合格大作戦 数学用語辞典 › 微分・積分
大学受験
増減表とは
導関数 の符号(+・−)と、関数 の増加・減少を、 の区間ごとにまとめた表です。 なら増加(↗)、 なら減少(↘)で、符号が変わる所が極大・極小になります。
うかるくん
三次関数のグラフをかけと言われても、どこから手をつければいいかわかりません…
合格先生
まず微分して増減表を作るんだ。傾きの符号から「上り・下り」がわかれば、山と谷の位置が決まって、グラフはほとんどかけたも同然だよ。
この用語のポイント
- の区間は増加(↗)、 の区間は減少(↘)
- の符号が変わる所が極値。 だけでは決まらない
- 最大・最小は極値と範囲の両はしを比べる
やさしく言うと
増減表は、関数のグラフが「どこで上がり、どこで下がるか」を一目でわかるようにまとめた表です。導関数 の符号(+か−か)を調べ、その下に「増加(↗)」「減少(↘)」を書きます。
- 山道の案内図:「入口から 2 km は上り、その先 3 km は下り、最後はまた上り」と区間ごとに書いておけば、どこが頂上でどこが谷底かがわかります。増減表は、関数の山道の案内図です。
- 1 日の気温:朝から昼すぎまでは上がり、夕方から夜は下がります。上がり下がりの「切りかわり」が、1 日の最高・最低の目安になります。
- 坂の傾き:グラフのある点での坂の傾きが、微分係数 です。傾きが正なら上り坂、負なら下り坂。だから の符号を見れば、上りか下りかがわかります。
まとめると、増減表は「傾きの符号」から「グラフの上り下り」を読みとる表で、極大・極小をさがしたり、グラフをかいたりするときの第一歩になります。
増減表のかき方
を例に、増減表をかいてみましょう。
- 微分する:。
- となる を求める:。これを表の上の行に、小さい順に並べる。
- の符号を書く:間の区間に の値を 1 つ入れて調べる( なら )。
- の行に矢印と値を書く:+の下は ↗、−の下は ↘。 の列には の値を計算して書く。
- 極大・極小を書きこむ:↗ から ↘ に変わる所が極大、↘ から ↗ に変わる所が極小。

うかるくん
0 の列だけでなく、間の区間の符号が大事。そこが矢印を決めるんだ!
極値になる・ならない例
○ 極値になる点
- の (。極大)
- の (。極小)
- の (。極小)
- の (。極大)
- の (微分できないが、減少から増加に変わるので極小)
× 極値にならない点
- の ( でも 。極値でない)
- (。ずっと増加で極値なし)
- (一次関数。極値なし)
- 区間の端の点( でなくても最大・最小にはなりうるが、極値とはいわない)
- の値が 0 以外で最大になる点(極値と関係ない)
大切なのは、 になるかどうかではなく、その前後で の符号が変わるかどうかです。 は極値の「候補」にすぎません。
図で見る
のグラフと、導関数 のグラフを上下に並べてみましょう。
下の が 軸より上にある区間で、上の は上り坂。下にある区間(赤い帯)で下り坂です。 が 軸をまたぐ で、上り下りが切りかわっています。増減表は、この 2 段のグラフを表の形に書き直したものです。
サクラちゃん
になったら、必ず山か谷になるんじゃないんですか?
合格先生
そう思いがちだけど、 を見てごらん。 で傾きは 0 になるけれど、その前も後も上り坂だ。いったん平らになって、また上るだけなんだよ。
最大値・最小値との関係
極大値・極小値は「その近くでいちばん大きい・小さい値」です。範囲全体での最大値・最小値とは限りません。範囲が決まっているときは、極値と、範囲の両はしの値を比べます。
たとえば を で考えると、極大値は 、極小値は 、両はしは 、 です。だから最大値は 18()、最小値は () です。極大値 2 は最大値ではありません。
| 極大値・極小値 | 最大値・最小値 | |
|---|---|---|
| 意味 | その点の近くで最大・最小 | 考える範囲全体で最大・最小 |
| 調べる点 | の符号が変わる点 | 極値と、範囲の両はし |
| 個数 | 0 個のことも、いくつもあることもある | 範囲が閉じていれば、それぞれ 1 つの値 |
テスト・入試ではこう出る
増減表は、高校の数学Ⅱで三次関数のグラフをかくときに使い、数学Ⅲでは分数関数・三角関数・指数関数などのグラフでも使います。よく出るのは、極値を求める問題、区間での最大・最小、方程式の実数解の個数、文字定数をふくむ関数が極値をもつ条件などです。数学Ⅲでは、グラフの凹凸や漸近線も表に書きこむことがあります。
例題1(増減表と極値)
の増減を調べ、極値を求めなさい。
- 微分する:。
- となる :。
- の符号を調べる: で 、 で 、 で 。
- の値を計算:、。
- 表にまとめる(図2)。
答え 、 で増加、 で減少。 で極大値 2、 で極小値
例題2(実数解の個数)
の方程式 の異なる実数解の個数を、定数 の値で分けて答えなさい。
- 実数解の個数は、 のグラフと直線 の交点の個数と同じ。
- 例題1の増減表から、グラフは極大値 2・極小値 の山と谷をもつ。
- 直線 を上下に動かして交点を数える。
答え または のとき 1 個、 のとき 2 個、 のとき 3 個
のときは極大の点で直線がグラフに接するので、そこでの解は「重なった 1 つ」と数え、異なる実数解は 2 個です。
まちがえやすい点

合格先生
は極値の候補だけ! 前後で符号が変わるかを必ず見よう。
- だけで極値と決める: の のように、符号が変わらなければ極値ではありません。必ず前後の符号を確かめます。
- の符号と の符号を取りちがえる:増減表の+・−は (傾き)の符号です。 の値が負でも、 なら増加です。
- 極大値と最大値を同じと思う:範囲の両はしのほうが大きいことがあります。上の の例では、最大値は極大値 2 ではなく 18 です。
- の値を書き忘れる: の列には、 の値( など)を必ず計算して書きます。グラフをかくのに必要です。
- 符号を 1 か所しか調べない: が因数分解できたら、区間ごとに の値を入れて符号を確かめます。「 の順のはず」と決めつけると、 のような関数でまちがえます。
ことばの意味
増減表は、関数の値の「増加」と「減少」をまとめた「表」という、漢字のとおりの名前です。(2 回微分した関数)の符号もいっしょに書いて、グラフの曲がり方(凹凸)まで表したものは「増減凹凸表」などとよばれることもあります。
ミニ問題
問題1 の増減を調べ、極値を答えましょう。
答えと解き方を見る
で減少、 で増加。 で極小値 (極大値はなし)です。 は で負、 で正。 です。二次関数なら平方完成 でも同じ結果が出ます。
問題2 の極大値と極小値を求めましょう。
答えと解き方を見る
で極大値 5、 で極小値 4 です。
- 。
- で 、 で 、 で 。
- 、。
極大値 5 のほうが極小値 4 より大きいですが、いつもそうとは限りません。値は必ず計算して確かめます。
問題3 の極値をすべて求めましょう。
答えと解き方を見る
で極大値 0、 で極小値 です。
- 。 は 。
- 符号は で 、 で 、 で 、 で 。
- 、。
増減表は「↘ ↗ 0 ↘ ↗」で、W の形のグラフになります。
関連する公式・用語
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あわせて覚えたい用語
よくある質問
増減表とは簡単にいうと何ですか?
関数のグラフがどこで上がり、どこで下がるかを、導関数の符号を使って区間ごとにまとめた表です。
増減表の書き方は?
微分してf′(x)=0となるxを求め、表の上の行に並べます。間の区間でf′(x)の符号を調べ、正なら増加、負なら減少と書き、f′(x)=0の所にはf(x)の値を書きます。
f′(x)=0なら必ず極値になりますか?
なりません。y=x³のx=0のように、前後でf′(x)の符号が変わらなければ極値ではありません。
極大値と最大値のちがいは?
極大値はその点の近くでいちばん大きい値、最大値は考える範囲全体でいちばん大きい値です。範囲の両はしのほうが大きいこともあります。
増減表で方程式の解の個数がわかるのはなぜですか?
f(x)=k の実数解の個数は、y=f(x) のグラフと直線 y=k の交点の個数と同じだからです。増減表でグラフの山と谷の高さがわかれば数えられます。
増減表は何年生で習いますか?
高校の数学Ⅱの微分で三次関数などに使い、数学Ⅲでさまざまな関数のグラフに使います。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(微分・積分の考え)・数学Ⅲ(微分法)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


