分数の計算のくふう(部分分数分解)の解き方と公式|1/(A×B)を差に分ける理由・例題【中学受験】

分数の計算のくふう(部分分数分解)の解き方と公式|1/(A×B)を差に分ける理由・例題【中学受験】

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中学受験

1A×B=(1A−1B)÷(B−A)\frac{1}{A\times B}=\left(\frac{1}{A}-\frac{1}{B}\right)\div(B-A)

差が1なら 1A×(A+1)=1A−1A+1\dfrac{1}{A\times(A+1)}=\dfrac1A-\dfrac1{A+1}

この公式のポイント

  • 分母をかけ算に直して、2つの数の差を見る
  • 差が1なら 12×3=12−13\dfrac{1}{2\times3}=\dfrac12-\dfrac13
  • 差が2なら最後に÷2
  • 足すとまん中が消えて最初と最後だけ残る
うかるくん

うかるくん

分数がたくさん並ぶと、通分だけでたいへん。何かいい方法はないの?

合格先生

合格先生

分母をかけ算に直すんだ。12×3=12−13\dfrac{1}{2\times3}=\dfrac12-\dfrac13 と差に分ければ、まん中が消えて最初と最後だけ残るぞ。

分数の計算のくふう(部分分数分解)の公式

11×2+12×3+13×4+⋯\dfrac{1}{1\times2}+\dfrac{1}{2\times3}+\dfrac{1}{3\times4}+\cdots のように、分母がかけ算になっている分数をたくさん足す問題は、1つ1つ通分するととても大変です。そこで、1つの分数を2つの分数の差(ひき算)に分けます。これを部分分数分解(ぶぶんぶんすうぶんかい)といいます。分けると、となりどうしが消えて、最初と最後だけが残ります。

分数を差に分ける公式

となりの数のかけ算(差が1)

1A×(A+1)=1A−1A+1\dfrac{1}{A\times(A+1)}=\dfrac{1}{A}-\dfrac{1}{A+1}  例:12×3=12−13\dfrac{1}{2\times3}=\dfrac12-\dfrac13

差が1でないとき(BB が AA より大きい)

1A×B=(1A−1B)÷(B−A)\dfrac{1}{A\times B}=\left(\dfrac{1}{A}-\dfrac{1}{B}\right)\div(B-A)  例:13×5=(13−15)÷2\dfrac{1}{3\times5}=\left(\dfrac13-\dfrac15\right)\div2

分子が差と同じなら、そのまま:23×5=13−15\dfrac{2}{3\times5}=\dfrac13-\dfrac15

11/21/3差1/2 − 1/3 = 6こに分けた1こ分 = 1/62×3=6 だから 1/(2×3) = 1/2 − 1/3
1/2 と 1/3 の差は、6つに分けた1こ分。だから 1/(2×3)=1/2−1/3

なぜ差に分けられるのか

① 差が1のとき:12−13\dfrac12-\dfrac13 を計算してみます。通分すると 36−26=16\dfrac36-\dfrac26=\dfrac16 です。分母の6は「2×3」、分子の1は「3−2」です。上の図のように、1を6つに分けると、12\dfrac12 は3こ分、13\dfrac13 は2こ分。ちがいはちょうど1こ分で 16\dfrac16 になります。

どんな数でも同じです。1A−1B\dfrac1A-\dfrac1B を通分すると、分母は A×BA\times B、分子は B−AB-A(大きいほうから小さいほうをひいた数)になります。だから、差が1なら 1A×B\dfrac{1}{A\times B} がそのまま出てきます。

② 差が2以上のとき:13−15=515−315=215\dfrac13-\dfrac15=\dfrac{5}{15}-\dfrac{3}{15}=\dfrac{2}{15} です。分子が「5−3=2」なので、ほしい 115\dfrac{1}{15} の2倍になっています。だから最後に差の2でわれば 13×5\dfrac{1}{3\times5} になります(下の図3)。

1/2+1/6+1/12+1/20 を数直線にならべるのこり1/51/21/61/121/2001/22/33/44/51合計 = 1 − 1/5 = 4/5(まん中は消える)
差に分けた分数を数直線にならべると、まん中の点が全部消えて、1−1/5 だけが残る

③ どうして消えるのか:(1−12)+(12−13)+(13−14)+(14−15)\left(1-\dfrac12\right)+\left(\dfrac12-\dfrac13\right)+\left(\dfrac13-\dfrac14\right)+\left(\dfrac14-\dfrac15\right) では、−12-\dfrac12 と +12+\dfrac12、−13-\dfrac13 と +13+\dfrac13 …が打ち消し合います。数直線で見ると、0 から 12\dfrac12、12\dfrac12 から 23\dfrac23 … とつながった区間を足しているので、合計は「最後の点 45\dfrac45」です(1−151-\dfrac15 と同じ)。

11/31/5← 差は2こ1/3 − 1/5 = 2/15(2こ分)÷2 して1こ分 → 1/15 = 1/(3×5)
差が2のときは、1/3−1/5 が 1/15 の2つ分。2でわって1つ分にもどす

中学受験(算数)での使い方

まず分母をかけ算に直し、かけ算の2つの数の差を見ます。差が1ならそのまま、差が2なら最後に÷2、差が3なら÷3です。12,16,112,120,130,142\dfrac12,\dfrac16,\dfrac1{12},\dfrac1{20},\dfrac1{30},\dfrac1{42} は、分母が 1×2, 2×3, 3×4, 4×5, 5×6, 6×71\times2,\ 2\times3,\ 3\times4,\ 4\times5,\ 5\times6,\ 6\times7 だと気づけるようにしましょう。

中学受験

例題1(差が1)

次の計算をしなさい。11×2+12×3+13×4+⋯+19×10\dfrac{1}{1\times2}+\dfrac{1}{2\times3}+\dfrac{1}{3\times4}+\cdots+\dfrac{1}{9\times10}

解き方

どれも「となりの数のかけ算」なので、11×2=11−12\dfrac{1}{1\times2}=\dfrac11-\dfrac12、12×3=12−13\dfrac{1}{2\times3}=\dfrac12-\dfrac13、… と差に分けます。

(1−12)+(12−13)+⋯+(19−110)\left(1-\dfrac12\right)+\left(\dfrac12-\dfrac13\right)+\cdots+\left(\dfrac19-\dfrac1{10}\right) で、まん中が全部消えて 1−110=9101-\dfrac{1}{10}=\dfrac{9}{10}。

答え 910\dfrac{9}{10}

中学受験

例題2(分母をかけ算に直す)

次の計算をしなさい。12+16+112+120+130+142\dfrac12+\dfrac16+\dfrac1{12}+\dfrac1{20}+\dfrac1{30}+\dfrac1{42}

解き方

分母は 2=1×22=1\times2、6=2×36=2\times3、12=3×412=3\times4、20=4×520=4\times5、30=5×630=5\times6、42=6×742=6\times7。

差に分けると (1−12)+(12−13)+⋯+(16−17)=1−17=67\left(1-\dfrac12\right)+\left(\dfrac12-\dfrac13\right)+\cdots+\left(\dfrac16-\dfrac17\right)=1-\dfrac17=\dfrac67。

答え 67\dfrac{6}{7}

中学受験

例題3(差が2)

次の計算をしなさい。11×3+13×5+15×7+⋯+119×21\dfrac{1}{1\times3}+\dfrac{1}{3\times5}+\dfrac{1}{5\times7}+\cdots+\dfrac{1}{19\times21}

解き方

かけ算の2つの数の差はどれも2なので、11×3=(1−13)÷2\dfrac{1}{1\times3}=\left(1-\dfrac13\right)\div2 のように分けます。

÷2 は最後にまとめてできるので、(1−13+13−15+⋯+119−121)÷2=(1−121)÷2=2021÷2=1021\left(1-\dfrac13+\dfrac13-\dfrac15+\cdots+\dfrac1{19}-\dfrac1{21}\right)\div2=\left(1-\dfrac1{21}\right)\div2=\dfrac{20}{21}\div2=\dfrac{10}{21}。

答え 1021\dfrac{10}{21}

3つの数のかけ算(発展)

11×2×3\dfrac{1}{1\times2\times3} のような分数は、11×2−12×3=3−11×2×3=21×2×3\dfrac{1}{1\times2}-\dfrac{1}{2\times3}=\dfrac{3-1}{1\times2\times3}=\dfrac{2}{1\times2\times3} となるので、2つずつのかけ算の差を2でわると分けられます。

中学受験

例題4(3つのかけ算)

次の計算をしなさい。11×2×3+12×3×4+13×4×5+14×5×6\dfrac{1}{1\times2\times3}+\dfrac{1}{2\times3\times4}+\dfrac{1}{3\times4\times5}+\dfrac{1}{4\times5\times6}

解き方

11×2×3=(11×2−12×3)÷2\dfrac{1}{1\times2\times3}=\left(\dfrac{1}{1\times2}-\dfrac{1}{2\times3}\right)\div2 のように分けると、まん中が消えて (11×2−15×6)÷2=(12−130)÷2=1430÷2=730\left(\dfrac{1}{1\times2}-\dfrac{1}{5\times6}\right)\div2=\left(\dfrac12-\dfrac1{30}\right)\div2=\dfrac{14}{30}\div2=\dfrac{7}{30}。

確かめ:20120+5120+2120+1120=28120=730\dfrac{20}{120}+\dfrac{5}{120}+\dfrac{2}{120}+\dfrac{1}{120}=\dfrac{28}{120}=\dfrac{7}{30}。

答え 730\dfrac{7}{30}

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

13×5\dfrac{1}{3\times5} は 13−15\dfrac13-\dfrac15 ではない。差が2なら、最後に2でわるのを忘れるな。

  • 差が2なのに÷2を忘れる:13×5\dfrac{1}{3\times5} は 13−15\dfrac13-\dfrac15 ではありません。13−15=215\dfrac13-\dfrac15=\dfrac{2}{15} なので、2でわる必要があります。
  • 最後の分数をまちがえる:19×10\dfrac{1}{9\times10} で終わるとき、残るのは −110-\dfrac1{10}(大きいほうの数)です。−19-\dfrac19 ではありません。
  • ひく順番を逆にする:小さい数の分数から大きい数の分数をひきます(12−13\dfrac12-\dfrac13)。逆だと答えがマイナスになります。

練習問題

ひらめいたうかるくん

うかるくん

まず分母をかけ算に直してみるよ!

  1. 中学受験 14×5+15×6+16×7+17×8\dfrac{1}{4\times5}+\dfrac{1}{5\times6}+\dfrac{1}{6\times7}+\dfrac{1}{7\times8} を計算しなさい。
    答えと解説を見る(14−15)+⋯+(17−18)=14−18=18\left(\dfrac14-\dfrac15\right)+\cdots+\left(\dfrac17-\dfrac18\right)=\dfrac14-\dfrac18=\dfrac18。答え 18\dfrac18
  2. 中学受験 12×4+14×6+16×8+18×10+110×12\dfrac{1}{2\times4}+\dfrac{1}{4\times6}+\dfrac{1}{6\times8}+\dfrac{1}{8\times10}+\dfrac{1}{10\times12} を計算しなさい。
    答えと解説を見る差は2なので (12−112)÷2=512÷2=524\left(\dfrac12-\dfrac1{12}\right)\div2=\dfrac{5}{12}\div2=\dfrac{5}{24}。答え 524\dfrac{5}{24}
  3. 中学受験 16+112+120+130+142+156+172\dfrac16+\dfrac1{12}+\dfrac1{20}+\dfrac1{30}+\dfrac1{42}+\dfrac1{56}+\dfrac1{72} を計算しなさい。
    答えと解説を見る分母は 2×32\times3 から 8×98\times9 まで。12−19=718\dfrac12-\dfrac19=\dfrac{7}{18}。答え 718\dfrac{7}{18}

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よくある質問

部分分数分解とは?

分母がかけ算になっている分数を、2つの分数の差に分けることです。例えば 1/(2×3)=1/2−1/3 です。

なぜ 1/2−1/3 が 1/6 になるのですか?

通分すると 3/6−2/6 で、分子が 3−2=1、分母が 2×3=6 になるからです。分母の2つの数の差が1なら、いつもこうなります。

差が2のときはどうしますか?

1/3−1/5=2/15 のように、ほしい分数の2倍になるので、最後に2でわります。差が3なら3でわります。

どんな問題で使いますか?

1/2+1/6+1/12+… のように、分母がとなりの数のかけ算になっている分数をたくさん足す計算問題で使います。

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出典・参考

    最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦