うかるくん
って、 で になりますよね。そこで増加が止まるんですか?
合格先生
止まらないよ。傾きが0になるのはその一瞬だけで、グラフは上がり続ける。だから は実数全体で単調増加なんだ。
この用語のポイント
- :グラフがずっと右上がり
- なら増加。でも逆は×( は で傾き0)
- 本によって等号をふくむ(広義)かどうかが揺れる
やさしく言うと
グラフが左から右へずっと上がり続けること(右上がり)です。 を大きくすると、 も必ず大きくなります。一度でも下がったり、途中で平らになったりしてはいけません。身近な例で考えてみましょう。
- 上りのエスカレーター:上りのエスカレーターに乗っていると、時間がたつほど高い所へ行きます。時間 と高さ の関係は、単調増加です。
- ボールを投げ上げる:真上に投げたボールは、はじめは上がり、いちばん高い所で止まり、そのあと落ちてきます。全体では単調増加ではありませんが、「投げてから最高点まで」の範囲だけなら単調増加です。
- タクシーの料金:走った距離がのびると料金は上がりますが、ある距離まで料金が変わらない所があります。こうした「平らな所をふくむ」上がり方は、等号をふくむ広義の増加です(下の「呼び方の揺れ」)。
反対に、ずっと右下がり( なら )を単調減少といいます。増加と減少をまとめて単調といいます。つまり単調増加は、「どの2点を比べても、右にある点のほうが高い」ということです。
単調増加の例と、そうでない例
○ 単調増加
- (傾きが正の1次関数)
- (実数全体で。 で傾き0でもよい)
- (指数関数、底が1より大きい)
- ( で)
- ( の範囲だけなら)
- ( で)
× 単調増加ではない
- (実数全体では下がってから上がる)
- (単調減少)
- (上がったり下がったり)
- (底が1より小さいので減少)
- (ずっと平らな定数関数)
- (とちゅうで下がる部分がある)
同じ関数でも、どの範囲で考えるかで答えが変わります。単調増加かどうかは、関数だけでなく範囲とセットで決まる性質です。
図で見る
のグラフを、 軸の左と右に分けて見てみましょう。左半分は右下がり、右半分は右上がりです。
このように、多くの関数は「増加する部分」と「減少する部分」に分けられます。分かれ目の点は、山の頂上(極大)や谷の底(極小)になります。次の図は、数学Ⅱでよく出る3次関数 です。
サクラちゃん
増加と減少の境目の は、増加の範囲と減少の範囲、どっちに入れるんですか?
合格先生
高校の教科書では、両方に入れて「 で増加、 で減少」と書くのがふつうだよ。端の1点を入れても、増加・減少の定義はくずれないからね。
微分との関係
| 導関数 | グラフ | 関数 |
|---|---|---|
| (ある区間でずっと) | 右上がり | その区間で増加 |
| (ある区間でずっと) | 右下がり | その区間で減少 |
| (ある区間でずっと) | 水平 | その区間で一定 |
導関数 は、その点での接線の傾きです。傾きがずっと正なら、グラフは上がり続けます。だから増減を調べるときは、 の符号を調べて増減表にまとめます。
ただし「 なら増加」は正しいですが、逆は成り立ちません。 は で ですが、実数全体で単調増加です。

うかるくん
傾き0の点が1つあっても、その前後でずっと上がっていれば増加なんだ!

サクラちゃん
導関数がずっと正なら、その範囲で単調増加だとわかるのよ!
単調な関数の便利な性質
- 最大・最小は端で決まる: で単調増加なら、最小値は 、最大値は です。グラフをかかなくても答えが出ます。
- 同じ値を2回とらない:単調増加なら、 がちがえば も必ずちがいます。だから の解は多くても1つで、逆関数を考えることができます。
- 不等式をそのまま移せる: が単調増加なら、「」と「」は同じことです。対数の不等式で「底が1より大きいとき、不等号の向きはそのまま」なのは、このためです。
「単調増加」の呼び方の揺れ
本によって、等号をふくむかどうかがちがいます。
- 狭義単調増加: なら 。高校の教科書の「増加」はこちらです。このページもこの意味で使っています。
- 広義単調増加(単調非減少): なら 。途中で平らな所があってもよい。大学の本では、こちらを「単調増加」と呼ぶこともあります。
大学の数学や数列の問題で出会ったら、等号をふくむかどうかを確かめましょう。数列でも、 のように項が大きくなり続けることを「単調に増加する」といいます。
テスト・入試ではこう出る
関数の増加・減少は、数学Ⅱの微分(関数の増減)で本格的に習います。定期テストや大学入試では、導関数の符号から増減表を作る問題、極値・最大最小を求める問題、「つねに増加する」ための係数の条件を求める問題がよく出ます。数学Ⅲでは、不等式の証明に「単調増加であること」を使う問題も定番です。
例題1(増減を調べる)
の増減を調べなさい。
- 微分する:。
- となるのは 。
- 符号を調べる: と で 、 で 。
- 増減表にまとめる。
| ↗ | ↘ | ↗ |
答え 、 で増加、 で減少(極大値 、極小値 )
例題2(つねに増加する条件)
が実数全体で単調増加となるような、定数 の範囲を求めなさい。
- 。
- なら、。 になるのは のときの の1点だけなので、 は実数全体で増加。
- なら、 の近くで (たとえば )となり、減少する部分がある。
答え 。()をふくむことに注意します。

合格先生
「つねに増加」の条件は f′(x)≧0。等号を落とすと、y=x³ のような場合を取りこぼすぞ!
まちがえやすい点

合格先生
「単調増加」と言うときは、どの範囲でかを必ずそえよう!
- 「増加なら 」と思う: のように、傾き0の点があっても増加することがあります。例題2で と答えてしまうのは、このまちがいです。
- 範囲を書かない:「 は単調増加」だけでは×。「 で単調増加」のように範囲をそえます。
- 一部分だけ見て「単調増加」と言う:途中で一度でも下がれば、その範囲全体では単調増加ではありません。
- の点を極値と決めつける: の は、傾き0ですが極値ではありません。増減表で、符号が変わるかどうかを確かめます。
- グラフの「上にある」と「上がっている」を混同する:( 軸より上)かどうかと、増加かどうかは別のことです。 は で ですが、ずっと減少しています。
ミニ問題
問題1 1次関数 は、単調増加ですか、単調減少ですか。
答えと解き方を見る
単調減少です。傾きが (負)なので、 が 1 ふえるたびに は 2 へります。たとえば で 、 で です。
問題2 が増加する の範囲を答えましょう。
答えと解き方を見る
です。 が正になるのは 。グラフは頂点 の放物線なので、頂点より右で右上がりです(平方完成 からも分かります)。
問題3 が減少する の範囲を答えましょう。
答えと解き方を見る
です。 は、 で負になります。 と では正なので、そこでは増加です(極大値 、極小値 )。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
単調増加とはどういう意味ですか?
xが大きくなると、f(x)も必ず大きくなることです。グラフでいうと、その範囲でずっと右上がりになっています。
f'(x)=0 の点があっても単調増加になりますか?
なります。y=x³はx=0で傾きが0ですが、実数全体で単調増加です。傾き0の点が飛び飛びにあるだけなら、増加は止まりません。
狭義単調増加と広義単調増加のちがいは?
狭義はf(x₁)<f(x₂)、広義はf(x₁)≦f(x₂)です。広義では、途中で平らな部分があってもかまいません。高校の教科書の「増加」は狭義の意味です。
単調増加かどうかはどう調べますか?
微分して f′(x) の符号を調べ、増減表にまとめます。f′(x) が正の区間では増加、負の区間では減少です。
増加と減少の境目の点はどちらに入れますか?
高校の教科書では両方に入れて、x≦−1で増加、−1≦x≦1で減少、のように書くのがふつうです。
単調増加の関数の最大値・最小値は?
a≦x≦b で単調増加なら、最小値は f(a)、最大値は f(b) です。両はしの値で決まります。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(微分・積分の考え:導関数の応用)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


