合格大作戦 数学用語辞典 › 関数
大学受験
媒介変数とは
点の座標 (x, y) を、別の変数 t を使って x=f(t)、y=g(t) と表すときの t のことです。この表し方を媒介変数表示といいます。たとえば円 x2+y2=1 は x=cosθ、y=sinθ と表せます。
読み方:ばいかいへんすう/英語:parameter/習う学年:数学C(平面上の曲線)

サクラちゃん
x と y の式があるのに、どうしてわざわざ t を使うんですか?
![合格先生]()
合格先生
ボールの動きを思いうかべてごらん。「何秒後にどこにいるか」は、時刻 t で横と高さを別々に書くほうが自然だよね。それが媒介変数表示なんだ。
この用語のポイント
- 媒介変数表示:x=f(t)、y=g(t)。t を決めると点が 1 つ決まる
- 円は x=cosθ、y=sinθ。消去には cos2θ+sin2θ=1
- t を消したら x・y の範囲を必ず確かめる
やさしく言うと
媒介変数は、x と y のあいだに入って、2 つを結びつける「3 つ目の変数」です。点の位置 (x, y) を、別の変数 t を使って x=f(t)、y=g(t) と表します。この表し方を媒介変数表示(パラメータ表示)といいます。
- 時刻ごとの位置:ボールや車の位置は、「何秒後に、横に何 m、上に何 m」と時刻 t で表すと自然です。このとき時刻 t が媒介変数です。
- 観覧車のゴンドラ:中心から見た角度 θ がわかれば、ゴンドラの横の位置と高さが決まります。x=cosθ、y=sinθ のように、角度が媒介変数になります。
- 仲立ちをする人:「媒介」は、間に入って取り持つという意味です。x と y の関係を直接書くかわりに、t が間に立って両方を決めています。
t を −2, −1, 0, 1, 2 と動かすと、点は放物線 y=x² の上を動くまとめると、媒介変数表示は「t を決めると点が 1 つ決まる」という表し方です。t を動かすと、点が動いて曲線をえがきます。
媒介変数表示の例
○ 媒介変数表示
- x=t、y=t2(放物線 y=x2)
- x=t+1、y=2t−3(直線 y=2x−5)
- x=cosθ、y=sinθ(円 x2+y2=1)
- x=1+2cosθ、y=2sinθ(中心 (1, 0)、半径 2 の円)
- x=3cosθ、y=2sinθ(だ円 9x2+4y2=1)
- ボールの位置 x=10t、y=20t−5t2
× 媒介変数表示ではない・不十分なもの
- y=x2(x と y を直接結んだ式。媒介変数はない)
- x2+y2=1(円の方程式。そのままでは媒介変数表示ではない)
- x=t だけ(y が t で決まっていない)
- x=cos2t、y=sin2t を「直線 x+y=1」とだけ答える(範囲がぬけている)
同じ曲線でも、媒介変数の取り方は 1 つではありません。たとえば放物線 y=x2 は、x=t、y=t2 とも、x=2t、y=4t2 とも表せます。
図で見る
円は、媒介変数表示がいちばん活躍する図形です。角 θ をとると、円の上の点 P は x=cosθ、y=sinθ と表せます。
角 θ が媒介変数。θ を 0 から 360° まで動かすと、P は円を 1 周する![うかるくん]()
うかるくん
円は x2+y2=1 で表せるのに、わざわざ θ を使う意味はあるんですか?
![合格先生]()
合格先生
x2+y2=1 だと、y=±1−x2 と上下 2 つに分かれてしまう。θ を使えば1 つの式で円全体を表せるし、「何度の位置か」もすぐわかる。計算がずっと楽になるんだよ。
物の運動も、時刻 t を媒介変数にすると自然に表せます。ななめに投げたボール(空気の影響は考えない)の位置を、x=10t、y=20t−5t2 としてみましょう。
1 秒ごとの位置。t を消すと、通り道は放物線 y=2x−x²/20x=10t より t=10x。これを y の式に代入すると y=2x−20x2 となり、通り道が放物線であることがわかります。一方、媒介変数表示のままなら「2 秒後にいちばん高い 20 m」のように、時刻の情報も読みとれます。
媒介変数を消す方法
媒介変数表示から x と y の関係式を求めることを、「媒介変数を消去する」といいます。おもな方法は 2 つです。
大切なのは、消去したあとにx や y がとれる範囲を確かめることです。x=cos2t、y=sin2t から t を消すと x+y=1 ですが、cos2t と sin2t は 0 以上 1 以下なので、点が動くのは直線全体ではなく線分だけです。
x+y=1 のうち、0≦x≦1 の部分(線分)だけを動く![本で説明するサクラちゃん]()
サクラちゃん
t を消したら、x と y の範囲もチェック。ここで差がつくのね!
テスト・入試ではこう出る
媒介変数表示は、高校の数学C「平面上の曲線」で、放物線・だ円・双曲線や極座標と一緒に学びます。よく出るのは、媒介変数を消去して曲線の方程式を求める問題と、曲線のおおよその形を調べる問題です。数学Ⅲの微分・積分と組み合わせると、接線の傾き dxdy=dx/dtdy/dt や、曲線で囲まれた面積・曲線の長さを求める問題になります。円が直線の上を転がるときの円周上の 1 点がえがくサイクロイド x=a(θ−sinθ)、y=a(1−cosθ) も、媒介変数表示の代表的な曲線です。
例題1(直線)
x=t+1、y=2t−3 で表される図形を答えなさい。
- x=t+1 を t について解く:t=x−1。
- y=2t−3 に代入する:y=2(x−1)−3=2x−5。
- t はすべての実数をとるので、x=t+1 もすべての実数をとる(範囲の制限なし)。
答え 直線 y=2x−5
例題2(円)
x=1+2cosθ、y=2sinθ で表される図形を答えなさい。
- cosθ、sinθ について解く:cosθ=2x−1、sinθ=2y。
- cos2θ+sin2θ=1 に代入する:(2x−1)2+(2y)2=1。
- 両辺を 4 倍して (x−1)2+y2=4。
答え 中心 (1, 0)、半径 2 の円
θ を消すときは、1 文字ずつ解くより、cos2θ+sin2θ=1 を使うのが定番です。
図3のボールで接線の傾きを求めると、dxdy=1020−10t=2−t。t=2(いちばん高い所)で傾きが 0、つまり真横に進んでいることがわかります。
まちがえやすい点
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
t を消したら、x と y がとれる範囲をチェック! 直線全体とは限らないよ。
- 消去したあとの範囲を忘れる:x=t2 なら x≥0、x=cosθ なら −1≤x≤1 です。消去した式だけを答えると、図形が大きくなりすぎることがあります。
- dxdy を dtdy と取りちがえる:接線の傾きは dxdy=dx/dtdy/dt です。dtdy だけでは「時間あたりの y の変化」で、傾きではありません。
- t の値と点の座標を混同する:t=2 のときの点は (2, 2) とは限りません。x=f(2)、y=g(2) を計算して座標を出します。
- 媒介変数表示は 1 通りだけと思う:同じ曲線にも、いろいろな表し方があります。問題に合わせて、計算しやすい t を選べばよいのです。
ことばの意味
「媒介」は、2 つのものの間に入って、取り持つという意味の言葉です。x と y の間に入って両方を決める変数なので、媒介変数とよばれます。英語では parameter(パラメーター)といい、日本語でも「パラメータ表示」ということがあります。
ミニ問題
問題1 x=2t、y=t+1 で表される図形を、x と y の式で表しましょう。
答えと解き方を見る
y=21x+1(直線)です。x=2t より t=2x。これを y=t+1 に代入して y=2x+1。t はどんな実数でもよいので、x もすべての実数をとり、直線全体になります。
問題2 x=t−1、y=t2 で表される図形を、x と y の式で表しましょう。
答えと解き方を見る
y=(x+1)2(放物線)です。x=t−1 より t=x+1。代入して y=(x+1)2。y=x2 を x 方向に −1 だけ平行移動した放物線です。
問題3 x=t2、y=2t2+1 で表される図形を答えましょう。
答えと解き方を見る
直線 y=2x+1 のうち x≥0 の部分(半直線)です。t2=x を代入すると y=2x+1。ただし x=t2≥0 なので、x<0 の部分は通りません。「y=2x+1」とだけ答えると、範囲がぬけて不十分です。
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あわせて覚えたい用語
よくある質問
媒介変数とは簡単にいうと何ですか?
点のx座標とy座標を、別の変数tを使ってそれぞれ表すときのtのことです。tを決めると点が1つ決まり、tを動かすと点が曲線をえがきます。
媒介変数表示とは何ですか?
x=f(t)、y=g(t) のように、曲線上の点を媒介変数tで表す表し方です。パラメータ表示ともいいます。
円の媒介変数表示は?
原点中心・半径rの円は x=r cosθ、y=r sinθ と表せます。θは中心から見た角です。
媒介変数を消去するにはどうしますか?
片方の式をtについて解いてもう片方に代入するか、cos²θ+sin²θ=1 を使います。
媒介変数を消去したあと何に気をつけますか?
xやyがとれる範囲です。例えば x=t² なら x≧0 なので、消去した式の一部だけが答えになることがあります。
媒介変数表示は何年生で習いますか?
高校の数学C「平面上の曲線と複素数平面」で習います。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学C(平面上の曲線と複素数平面)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦