合格大作戦 数学用語辞典 › 集合と論理
大学受験
共通部分・和集合とは
共通部分 A∩B は A と B の両方に入る要素の集合、和集合 A∪B は少なくとも一方に入る要素の集合です。A={1,2,3,4}、B={3,4,5} なら A∩B={3,4}、A∪B={1,2,3,4,5} です。
読み方:きょうつうぶぶん・わしゅうごう/英語:intersection / union/習う学年:数学Ⅰ(集合と命題)

うかるくん
∩ と ∪、どっちがどっちか、いつも分からなくなります…
![合格先生]()
合格先生
∪ は器(カップ)の形。A も B も全部入れるのが和集合だよ。ふたをかぶせた ∩ は、重なりだけの共通部分だ。
この用語のポイント
- 共通部分 A∩B = 両方に入る(「かつ」)
- 和集合 A∪B = 少なくとも一方に入る(「または」。両方もふくむ)
- n(A∪B)=n(A)+n(B)−n(A∩B)。重なりは 1 回分ひく
やさしく言うと
2 つの集合 A、B があるとき、両方に入っているものを集めたのが共通部分 A∩B、少なくとも一方に入っているものを集めたのが和集合 A∪B です。
- 部活と塾:A を「部活に入っている人」、B を「塾に通っている人」とします。A∩B は「部活に入っていて、かつ塾にも通っている人」、A∪B は「部活か塾の、少なくともどちらかをしている人」です。
- 2 人の好きな食べ物:わたしの好物が {カレー, すし, ラーメン}、友だちの好物が {すし, ラーメン, パスタ} なら、共通部分は {すし, ラーメン}(2 人とも好き)、和集合は {カレー, すし, ラーメン, パスタ}(どちらかが好き)です。
- 2 つのクラスの名簿:2 つの名簿を 1 つにまとめた名簿が和集合です。両方の名簿にのっている人は、まとめた名簿には1 回だけ書きます。
A={1, 2, 3, 4}、B={3, 4, 5} のとき、A∩B={3, 4}、A∪B={1, 2, 3, 4, 5}まとめると、共通部分は「かつ」、和集合は「または」にあたります。∩ は形から「キャップ」、∪ は「カップ」とよばれることもあります。
共通部分・和集合の例
○ 正しい
- A={1,2,3}、B={2,3,4} → A∩B={2,3}
- 同じ A、B → A∪B={1,2,3,4}
- A={1,3,5}、B={2,4} → A∩B=∅(共通の要素なし)
- A={1,2}、B={1,2,3} → A∩B=A、A∪B=B(A が B にふくまれる)
- A={x∣x>0}、B={x∣x<3} → A∩B={x∣0<x<3}
- A={x∣x<0}、B={x∣x>3} → A∪B={x∣x<0 または x>3}
× まちがい
- {1,2,3}∪{2,3,4}={1,2,2,3,3,4}(同じ要素は 1 回だけ書く)
- {1,2,3}∩{2,3,4}={1,4}(重ならない部分を集めている)
- {1,3,5}∩{2,4}=0(何もないときは空集合 ∅)
- 「x>0 かつ x<3」を A∪B と書く(「かつ」は ∩)
- n(A∪B)=n(A)+n(B) と、いつも足すだけにする
共通の要素が 1 つもないときの共通部分は、空集合 ∅ です。「0」と書くのはまちがいです。0 は数で、∅ は「要素が何もない集合」です。
図で見る
集合の要素が数直線の範囲(不等式)で表されるときは、数直線に線を引くとすぐ分かります。共通部分は線が重なっている部分、和集合はどちらかの線がある部分です。
A:−1<x≦3、B:1≦x<5 の共通部分と和集合。端の黒丸・白丸に注意![サクラちゃん]()
サクラちゃん
端の点が黒丸か白丸かは、どうやって決めるんですか?
![合格先生]()
合格先生
共通部分では「両方に入るか」、和集合では「どちらかに入るか」で決めるんだ。図の x=3 は、A には入るし B(x<5)にも入るから、共通部分でも黒丸だよ。
2 つの集合の要素の個数は、ベン図でいうと「重なりを 2 回数えないように」数えます。A と B を足すと、重なり A∩B の部分は 2 回数えてしまうので、1 回分を引きます。
数学が好き 24 人、英語が好き 17 人、両方 8 人なら、少なくとも一方は 33 人n(A∪B)=n(A)+n(B)−n(A∩B)
3 つの集合のとき
集合が 3 つになると、公式は次のようになります。足して、2 つずつの重なりを引いて、3 つの重なりを足しもどします。
n(A∪B∪C)=n(A)+n(B)+n(C)−n(A∩B)−n(B∩C)−n(C∩A)+n(A∩B∩C)
1〜30 の整数で、2・3・5 の少なくとも 1 つで割り切れる数は 22 個3 つの重なり(真ん中)は、はじめに 3 回足され、次に 3 回引かれて、0 回になってしまいます。だから最後に 1 回足しもどすのです。真ん中の部分に注目して数えてみると、公式の形が納得できます。
![ひらめいたうかるくん]()
うかるくん
重なりを引きすぎたら、真ん中を足しもどす。ベン図で数えると一発で分かる!
確率とのつながり
確率では、2 つの事象が「両方起こる」ことを積事象 A∩B、「少なくとも一方が起こる」ことを和事象 A∪B とよびます。集合の記号をそのまま使い、確率でも同じ形の式が成り立ちます。
P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)
たとえば、1〜100 のカードから 1 枚引くとき、4 の倍数または 6 の倍数を引く確率は、ミニ問題3の個数を使って 10033 です。A∩B=∅(同時には起こらない)ときは、引く部分がなくなって P(A∪B)=P(A)+P(B) になります。
テスト・入試ではこう出る
共通部分と和集合は、高校の数学Ⅰ「集合と命題」で習います。要素を書き出す問題、不等式の範囲を数直線で求める問題、数学Aの場合の数でベン図を使って個数を求める問題がよく出ます。
例題1(不等式の範囲)
実数全体を全体集合とし、A={x∣−1<x≤3}、B={x∣1≤x<5} とします。(1) A∩B (2) A∪B を求めなさい。
- 数直線に A と B をかく(図2)。端の点が入るか入らないか(黒丸・白丸)に注意。
- (1) 共通部分は、2 本の線が重なっているところ:1≤x≤3。
- (2) 和集合は、どちらかの線があるところ:−1<x<5。
答え (1) A∩B={x∣1≤x≤3} (2) A∪B={x∣−1<x<5}。(1) の左端 1 は B に入り、A にも入る(−1<1)ので、黒丸です。
例題2(3 つの集合の個数)
1 から 30 までの整数のうち、2、3、5 の少なくとも 1 つで割り切れる数は何個ありますか。
- 2・3・5 の倍数の集合を A、B、C とする。n(A)=15、n(B)=10、n(C)=6。
- 2 つずつの共通部分:n(A∩B)=5(6 の倍数)、n(A∩C)=3(10 の倍数)、n(B∩C)=2(15 の倍数)。
- 3 つの共通部分:n(A∩B∩C)=1(30 の倍数)。
- n(A∪B∪C)=15+10+6−5−3−2+1=22。
答え 22 個。2 つずつの重なりを引きすぎた分を、最後に 3 つの共通部分で足しもどすのがポイントです。どれでもない数は 30−22=8 個で、1,7,11,13,17,19,23,29 です。
まちがえやすい点
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
数学の「または」は両方の場合もふくむ。A∪B には A∩B も入るよ!
- 重なりを引き忘れる:n(A∪B)=n(A)+n(B) は、A と B に共通の要素がないときだけです。ふつうは n(A∩B) を引きます。
- 記号の向きを逆にする:∩(キャップ、ぼうしの形)が共通部分、∪(カップ、器の形)が和集合です。「和集合は器にどちらも入れる」と覚えると取りちがえません。
- 数学の「または」を「どちらか一方だけ」と思う:数学の「A または B」は、両方の場合もふくみます。A∪B には A∩B の要素も入ります。
- 和集合で同じ要素を 2 回書く:集合では同じ要素は 1 回だけ書きます。{1,2}∪{2,3}={1,2,3} です。
- 両方の倍数を「かけ算」で作る:4 の倍数と 6 の倍数の共通部分は、4×6=24 の倍数ではなく、最小公倍数 12 の倍数です。
ことばの由来
「共通部分」は、2 つの集合に共に通じている部分、「和集合」は 2 つを合わせた集合という意味です。英語では共通部分を intersection(交わり、交差点と同じ単語)、和集合を union(結合、連合)といいます。本によっては、共通部分を「積集合」、和集合を「合併集合」とよぶこともあります。
ミニ問題
問題1 A={2,4,6,8}、B={1,2,3,4} のとき、A∩B と A∪B を求めましょう。
答えと解き方を見る
A∩B={2,4}、A∪B={1,2,3,4,6,8} です。和集合では、両方に入っている 2 と 4 を1 回ずつだけ書きます。
問題2 n(A)=12、n(B)=9、n(A∪B)=17 のとき、n(A∩B) を求めましょう。
答えと解き方を見る
4 です。n(A∪B)=n(A)+n(B)−n(A∩B) に入れると、17=12+9−n(A∩B)。よって n(A∩B)=21−17=4。公式は、どの 1 つが分からなくても逆に求められます。
問題3 1 から 100 までの整数のうち、4 の倍数または 6 の倍数であるものは何個ありますか。
答えと解き方を見る
33 個です。
- 4 の倍数は 100÷4=25 個、6 の倍数は 100÷6=16 あまり 4 より 16 個。
- 両方の倍数は、最小公倍数 12 の倍数で 100÷12=8 あまり 4 より 8 個。
- 25+16−8=33 個。
両方の倍数を「24 の倍数」とすると 4 個になってしまい、まちがいです。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
共通部分と和集合のちがいは何ですか?
共通部分は2つの集合の両方に入る要素の集まり、和集合は少なくとも一方に入る要素の集まりです。共通部分は「かつ」、和集合は「または」にあたります。
∩ と ∪ はどう読みますか?
A∩B は「AかつB」や「Aキャップ B」、A∪B は「AまたはB」や「Aカップ B」と読みます。キャップ・カップは記号の形からのよび方です。
和集合の要素の個数の公式は?
n(A∪B)=n(A)+n(B)−n(A∩B) です。両方に入る要素を2回数えてしまうので、1回分ひきます。
共通部分がないときはどう書きますか?
空集合の記号 ∅ を使って A∩B=∅ と書きます。0 と書くのはまちがいです。
3つの集合の和集合の個数はどう求めますか?
3つの個数を足し、2つずつの共通部分の個数を引き、最後に3つ全部の共通部分の個数を足します。
共通部分・和集合は何年生で習いますか?
高校の数学Ⅰ「集合と命題」で習います。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(集合と命題)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦