接弦定理とは?意味と証明をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

接弦定理とは?意味と証明をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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接弦定理とは

円の接線と、接点を通る弦がつくる角は、その角の内側にある弧に対する円周角に等しいという定理です。接点 A の接線 AT と弦 AB の角が 50∘50^\circ なら、弧 AB に対する円周角 ∠ACB\angle ACB も 50∘50^\circ です。

読み方:せつげんていり/英語:tangent-chord angle theorem (alternate segment theorem)/習う学年:数学A(図形の性質)

サクラちゃん

サクラちゃん

接弦定理って、どの角とどの角が等しいのか、図を見るとわからなくなります…

合格先生

合格先生

まず接線と弦がはさむ弧をぬってごらん。その弧を反対側から見た円周角が、接線と弦の角と等しいんだ。

この用語のポイント

  • 接線と弦の角 = 弧の円周角
  • 等しい円周角の頂点は、角の内側の弧の反対側にある
  • 証明は直径を引いて「90° − 同じ角」

やさしく言うと

接弦定理は、円の接線と弦がつくる角は、その角の内側にある弧に対する円周角に等しいという定理です。「接線」と「弦」の定理なので、接弦定理とよばれます。

  • 円周角の「はし」:円周角の定理では、弧 AB を円周上のどこから見ても角は同じでした。見る点を A のすぐそばまで近づけたときの角が、接線と弦の角です。
  • 角の「おき場所」を変える道具:接線のところにある角を、円周上の別の場所(円周角)にうつせます。うつした先で三角形をつくれば、角度の計算や相似の証明が進みます。
  • 円周角の定理の仲間:円周角の定理・円に内接する四角形・接弦定理は、どれも「円周角は弧で決まる」という同じ考えから出てきます。
50°50° ABC 接線 T 接線と弦の角 = 円周角
接線と弦 AB の角 50° = 弧 AB に対する円周角 ∠ACB

まとめると、接弦定理は「接線と弦の角 = その角がはさむ弧の円周角」です。

指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

角の「内側にある弧」がどっちか、まず確かめるのがコツです!

接弦定理が使える角・使えない角

○ 使える

  • 接点 A での接線と、A を通る弦 AB の角
  • 接線と弦の角 50∘50^\circ → 反対側の弧の上の点 C から見た ∠ACB=50∘\angle ACB=50^\circ
  • 反対側の角 130∘130^\circ → 小さいほうの弧の上の点から見た円周角 130∘130^\circ
  • 弦が直径なら、接線との角は 90∘90^\circ
  • 接線と弦の角から、中心角(2 倍)を求める

× 使えない

  • 接点を通らない弦と接線の角(弦が接点 A を通っていない)
  • 接線でない直線(2 点で交わる直線)と弦の角
  • 接線と弦の角を、角の内側にない弧の円周角と等しいとする
  • 接線と半径の角を円周角とする(いつも 90∘90^\circ)
  • 2 本の接線がつくる角を、そのまま円周角とする

図で見る:なぜ等しい?

円周角 ∠ACB\angle ACB の頂点 C を、円周にそって A に近づけていきます。どこにあっても円周角は 50∘50^\circ のままです。C が A にとても近くなると、直線 CA は A での接線とほとんど同じになります。

ABC C を A に 近づけていく 円周角はずっと 50° CA は接線に 近づく
C を A に近づけると、円周角は「接線と弦の角」になる

これはイメージです。きちんとした証明は、直径 AD を引いて行います。

●● ABD O T ∠DAT=90°(接線⊥半径) ∠ABD=90°(半円の円周角) ∠TAB=90°−∠BAD ∠ADB=90°−∠BAD
直径 AD を引くと、どちらの角も「90° − ∠BAD」
  1. 接線は接点を通る半径に垂直なので、∠DAT=90∘\angle DAT=90^\circ。だから ∠TAB=90∘−∠BAD\angle TAB=90^\circ-\angle BAD。
  2. AD は直径なので、半円の円周角で ∠ABD=90∘\angle ABD=90^\circ。三角形 ABD で ∠ADB=90∘−∠BAD\angle ADB=90^\circ-\angle BAD。
  3. よって ∠TAB=∠ADB\angle TAB=\angle ADB。∠ADB\angle ADB は弧 AB の円周角なので、どの円周角とも等しい。
うかるくん

うかるくん

角が鈍角(90° より大きい)のときも、同じ証明でいいんですか?

合格先生

合格先生

そのときは、反対側の角が鋭角になるから、それに今の証明を使う。そして「一直線で 180∘180^\circ」と「円に内接する四角形の対角の和 180∘180^\circ」を組み合わせれば、鈍角のほうも成り立つことがわかるよ。

「角の内側にある弧」に注意

接点 A では、接線と弦 AB のあいだに角が 2 つできます(和は 180∘180^\circ)。どちらの角にも接弦定理は使えますが、等しくなる円周角がちがいます。

50°130°130° ABE 反対側の角130° = ∠AEB E は小さいほうの弧の上の点
130° の角は、その内側の大きい弧に対する円周角 ∠AEB と等しい
接線と弦の角その角の内側にある弧等しい円周角(頂点の場所)
50∘50^\circ小さいほうの弧 AB大きいほうの弧の上の点 C から見た角
130∘130^\circ大きいほうの弧 AB小さいほうの弧の上の点 E から見た角

円周角の頂点は、いつも「角の内側にある弧の、反対側」にあります。図に角と弧をぬり分けると、取りちがえがなくなります。

テスト・入試ではこう出る

接弦定理は高校の数学A(図形の性質)で習います。中学 3 年の円周角の定理から証明できるので、高校入試の角度の問題で使われることもあります。よく出る形は次のとおりです。

  • 接線が引かれた図で、角度を求める。
  • 接弦定理で等しい角を見つけて、三角形の相似を証明する。
  • 相似から方べきの定理(PT2=PA⋅PBPT^2=PA\cdot PB)を導き、長さを求める。

例題1(角度)

円の点 A における接線と弦 AB のつくる角が 50∘50^\circ です(その角の内側に小さいほうの弧 AB がある)。大きいほうの弧の上に点 C をとると、∠ABC=70∘\angle ABC=70^\circ でした。∠ACB\angle ACB と ∠BAC\angle BAC を求めましょう。

  1. 接弦定理より、∠ACB\angle ACB は接線と弦 AB の角に等しいので ∠ACB=50∘\angle ACB=50^\circ。
  2. 三角形 ABC の内角の和から、∠BAC=180−50−70=60∘\angle BAC=180-50-70=60^\circ。

答え ∠ACB=\angle ACB= 50∘50^\circ、∠BAC=\angle BAC= 60∘60^\circ

例題2(相似と長さ)

円の外の点 P から接線を引き、接点を T とします。P を通る直線が円と 2 点 A, B(P に近いほうが A)で交わり、PA=2PA=2、PB=8PB=8 です。PTPT を求めましょう。

  1. △PTA\triangle PTA と △PBT\triangle PBT で、∠P\angle P は共通。
  2. 接弦定理より、∠PTA\angle PTA(接線と弦 TA の角)=∠TBA=∠PBT=\angle TBA=\angle PBT。
  3. 2 組の角が等しいので △PTA∼△PBT\triangle PTA\sim\triangle PBT。よって PT:PB=PA:PTPT:PB=PA:PT となり、PT2=PA⋅PBPT^2=PA\cdot PB。
  4. PT2=2×8=16PT^2=2\times8=16 で、PT>0PT>0 より PT=4PT=4。

答え PT=4PT=4(これが方べきの定理の接線の場合です)

ひらめいたうかるくん

うかるくん

接弦定理で角が 1 つ等しくなれば、相似まであと一歩なんだ!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

等しいのは角の内側にある弧の円周角! 反対側の弧と取りちがえると 180° から引いた角になるよ。

  • 反対側の弧の円周角と等しいとする:50∘50^\circ の角に等しいのは、大きいほうの弧の上の点から見た円周角です。小さいほうの弧の上の点から見ると 180−50=130∘180-50=130^\circ になります。
  • 接線と半径の性質とまぜる:接線と半径の角はいつも 90∘90^\circ です。接弦定理は、接線と弦の角の話です。
  • 弦が接点を通っているか確かめない:接弦定理が使えるのは、弦の一方のはしが接点のときだけです。
  • どの角とどの角が等しいか、頂点を取りちがえる:∠TAB=∠ACB\angle TAB=\angle ACB のように、接点 A と弦のもう一方のはし Bを結ぶ弧を見ている円周角を選びます。

ことばの意味

「接」は接線、「弦」は円周上の 2 点を結ぶ線分のことで、「接線と弦の定理」を短くした名前です。教科書によっては「接線と弦のつくる角の定理」と書かれています。英語では、イギリスなどで alternate segment theorem(反対側の弓形の定理)とよばれます。等しい円周角の頂点が、角とは「反対側の弓形」にあることを表した名前です。

ミニ問題

問題1 円 O の点 A における接線と弦 AB のつくる角が 35∘35^\circ です(その角の内側に弧 AB がある)。中心角 ∠AOB\angle AOB は何度ですか。

答えと解き方を見る

70∘70^\circ です。接弦定理より、弧 AB に対する円周角は 35∘35^\circ。中心角は円周角の 2 倍なので 70∘70^\circ です。

問題2 円の点 A における接線と弦 AB のつくる角が 64∘64^\circ です。その角の内側にある弧 AB の上に点 D をとるとき、∠ADB\angle ADB は何度ですか。

答えと解き方を見る

116∘116^\circ です。64∘64^\circ に等しいのは、D とは反対側の弧の上にある点から見た円周角です。大きいほうの弧の上に点 C をとると ∠ACB=64∘\angle ACB=64^\circ。四角形 ADBC は円に内接するので、向かい合う角の和は 180∘180^\circ で、∠ADB=180−64=116∘\angle ADB=180-64=116^\circ となります。

問題3 弦 AB が円の直径のとき、点 A における接線と弦 AB のつくる角は何度ですか。接弦定理で説明しましょう。

答えと解き方を見る

90∘90^\circ です。接弦定理より、この角は弧 AB(半円)に対する円周角に等しく、半円の円周角は 90∘90^\circ です。これは「接線は接点を通る半径(直径)に垂直」という性質とも一致します。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

接弦定理とは何ですか?

円の接線と、接点を通る弦がつくる角は、その角の内側にある弧に対する円周角に等しい、という定理です。

接弦定理はどうやって証明しますか?

接点を通る直径を引きます。接線と直径は垂直、半円の円周角は90°なので、どちらの角も「90°からある角を引いたもの」になり、等しいとわかります。

どの円周角と等しくなるのですか?

接線と弦がはさむ角の内側にある弧に対する円周角です。円周角の頂点は、その弧と反対側の円周上にあります。

接弦定理は何に使いますか?

接線がある図の角度を求めたり、等しい角を見つけて三角形の相似を示したりするのに使います。方べきの定理の証明にも使えます。

接線と弦の角が鈍角のときも成り立ちますか?

成り立ちます。鈍角の内側にある大きいほうの弧に対する円周角と等しくなります。

接弦定理は何年生で習いますか?

高校の数学A(図形の性質)で習います。中学3年の円周角の定理から証明できます。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学A(図形の性質:円の性質)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦