排反とは?意味と確率の加法定理をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

排反とは?意味と確率の加法定理をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

排反とは

2 つの事象が同時には起こらないことです。A∩B=∅A\cap B=\varnothing のとき「AA と BB は排反である」といい、「AA または BB」の確率は P(A)+P(B)P(A)+P(B) とそのままたして求められます。さいころの「1 の目」と「偶数の目」は排反です。

読み方:はいはん/英語:mutually exclusive/習う学年:数学A(場合の数と確率)

サクラちゃん

サクラちゃん

「または」の確率って、2 つの確率をたせばいいんですよね?

合格先生

合格先生

たしてよいのは、2 つが排反(同時に起こらない)ときだけなんだ。重なりがあると、そこを 2 回数えてしまうよ。

この用語のポイント

  • 排反 = 同時に起こらない(A∩B=∅A\cap B=\varnothing)
  • 排反なら P(A∪B)=P(A)+P(B)P(A\cup B)=P(A)+P(B)。重なりがあれば P(A∩B)P(A\cap B) を引く
  • 排反と独立は別のもの。余事象は排反の特別な場合

やさしく言うと

排反(はいはん)は、2 つのことがらが同時には起こらないことです。片方が起こると、もう片方は決して起こりません。

  • トランプ 1 枚:1 枚引いたカードが「ハート」なら、「スペード」ではありえません。「ハート」と「スペード」は排反です。
  • テストの結果:1 つの答案が「90 点以上」なら、「60 点未満」ではありません。この 2 つは排反です。でも「90 点以上」と「偶数の点」は、92 点のように同時に起こりうるので排反ではありません。
  • さいころ 1 回:「1 の目」と「偶数の目」は、1 回投げて同時に出ることはないので排反です。

まとめると、排反とは「どちらか一方しか起こらない(両方は起こらない)」という関係です。図にすると、2 つの円が重ならない形になります。

排反(重ならない) 排反でない(重なる) 1 246 AB 35 243 6 偶数3の倍数 15 1/6 + 3/6 = 4/6そのままたしてよい 3/6 + 2/6 − 1/6 = 4/6重なりを引く
左は重ならない(排反)。右は 6 が重なる(排反でない)

事象 AA, BB が排反であることは、記号で A∩B=∅A\cap B=\varnothing(AA かつ BB は空集合)と書きます。排反なとき、「AA または BB」の確率は、そのままたし算で求められます。

P(A∪B)=P(A)+P(B)(A, B が排反のとき)P(A\cup B)=P(A)+P(B)\quad(A,\ B\ \text{が排反のとき})
指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

円が重ならないなら、確率はそのままたしてOK。重なっていたら、重なりを引くのね!

排反なものと、排反でないもの

○ 排反である

  • さいころ 1 回:「1 の目」と「偶数の目」
  • トランプ 1 枚:「ハート」と「スペード」
  • コイン 1 回:「表」と「裏」(排反で、合わせると全体)
  • さいころ 2 個:「和が 5」と「和が 10」
  • 玉 2 個:「2 個とも赤」と「2 個とも白」
  • さいころ 2 個:「ゾロ目」と「和が 7」(ゾロ目の和は偶数)

× 排反でない

  • さいころ 1 回:「偶数」と「3 の倍数」(6 が重なる)
  • トランプ 1 枚:「ハート」と「絵札」(ハートの J・Q・K)
  • さいころ 1 回:「3 以下」と「奇数」(1 と 3 が重なる)
  • くじを 2 人が引く:「A が当たる」と「B が当たる」(両方当たりうる)
  • コイン 2 回:「1 回目が表」と「2 回目が表」(表表がある)

見分け方は、「両方が同時に起こる結果が 1 つでもあるか」をさがすことです。1 つでもあれば排反ではありません。

図で見る

さいころ 2 個の問題では、36 通りの表に色をぬると、排反かどうかがひと目でわかります。「和が 5」と「和が 10」のますをぬってみましょう。

大の目 → 小の目 112345672234567833456789445678910556789101166789101112 和が 5:4 通り 和が 10:3 通り(重なりなし) 4/36 + 3/36 = 7/36
青(和が 5)と赤(和が 10)は 1 つも重ならない。だから確率はたし算
うかるくん

うかるくん

「和が 5 の倍数」をいきなり数えようとすると、どこから数えればいいかわかりません…

合格先生

合格先生

「和が 5」と「和が 10」に分けて考えるんだ。和は 1 つの値しかとらないから、この 2 つは重ならない。排反な場合に分けて、あとでたすのが確率の基本の作戦だよ。

このように、むずかしい事象を排反な場合に分ける(場合分けする)と、1 つ 1 つは数えやすくなり、最後にたし算でまとめられます。場合分けするときは、「どの場合にも入らない結果がないか(もれ)」「2 つの場合に入る結果がないか(重なり)」を確かめます。

加法定理と余事象

排反かどうかで、「AA または BB」の確率の求め方がかわります。

式例(さいころ 1 個)
排反のときP(A∪B)=P(A)+P(B)P(A\cup B)=P(A)+P(B)1 の目 または 偶数:16+36=46\dfrac16+\dfrac36=\dfrac46
排反でないときP(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)偶数 または 3 の倍数:36+26−16=46\dfrac36+\dfrac26-\dfrac16=\dfrac46

上の式(排反のとき)を確率の加法定理といいます。下の式は、重なり A∩BA\cap B を 2 回数えたぶん、1 回引いています。排反なら P(A∩B)=0P(A\cap B)=0 なので、下の式は上の式と同じになります。

3 つ以上の事象 AA, BB, CC が、どの 2 つも同時に起こらないとき、「互いに排反」といいます。このときも P(A∪B∪C)=P(A)+P(B)+P(C)P(A\cup B\cup C)=P(A)+P(B)+P(C) と、そのままたせます。

A A (A でない) 全体 重ならない(排反)+ 合わせて全体 P(A) + P(A) = 1
A と「A でない」は排反。しかも合わせると全体なので、確率の和は 1

事象 AA に対して「AA が起こらない」という事象を余事象といい、A‾\overline{A} と書きます。AA と A‾\overline{A} は排反で、合わせると全体(全事象)になるので、P(A)+P(A‾)=1P(A)+P(\overline{A})=1、つまり P(A‾)=1−P(A)P(\overline{A})=1-P(A) です。「少なくとも 1 回」の確率を 1 から引いて求める方法は、この関係を使っています。

排反と独立のちがい

排反とよくまちがえられるのが独立です。名前は似ていませんが、どちらも「2 つの事象の関係」を表すので混同しやすいのです。

排反独立
意味同時に起こらない一方が起こっても、もう一方の起こりやすさがかわらない
式P(A∩B)=0P(A\cap B)=0(A∩B=∅A\cap B=\varnothing)P(A∩B)=P(A)P(B)P(A\cap B)=P(A)P(B)
使う場面「または」の確率をたす「かつ」の確率をかける
A:偶数 B:1 の目A:偶数 C:1 か 2 の目 246 1 4621 排反である P(A∩B)=0 P(A)P(B)=1/2×1/6=1/12 → 独立ではない 排反ではない P(A∩C)=1/6 P(A)P(C)=1/2×1/3=1/6 → 独立である
左は排反だが独立でない。右は独立だが排反でない

左の例では、「1 の目が出た」と知ると「偶数」の確率は 0 になります。片方の結果がもう片方に強く影響しているので、独立ではありません。実は、P(A)>0P(A)>0、P(B)>0P(B)>0 のとき、排反な 2 つの事象は決して独立になりません。「排反なら独立」と思いこまないようにしましょう。

テスト・入試ではこう出る

排反は高校の数学A(場合の数と確率)で、和事象・積事象・余事象といっしょに習います(中学では「同時に起こらない」と説明し、排反という言葉は使わないのがふつうです)。テストや入試では、排反な場合に分けて確率をたす問題、排反でない事象の「または」を重なりを引いて求める問題、「少なくとも」を余事象で求める問題、排反と独立のちがいを問う問題がよく出ます。

例題1(排反な場合に分ける)

赤玉 3 個、白玉 2 個が入った袋から、同時に 2 個取り出します。2 個が同じ色である確率を求めなさい。

  1. 「同じ色」は、「2 個とも赤」と「2 個とも白」に分けられる。この 2 つは同時に起こらないので排反。
  2. 5 個から 2 個の取り出し方は  5C2=10\,{}_5\mathrm{C}_2=10(通り)。
  3. 2 個とも赤: 3C2=3\,{}_3\mathrm{C}_2=3(通り)で 310\dfrac3{10}。2 個とも白: 2C2=1\,{}_2\mathrm{C}_2=1(通り)で 110\dfrac1{10}。
  4. 排反なので、たして 310+110=410=25\dfrac3{10}+\dfrac1{10}=\dfrac4{10}=\dfrac25。

答え 25\dfrac25

例題2(さいころ 2 個)

大小 2 個のさいころを投げるとき、出た目の和が 5 の倍数になる確率を求めなさい。

  1. 2 個の目の和は 2〜12 なので、5 の倍数になるのは和が 5 か和が 10。
  2. 和が 5:(1, 4)(2, 3)(3, 2)(4, 1) の 4 通り。和が 10:(4, 6)(5, 5)(6, 4) の 3 通り。
  3. 和が 5 と和が 10 は同時に起こらない(排反)ので、436+336=736\dfrac4{36}+\dfrac3{36}=\dfrac7{36}。

答え 736\dfrac7{36}

ひらめいたうかるくん

うかるくん

「同じ色」は「赤赤」と「白白」に分ける。排反に分ければ、あとはたすだけだ!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

たす前に「両方が同時に起こる結果はないか」を確かめよう!

  • 排反でないのに、そのままたす:「偶数 または 3 の倍数」を 36+26=56\dfrac36+\dfrac26=\dfrac56 とするまちがいです。6 が両方に入るので、16\dfrac16 を引いて 46=23\dfrac46=\dfrac23 です。たす前に「重なりはないか」を確かめましょう。
  • 排反と独立を同じだと思う:排反は「同時に起こらない」、独立は「影響し合わない」です。確率が 0 でない 2 つの事象が排反なら、独立ではありません。
  • 排反と余事象を同じだと思う:「1 の目」と「偶数の目」は排反ですが、合わせても全体(1〜6)になりません(3, 5 が残る)。余事象は、排反でしかも合わせると全体になる特別な関係です。
  • 場合分けで重なりやもれが出る:「少なくとも 1 個が赤」を「1 個目が赤」と「2 個目が赤」に分けると、両方赤の場合が重なります。分けた場合どうしが本当に排反か、確かめましょう。

ことばの由来

排は「おしのける・しりぞける」(排除の排)、反は「そむく・反対の」という意味の字です。2 つの事象がおたがいをしりぞけ合う(片方が起こると、もう片方は起こらない)ことを表しています。英語では mutually exclusive(ミューチュアリー エクスクルーシブ)といい、「おたがいに(mutually)しめ出し合う(exclusive)」という意味です。「排反事象」ともいいます。

ミニ問題

問題1 さいころを 1 回投げます。次の 2 つの事象は排反ですか。(1)「奇数の目」と「2 の倍数の目」 (2)「3 以下の目」と「偶数の目」

答えと解き方を見る

(1) 排反です。奇数は 1, 3, 5、2 の倍数は 2, 4, 6 で、共通の目がありません。(2) 排反ではありません。3 以下は 1, 2, 3、偶数は 2, 4, 6 で、2 が両方に入ります。1 つでも共通の結果があれば排反ではありません。

問題2 ジョーカーをのぞく 52 枚のトランプから 1 枚引くとき、「ハート」または「絵札(J・Q・K)」が出る確率を求めましょう。

答えと解き方を見る

1126\dfrac{11}{26} です。

  1. ハートは 13 枚、絵札は 3×4=123\times4=12 枚。
  2. ハートの J・Q・K の 3 枚は両方に入るので、2 つの事象は排反ではない。
  3. P=1352+1252−352=2252=1126P=\dfrac{13}{52}+\dfrac{12}{52}-\dfrac3{52}=\dfrac{22}{52}=\dfrac{11}{26}。

13+1252=2552\dfrac{13+12}{52}=\dfrac{25}{52} とするのは、重なりの 3 枚を 2 回数えたまちがいです。

問題3 さいころを 2 回投げるとき、出た目の和が 3 以下になる確率を、排反な場合に分けて求めましょう。

答えと解き方を見る

112\dfrac1{12} です。

  1. 和が 3 以下は、「和が 2」と「和が 3」に分けられる。和は 1 つの値しかとらないので、この 2 つは排反。
  2. 和が 2 は (1, 1) の 1 通りで 136\dfrac1{36}。和が 3 は (1, 2)・(2, 1) の 2 通りで 236\dfrac2{36}。
  3. たして 136+236=336=112\dfrac1{36}+\dfrac2{36}=\dfrac3{36}=\dfrac1{12}。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

排反とはどういう意味ですか?

2つのことがらが同時には起こらないことです。さいころ1回の「1の目」と「偶数の目」は排反です。

排反のとき確率はどう計算しますか?

「AまたはB」の確率は、P(A)とP(B)をそのままたして求めます。これを確率の加法定理といいます。

排反でないときはどうしますか?

P(A)+P(B)から、両方が起こる確率P(A∩B)を引きます。重なりを2回数えないためです。

排反と独立のちがいは?

排反は同時に起こらないこと、独立は一方の結果がもう一方の起こりやすさに影響しないことです。確率が0でない2つの事象が排反なら、独立ではありません。

排反と余事象の関係は?

Aと余事象(Aでない)は排反で、しかも合わせると全体になります。だから P(Aでない)=1−P(A) が成り立ちます。

排反は何年生で習いますか?

高校の数学A(場合の数と確率)で習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学A(場合の数と確率)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦