この記事の結論

  • センター試験の過去問は、知識・計算・読解の練習には今も使えます。ただし問題の形や試験時間、出題範囲が変わったので、中心は共通テスト(2021年〜)の過去問、とくに2025年からの新課程の問題と試作問題にしましょう。
  • 解く順番は新課程の本試験 → 試作問題・追試験・再試験 → 2021〜2024年の共通テスト → センター試験。どれも新しい年度から解くのが基本です。

大学入学共通テスト(共通テスト、旧センター試験)は、国公立大学を受ける人のほぼ全員と、多くの私立大学の受験生が受ける試験です。マークシート式で、決まった時間の中で多くの問題をすばやく正確に解く力が求められます。この「型」に慣れるために、いちばん役に立つのが過去問(過去の試験問題)です。

この記事は、2008年に「センター試験過去問題」として、センター試験で8割以上を目指す受験生向けに書いた勉強法の記事でした。2026年10月に、「センター試験の過去問は、今の共通テストに使えるのか」という切り口で書き直しました。元の記事の考え方(早めに10年分・新しい年度から)は、今もそのまま使える部分が多いので、残して今の形に読みかえています。

センター試験と共通テストのちがい

センター試験から共通テストへ(年表) 共通一次1979〜1989年センター試験1990〜2020年共通テスト2021〜2024年新課程2025年〜 2008年当時の元の記事=ここで書いた 今の受験生が受けるのは新課程の共通テスト(情報Ⅰあり)
図1 センター試験から共通テストへ。今の受験生が受けるのは2025年からの新課程の共通テスト

まず、名前の整理をしておきます。図1のように、大学入試の共通の試験は「共通一次試験(共通一次)」から始まり、1990年から2020年1月までは大学入試センター試験(センター試験)、2021年1月からは大学入学共通テスト(共通テスト)になりました。どちらも大学入試センターが作る試験です。

さらに2025年1月の試験から、高校の新しい学習指導要領(新課程)にそった共通テストになりました。「情報Ⅰ」が加わり、地理歴史・公民は「地理総合,地理探究」「歴史総合,日本史探究」「歴史総合,世界史探究」「公共,倫理」などの新しい科目名に、数学は「数学Ⅱ,数学B,数学C」のように組み合わせが変わりました。2027年(令和9年度)の共通テストは2027年1月16日(土)・17日(日)です。時間割は「2027年 共通テストの時間割・日程」に、本番までの日数は「2027年 共通テストのカウントダウン」にまとめています。

共通テストで変わったこと

センター試験から共通テストになって、大きく変わったのは「考える力」を見る問題がふえたことです。会話文・資料・グラフ・複数の文章を読みくらべる問題が多くなり、1問あたりに読む量がふえました。英語は「筆記」が「リーディング」になって、発音・アクセント・文法を1問ずつ問う問題は出なくなり、リスニングの配点が大きくなりました。数学は試験時間がのびました(図7)。

つまり、センター試験の過去問は「中身(知識・計算・読解)」の練習には使えるけれど、「形」の練習には足りない、というのが今の位置づけです。

センター試験 過去問 共通テストに使える?科目別

センター試験の過去問、今どれくらい使える? 英語一部使える読解は○。発音・文法の単独問題は今は出ない数学一部使える計算力は○。問題の形と範囲が変わった国語使える古文・漢文の読解に○。今は大問が5つ理科使える基本の知識・計算に○。新しい形も練習地歴・公民一部使える知識は○。科目名と範囲が変わった情報注意情報Ⅰはセンター試験になかった 使える 一部使える(形のちがいに注意) 注意(センター時代になし)
図2 科目別に見た、センター試験の過去問の「使える度」(大学受験合格大作戦の目安)

センター試験の過去問がどれくらい使えるかは、科目によってちがいます。図2は、私が受験生を見てきた経験からの目安です。

英語:読解は使える、文法の単独問題は今は出ない

センター試験の長文読解は、今の共通テストのリーディングの練習にもなります。ただ、共通テストのリーディングは全部が読解問題で、80分で読む量がとても多い試験です。センター試験の過去問で読解の練習をしたら、共通テストの過去問で「80分で全部読み切る」練習を必ずしましょう。英語の仕上げ方は「センター試験対策英語の総仕上げ(共通テスト英語)」にあります。

数学:計算練習には使える、形は共通テストで

数学は、センター試験と共通テストで問題の形が大きくちがいます。共通テストでは、会話や身近な場面を数学にする問題が出ます。センター試験の過去問は、計算をすばやく正確にする練習や、分野ごとの基本の確認に使いましょう。新課程の範囲(数学Cのベクトル・平面上の曲線と複素数平面など)は、試作問題と2025年からの本試験で確かめます。公式があやふやなら「算数・数学公式辞典」、数学全体は「数学まとめ」が便利です。

国語:古文・漢文はとくに使える

古文・漢文の文法や単語の知識は、センター試験の時代から変わりません。センター試験の古文・漢文の過去問は、読解の練習としてじゅうぶん使えます。今の国語は大問が5つで90分になったので、時間配分の練習は共通テストの過去問でします。古文の文法は「古文文法辞典(共通テストの古文)」、国語全体は「国語まとめ」、漢字は「漢字合格大作戦」でどうぞ。

理科・地理歴史・公民・情報

理科は、基本の知識や計算を問う問題が多く、センター試験の過去問も練習になります。地理歴史・公民は、知識の確認には使えますが、科目名と範囲が変わったので、新しい科目の試作問題と本試験を中心にします。地理の勉強法は「地理の勉強法【基礎編】」、世界史は「世界史の勉強法その2」で、今の科目に合わせて説明しています。情報Ⅰはセンター試験にはなかった科目なので、試作問題と2025年からの本試験が中心です。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

センター試験の過去問は「中身の練習」、共通テストの過去問は「形と時間の練習」。この2つを分けて考えれば、古い過去問もむだにならないよ。

共通テスト 過去問 解く順番と試作問題

共通テスト対策、どの問題から解く? ①新課程の共通テスト本試験2025年〜の問題。いちばん本番に近い②試作問題・追試験・再試験新課程の形を知る。追・再試も公開③共通テスト(2021〜2024年)形は近い。範囲のちがいに注意④センター試験の過去問分野別の練習・知識の確認に 本番に近い順
図3 共通テスト対策で解く問題の優先順位

過去問は、本番に近いものほど大事です。図3の順番で考えましょう。

  1. 新課程の共通テスト本試験(2025年〜):今の範囲・形でいちばん本番に近い問題です。
  2. 試作問題・追試験・再試験:大学入試センターは、新課程の共通テストの形を示すために、2022年11月に試作問題を公表しました。国語・地理歴史・公民・数学・英語・情報Ⅰの試作問題がセンターのウェブサイトにあります。追試験・再試験の問題も、本試験とは別に公開されています。
  3. 2021〜2024年の共通テスト:旧課程ですが、形は今に近い問題です。範囲が変わった科目は、今の範囲にない問題を飛ばします。
  4. センター試験の過去問:分野別の練習や知識の確認に使います。

過去問はどこで手に入る?

大学入試センターのウェブサイトの「過去3年分の試験問題」では、2026年10月時点で令和6〜8年度(2024〜2026年1月の試験)の本試験と追・再試験の問題・正解が公開されています。試作問題は「令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等」のページにあります。どちらも無料です。

それより前の年度や、くわしい解説がほしいときは、市販の過去問集を使います。赤い表紙でおなじみの教学社の「共通テスト過去問研究 英語」「共通テスト過去問研究 数学」「共通テスト過去問研究 国語」のような、科目別の過去問集があります。買うときはいちばん新しい版を選びましょう。

共通テスト 過去問 何年分・いつから解く?

「10年分」を今そろえるなら(2027年受験の例) 20262025試作追再202420232022202120202019 新課程の本試験 新課程の形 共通テスト(旧課程) センター試験 2021年は第1日程・第2日程の2回あり。追・再試験も各年にある 情報Ⅰは2025年からなので、試作問題・参考問題もあわせて使う
図4 「10年分」を今そろえると(2027年に受ける人の例)

元の記事では「センター試験の過去問を10年分」と書きました。共通テストは2021年に始まったので、共通テストの本試験だけでは10年分はありません。そこで図4のように、新課程の本試験・試作問題・追再試験・2021年からの共通テストを合わせ、足りない分をセンター試験で補うと考えましょう。2021年は第1日程と第2日程の2回あったので、1年で2回分の練習ができます。

科目によって使える年はちがいます。たとえば情報Ⅰは2025年からの本試験と試作問題・参考問題しかないので、同じ「10回分」はそろいません。足りない分は、大手予備校の共通テスト型模試の問題や、共通テスト型の問題集で補えば大丈夫です。

共通テストの過去問、1年の進め方 高2の3月1回分をのぞく高3の春分野別にセンター過去問夏休み共通テストを新しい順に9〜11月2次と並行ときどき1回12〜1月本番の時間割で通し 元の記事の「新しい年度から解く」は今も同じ 最新の1〜2回分は、12月の本番リハーサル用に残してもよい
図5 共通テストの過去問、1年の進め方の目安

いつから?

図5が目安です。高2の3月ごろに1回分をのぞいて、どんな試験かを知っておきます。高3の春は、学校や参考書で終えた分野から、センター試験の過去問で分野別に練習。夏休みには共通テストの過去問を新しい年度から順に、時間を計って解きましょう。9月からは2次試験・個別試験の対策がふえるので、共通テストはときどき1回分を解いて感覚を保ち、12月〜1月は本番の時間割どおりに通して解きます。

うかるくん

うかるくん

最新の年の過去問って、直前まで取っておいた方がいいんじゃないですか?

合格先生

合格先生

元の記事でも書いたけれど、新しい問題から解くのが基本だよ。新しい問題ほど今の形に近いから、先に解いて「何ができないか」を早く知る方が得なんだ。

うかるくん

うかるくん

でも、直前に解く問題がなくなりませんか?

合格先生

合格先生

直前は一度解いた問題の解き直しや、共通テスト型の問題集・模試の問題で大丈夫。どうしても気になるなら、最新の1〜2回分だけ12月のリハーサル用に残しておこう。

共通テスト 過去問の使い方|1回分を4つの手順で

過去問1回分は4つの手順で使い切る ①時間を計ってマークまで②自己採点点数を記録③まちがいを3つに分ける④解き直し1週間後にもう1回 知識・時間・読みちがい
図6 過去問1回分は4つの手順で使い切る

過去問は、解いて丸つけして終わりではもったいないです。図6の4つの手順で使い切りましょう。

  1. 時間を計ってマークまで:本番と同じ時間で、マークシートへの記入までします。マークの時間も本番の一部です。迷ったときのマークの考え方は「共通テストで迷ったら何番をマークする?」へ。
  2. 自己採点して記録:点数を科目ごとにノートや表に記録します。点数の動きが見えると、どの科目に時間をかけるべきかが分かります。
  3. まちがいを3つに分ける:「知識が足りなかった」「時間が足りなかった」「問題文を読みちがえた」の3つです。知識不足なら参考書へもどり、時間不足なら解く順番を見直し、読みちがいなら線を引きながら読むくせをつけます。
  4. 1週間後に解き直し:同じ問題を、もう一度何も見ずに解きます。2回目にできたら、その力は本物です。

共通テストは試験時間との勝負です。過去問を解くたびに「どの大問に何分」を決めて、本番でも使える時間配分を作っておきましょう。試験のあとの解答速報と自己採点の流れは「共通テストの解答速報はなぜ早い?」にまとめています。

2008年当時と今:試験時間と配点

2008年当時と今:試験時間はどう変わった? 2008年当時(センター) 2027年(共通) 国語80分90分 数学①60分70分 数学②60分70分 ⅡBC 英語80分80分 R 英語の配点:筆記200+リスニング50 → R100+L100 情報Ⅰ(60分・100点)は2025年から。数学①は2021年から70分
図7 試験時間の比較。2008年当時のセンター試験と2027年の共通テスト

センター試験の過去問を解くときに気をつけたいのが、試験時間のちがいです。図7のように、国語は80分から90分(200点)に、数学①・数学②はそれぞれ60分から70分(各100点)になりました。英語は、2008年当時は筆記200点・リスニング50点でしたが、今はリーディング100点(80分)・リスニング100点(解答30分)で、リスニングの重みがぐんと大きくなっています。2025年からは情報Ⅰ(60分・100点)も加わりました。

センター試験の過去問を「本番のリハーサル」として使うと、時間の感覚がずれてしまいます。時間配分の練習は、共通テストの過去問でしましょう。なお、大学ごとの配点(共通テストを何点に換算するか)は大学によってちがいます。たとえば京大の学部別の配点は「京都大学の学部別 配点一覧」で見られます。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

センター試験の過去問は分野別の練習用、共通テストの過去問は時間を計って本番の練習用。役わりを分ければ、どっちも使えるんですね!

2008年当時の記事:センター試験過去問題の進め方

ここからは、2008年に書いた元の記事です(「センター試験」は当時の名前のまま、少しだけ言葉を整えています)。

基本的にセンター試験で8割以上の得点率を目指す受験生向けのセンター試験勉強法です。私が指導してきた受験生には、夏休みが終わるまでにセンター試験の過去問題10年分を解いてもらってきました。余力があれば追試の問題も解いてもらいます。

センター試験はまったく同じ問題は出ませんが、ほとんど同じコンセプト(出題意図)の問題ばかり出題されます。10年分のセンター試験過去問題を解けば、一通りの出題意図をくみ取れるでしょう。現役生でまだ全範囲の勉強を終わらせていない受験生もいるでしょうが、とりあえず8月末までに10年分を解ききることが重要です。

また、昨年度や最近の過去問題を直前期まで残しておきたい気持ちになります。しかしながら、必ず新しい問題から解いていくようにしましょう(過去にさかのぼるほど、指導要領や傾向にちがいが出てくるため)。過去問題が終わっても、大手予備校のセンター型模試の過去問など、すばらしいセンター型教材があるので、センター試験の過去問題を残しておこうと考える必要はありません。

センター試験過去問題の進め方

  1. 夏休み終了までに10年分の過去問題を解こう。センター試験の全出題意図を把握しよう。
  2. 余力があれば追試も解こう。
  3. 必ず新しい問題(昨年の問題 → 一昨年の問題 → 三年前の問題)から解いていくようにしよう。
  4. 9月以降はセンター型の問題をたまに解いていくのがよいでしょう。

当時は、センター試験の赤本(科目別の過去問集)を早い時期に手に入れておくようにすすめていました。今なら「共通テスト過去問研究」のシリーズがそれにあたります。

今の共通テストに読みかえると

「新しい問題から」「追試も解く」「夏休みまでに一通り」「9月以降はたまに」という4つの考え方は、共通テストでもそのまま使えます。変わったのは「10年分」の中身だけです(図4)。「過去にさかのぼるほど指導要領や傾向にちがいが出る」と書いたとおり、2025年に新課程になった今は、新しい年度から解く理由がさらに大きくなりました。

共通テスト対策の関連記事

共通テストの直前期は「大学入学共通テストまでにやっておきたい10のこと」、前日は「共通テスト前日にやっておきたいこと20」、心構えは「共通テスト直前期の心構え10」を読んでみてください。科目別の仕上げは「センター試験対策仕上げ」にあります。

2次試験の過去問の使い方は、東大なら「東大 過去問集の選び方と使い方」、京大の数学なら「京大理系数学のおすすめ参考書と勉強法」が参考になります。百人一首で古文の和歌に慣れたい人は「百人一首」もどうぞ。勉強の進め方で迷ったら「受験の質問・相談」からご相談ください。

共通テストの情報交換は、受験掲示板「100点BBS」の「共通テスト掲示板」へ。手ごたえや自己採点の話題を交換できます。

よくある質問

センター試験の過去問は共通テスト対策に使えますか?

知識・計算・読解の練習には使えます。ただし問題の形や試験時間、範囲が変わったので、中心は共通テストの過去問と試作問題にし、センター試験の過去問は分野別の練習に使うのがよいでしょう。

共通テストの過去問は何年分解けばいいですか?

決まった数はありません。新課程の本試験・試作問題・追再試験・2021年からの共通テストを合わせて10回分ほどを目安にし、足りない分はセンター試験の過去問で補います。

共通テストの過去問はどこで手に入りますか?

大学入試センターのウェブサイトで過去3年分の本試験と追・再試験の問題・正解、令和7年度の試作問題が無料で公開されています。それより前の年度は市販の過去問集を使います。

過去問は古い年度と新しい年度、どちらから解きますか?

新しい年度から解くのが基本です。新しい問題ほど今の形と範囲に近いからです。

共通テストの過去問はいつから始めればいいですか?

高2の3月ごろに1回分を見て形を知り、高3の夏休みに時間を計って新しい年度から解くのが目安です。12月〜1月は本番の時間割どおりに通して解きます。

あわせて読みたい

出典・参考

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Xでフォローしよう

おすすめの記事