単調増加とは?意味と微分との関係をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

単調増加とは?意味と微分との関係をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

単調増加とは

ある範囲で、x1<x2x_1<x_2 ならいつも f(x1)<f(x2)f(x_1)<f(x_2) が成り立つことです。グラフでいうと、ずっと右上がりです。等号をふくめる(f(x1)≤f(x2)f(x_1)\le f(x_2))本もあるので注意します。

読み方:たんちょうぞうか/英語:monotonically increasing/習う学年:数学Ⅱ(微分:関数の増減)

うかるくん

うかるくん

y=x3y=x^3 って、x=0x=0 で f′(x)=0f'(x)=0 になりますよね。そこで増加が止まるんですか?

合格先生

合格先生

止まらないよ。傾きが0になるのはその一瞬だけで、グラフは上がり続ける。だから y=x3y=x^3 は実数全体で単調増加なんだ。

この用語のポイント

  • x1<x2⇒f(x1)<f(x2)x_1<x_2\Rightarrow f(x_1)<f(x_2):グラフがずっと右上がり
  • f′(x)>0f'(x)>0 なら増加。でも逆は×(y=x3y=x^3 は x=0x=0 で傾き0)
  • 本によって等号をふくむ(広義)かどうかが揺れる

やさしく言うと

グラフが左から右へずっと上がり続けること(右上がり)です。xx を大きくすると、yy も必ず大きくなります。一度でも下がったり、途中で平らになったりしてはいけません。身近な例で考えてみましょう。

  • 上りのエスカレーター:上りのエスカレーターに乗っていると、時間がたつほど高い所へ行きます。時間 xx と高さ yy の関係は、単調増加です。
  • ボールを投げ上げる:真上に投げたボールは、はじめは上がり、いちばん高い所で止まり、そのあと落ちてきます。全体では単調増加ではありませんが、「投げてから最高点まで」の範囲だけなら単調増加です。
  • タクシーの料金:走った距離がのびると料金は上がりますが、ある距離まで料金が変わらない所があります。こうした「平らな所をふくむ」上がり方は、等号をふくむ広義の増加です(下の「呼び方の揺れ」)。
xy x₁x₂ f(x₁)f(x₂) x₁ < x₂ ならf(x₁) < f(x₂)
x を大きくすると y も必ず大きくなる

反対に、ずっと右下がり(x1<x2x_1<x_2 なら f(x1)>f(x2)f(x_1)>f(x_2))を単調減少といいます。増加と減少をまとめて単調といいます。つまり単調増加は、「どの2点を比べても、右にある点のほうが高い」ということです。

単調増加の例と、そうでない例

○ 単調増加

  • y=2x+1y=2x+1(傾きが正の1次関数)
  • y=x3y=x^3(実数全体で。x=0x=0 で傾き0でもよい)
  • y=2xy=2^x(指数関数、底が1より大きい)
  • y=log⁡2xy=\log_2 x(x>0x>0 で)
  • y=x2y=x^2(x≥0x\ge0 の範囲だけなら)
  • y=xy=\sqrt x(x≥0x\ge0 で)

× 単調増加ではない

  • y=x2y=x^2(実数全体では下がってから上がる)
  • y=−x+3y=-x+3(単調減少)
  • y=sin⁡xy=\sin x(上がったり下がったり)
  • y=(12)xy=\left(\dfrac12\right)^x(底が1より小さいので減少)
  • y=5y=5(ずっと平らな定数関数)
  • y=x3−3xy=x^3-3x(とちゅうで下がる部分がある)

同じ関数でも、どの範囲で考えるかで答えが変わります。単調増加かどうかは、関数だけでなく範囲とセットで決まる性質です。

図で見る

y=x2y=x^2 のグラフを、yy 軸の左と右に分けて見てみましょう。左半分は右下がり、右半分は右上がりです。

xyO x ≦ 0 で単調減少 x ≧ 0 で単調増加 y = x² 全体では どちらでもない
y=x² は x≦0 で減少、x≧0 で増加。全体ではどちらでもない

このように、多くの関数は「増加する部分」と「減少する部分」に分けられます。分かれ目の点は、山の頂上(極大)や谷の底(極小)になります。次の図は、数学Ⅱでよく出る3次関数 y=x3−3xy=x^3-3x です。

xy −11 極大 2極小 −2 増加減少増加 y=x³−3x
y=x³−3x は、増加 → 減少 → 増加 と変わる
サクラちゃん

サクラちゃん

増加と減少の境目の x=−1x=-1 は、増加の範囲と減少の範囲、どっちに入れるんですか?

合格先生

合格先生

高校の教科書では、両方に入れて「x≤−1x\le-1 で増加、−1≤x≤1-1\le x\le1 で減少」と書くのがふつうだよ。端の1点を入れても、増加・減少の定義はくずれないからね。

微分との関係

導関数グラフ関数
f′(x)>0f'(x)>0(ある区間でずっと)右上がりその区間で増加
f′(x)<0f'(x)<0(ある区間でずっと)右下がりその区間で減少
f′(x)=0f'(x)=0(ある区間でずっと)水平その区間で一定

導関数 f′(x)f'(x) は、その点での接線の傾きです。傾きがずっと正なら、グラフは上がり続けます。だから増減を調べるときは、f′(x)f'(x) の符号を調べて増減表にまとめます。

ただし「f′(x)>0f'(x)>0 なら増加」は正しいですが、逆は成り立ちません。y=x3y=x^3 は x=0x=0 で f′(0)=0f'(0)=0 ですが、実数全体で単調増加です。

xyO y = x³ x=0 で傾き0(接線が水平) でも、ずっと右上がり → 単調増加
y=x³ は x=0 で傾き0でも単調増加
ひらめいたうかるくん

うかるくん

傾き0の点が1つあっても、その前後でずっと上がっていれば増加なんだ!

大喜びするサクラちゃん

サクラちゃん

導関数がずっと正なら、その範囲で単調増加だとわかるのよ!

単調な関数の便利な性質

  • 最大・最小は端で決まる:a≤x≤ba\le x\le b で単調増加なら、最小値は f(a)f(a)、最大値は f(b)f(b) です。グラフをかかなくても答えが出ます。
  • 同じ値を2回とらない:単調増加なら、xx がちがえば yy も必ずちがいます。だから f(x)=kf(x)=k の解は多くても1つで、逆関数を考えることができます。
  • 不等式をそのまま移せる:ff が単調増加なら、「f(x)<f(y)f(x)<f(y)」と「x<yx<y」は同じことです。対数の不等式で「底が1より大きいとき、不等号の向きはそのまま」なのは、このためです。

「単調増加」の呼び方の揺れ

本によって、等号をふくむかどうかがちがいます。

  • 狭義単調増加:x1<x2x_1<x_2 なら f(x1)<f(x2)f(x_1)<f(x_2)。高校の教科書の「増加」はこちらです。このページもこの意味で使っています。
  • 広義単調増加(単調非減少):x1<x2x_1<x_2 なら f(x1)≤f(x2)f(x_1)\le f(x_2)。途中で平らな所があってもよい。大学の本では、こちらを「単調増加」と呼ぶこともあります。

大学の数学や数列の問題で出会ったら、等号をふくむかどうかを確かめましょう。数列でも、a1<a2<a3<⋯a_1<a_2<a_3<\cdots のように項が大きくなり続けることを「単調に増加する」といいます。

テスト・入試ではこう出る

関数の増加・減少は、数学Ⅱの微分(関数の増減)で本格的に習います。定期テストや大学入試では、導関数の符号から増減表を作る問題、極値・最大最小を求める問題、「つねに増加する」ための係数の条件を求める問題がよく出ます。数学Ⅲでは、不等式の証明に「単調増加であること」を使う問題も定番です。

例題1(増減を調べる)

f(x)=x3−3xf(x)=x^3-3x の増減を調べなさい。

  1. 微分する:f′(x)=3x2−3=3(x+1)(x−1)f'(x)=3x^2-3=3(x+1)(x-1)。
  2. f′(x)=0f'(x)=0 となるのは x=−1, 1x=-1,\ 1。
  3. 符号を調べる:x<−1x<-1 と x>1x>1 で f′(x)>0f'(x)>0、−1<x<1-1<x<1 で f′(x)<0f'(x)<0。
  4. 増減表にまとめる。
xx⋯\cdots−1-1⋯\cdots11⋯\cdots
f′(x)f'(x)++00−-00++
f(x)f(x)↗22↘−2-2↗

答え x≤−1x\le-1、1≤x1\le x で増加、−1≤x≤1-1\le x\le1 で減少(極大値 f(−1)=2f(-1)=2、極小値 f(1)=−2f(1)=-2)

例題2(つねに増加する条件)

f(x)=x3+axf(x)=x^3+ax が実数全体で単調増加となるような、定数 aa の範囲を求めなさい。

  1. f′(x)=3x2+af'(x)=3x^2+a。
  2. a≥0a\ge0 なら、f′(x)=3x2+a≥0f'(x)=3x^2+a\ge0。f′(x)=0f'(x)=0 になるのは a=0a=0 のときの x=0x=0 の1点だけなので、f(x)f(x) は実数全体で増加。
  3. a<0a<0 なら、x=0x=0 の近くで f′(x)<0f'(x)<0(たとえば f′(0)=a<0f'(0)=a<0)となり、減少する部分がある。

答え a≥0a\ge0。a=0a=0(f(x)=x3f(x)=x^3)をふくむことに注意します。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

「つねに増加」の条件は f′(x)≧0。等号を落とすと、y=x³ のような場合を取りこぼすぞ!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

「単調増加」と言うときは、どの範囲でかを必ずそえよう!

  • 「増加なら f′(x)>0f'(x)>0」と思う:y=x3y=x^3 のように、傾き0の点があっても増加することがあります。例題2で a>0a>0 と答えてしまうのは、このまちがいです。
  • 範囲を書かない:「y=x2y=x^2 は単調増加」だけでは×。「x≥0x\ge0 で単調増加」のように範囲をそえます。
  • 一部分だけ見て「単調増加」と言う:途中で一度でも下がれば、その範囲全体では単調増加ではありません。
  • f′(x)=0f'(x)=0 の点を極値と決めつける:y=x3y=x^3 の x=0x=0 は、傾き0ですが極値ではありません。増減表で、符号が変わるかどうかを確かめます。
  • グラフの「上にある」と「上がっている」を混同する:y>0y>0(xx 軸より上)かどうかと、増加かどうかは別のことです。y=−x+3y=-x+3 は x<3x<3 で y>0y>0 ですが、ずっと減少しています。

ミニ問題

問題1 1次関数 y=−2x+5y=-2x+5 は、単調増加ですか、単調減少ですか。

答えと解き方を見る

単調減少です。傾きが −2-2(負)なので、xx が 1 ふえるたびに yy は 2 へります。たとえば x=0x=0 で y=5y=5、x=1x=1 で y=3y=3 です。

問題2 f(x)=x2−4xf(x)=x^2-4x が増加する xx の範囲を答えましょう。

答えと解き方を見る

x≥2x\ge2 です。f′(x)=2x−4f'(x)=2x-4 が正になるのは x>2x>2。グラフは頂点 (2, −4)(2,\ -4) の放物線なので、頂点より右で右上がりです(平方完成 f(x)=(x−2)2−4f(x)=(x-2)^2-4 からも分かります)。

問題3 f(x)=x3−6x2+9x+1f(x)=x^3-6x^2+9x+1 が減少する xx の範囲を答えましょう。

答えと解き方を見る

1≤x≤31\le x\le3 です。f′(x)=3x2−12x+9=3(x−1)(x−3)f'(x)=3x^2-12x+9=3(x-1)(x-3) は、1<x<31<x<3 で負になります。x<1x<1 と x>3x>3 では正なので、そこでは増加です(極大値 f(1)=5f(1)=5、極小値 f(3)=1f(3)=1)。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

単調増加とはどういう意味ですか?

xが大きくなると、f(x)も必ず大きくなることです。グラフでいうと、その範囲でずっと右上がりになっています。

f'(x)=0 の点があっても単調増加になりますか?

なります。y=x³はx=0で傾きが0ですが、実数全体で単調増加です。傾き0の点が飛び飛びにあるだけなら、増加は止まりません。

狭義単調増加と広義単調増加のちがいは?

狭義はf(x₁)<f(x₂)、広義はf(x₁)≦f(x₂)です。広義では、途中で平らな部分があってもかまいません。高校の教科書の「増加」は狭義の意味です。

単調増加かどうかはどう調べますか?

微分して f′(x) の符号を調べ、増減表にまとめます。f′(x) が正の区間では増加、負の区間では減少です。

増加と減少の境目の点はどちらに入れますか?

高校の教科書では両方に入れて、x≦−1で増加、−1≦x≦1で減少、のように書くのがふつうです。

単調増加の関数の最大値・最小値は?

a≦x≦b で単調増加なら、最小値は f(a)、最大値は f(b) です。両はしの値で決まります。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(微分・積分の考え:導関数の応用)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦