約分・通分とは?意味とやり方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

約分・通分とは?意味とやり方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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約分・通分とは

約分は、分母と分子を同じ数(公約数)でわって、分数をかんたんにすることです(68=34\dfrac68=\dfrac34)。通分は、分母がちがう分数の分母をそろえることです(12, 13→36, 26\dfrac12,\ \dfrac13\to\dfrac36,\ \dfrac26)。どちらも分数の大きさは変わりません。

読み方:やくぶん・つうぶん/英語:reduction of a fraction / reduction to a common denominator/習う学年:小学5年

ハルちゃん

ハルちゃん

約分と通分、名前がにていて、どっちがどっちかわからなくなる…

合格先生

合格先生

約分は「ちぢめる」(わって小さくする)、通分は「そろえる」(かけて分母を同じにする)。分母と分子に同じことをするのは、どちらも同じだよ。

この用語のポイント

  • 約分=分母と分子を同じ数でわる(最大公約数でわると 1 回で終わる)
  • 通分=分母と分子に同じ数をかけて、分母をそろえる(最小公倍数を使う)
  • どちらも分数の大きさは変わらない。答えは既約分数で

やさしく言うと

約分は、分数の大きさを変えずに、分母と分子を同じ数でわって、かんたんにすることです。通分は、分母がちがう分数の大きさを変えずに、分母をそろえることです。

  • ピザの切り方(約分):8 等分したピザの 6 切れと、4 等分したピザの 3 切れは、同じ量です。68=34\dfrac68=\dfrac34。同じ量なら、数の小さい 34\dfrac34 で表したほうがわかりやすいですね。
  • 時間(約分):30 分は 1 時間の 3060\dfrac{30}{60} ですが、約分すると 12\dfrac12 時間。「半分」とすぐわかります。
  • ものさしの目もり(通分):cm と mm がまじった長さは、どちらかにそろえないとたせません。分数も同じで、12\dfrac12 と 13\dfrac13 は、目もりの大きさ(分母)をそろえてから、くらべたりたしたりします。

まとめると、約分は「かんたんにする」、通分は「そろえる」です。どちらも分数の大きさは変わりません。

68 34 同じ長さ 分母と分子を 2 でわる:6/8 = 3/4 大きさを変えずに、分母・分子を小さくするのが約分
68\dfrac68 と 34\dfrac34 は同じ大きさ。分母と分子を 2 でわるのが約分
指さして説明するハルちゃん

ハルちゃん

約分も通分も、分母と分子に「同じこと」をするから、大きさは変わらないんだよ!

正しい約分・通分と、まちがい

○ 正しい

  • 68=34\dfrac68=\dfrac34(分母も分子も 2 でわる)
  • 2436=23\dfrac{24}{36}=\dfrac23(最大公約数 12 でわる)
  • 12, 13→36, 26\dfrac12,\ \dfrac13\to\dfrac36,\ \dfrac26(分母を 6 にそろえる)
  • 34, 56→912, 1012\dfrac34,\ \dfrac56\to\dfrac9{12},\ \dfrac{10}{12}(最小公倍数 12 で通分)
  • 1524=58\dfrac{15}{24}=\dfrac58(答えは最後に約分)
  • 2a4ab=12b\dfrac{2a}{4ab}=\dfrac1{2b}(文字の式でも約分できる)

× まちがい

  • 68=38\dfrac68=\dfrac38(分母しかわっていない)
  • 2436=1218\dfrac{24}{36}=\dfrac{12}{18} で終わり(まだ 6 でわれる)
  • 12→16\dfrac12\to\dfrac16(分母だけ 6 にして、分子をそのまま)
  • 3+53=5\dfrac{3+5}{3}=5(たし算の一部だけを消している)
  • 1664=14\dfrac{16}{64}=\dfrac14 を「6 を消した」から正しいと思う(答えはたまたま合うが、数字を消すのは約分ではない)
  • 57\dfrac57 をむりに約分しようとする(5 と 7 の公約数は 1 だけ)

約分できるのは、分母と分子の両方をわり切れる数(公約数)があるときだけです。3+53\dfrac{3+5}3 の 3 のように、たし算の中の数だけを消すことはできません(正しくは 83\dfrac83)。

図で見る

23\dfrac23 と 34\dfrac34 は、どちらが大きいでしょう。分母がちがうと、目もりの大きさがちがうので、ぱっと見てもわかりません。そこで、どちらも 12 等分の目もりに切りそろえます。

2/3 と 3/4、どちらが大きい? 23=812 34=912 どちらも 1/12 の目もりにそろえる(分母を 12 に) 8/12 < 9/12 なので 3/4 のほうが大きい
12 等分にそろえると、812\dfrac8{12} と 912\dfrac9{12}。34\dfrac34 のほうが大きい
まなぶくん

まなぶくん

どうして 12 にそろえるの? 3 と 4 だから 7 じゃだめ?

合格先生

合格先生

3 等分の線も 4 等分の線も、両方のせられる目もりにしないといけないんだ。それが 3 と 4 の公倍数の 12 だよ。7 等分では、3 等分の線がのらないね。

約分は、通分の反対の動きです。2436\dfrac{24}{36} を約分するとき、2 でわり、また 6 でわり…と少しずつ進めても、最大公約数の 12 で一度にわっても、たどり着く 23\dfrac23 は同じです。

2436 ÷2 1218 ÷6 ÷12(最大公約数)で 1 回 23 既約分数 何回かに分けてわっても、答えは同じ。 最大公約数でわれば、1 回でいちばんかんたんな形になる。
少しずつわっても、最大公約数で 1 回でわっても、23\dfrac23 になる

約分のしかた

約分は、次の手順で行います。

  1. 分母と分子の公約数(どちらもわり切れる数)を見つける。
  2. 分母と分子を、その数で同じようにわる。
  3. まだわれる数があれば、くり返す。最大公約数でわれば 1 回で終わる。

これ以上約分できない分数(分母と分子の公約数が 1 だけの分数)を既約分数といいます。計算の答えは、ふつう既約分数で書きます。分母と分子が偶数なら 2 で、各位の数の和が 3 の倍数なら 3 でわれる、という倍数の見分け方を使うと、公約数を見つけやすくなります。

通分のしかた

通分は、次の手順で行います。

  1. 分母どうしの公倍数を見つける。ふつうは最小公倍数を使う。
  2. それぞれの分数の分母がその数になるように、分母と分子に同じ数をかける。
分数公分母通分した形何をかけたか
12\dfrac12 と 13\dfrac13636\dfrac36 と 26\dfrac26×3 と ×2
34\dfrac34 と 56\dfrac5612912\dfrac9{12} と 1012\dfrac{10}{12}×3 と ×2
38\dfrac38 と 512\dfrac5{12}24924\dfrac9{24} と 1024\dfrac{10}{24}×3 と ×2

そろえた分母を公分母といいます。分母どうしをかけた数(4×6=244\times6=24 など)を公分母にしてもまちがいではありませんが、数が大きくなり、あとで約分が必要になることが多いので、最小公倍数を使うのが基本です。

どんなときに使うか

  • 大きさくらべ:通分して分子をくらべる(23\dfrac23 と 34\dfrac34)。
  • たし算・ひき算:分母がちがうときは通分してから計算し、答えを約分する。
  • かけ算・わり算:通分はいらない。そのかわり、とちゅうで約分すると計算が楽になる。
49 × 158 12 53 4 と 8 を 4 でわる 15 と 9 を 3 でわる = 1×5 / 3×2 = 5/6 先に約分すると、小さい数のまま計算できる
かけ算は、ななめどうしでも約分できる。49×158=56\dfrac49\times\dfrac{15}8=\dfrac56

かけ算では、分子と分母が別の分数にあっても、ななめの組み合わせで約分できます。49×158\dfrac49\times\dfrac{15}8 なら、4 と 8、15 と 9 を先にわってから計算します。先にかけて 6072\dfrac{60}{72} にしてから約分しても答えは同じですが、数が大きくなってミスがふえます。

テスト・入試ではこう出る

約分と通分は小学 5 年で習い、分母のちがう分数のたし算・ひき算で使います。中学受験の計算問題では、とちゅうで約分するくふうができるかどうかで、速さと正確さが大きく変わります。中学・高校では、6x9xy=23y\dfrac{6x}{9xy}=\dfrac2{3y} のような文字の式の約分や、1x+1x+1\dfrac1x+\dfrac1{x+1} のような分数式の通分(数学Ⅱ)へとつながります。

例題1(約分)

2436\dfrac{24}{36} を約分しなさい。

  1. 24 と 36 の最大公約数を求めます。24 の約数は 1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24。そのうち 36 もわり切れるいちばん大きい数は 12。
  2. 分母と分子を 12 でわります:24÷1236÷12=23\dfrac{24\div12}{36\div12}=\dfrac23
  3. 2 と 3 は 1 以外に公約数がないので、これで終わりです。

答え 23\dfrac23

例題2(通分してたし算)

34+56\dfrac34+\dfrac56 を計算しなさい。

  1. 4 と 6 の最小公倍数は 12。分母を 12 にそろえます:34=912\dfrac34=\dfrac9{12}、56=1012\dfrac56=\dfrac{10}{12}
  2. 分子をたします:912+1012=1912\dfrac9{12}+\dfrac{10}{12}=\dfrac{19}{12}
  3. 約分はできない(19 と 12 の公約数は 1 だけ)。帯分数にすると 17121\dfrac7{12}。

答え 1912\dfrac{19}{12}(17121\dfrac7{12})

100点の答案を掲げるまなぶくん

まなぶくん

約分は最大公約数、通分は最小公倍数。セットで覚えたら、分数の計算がこわくない!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

約分も通分も、分母と分子の両方に同じ数をわる・かけるのがルール!

  • 片方だけわる・かける:68\dfrac68 の分母だけを 2 でわって 64\dfrac64 や 38\dfrac38 にするのは×。約分も通分も、分母と分子に同じ数をわったりかけたりします。
  • 約分がとちゅうで止まる:2436\dfrac{24}{36} を 1218\dfrac{12}{18} で終わらせるのは×。最後に「まだわれる数はないか」をたしかめましょう。最大公約数でわれば、1 回で 23\dfrac23 になります。
  • 通分で分子をかけ忘れる:12+13\dfrac12+\dfrac13 を 16+16\dfrac16+\dfrac16 にするのは×。分母を 6 にするために 3 をかけたら、分子にも 3 をかけて 36\dfrac36 です。
  • たし算の中の数を消す:2+62\dfrac{2+6}{2} の 2 を消して 6 とするのは×。約分できるのは、分母と分子がかけ算の形のときだけです。正しくは 82=4\dfrac82=4 です。
  • 公分母に大きい数を使ってミスをする:38+512\dfrac38+\dfrac5{12} を公分母 96(8×128\times12)で計算すると、数が大きくなってまちがえやすくなります。最小公倍数の 24 を使いましょう。

ことばの由来

約分の「約」には、「ちぢめる・小さくまとめる」という意味があります(「要約」「節約」の約)。約数の約も同じ字です。分数を小さな数にちぢめるので約分といいます。

通分の「通」は、「共通」の通と考えると覚えやすく、分母を共通にそろえる作業です。英語では、約分を reduce(へらす)、通分を「common denominator(共通の分母)にする」と言います。

ミニ問題

問題1 1824\dfrac{18}{24} を約分しましょう。

答えと解き方を見る

34\dfrac34 です。18 と 24 の最大公約数は 6 なので、分母と分子を 6 でわって 18÷624÷6=34\dfrac{18\div6}{24\div6}=\dfrac34。2 でわって 912\dfrac9{12} で止めると、まだ 3 でわれるので約分のとちゅうです。

問題2 56\dfrac56 と 79\dfrac79 は、どちらが大きいですか。

答えと解き方を見る

56\dfrac56 のほうが大きいです。6 と 9 の最小公倍数 18 で通分すると、56=1518\dfrac56=\dfrac{15}{18}、79=1418\dfrac79=\dfrac{14}{18}。分母がそろえば、分子が大きいほうが大きい分数です。

問題3 512+38−16\dfrac5{12}+\dfrac38-\dfrac16 を計算しましょう。

答えと解き方を見る

58\dfrac58 です。

  1. 12、8、6 の最小公倍数は 24。分母を 24 にそろえる:1024+924−424\dfrac{10}{24}+\dfrac9{24}-\dfrac4{24}
  2. 分子を計算:10+9−4=1510+9-4=15 で 1524\dfrac{15}{24}
  3. 15 と 24 は 3 でわれるので約分:58\dfrac58

通分で計算して、最後に約分する。この 2 つはセットで使います。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

約分と通分のちがいは何ですか?

約分は分母と分子を同じ数でわって分数をかんたんにすること、通分は分母のちがう分数の分母をそろえることです。どちらも分数の大きさは変わりません。

約分は何でわればいいですか?

分母と分子の公約数でわります。最大公約数でわると、1回でこれ以上約分できない形(既約分数)になります。

通分の分母は何にすればいいですか?

ふつうは分母どうしの最小公倍数にします。分母どうしをかけた数でもまちがいではありませんが、数が大きくなります。

既約分数とは何ですか?

分母と分子の公約数が1だけで、これ以上約分できない分数のことです。3分の2などがその例です。

かけ算でも通分は必要ですか?

かけ算・わり算では通分はいりません。分母どうし・分子どうしをかけます。とちゅうで約分すると計算が楽になります。

約分・通分は何年生で習いますか?

小学5年で習い、分母のちがう分数のたし算・ひき算で使います。高校の数学Ⅱでは分数式の約分・通分も学びます。

出典・参考

  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」第5学年 A 数と計算(分数の意味と表し方・加法減法)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(いろいろな式)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦