合格大作戦 数学用語辞典 › 微分・積分
大学受験
変曲点とは
グラフの凹凸(へこみ方)が入れかわる境目の点です。上に凸から下に凸へ(またはその逆へ)変わる点で、第2次導関数 f′′(x) の符号が変わる点として求めます。
読み方:へんきょくてん/英語:inflection point/習う学年:数学Ⅲ(微分法の応用:グラフの凹凸)

うかるくん
変曲点って、f′′(x)=0 を解けば出てきますよね?
![合格先生]()
合格先生
それは候補が出るだけ。前後で f′′(x) の符号が変わるかを確かめて、はじめて変曲点だといえるんだ。
この用語のポイント
- 変曲点 = 凹凸が入れかわる点(S字の真ん中)
- f′′(x) の符号が変わる点をさがす
- f′′=0 でも変曲点とは限らない(y=x4 の原点)
やさしく言うと
変曲点は、グラフの曲がる向き(へこみ方)が入れかわる点です。たとえ話で考えてみましょう。
- S字カーブ:車でS字カーブを走ると、左に切っていたハンドルが、ある所から右に切りかわります。その切りかわる地点が変曲点です。
- 人気の広がり方:新しい商品の売れた数の合計は、はじめは増え方がどんどん速くなり、あるときから増え方がゆるやかになることがあります。「速くなる」から「ゆるやかになる」へ変わる時点が変曲点にあたります。
- 坂道のいちばん急なところ:なだらかな坂がだんだん急になり、また、なだらかになる。いちばん急なところが変曲点です。
まとめると、変曲点は曲がり方の「境目」です。山や谷のてっぺん(極値)とは別のものです。
上に凸から下に凸に変わる点 (1, −2) が変曲点変曲点の例
○ 変曲点
- y=x3 の原点(上に凸 → 下に凸)
- y=x3−3x2 の点 (1, −2)
- y=sinx の点 (π, 0)(上に凸 → 下に凸)
- 3次関数のグラフの、ちょうど1つある変曲点
- y=x4−6x2 の点 (±1, −5)
- y=1+x21 のような、つり鐘の形の曲線の左右の肩
× 変曲点ではない
- y=x4 の原点(y′′=0 だが符号が変わらない)
- y=x2(ずっと下に凸)
- y=x3−3x2 の点 (0, 0)(極大。凹凸は変わらない)
- y=ex(ずっと下に凸)
- 直線 y=2x+1(曲がっていない)
- y=x1 の x=0(グラフがそこにない)
判断のポイントは、その点の左右で凹凸が本当に入れかわっているかです。極大・極小の点は「上がる・下がる」が入れかわる点で、凹凸とは関係ありません。
変曲点の求め方
グラフの凹凸は、第2次導関数 f′′(x) の符号でわかります。f′′(x)>0 なら下に凸、f′′(x)<0 なら上に凸です。だから、f′′(x) の符号が変わる点が変曲点です。
例:y=x3−3x2
y′=3x2−6x、y′′=6x−6=6(x−1)。
x=1 の前後で y′′ の符号が変わるので、変曲点は 点 (1, −2) です。手順をまとめると、次の3つです。
- f′′(x) を求める。
- f′′(x)=0 となる x(変曲点の候補)を求める。
- 候補の前後で f′′(x) の符号が変わるかを表で確かめ、変わる点の y 座標も求める。
![○の札を持つうかるくん]()
うかるくん
2回微分した符号が入れかわる点が変曲点だ。符号を確かめよう!
図で見る(接線と、増減・凹凸表)
変曲点では、接線の傾き f′(x) が最大か最小になります。y=x3−3x2 では f′(x)=3x2−6x=3(x−1)2−3 なので、x=1 で傾きがいちばん小さい −3 になります。
変曲点での接線は曲線を横切るふつう、接線は曲線の片側にありますが、変曲点の接線は曲線を横切ります。x3−3x2−(−3x+1)=(x−1)3 なので、x<1 では曲線が接線の下、x>1 では上にあります。
![サクラちゃん]()
サクラちゃん
グラフの概形をかくとき、増減と凹凸を別々に調べるんですか?
![合格先生]()
合格先生
1つの表にまとめると楽だよ。y′ の行で上がる・下がる、y′′ の行で凹凸を調べて、y の行に曲がった矢印をかくんだ。
増減と凹凸を1つの表に。y″ の符号が変わる x=1 が変曲点この表を見ると、x=0 で極大、x=1 で変曲点、x=2 で極小と、グラフの形がすべて読み取れます。なお、3次関数のグラフは、変曲点について点対称になっています。
f″=0 でも変曲点とは限らない
y=x4 は y′′=12x2 で、x=0 のとき y′′=0 です。でも、x=0 の前後で y′′≥0 のままなので、符号が変わらず、変曲点ではありません。
x³ の原点は変曲点、x⁴ の原点は変曲点ではないなお、変曲点の定義は本によって少しちがい、「f′′(x) の符号が変わる点」とする本、「凹凸が変わる点」とする本などがあります。このページでは凹凸が入れかわる点(ふつうの関数では f′′(x) の符号が変わる点)の意味で使います。
テスト・入試ではこう出る
数学Ⅲの微分法の応用で、グラフの概形をかく問題の一部として出ます。増減と凹凸を表にまとめ、極値・変曲点・漸近線を調べてグラフをかく流れです。大学入試では、ex や logx、三角関数をふくむ関数の変曲点を求める問題や、「変曲点をもつ条件」を求める問題も見られます。
例題1(3次関数)
y=x3−6x2+9x+1 の変曲点を求めなさい。
- y′=3x2−12x+9=3(x−1)(x−3)。x=1 で極大、x=3 で極小。
- y′′=6x−12=6(x−2)。x<2 で y′′<0(上に凸)、x>2 で y′′>0(下に凸)。
- x=2 の前後で符号が変わるので、変曲点。y=8−24+18+1=3。
答え 変曲点 (2, 3)(極大 (1, 5) と極小 (3, 1) のちょうど真ん中)
例題2(4次関数)
y=x4−6x2 の変曲点を求め、凹凸を調べなさい。
- y′=4x3−12x、y′′=12x2−12=12(x+1)(x−1)。
- y′′ の符号:x<−1 で +、−1<x<1 で −、x>1 で +。
- x=±1 の両方で符号が変わる。y=1−6=−5。
- x<−1 と x>1 で下に凸、−1<x<1 で上に凸。
答え 変曲点 (−1, −5)、(1, −5)
![ひらめいたサクラちゃん]()
サクラちゃん
3次関数の変曲点は、極大と極小のちょうど真ん中にあるのね!
まちがえやすい点
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
f′′(a)=0 だけでは決まらない! 前後の符号を表で確かめよう。
- f′′(a)=0 だけで変曲点と決める:y=x4 の原点のように、符号が変わらなければ変曲点ではありません。増減表(凹凸表)で前後の符号を確かめます。
- 極値と混同する:極値は f′(x) の符号が変わる点(山や谷)、変曲点は f′′(x) の符号が変わる点(曲がり方の境目)です。
- 答えを x の値だけにする:変曲点は点なので、(1, −2) のように座標で答えます。
- 「変曲点では接線の傾きが0」と思う:y=x3 の原点は傾き0ですが、y=x3−3x2 の変曲点の傾きは −3 です。傾きが0とは限りません。
- 上に凸・下に凸を逆にする:f′′(x)>0 は「下に凸」(お椀の形)です。y=x2 は y′′=2>0 で下に凸、と覚えておくと確かめられます。
ことばの由来
変曲は「曲がり方が変わる」という意味です。英語では inflection point(インフレクション ポイント)といい、inflection は「曲げること・向きを変えること」を表します。ビジネスの話で「転換点」という意味で使われることもあります。
ミニ問題
問題1 y=x3+3x2 の変曲点を求めましょう。
答えと解き方を見る
点 (−1, 2) です。
y′=3x2+6x、y′′=6x+6=6(x+1)。x=−1 の前後で y′′ は − から + に変わります。x=−1 のとき y=−1+3=2 です。
問題2 y=x4−4x3 の変曲点を、すべて求めましょう。
答えと解き方を見る
点 (0, 0) と 点 (2, −16) の2つです。
- y′=4x3−12x2、y′′=12x2−24x=12x(x−2)。
- y′′ は x<0 で +、0<x<2 で −、x>2 で +。x=0 と x=2 の両方で符号が変わる。
- x=0 のとき y=0、x=2 のとき y=16−32=−16。
y′=4x2(x−3) なので、x=0 では y′=0 でも極値ではありません。原点は「傾き0の変曲点」です。
問題3 0<x<2π で、y=x+sinx の変曲点を求めましょう。
答えと解き方を見る
点 (π, π) です。
y′=1+cosx、y′′=−sinx。0<x<π で sinx>0 なので y′′<0(上に凸)、π<x<2π で sinx<0 なので y′′>0(下に凸)。x=π で符号が変わり、そのとき y=π+sinπ=π です。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
変曲点とはどういう意味ですか?
グラフの凹凸(へこみ方)が入れかわる境目の点です。上に凸から下に凸へ、または下に凸から上に凸へ変わる点です。
変曲点の求め方は?
第2次導関数 f″(x) を求め、f″(x)=0 となる x の前後で符号が変わるかを確かめます。変わればその点が変曲点です。
f″(x)=0 なら必ず変曲点ですか?
ちがいます。y=x⁴ は x=0 で f″(0)=0 ですが、前後でずっと下に凸なので変曲点ではありません。
変曲点と極値のちがいは?
極値は f′(x) の符号が変わる点(山や谷)、変曲点は f″(x) の符号が変わる点(曲がり方の境目)です。
変曲点での接線にはどんな特ちょうがありますか?
変曲点での接線は、曲線を横切ります。また、変曲点では接線の傾きが、そのまわりで最大または最小になります。
変曲点は何年生で習いますか?
高校の数学Ⅲの微分法の応用(グラフの凹凸)で習います。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅲ(微分法:導関数の応用)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦