
この記事の結論
- オリジナル勉強法とは、本や先生から教わった勉強法の自分に合う部分だけを取り入れ、試しながら直して作った自分専用の勉強のやり方です。「自分に合った勉強法」は探し続けても見つからず、自分で作るほうが確実です。
- 作り方は①試す→②記録する→③振り返る→④直すの4ステップをくり返すだけ。変えるのは1回に1つ、2週間ほど続けて、小テストの点などの結果で判断します。受験が終わっても、定期テストや資格試験に合わせて直せば一生使えます。

この記事は、2015年2月に「大学受験勉強法」のシリーズの最初の記事として書いたものです。もとの主張は「勉強法マニア・参考書マニアにならず、自分自身のオリジナル勉強法を確立せよ」。この考え方は今もまったく変わりません。2026年10月に、元の文章をそのまま残したうえで、オリジナル勉強法の具体的な作り方(手順・教科別の例・学年別の進め方)を図とあわせて書き足しました。
勉強法の基本そのもの(知識を入れる→演習で思考力をつける→得点力に変える)は、同じシリーズの「大学受験の勉強法の基本」で説明しています。こちらの記事は、その基本を土台にして「自分の勉強法をどう作り、どう育てるか」に絞ります。
【元の記事】自分自身のオリジナル勉強法を確立せよ!(2015年)
まずは2015年2月に書いた元の文章です。言いたいことはここに全部入っています。
世の中には数多くの勉強法があり、多くの書籍も出版されている。勉強で結果を残した人たちが書いた勉強法(自分自身の経験に基づく勉強法)から、塾講師や予備校講師、家庭教師や高校教師などが指導の経験に基づいて書いたものまで実に多種多様だ。
どの勉強法もすばらしい内容であり、そんな書籍を読めば自分も勉強ができる気になる。
しかし、いざ実践してみようとすると「なかなか思うように実践できない」「勉強法どおりに実践しているが結果が出ない」という人も多いはずだ。
たまたま自分にあった勉強法に出会い、その通りに実践して結果を出す人もいるが、それは本当に運が良かっただけだ。
では、運に任せて「自分にあった勉強法」を探しまくればよいのだろうか?
ただ単に「自分にあった勉強法」を探すだけではいつまで経っても見つからない。自分でオリジナルの勉強法を作った方が確実なのである。
私が受験生に接していて、たまに目にするのが「受験勉強法マニア」、「参考書マニア」の人たちである。
彼らは、勉強で結果を出すことではなくその前段階の「受験勉強法」や「参考書選び」に全力が注がれている。
それではその先にある、学力を向上させ志望校に合格するという真の目的にはたどりつけない。
いつ見つかるかわからない「自分にあった勉強法の本」を探すのではなく「自分自身のオリジナル勉強法」を自分で確立してしまったほうが確実なのである。
この「自分自身のオリジナル勉強法」は常に進化することができるし、大学受験が終わってからも自身の役に立つものである。
受験勉強が終わったら、大学の定期テストや資格試験向けに「自分自身のオリジナル勉強法」をカスタマイズしていけばいいのだ。

東大や京大に合格していく生徒の多くはこの「自分自身のオリジナル勉強法」を持っている。
彼らは勉強で結果を残したというだけでなく、工夫して勉強の効率を上げてきた「自分自身のオリジナル勉強法」を持っているのである。
東大生、京大生の就職がいいのは単に「東大卒」「京大卒」の肩書きや「学力」「大学での研究」だけでなく、こういった「自分自身のオリジナル勉強法」を持っているということも大きく影響している。
採用する側からすれば、自分の会社に就職して、効率よく仕事を覚え成長してくれる可能性が非常に高いということを知っているのである。
受験生の皆さんには「受験勉強法の本」や「学校の先生に教えてもらった勉強法」、「塾の先生や予備校で教えてもらった勉強法」、「家庭教師の先生に教えてもらった勉強法」などを鵜呑みにするのではなくそれらの勉強法の中で自分にあった部分を吸収し「自分自身のオリジナル勉強法」を確立していってほしい。
この「自分自身のオリジナル勉強法」は大学受験だけでなく一生の財産となるはずだ。
次回からは具体的な勉強法を掲載していきますが、その勉強法も鵜呑みにはしないでほしい。使えそうなところだけ吸収して「自分自身のオリジナル勉強法」の糧にしてほしい。
ここから下は、この元の文章を「では、具体的にどうやって作るのか」という形に広げた解説です。
オリジナル勉強法とは?自分に合った勉強法の意味
オリジナル勉強法とは、だれかの勉強法をそのまままねるのではなく、自分の条件に合わせて組み立て直した勉強のやり方のことです。まったくゼロから発明する必要はありません。むしろ、ほとんどの部品は本や先生や先輩から借りてきたものです。大事なのは、その部品を自分で選び、自分で試し、自分で直したという点です。
「自分に合った勉強法」とよく言いますが、「合う」かどうかは読んだだけでは分かりません。実際にやってみて、結果(点数・覚えた量・解けた問題の数)がよくなったときに、初めて「合っていた」と言えます。つまりオリジナル勉強法は、試した結果で確かめられた勉強法だともいえます。
勉強法マニア・参考書マニアとは
元の記事で書いた「受験勉強法マニア」「参考書マニア」とは、勉強そのものより、勉強法を調べることや参考書を選ぶことに力を注いでしまう人のことです。図1の左のように、新しい本を見つける→少しだけ試す→すぐに「合わない」と思う→また新しい本を探す、という輪を回り続けます。本人はとても熱心なのですが、肝心の学力はなかなか上がりません。
勉強法の本を読むこと自体は悪くありません。問題は、読んで満足してしまうことと、結果が出る前に次へ移ってしまうことです。どんな勉強法も、効果が点数に表れるまでにはある程度の時間がかかります。数日で判断していては、どの方法も「合わない」ように見えてしまいます。
オリジナル勉強法を持つ人の特徴
反対に、オリジナル勉強法を持っている人には、次のような共通点があります。
- 自分の勉強のやり方を、言葉で説明できる(「英単語は朝と夜に分けて、3日後にもう一度テストする」など)
- なぜそのやり方なのか、理由を言える(「1回にまとめると忘れやすかったから」など)
- うまくいかないとき、どこを直せばいいか分かっている
- 新しい勉強法を知っても、全部は乗りかえず、使える部分だけ足す
この4つがそろっていれば、それはもう立派な「自分自身のオリジナル勉強法」です。勉強のやり方を説明できるくらい自分の勉強を見ている人は、つまずいたときの立て直しも早くなります。
「自分に合った勉強法」が探しても見つからない3つの理由
元の記事では「ただ単に『自分にあった勉強法』を探すだけではいつまで経っても見つからない」と書きました。なぜ見つからないのか、理由を3つに分けて考えてみます。
理由1:書いた人と自分では「前提」がちがう
勉強法の本は、書いた人がうまくいった方法をまとめたものです。でも、その人と読者とでは、今の学力・使える時間・志望校・得意な科目・性格がちがいます。部活で毎日19時まで練習がある高校生と、浪人して1日中勉強できる人とでは、同じ「1日10時間の勉強法」は使えません。東大を目ざす人と、私立大学の3教科で受ける人とでも、時間のかけ方はまったく変わります。
理由2:勉強法は「実行して直す」まで完成しない
どんなによい勉強法も、本で読んだ段階では「設計図」にすぎません。実際にやってみると、「朝は眠くてできない」「1日100問は多すぎる」など、思ってもいなかったずれが必ず出てきます。そのずれを直して初めて、自分の生活の中で回る勉強法になります。読んだだけの勉強法は、まだだれのものでもないのです。
理由3:「合う・合わない」は結果を測らないと分からない
「なんとなく合う気がする」「やっていて楽しい」という感覚は大切ですが、それだけで判断すると危険です。楽な方法ほど「合う」と感じやすいからです。合っているかどうかは、小テストの点・覚えた語数・時間内に解けた問題数のような、目に見える結果で確かめる必要があります。測らずに探しているかぎり、「合う勉強法」はいつまでも見つかりません。
この3つの理由から、「探す」より「作る」ほうが確実なのです。作り方の中心になるのが、次の4ステップです。
オリジナル勉強法の作り方:試す→記録→振り返る→直すの4ステップ
オリジナル勉強法は、次の4つのステップを輪のようにくり返して作ります。1周ごとに、自分の勉強法が「ver.1(バージョン1)」「ver.2」と少しずつ進化していくイメージです。
ステップ0:目的をはっきりさせる
輪を回す前に、何のための勉強法かを決めます。「英単語を共通テストまでに〇語覚える」「数学の過去問で〇割とる」のように、ゴールが具体的なほど、あとで「うまくいったか」を判断しやすくなります。志望校の配点から目標点を決める方法は「東大合格の戦略(ストラテジー)の立て方」、京都大学(京大)を目ざす人は「京大合格作戦の立て方」で書いています。どちらも「相手(入試)を知り、自分を知る」ことから始まります。
ステップ1:試す(1回に変えるのは1つだけ)
本や先生から取り入れた方法を、実際に試します。ここでのコツは1回に変えるのは1つだけにすることです。英単語の覚え方と、数学の問題集と、起きる時間を同時に変えてしまうと、成績が上がっても下がっても、何が原因だったのか分かりません。
試す期間は、2週間くらいが目安です。3日では効果が見えにくく、1か月以上だと、合わない方法に長くしばられてしまいます。もちろん科目や方法によって、もう少し長く見たほうがよいものもあります(たとえば数学の解き方の型は、身につくまでに時間がかかります)。
ステップ2:記録する(時間・量・結果)
試している間は、やった時間・やった量・結果の3つを記録します。結果は、小テストの点や、問題集の正解数のように数字で書けるものがよいでしょう。記録のつけ方は「勉強記録(勉強ログ)のつけ方」でくわしく図解しています。紙のノートに書くか、タブレットやスマホを使うかは好みでかまいません(ノートは紙かタブレットかも参考に)。
ステップ3:振り返る(結果で判断する)
2週間たったら、記録を見て振り返ります。見るのは「前の方法とくらべて、結果がよくなったか」です。よくなっていれば、その方法を採用します。変わらなければ、もう少し続けるか、別の方法を試します。悪くなったなら、元に戻します。このとき、気分ではなく記録を見て判断することが大切です。
ステップ4:直す(合う部分だけ残す)
振り返りの結果をもとに、自分の勉強法を直します。新しい方法を「全部採用」か「全部やめる」かの二択にする必要はありません。たとえば「朝の暗記はよかったが、1日100語は多すぎた」なら、朝に覚えるところは残して、量を70語に減らす、という直し方ができます。これが元の記事でいう「自分にあった部分を吸収する」ということです。
| ステップ | やること | 目安・コツ |
|---|---|---|
| ① 試す | 取り入れた方法を1つだけ実行 | 2週間くらい。ほかの条件は変えない |
| ② 記録する | 時間・量・結果を書く | 1日1〜3分で書ける形に |
| ③ 振り返る | 前の方法と結果をくらべる | 気分ではなく数字で判断 |
| ④ 直す | 合う部分を残し、合わない部分を捨てる | 「全部採用か全部やめるか」にしない |
この流れは、仕事の改善でよく使われる「PDCAサイクル」(Plan=計画、Do=実行、Check=評価、Act=改善)と同じ考え方です。勉強の計画そのものの立て方は「計画の立て方」も参考にしてください。完ぺきな計画を作ってから動くより、まず試して直すほうが早く進みます。「完璧を目指すよりまず終わらせろ(Done is better than perfect)」の考え方にも通じます。
うかるくん
勉強法の本を3冊読んだんですけど、書いてあることがバラバラで、どれを信じればいいのか分からなくなりました…。
合格先生
「どれが正しいか」を考えるより、「どれを自分で試すか」を1つ決めよう。本ごとに言うことがちがうのは、書いた人の条件がちがうからだ。2週間試して、小テストの点がどう変わったかで判断すればいい。
うかるくん
じゃあ、まずは英単語の覚え方だけ変えてみます。数学はいつものやり方のままで。
合格先生
それでいい。変えるのは1つだけ、が実験のコツだよ。
勉強法の部品を集める:本・先生・先輩から「部分だけ」吸収する
オリジナル勉強法の部品は、まわりにたくさんあります。元の記事でも挙げたように、勉強法の本、学校の先生、塾の先生や予備校の講師、家庭教師の先生です。これに合格した先輩の話も加えて、部品にできます。ポイントは、どれか1つを丸ごと信じるのではなく、それぞれから使える部分だけをすくい取ることです。
3つのふるい
集めた勉強法を取り入れるかどうかは、次の3つのふるいで決めると迷いません。
- 続けられるか:自分の生活(部活・通学時間・睡眠)の中で、毎日または毎週続けられるか。どんなによい方法も、続かなければ効果はありません。
- 結果が測れるか:その方法がうまくいっているかを、テストの点や正解数で確かめられるか。測れない方法は、合っているかどうか判断できません。
- 志望校の出題に合うか:記述問題が中心の大学か、マーク式が中心か、など、目ざす試験の形に合っているか。共通テスト(大学入学共通テスト、旧センター試験)の勉強の全体像は「共通テストの勉強法」にまとめています。
どこから何を取り入れるか
| 集める先 | 取り入れやすい部品 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 勉強法の本 | 覚え方・時間の使い方・計画の立て方 | 著者の条件(学力・時間)を確かめる |
| 学校の先生 | 教科書の使い方・定期テストの勉強 | 授業の進み方と入試の時期を合わせる |
| 塾・予備校の講師 | 入試の解き方・教材の選び方 | 自分の志望校の出題に合うか確かめる |
| 家庭教師の先生 | 自分の弱点に合わせた直し方 | 言われたことを自分でも説明できるように |
| 合格体験記・先輩 | 時期ごとの進め方・失敗談 | 成功した人の話だけでなく失敗も聞く |
合格体験記は、オリジナル勉強法の部品の宝庫です。ただし、合格者の方法をそのまままねても、同じ結果になるとは限りません。どこを読み、何を取り入れればいいかは「京大 合格体験記の読み方」で5つのポイントにまとめました。東大生の勉強のやり方の本の紹介は「東大生の勉強法|やる気の保ち方と勉強を続けるコツ」、東大を首席で卒業した山口真由さんの「基本書を1冊に絞って反復する」方法論は「基本書を1冊に絞って反復する勉強法」で紹介しています。どちらも、部品として取り入れるつもりで読むと役に立ちます。
「裏技」も部品の1つ
勉強の裏技やテクニックも、オリジナル勉強法の部品になります。ただ、裏技だけで合格できるわけではありません。「受験の裏技・テクニック30選」では、それぞれの裏技を正攻法の勉強にどうつなげるかも書いています。正攻法の土台の上に、自分に合う工夫を足していくのが、オリジナル勉強法の正しい育て方です。
オリジナル勉強法の試し方:1つだけ変えて2週間くらべる
「試す」のステップを、もう少しくわしく見てみましょう。下の図4は、英単語の覚え方で実験をした例です。
方法Aは「30分で100語を1回まとめて覚える」、方法Bは「同じ100語を朝15分と夜15分に分けて覚える」です。使う単語帳も、覚える単語も、合計の時間(30分)も同じにして、変えたのは「分け方」だけ。それぞれ2週間続けて、週末の確認テストの正答率をくらべます。この例ではBのほうが結果がよかったので、Bを自分の型として採用します。
このように条件をそろえてくらべると、「何がよかったのか」がはっきりします。ちなみに、同じ量を一度にまとめて覚えるより、時間をあけて何回かに分けて復習するほうが記憶に残りやすいことは、心理学の研究で「分散学習」として知られています。また、ただ読み返すより、テストのように思い出す練習をしたほうが覚えやすいこと(「テスト効果」と呼ばれます)もよく知られています。こうした研究で知られた方法も、最後は自分で試して確かめるのがオリジナル勉強法の考え方です。英単語の覚え方そのものは「英単語・英熟語の覚え方」にくわしく書きました。
実験に向いているもの・向いていないもの
結果がすぐ数字に出るもの(英単語・古文単語・漢字・歴史の用語・計算問題など)は、2週間の実験に向いています。一方で、数学の考える力や、現代文の読解力のように、伸びるまでに時間がかかるものは、2週間では差が見えにくいことがあります。そうした科目は、「1問にかけた時間」「自力で方針が立った問題の数」のように、途中の様子を測る工夫をするとよいでしょう。
教科別:オリジナル勉強法の作り方の例
ここでは、教科ごとに「何を試し、何で測るか」の例を挙げます。あくまで例なので、自分の条件に合わせて変えてください。
| 教科 | 試すこと(例) | 測るもの(例) |
|---|---|---|
| 英語(単語) | 覚える時間帯・1日の語数・復習の間隔 | 週末の確認テストの正答率 |
| 英語(長文) | 音読の回数・精読と速読の割合 | 1題を読み終えるまでの時間・正解数 |
| 数学 | 例題を見て解く→何も見ずに解き直すまでの日数 | 解き直しで自力で解けた割合 |
| 国語(古文) | 単語と文法の順番・1日の量 | 文法問題・口語訳の正解数 |
| 国語(現代文) | 記述の手順(設問→傍線部→根拠→まとめ) | 採点基準に合う要素の数 |
| 地理歴史 | 教科書→一問一答→用語集の回し方 | 一問一答の正答率・年号の正解数 |
| 理科 | 教科書の例題→問題集の進め方 | 問題集の1周目と2周目の正解数 |
英語:単語と長文で分けて考える
英語は、単語・熟語・文法・長文・英作文・リスニングと、部品がとても多い教科です。全部を一度に変えるのではなく、「まず単語の覚え方」「次に長文の読み方」と、1つずつ自分の型を作っていくのがおすすめです。英語の勉強の全体の順番は「大学受験の英語勉強法まとめ」で一覧にしています。
数学:解き直しのタイミングを試す
数学で多いのは、「例題を読んで分かったつもり」になる失敗です。そこで、例題を解いたあと何日後に何も見ずに解き直すかを試してみましょう。翌日・3日後・1週間後など、自分が忘れかけたころに解き直すと、解法が定着しやすくなります。数学の勉強の段階(解法の暗記→演習→過去問)は「数学の勉強法」、青チャートや『1対1対応の演習』をいつまでに終わらせるかは「青チャートと1対1対応の演習の進め方」で書いています。数学の公式を確かめるときは「算数・数学公式辞典」も使ってください。
国語:古文は順番、現代文は手順を試す
古文は、単語と文法のどちらから始めるか、1日にどれだけ進めるかで、身につき方が変わります。文法の項目は「古文文法辞典」で1つずつ確かめられます。現代文の記述は、答えを書く手順を決めておくと安定します。手順の例は、同じシリーズの「現代文の記述問題への対策・勉強法」で図解しています。
地理歴史:教材の回し方を試す
世界史や日本史は、教科書・ノート・一問一答・用語集など、使う教材が多くなりがちです。教材を増やすより、決めた教材をどの順番で何周するかを試すほうが効果が出やすい教科です。世界史の最初の一歩は、同じシリーズの「世界史の勉強法」を参考にしてください。
ノートの取り方も「自分の型」にする
どの教科でも、ノートの取り方は人によって大きくちがいます。左右のページの使い分け、色の数、余白の取り方なども、試して直すことで自分の型になります。東大に合格した人たちのノートの工夫は「東大合格生のノートの取り方」で教科別に紹介しています。

合格先生
教科ごとに「何を試すか」と「何で測るか」をセットで決めよう。測るものが決まっていない実験は、ただの「なんとなく」で終わってしまう。
学年別:高1・高2・高3でのオリジナル勉強法の育て方
オリジナル勉強法は、一度作ったら終わりではありません。学年や時期によって、試すことと固めることのバランスを変えていきます。
高1:部品を集めて、毎日の習慣を作る
高1は、いろいろな勉強法を試せるいちばんよい時期です。勉強法の本を読んだり、先輩の話を聞いたりして、部品をたくさん集めましょう。同時に、毎日決まった時間に机に向かう習慣を作ることが、すべての土台になります。勉強を好きになるきっかけは「好きこそものの上手なれ」や「勉強ができるようになる方法は「興味をもつ」こと」でも書きました。
高2:試して記録し、自分の型の「ver.1」を作る
高2では、集めた部品を1つずつ試し、記録をとり始めましょう。英単語の覚え方、数学の問題集の進め方、ノートの取り方など、教科ごとに「自分はこうやる」と言える形(ver.1)を作るのが目標です。この時期に型ができていると、高3で過去問に入ったときに、直すべき所がすぐ分かります。
高3の春〜夏:過去問を使って、志望校向けに直す
高3になったら、志望校の過去問を解いてみて、今の勉強法が入試の形に合っているかを確かめます。記述が多い大学なら、答案を書く練習の時間を増やす。時間が足りないなら、解く順番や時間配分を試す。このように、志望校に合わせてカスタマイズしていく時期です。
高3の秋〜直前期:型を固めて、新しい方法は控える
入試が近づいたら、新しい勉強法を試すのは控え、今の型をくり返して固めます。2027年度の大学入学共通テストは2027年1月16日(土)・17日(日)です。直前期に勉強法を大きく変えると、慣れるまでの時間がむだになり、不安も大きくなります。直前期の教材の絞り方は「入試直前期の勉強法」で説明しています。
浪人生の場合
浪人生は、現役のときの勉強法を一度ふり返るところから始めましょう。「何がうまくいって、何がうまくいかなかったか」を書き出し、うまくいかなかった部分だけを直します。全部を捨てて新しい勉強法に乗りかえると、現役のときに積み上げた「自分の型」まで失ってしまいます。
勉強法マニアにならないためのチェックと直し方
オリジナル勉強法を作ろうとして、かえって勉強法マニアになってしまう人もいます。次のような様子があったら注意しましょう。
- 勉強法の動画や記事を見ている時間が、実際に勉強している時間より長い
- 参考書や問題集を買ったが、最後まで終わったものがほとんどない
- 新しい勉強法を知ると、今やっている方法を途中でやめてしまう
- 「この参考書が終わったら本気を出す」と、準備の段階で止まっている
- 勉強法の記録はくわしいのに、テストの点の記録がない
直し方1:勉強法を調べる時間に上限を決める
勉強法を調べるのは、たとえば週末に30分だけと決めてしまいましょう。調べたことは、すぐ試さずにメモしておき、今の実験(2週間)が終わってから、次に試すものを1つ選びます。
直し方2:参考書は「1冊を終わらせてから」次へ
参考書マニアにならないコツは、今の1冊を最後まで終わらせるまで次を買わないことです。1冊を何周もくり返すほうが、何冊も途中まで進めるより力がつきます。東大を首席で卒業した山口真由さんが本で紹介している「基本書を1冊に絞って反復する」方法も、この考え方です(基本書を1冊に絞る方法論)。
直し方3:「結果」の記録を中心にする
記録は、勉強法そのものより結果(点数・正解数)を中心に書きましょう。結果が伸びていれば、今の勉強法はうまくいっています。伸びていないときだけ、勉強法を見直せばよいのです。ほかの人の勉強時間が気になるときは「受験生の勉強時間」を読んでみてください。ただし、くらべる相手は他人ではなく先週の自分です。
サクラちゃん
勉強法の動画を見ると、すぐやってみたくなるんです。でも、気づいたら毎週ちがうやり方になっていて…。
合格先生
動画で知った方法は、すぐに乗りかえずに「次に試すリスト」に書いておこう。今の方法を2週間やりきって、結果を見てから、リストの中から1つだけ選べばいい。
サクラちゃん
今の古文単語の覚え方を2週間続けて、点数を記録してから決めます!リストに書くだけなら気も楽です。
勉強法を次々に変えてしまう背景には、「早く結果を出したい」という焦りがあることも多いです。気持ちが落ちこんだときのやる気の保ち方は「受験のモチベーションの保ち方」で時期別にまとめています。
東大生・京大生がオリジナル勉強法を持っている理由と、受験後の使い方
元の記事では、「東大や京大に合格していく生徒の多くはこの『自分自身のオリジナル勉強法』を持っている」と書きました。難しい試験に合格する人は、勉強の量が多いだけでなく、工夫して勉強の効率を上げてきた経験を持っています。自分のやり方を説明でき、うまくいかないときに直せる、ということです。
大学の定期テスト・資格試験向けにカスタマイズする
大学に入ると、高校までとは勉強の形が大きく変わります。授業の進み方は速く、教科書がないこともあり、定期テストの形も先生によってさまざまです。そんなとき、受験で作ったオリジナル勉強法を新しい場面に合わせてカスタマイズできる人は強いです。英単語の覚え方は専門用語の暗記に、過去問の分析は資格試験の対策に、そのまま応用できます。
仕事を覚えるときにも役立つ
元の記事では、東大生・京大生の就職がよいのは肩書きや学力だけでなく、こうした「自分自身のオリジナル勉強法」を持っていることも大きいと書きました。採用する側から見れば、新しい仕事を効率よく覚えて成長してくれる人は、とても心強い存在です。新しいことを覚えるとき、「まず試して、記録して、振り返って、直す」という輪を回せる人は、どんな分野でも伸びていけます。オリジナル勉強法が一生の財産になるというのは、こういう意味です。

サクラちゃん
受験のために作った勉強法が、大学や仕事でもそのまま使えるんだ!今つけている記録は、未来の自分への道具になるんですね。
自分の勉強法を書き出す「勉強法カルテ」の作り方
オリジナル勉強法を育てるために、自分の勉強法を1枚の紙(またはノートの1ページ)に書き出しておきましょう。病院のカルテのように、今の状態と、これまでに試したことを記録しておくものです。書く項目は次のとおりです。
- 目的:志望校・目標点・いつまでに何をするか
- 今の型(ver.〇):教科ごとに「自分はこうやる」を1〜2行で
- 試したことの記録:試した方法・期間・結果(採用/不採用)
- 次に試すリスト:本や動画で知った方法をメモしておく所
- 振り返る日:2週間ごと、または模試のあとなど
書き方の例を挙げます。「英語(単語)ver.3:朝15分で新しい30語、夜15分で朝の30語と3日前の30語をテスト。ver.2(夜だけ60語)より週末テストの正答率が上がったので採用」。このくらい具体的に書いておくと、迷ったときに自分のカルテを見れば、次に何をすればいいかが分かります。
勉強法カルテは、人に見せるためのものではありません。うまくいかなかったことも正直に書きましょう。不採用になった方法の記録も、「自分にはこれは合わなかった」という立派なデータです。
勉強の悩みや、自分の勉強法についての相談は「受験の質問・相談」で受け付けています。数学の入口は「数学まとめ」、国語の入口は「国語まとめ」も使ってください。
大学受験合格大作戦・大学受験勉強法
元の記事は「次回からは具体的な勉強法を掲載していきます」と結んでいました。具体的な勉強法の記事は次のとおりです。どれも鵜呑みにせず、使えそうなところだけ吸収して、自分自身のオリジナル勉強法の糧にしてください。
- 【大学受験勉強法】自分自身のオリジナル勉強法を確立せよ!(この記事)
- 大学受験の勉強法の基本(知識・思考力・テクニック)
- 勉強記録(勉強ログ)のつけ方
- 数学の勉強法|解法の暗記→演習→過去問の3段階
- 英単語・英熟語の覚え方
- 共通テストの勉強法|高1・高2・高3でいつ何をするか
よくある質問
自分に合った勉強法はどうやって見つければいいですか?
探し続けるより、自分で作るほうが確実です。本や先生から取り入れた方法を1つずつ2週間ほど試し、小テストの点などの結果で判断して、合う部分だけを残していきます。
オリジナル勉強法の作り方の手順は?
①試す(1回に変えるのは1つだけ)→②記録する(時間・量・結果)→③振り返る(前の方法と結果をくらべる)→④直す(合う部分を残す)の4ステップをくり返します。
勉強法を試す期間はどのくらいがよいですか?
2週間くらいが目安です。数日では効果が見えにくく、長すぎると合わない方法にしばられます。数学の考える力のように伸びるのに時間がかかるものは、途中の様子も測ります。
勉強法マニア・参考書マニアにならないためには?
勉強法を調べる時間に上限を決め、参考書は今の1冊を終わらせてから次を買います。記録は勉強法より、テストの点など結果を中心に書きましょう。
受験直前に勉強法を変えてもいいですか?
高3の秋から直前期は、新しい勉強法を試すのは控え、今の型をくり返して固めるのがおすすめです。慣れるまでの時間がむだになり、不安も大きくなるからです。
あわせて読みたい
- 大学受験の勉強法の基本(知識・思考力・テクニック)
- 勉強記録(勉強ログ)のつけ方|東大志望の勉強を見える化する書き方とふり返り【図解】
- 基本書を1冊に絞って反復する勉強法|東大首席・山口真由『天才とは努力を続けられる人』【図解】
- 東大生の勉強法|やる気(モチベーション)の保ち方と勉強を続けるコツ【すごい!勉強のやり方】
- 受験のモチベーションの保ち方|倍率に惑わされない考え方と時期別のやる気の続け方【図解】
- 数学の勉強法|解法の暗記→演習→過去問の3段階と、青・黄・赤チャートの選び方【図解】
出典・参考
- 元の記事「【大学受験勉強法】自分自身のオリジナル勉強法を確立せよ!」(大学受験合格大作戦、2015年2月11日)
- 大学入試センター「令和9年度 大学入学共通テスト」実施日程(2027年1月16日・17日)
- 図4の正答率は説明のための例(実在の生徒のデータではない)
最終更新:2026年10月22日/作成:大学受験合格大作戦












