2x\geqq2 または y≧2y\geqq2」の否定は、ド・モルガンの法則で「x<2x<2 かつ y<2y<2」。
  2. 「x+y≧4x+y\geqq4」の否定は「x+y<4x+y<4」。
  3. 対偶は「x<2x<2 かつ y<2y<2 ならば x+y<4x+y<4」。これは、2 つの不等式をたすと x+y<4x+y<4 となるので真。
  4. 対偶が真なので、もとの命題も真。

答え 真(対偶「x<2x<2 かつ y<2y<2 ⇒ x+y<4x+y<4」が成り立つ)

ひらめいたうかるくん

うかるくん

対偶をつくるときこそ、ド・モルガンで「または」を「かつ」に変えるのを忘れないぞ!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

否定すると「かつ」と「または」が入れかわる! 入れかえ忘れがいちばん多いよ。

  • ∩\cap と ∪\cup を入れかえ忘れる:A∩B‾=A‾∩B‾\overline{A\cap B}=\overline{A}\cap\overline{B} は×です。上の例では、左は9個、右は {1,5,7}\{1, 5, 7\} の3個で、ちがいます。
  • 不等号の否定をまちがえる:「x>0x>0」の否定は「x≦0x\leqq0」です。「x<0x<0」では x=0x=0 がぬけます。
  • つながった不等式の否定をまちがえる:「−1<x<3-1<x<3」の否定は「x≦−1x\leqq-1 または x≧3x\geqq3」です。1 つの式にまとめて書くことはできません。
  • 全体集合を決めずに補集合を考える:補集合は全体集合 UU で決まります。UU が1〜10なら A‾\overline{A} は5個ですが、UU が1〜20なら10個です。

名前の由来

名前は、19世紀のイギリスの数学者オーガスタス・ド・モルガンにちなみます。ド・モルガンは論理学の研究で知られ、この法則を論理の式として整理しました。英語では De Morgan's laws(ド・モルガンの法則、2 つあるので複数形)といいます。

ミニ問題

問題1 条件「x=0x=0 かつ y=0y=0」の否定を答えましょう。

答えと解き方を見る

「x≠0x\ne0 または y≠0y\ne0」 です。「かつ」が「または」に変わり、「==」は「≠\ne」になります。「xx, yy の少なくとも一方は 0 でない」と言いかえることもできます。「x≠0x\ne0 かつ y≠0y\ne0」は、x=1, y=0x=1,\ y=0 のような場合がもれてしまうのでまちがいです。

問題2 1 から 12 までの整数のうち、2 の倍数でも 3 の倍数でもない数は何個ありますか。

答えと解き方を見る

4 個(1, 5, 7, 11)です。2 の倍数 6 個、3 の倍数 4 個、両方(6 の倍数)2 個なので、「2 の倍数または 3 の倍数」は 6+4−2=86+4-2=8 個。ド・モルガンの法則より「どちらでもない」はその外側なので、12−8=412-8=4 個です。

問題3 1 から 30 までの整数のうち、「2 の倍数でない、または 5 の倍数でない」数は何個ありますか。

答えと解き方を見る

27 個 です。ド・モルガンの法則で A‾∪B‾=A∩B‾\overline{A}\cup\overline{B}=\overline{A\cap B} なので、「2 の倍数かつ 5 の倍数」、つまり 10 の倍数(10, 20, 30 の 3 個)以外が答えです。30−3=2730-3=27。1 つずつ数えるより、ずっと速く求められます。

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

ド・モルガンの法則とは簡単にいうと?

「かつ」を否定すると「または」に、「または」を否定すると「かつ」に変わる、という法則です。

ド・モルガンの法則の覚え方は?

上線(否定)を分けるときに、∩と∪が入れかわる、と覚えます。迷ったらベン図をかいて確かめるのが確実です。

どんな問題で使いますか?

「2の倍数でも3の倍数でもない数の個数」のような集合の要素の個数の問題や、条件の否定、対偶や背理法を使う証明で使います。

「−1<x<3」の否定は?

「x≦−1 または x≧3」です。−1<x<3 は「x>−1 かつ x<3」のことなので、否定すると「または」になり、数直線の両側に分かれます。

ド・モルガンの法則は3つ以上の集合でも成り立ちますか?

成り立ちます。A∩B∩C の補集合は、Aの補集合∪Bの補集合∪Cの補集合になります。

ド・モルガンの法則は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅰ(集合と命題)で習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(数と式:集合と命題)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦