平均値の定理|平行な接線という図の意味・ロルの定理からの証明・不等式の証明と極限の例題【数学Ⅲ・大学受験】

平均値の定理|平行な接線という図の意味・ロルの定理からの証明・不等式の証明と極限の例題【数学Ⅲ・大学受験】

合格大作戦 算数・数学公式辞典 › 関数

大学受験

f(b)−f(a)b−a=f′(c)(a<c<b)\frac{f(b)-f(a)}{b-a}=f'(c)\quad(a<c<b)

a≤x≤ba\le x\le b で連続、a<x<ba<x<b で微分可能なとき

この公式のポイント

  • 弦 AB と平行な接線が aa と bb の間に引ける
  • 平均変化率=ある点の微分係数
  • 証明はロルの定理(曲線と弦の差を考える)
  • 入試では不等式の証明・極限で a<c<ba<c<b を使う
うかるくん

うかるくん

平均値の定理の cc って、aa と bb のまん中のことなの?

合格先生

合格先生

まん中とはかぎらない。ふつうは cc の値までは分からず、a<c<ba<c<b という範囲を使うんだ。

平均値の定理

平均値の定理

関数 f(x)f(x) が区間 a≤x≤ba\le x\le b で連続、a<x<ba<x<b で微分可能ならば、

f(b)−f(a)b−a=f′(c),a<c<b\frac{f(b)-f(a)}{b-a}=f'(c),\qquad a<c<b

をみたす cc が少なくとも1つある。

図の意味:2点 A(a,f(a))A(a,f(a))、B(b,f(b))B(b,f(b)) を結ぶ弦 AB と平行な接線が、aa と bb の間のどこかで引ける。

ABabc₁c₂緑:弦AB(傾き1.5) 赤:平行な接線y=x³−4.5x²+6x
弦 AB の傾き(平均変化率)と同じ傾きの接線が、aa と bb の間に必ずある(この例では2本)

左辺 f(b)−f(a)b−a\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a} は平均変化率(平均の速さ)、右辺 f′(c)f'(c) は微分係数(その瞬間の速さ)です。「平均時速60kmで走ったなら、どこかの瞬間にちょうど時速60kmだった」というのが、この定理の気持ちです。

証明(ロルの定理から)

ロルの定理:f(x)f(x) が a≤x≤ba\le x\le b で連続、a<x<ba<x<b で微分可能で、f(a)=f(b)f(a)=f(b) ならば、f′(c)=0f'(c)=0(a<c<ba<c<b)となる cc がある。

(ロルの定理の理由)ff が定数なら、どの cc でも f′(c)=0f'(c)=0。定数でなければ、閉区間で連続な関数は最大値・最小値をとるので(高校ではこの事実を認めて使います)、f(a)f(a) と異なる最大値または最小値を区間の内側の点 cc でとります。cc で最大なら、h>0h>0 で f(c+h)−f(c)h≤0\dfrac{f(c+h)-f(c)}{h}\le0、h<0h<0 で ≥0\ge0。h→0h\to0 とするとどちらも f′(c)f'(c) なので f′(c)=0f'(c)=0。最小でも同じです。

平均値の定理の証明:弦の傾きを k=f(b)−f(a)b−ak=\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a} とし、曲線の高さから弦の高さを引いた関数

g(x)=f(x)−{f(a)+k(x−a)}g(x)=f(x)-\{f(a)+k(x-a)\}

を考えます。g(a)=0g(a)=0、g(b)=f(b)−f(a)−k(b−a)=0g(b)=f(b)-f(a)-k(b-a)=0 なので g(a)=g(b)g(a)=g(b)。gg も連続・微分可能なので、ロルの定理から g′(c)=0g'(c)=0(a<c<ba<c<b)となる cc があります。g′(x)=f′(x)−kg'(x)=f'(x)-k なので f′(c)=kf'(c)=k。これが平均値の定理です。

山:g′(c₁)=0谷:g′(c₂)=0g(a)=0g(b)=0g(x)=(曲線の高さ)−(弦の高さ)
曲線と弦の高さの差 g(x)g(x) は両はしで0。途中の山・谷で接線が水平になる

つまり「弦と平行な接線」は、「曲線と弦のすき間がいちばん大きくなる場所」で引ける接線です。

大学受験(数学Ⅲ)での使い方

入試では、不等式の証明と極限でよく使います。差 f(b)−f(a)f(b)-f(a) を見つけたら、f′(c)(b−a)f'(c)(b-a) に置きかえ、cc の範囲 a<c<ba<c<b から評価するのが定番です。

大学受験

例題1(c を求める)

f(x)=x2f(x)=x^2 で、区間 a≤x≤ba\le x\le b について平均値の定理の cc を求めなさい。

解き方

b2−a2b−a=a+b\dfrac{b^2-a^2}{b-a}=a+b、f′(c)=2cf^{\prime}(c)=2c。2c=a+b2c=a+b より c=a+b2c=\dfrac{a+b}{2}(区間のまん中)。

答え c=a+b2c=\dfrac{a+b}{2}

大学受験

例題2(不等式の証明)

0<a<b0<a<b のとき、b−ab<log⁡b−log⁡a<b−aa\dfrac{b-a}{b}<\log b-\log a<\dfrac{b-a}{a} を証明しなさい。

解き方

f(x)=log⁡xf(x)=\log x は x>0x>0 で微分可能で f′(x)=1xf^{\prime}(x)=\dfrac1x。平均値の定理より log⁡b−log⁡ab−a=1c\dfrac{\log b-\log a}{b-a}=\dfrac1c、a<c<ba<c<b となる cc がある。

a<c<ba<c<b より 1b<1c<1a\dfrac1b<\dfrac1c<\dfrac1a。各辺に b−a>0b-a>0 をかけて b−ab<log⁡b−log⁡a<b−aa\dfrac{b-a}{b}<\log b-\log a<\dfrac{b-a}{a}。

答え 証明終わり(log⁡b−log⁡a=b−ac\log b-\log a=\dfrac{b-a}{c} と a<c<ba<c<b を使う)

大学受験

例題3(極限)

lim⁡x→0ex−esin⁡xx−sin⁡x\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{e^x-e^{\sin x}}{x-\sin x} を求めなさい。

解き方

x≠0x\neq0 のとき x≠sin⁡xx\neq\sin x。f(t)=etf(t)=e^t に、sin⁡x\sin x と xx を両はしとする区間で平均値の定理を使うと ex−esin⁡xx−sin⁡x=ec\dfrac{e^x-e^{\sin x}}{x-\sin x}=e^{c}(cc は sin⁡x\sin x と xx の間)。

x→0x\to0 のとき sin⁡x→0\sin x\to0 なので、はさみうちで c→0c\to0。よって極限は e0=1e^0=1。

答え 11

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

条件を確かめずに使うな。f(x)=∣x∣f(x)=|x| は x=0x=0 で微分できず、f′(c)=0f'(c)=0 の cc がない。

  • 条件を確かめない:f(x)=∣x∣f(x)=|x|(−1≤x≤1-1\le x\le1)では弦の傾きは0ですが、f′(c)=0f'(c)=0 となる cc はありません。x=0x=0 で微分可能でないからです。
  • cc はまん中だと思う:c=a+b2c=\dfrac{a+b}{2} になるのは2次関数などの特別な場合。ふつうは cc の値までは分からず、範囲 a<c<ba<c<b だけを使います。
  • cc が1つと決めつける:「少なくとも1つ」です。図1のように2つ以上あることもあります。

練習問題

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

弦 AB と平行な接線が引ける、と図で覚えよう。

  1. 大学受験 f(x)=x3f(x)=x^3、区間 0≤x≤30\le x\le3 で、平均値の定理の cc を求めなさい。
    答えと解説を見る27−03=9=3c2\dfrac{27-0}{3}=9=3c^2 より c2=3c^2=3。0<c<30<c<3 なので c=3c=\sqrt3
  2. 大学受験 a<ba<b のとき、ea(b−a)<eb−ea<eb(b−a)e^a(b-a)<e^b-e^a<e^b(b-a) を証明しなさい。
    答えと解説を見るf(x)=exf(x)=e^x に平均値の定理:eb−ea=ec(b−a)e^b-e^a=e^c(b-a)、a<c<ba<c<b。exe^x は増加なので ea<ec<ebe^a<e^c<e^b。b−a>0b-a>0 をかけて完成
  3. 大学受験 lim⁡x→∞x{log⁡(x+1)−log⁡x}\displaystyle\lim_{x\to\infty}x\{\log(x+1)-\log x\} を求めなさい。
    答えと解説を見る平均値の定理で log⁡(x+1)−log⁡x=1c\log(x+1)-\log x=\dfrac1c(x<c<x+1x<c<x+1)。xx+1<xc<1\dfrac{x}{x+1}<\dfrac{x}{c}<1 で、左はしは 11 に近づくので、はさみうちで答え 11

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よくある質問

平均値の定理とは?

関数がa≦x≦bで連続、a<x<bで微分可能なとき、{f(b)−f(a)}/(b−a)=f′(c) をみたす c が a と b の間に少なくとも1つある、という定理です。

平均値の定理の図の意味は?

2点A、Bを結ぶ弦と平行な接線が、aとbの間のどこかで引ける、という意味です。

平均値の定理はどうやって証明しますか?

曲線の高さから弦の高さを引いた関数g(x)を作ると g(a)=g(b)=0 なので、ロルの定理から g′(c)=0 となる c があり、これが f′(c)=弦の傾き を表します。

平均値の定理は入試でどう使いますか?

f(b)−f(a) を f′(c)(b−a) に置きかえ、a<c<b から不等式を作ったり、はさみうちで極限を求めたりします。

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出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅲ(微分法)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦