
この記事の結論
- 東大型模試(東大模試・東大2次型模試)は、東京大学(東大)の2次試験と同じ教科・記述式の形で行われる模試で、夏(8月ごろ)と秋(10〜11月ごろ)に行われることが多いです。日程は年や主催者によって変わるので、各主催者の公式サイトで確かめましょう。
- 大切なのは判定(A〜E)よりも「どの科目・どの問題で何点落としたか」です。受けた後の1週間以内の解き直しで、模試は本番の力に変わります。
東京大学(東大)を目指す受験生にとって、東大型模試は1年のうちの大きな目印です。本番と同じような問題を、本番と同じような時間で解き、全国の東大志望者の中で自分がどのあたりにいるかが分かります。
この記事は、2014年に「東大模試の日程・スケジュール」として、その年の東大型模試の日程を表にした記事でした。模試の日程は毎年変わり、古い表はかえってまちがいのもとになるので、2026年10月に表を外し、かわりに東大型模試の時期・選び方・受け方・判定の見方・復習のしかたをくわしく書き直しました。東大の入試の全体像(科類・配点・日程)は「東大合格大作戦」にまとめています。
東大型模試はいつ? 時期と1年の流れ
大手予備校などが行う東大型模試は、図1のように夏休み(8月ごろ)と秋(10〜11月ごろ)に行われることが多いです。主催者によっては春や秋に回を重ねるところもあり、何回あるかは主催者や年によってちがいます。申し込みのしめ切りは試験日よりかなり前のこともあるので、夏休みの前と9月の初めに、各主催者の公式サイトで日程としめ切りを確かめる習慣をつけましょう。
夏の東大型模試:今の「弱いところ」を見つける
夏の時点では、理科や地歴の範囲がまだ終わっていない人も多く、点数が低くても心配はいりません。夏の模試は「秋までに何を仕上げるか」を決めるための模試です。とくに英語と数学は、夏の時点の得点が秋の伸びにつながりやすい科目なので、ここで落とした問題はていねいに見直しましょう。
秋の東大型模試:本番のリハーサル
秋の模試は、本番まで残り4か月ほどの時期です。時間配分や解く順番を本番どおりに試す最後の大きな機会になります。秋の模試のあとは共通テストの対策も本格的に始まるので、2次の課題をはっきりさせておくことが大事です。
共通テスト型の模試も忘れずに
東大は、共通テストの成績で第1段階選抜(いわゆる足切り)を行います。令和9(2027)年度の東京大学入学者選抜要項では、志願者が募集人員の一定の倍率(文科各類で約2.5倍、理科一類で約2.3倍、理科二類で約3.0倍、理科三類で約2.8倍)に達したときに行うとされています。2次の勉強ばかりで共通テストを軽く見ると、ここでつまずきます。図1の「共」のように、共通テスト型の模試も年に何回か受けて、マーク式の形にも慣れておきましょう。
本番の日程は、令和9(2027)年度は共通テストが1月16日・17日、東大の2次試験が2月25日・26日(理科三類の面接は27日)です(くわしい時刻は「東京大学 前期日程の時間割」)。
東大模試の選び方|3つの型と、何を受けるか
「模試」と一口にいっても、図2のように大きく3つの型があります。
- 東大型模試:東大の2次試験と同じ教科・記述式の形で、東大志望者が受けます。本番に近い問題で、同じ科類の志望者の中で何番目くらいかが分かります。
- 共通テスト型の模試:共通テストと同じマーク式。受験者がとても多く、第1段階選抜と、共通テスト110点分の対策になります。
- 全国型の記述模試:いろいろな大学を目指す人が受ける記述式の模試。高1・高2や、高3の春の基礎の確認に向いています。
東大型模試はいくつ受ければいい?
いくつかの主催者が東大型模試を行っていて、それぞれ問題の作り方や採点のしかたに特ちょうがあります。全部を受ける必要はありません。夏と秋に1つずつ、合わせて2〜4回くらいを目安に、復習の時間が取れる数にしぼるのがおすすめです。模試を受けすぎて、解き直しや過去問の時間がなくなるのは本末転倒(大事なことと、そうでないことが逆になること)です。
選ぶときのポイントは3つです。
- 同じ主催者の模試を夏と秋で続けて受ける:同じものさしで比べられるので、伸びが分かりやすくなります。
- 受験者の多い模試を1つは入れる:受験者が多いほど、志望者の中での順位が信頼しやすくなります。
- 会場と日程が無理なく行けるもの:模試の前後に学校の行事が重なると、復習の時間が取れません。
うかるくん
東大型模試って、いろいろな主催者のがありますよね。どれがいちばん本番に近いんですか?
合格先生
どれも本番そっくりに作ろうとしているけれど、本物の東大の問題は東大の過去問だけなんだ。模試は「本番に近い形で自分の弱点を見つける道具」と考えよう。
うかるくん
じゃあ、模試より過去問の方が大事ですか?
合格先生
役わりがちがうんだよ。過去問は「東大のくせ」を知る教材、模試は「今の自分の位置」を知る物差し。両方そろって、はじめて作戦が立てられるんだ。
東大型模試の受け方|前・当日・後でやること
模試は、受けた日だけでなく、受ける前と受けた後までふくめて1セットです(図4)。
受ける前:時間割を確かめ、ねらう点を決める
東大の2次試験は、文科・理科とも2日間です。令和9年度の選抜要項では、文科は1日目が国語(150分)と数学(100分)、2日目が地理歴史(150分)と外国語(120分)、理科は1日目が国語(100分)と数学(150分)、2日目が理科(150分)と外国語(120分)です。外国語には聞き取り試験(30分程度)がふくまれます。東大型模試もこれに近い時間で行われることが多いので、前の週から、その時間に合わせて頭を動かす練習をしておくとよいでしょう。
もう1つ大事なのが、科目ごとに「ねらう点」を決めておくことです。たとえば「数学は2問完答と部分点」「英語は英作文で落とさない」のように決めておくと、受けた後のふり返りがしやすくなります。目標点の立て方は「東大合格の戦略の立て方」でくわしく説明しています。
当日:本番のつもりで、最後まで書く
模試は本番の練習なので、本番と同じ持ち物・同じ朝ごはん・同じ時計で受けるのがおすすめです。問題を見て「むずかしい」と感じても、白紙で出さないこと。東大の2次試験は記述式なので、方針や途中の式を書けば部分点がもらえることがあります。「どこまで書けば点になるか」を試す場所として、模試を使いましょう。
休み時間には、終わった科目の答え合わせをしないのがコツです。次の科目に気持ちを切りかえる練習も、本番の大事な準備になります。
受けた後:1週間以内に解き直す
模試を受けたら、成績表が返ってくるのを待たずに、解答・解説を見て1週間以内に解き直します。記憶が新しいうちなら、「なぜそう考えたのか」「どこで迷ったのか」を思い出せるからです。成績表が返ってきたら、もう一度見直して、次の計画を立てます。

合格先生
模試の点数は、受けた瞬間に「過去のもの」になるんだ。大事なのは、受けた後の1週間。解き直した問題は、本番でもう落とさない問題になるよ。
東大模試の判定の見方|A〜E判定より大事なこと
成績表でいちばん目に入るのは、A〜Eなどの判定です。判定は、その模試を受けた志望者の中での位置から、合格の可能性を目安として示したものです。判定の基準は主催者ごとにちがい、同じ人でも模試によって判定がずれることはよくあります。
判定は1回のテストの結果にすぎません。図3のように、成績表では次の3つを見ましょう。
- 科目ごとの得点と偏差値:どの科目が足を引っぱったのか。
- 大問(設問)ごとの得点:どの分野・どの形の問題で落としたのか。
- 志望者の中での順位:同じ科類の志望者の中で、何番目くらいにいるのか。
模試の点は「本番の配点」で読む
東大は、共通テスト110点+2次試験440点=550点満点で合否が決まります(令和9年度 選抜要項)。2次の内訳は、文科が国語120・数学80・地理歴史120・外国語120、理科が国語80・数学120・理科120・外国語120です(図6)。
模試の得点を見るときは、この重みを忘れないでください。たとえば文科では、数学(80点)の1割は8点ですが、国語・地歴・外国語(各120点)の1割は12点です。どの科目を何点上げると、合計がいちばん上がるかを考えると、次にやることが見えてきます。実際の合格者の最低点は年によって変わります。最低点と偏差値50からの計画は「東大の合格最低点への挑戦」にまとめています。
判定が悪かったときの考え方
夏や秋の模試でD判定・E判定から合格する人は、めずらしくありません。現役生は、最後の数か月で大きく伸びることがよくあるからです。反対に、A判定でも安心して勉強のペースを落とせば、本番では逆転されます。判定は「あと何点足りないか」を知るための数字として使い、気持ちを上下させすぎないことが大切です。やる気が落ちたときの立て直し方は「現役東大生の勉強のやり方(やる気の保ち方)」も参考にしてください。
東大模試の復習のしかた|落とした点を4つに仕分け
解き直しのとき、落とした点を図5の4つに仕分けると、次にやることがはっきりします。
①知らなかった → 参考書・教科書へもどる
英単語・熟語、古文の文法、数学の公式などを知らなかった失点です。これは覚えれば取れる点です。英単語は「東大の英単語」と「東大英単」、熟語は「お勧め英熟語300」、古文は「古文文法辞典(2次試験の古文)」、数学の公式は「算数・数学公式辞典」で確かめましょう。
②時間が足りない → 解く順番と時間を決め直す
東大の英語は、いろいろな形の問題が120分の中につめこまれていて、時間内に全部終えるのがむずかしい試験です。数学も、全問を解き切るのは簡単ではありません。模試で時間が足りなかった科目は、「どの問題から解くか」「1問に何分まで使うか」を決め直し、次の模試や過去問で試します。
③うっかりミス → 見直しのくせをつける
計算ミス、問題文の読みちがい、解答らんのまちがいなどです。「次は気をつける」だけでは直りません。どんなミスをしたかをノートに1行書き、試験の最後に見直す場所を決めておくと、少しずつ減ります。ノートの作り方は「東大合格生のノートの取り方」も参考になります。
④書き方が足りない → 模範解答と答案を見比べる
答えは合っているのに点が低い、方針は合っているのに部分点がもらえない、という失点です。記述式の東大では、ここがいちばんの伸びしろです。模範解答と自分の答案を1行ずつ見比べ、「この一言が書けていなかった」という所に赤で印をつけます。数学の答案の書き方と部分点の考え方は、京大の記事ですが「京大数学の解き方・時間配分・答案の書き方」も参考になります。
サクラちゃん
秋の東大型模試でD判定でした……。志望を下げた方がいいんでしょうか。
合格先生
判定だけで決めるのは早いよ。まず成績表で、どの科目のどの大問で何点落としたかを書き出してごらん。「書き方が足りない」失点が多いなら、ここから伸ばせる。
サクラちゃん
数学の大問2つが白紙でした。方針は少し思いついていたのに……。
合格先生
それは大きなヒントだね。思いついた方針を書くだけで部分点の可能性がある。次は白紙にしない練習を、過去問でしてみよう。
サクラちゃん
はい! 1週間で全部解き直して、次の模試で試します!
東大模試と過去問のちがい|両方をどう使うか
模試と過去問は、どちらも本番の練習ですが、役わりがちがいます。
- 過去問:本物の東大の問題。東大がどんな力を見たいのか(出題のくせ)を知るための教材です。東大は自分の大学のウェブサイトで、2次試験の問題の「出題の意図」を公表しています。
- 東大型模試:本番に近い形の、新しい問題。同じ時期の東大志望者の中で、今の自分がどこにいるかを知るための物差しです。
おすすめは、過去問で東大の形に慣れておき、模試でそれを試すという順番です。過去問集の種類と使い方は「東大の過去問集の選び方と使い方」で、赤本・青本・25カ年のちがいからくわしく説明しています。
新しい教育課程(新課程)と模試
2025年度入試から、大学入試は新しい学習指導要領(新課程)で行われています。東大の2次試験の数学も、文科・理科それぞれ新課程の科目から出題されます(理科は数学Ⅲもふくむ)。くわしい範囲は東大の選抜要項で確かめてください。古い過去問には今の範囲にない問題もまじりますが、今の模試は今の範囲で作られているので、新課程の形に慣れるのにも役立ちます。数学の範囲や用語は「数学まとめ」で確かめられます。

うかるくん
模試は「判定をもらう日」じゃなくて、「弱点を見つけてもらう日」なんだ! 夏と秋の模試の前に、ねらう点を紙に書いておこう!
東大模試の情報交換|受験掲示板「100点BBS」
模試の手ごたえや、ほかの受験生がどう復習しているかを知りたいときは、受験掲示板「100点BBS」の「東京大学の掲示板」が便利です。元の記事でリンクしていた、2014年の東大型模試の掲示板も残しておきます。
京大も考えている人は「京大型模試」の記事と、受験掲示板「100点BBS」の京都大学の掲示板もどうぞ。東大と京大の入試の考え方のちがいは「京大合格作戦の立て方」と「東大合格大作戦」を読みくらべると分かりやすいです。
ほかの大学の大学別模試(大学型模試)
2014年に、東大と同じ形で、ほかの大学の大学別模試の記事も書きました。大学名から読めます(日程は当時のものなので、今の日程は各主催者の公式サイトで確かめてください)。
- 京大型模試(京都大学)
- 阪大型模試(大阪大学)
- 名大型模試(名古屋大学)
- 東北大型模試(東北大学)
- 九大型模試(九州大学)
- 北大型模試(北海道大学)
- 東工大型模試(東京工業大学、今の東京科学大学)
- 一橋大型模試(一橋大学)
- 神戸大型模試(神戸大学)
- 早稲田大学型模試(早大)
- 慶應義塾大学型模試(慶大)
文科三類を目指す人は「東大文Ⅲ志望の方へのアドバイス」も読んでみてください。勉強の進め方で迷ったら「受験の質問・相談」からご相談ください。
よくある質問
東大型模試はいつ行われますか?
夏(8月ごろ)と秋(10〜11月ごろ)に行われることが多いです。回数や日程は主催者と年によってちがうので、各主催者の公式サイトで確かめてください。
東大型模試はいくつ受ければいいですか?
決まりはありません。夏と秋に1つずつ、合わせて2〜4回ほどを目安に、受けた後の解き直しの時間が取れる数にしぼるのがおすすめです。
東大模試でE判定でも合格できますか?
夏や秋にD・E判定から合格する人はめずらしくありません。判定よりも、どの科目・どの問題で何点落としたかを見て、残りの期間の計画を立てることが大切です。
東大型模試の復習はどうすればいいですか?
成績表を待たずに1週間以内に解き直します。落とした点を「知らなかった」「時間不足」「うっかり」「書き方不足」に分けて、それぞれの対策をします。
東大の2次試験の配点は?
令和9年度は共通テスト110点+2次440点=550点満点です。2次は文科が国語120・数学80・地歴120・外国語120、理科が国語80・数学120・理科120・外国語120です。
あわせて読みたい
出典・参考
- 東京大学「令和9(2027)年度 東京大学入学者選抜要項」(日程・時間割・出題教科・科目・配点・第1段階選抜)
- 東京大学「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(出題の意図の公表)
- 東大型模試の時期:夏と秋に行われることが多い(日程は年ごとに各主催者の公式サイトで確かめてください)
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦











