標準化とは?意味とZ=(X−m)/σの使い方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

標準化とは?意味とZ=(X−m)/σの使い方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験大学院入試

標準化とは

平均 mm、標準偏差 σ\sigma の値 XX を、Z=X−mσZ=\dfrac{X-m}{\sigma} に変えることです。ZZ は「平均から標準偏差いくつ分はなれているか」を表し、平均 0・標準偏差 1 にそろいます。正規分布の確率を、標準正規分布の表で求めるときに使います。

読み方:ひょうじゅんか/英語:standardization/習う学年:数学B(統計的な推測)

うかるくん

うかるくん

国語は 80 点、数学は 85 点。数学のほうができた、でいいんですよね?

合格先生

合格先生

平均とちらばりがちがえば、そうとは限らないよ。標準化して「平均から標準偏差いくつ分上か」でくらべよう。国語は Z=2Z=2、数学は Z=1.75Z=1.75 で、国語のほうが上なんだ。

この用語のポイント

  • 標準化は Z=X−mσZ=\dfrac{X-m}{\sigma}。平均を引いて標準偏差で割る
  • ZZ は平均 0・標準偏差 1。正規分布なら N(0, 1)N(0,\ 1) にしたがう
  • 偏差値は 50+10Z50+10Z。分散で割る・n\sqrt n の割り忘れに注意

やさしく言うと

標準化は、「平均からどれだけはなれているか」を「標準偏差いくつ分か」で表しなおすことです。値 XX から平均 mm を引き、標準偏差 σ\sigma で割って、

Z=X−mσZ=\frac{X-m}{\sigma}

とします。こうすると、どんなデータも平均 0・標準偏差 1のものさしにそろいます。

  • ちがう科目のテスト:国語 80 点と数学 85 点、どちらがよい成績でしょう。平均もちらばりもちがうので、点数のままではくらべられません。標準化すると、同じものさしでくらべられます。
  • 身長と体重:cm と kg のように単位がちがうものでも、標準化した値なら「どちらがより平均からはなれているか」をくらべられます。
  • 偏差値:模試の偏差値は、標準化した値 ZZ を「平均 50・標準偏差 10」のものさしに直したもの(50+10Z50+10Z)です。

まとめると、標準化は単位やちらばりのちがいを取りのぞいて、同じものさしにそろえることです。

国語(平均 60・標準偏差 10)6070809080 点 数学(平均 50・標準偏差 20)50709011085 点 0123 Z 国語 80 点 → Z=2 数学 85 点 → Z=1.75
国語 80 点は Z=2、数学 85 点は Z=1.75。国語のほうが平均より上にはなれている
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

点数そのものじゃなくて、「標準偏差いくつ分、上か下か」でくらべるのね!

正しい標準化・まちがった標準化

○ 正しい

  • 平均 60・標準偏差 10 で 80 点 → Z=80−6010=2Z=\dfrac{80-60}{10}=2
  • 平均 50・標準偏差 5 で 40 点 → Z=−2Z=-2(平均より下はマイナス)
  • 平均と同じ値 → Z=0Z=0
  • XX が N(m, σ2)N(m,\ \sigma^2) なら、Z=X−mσZ=\dfrac{X-m}\sigma は N(0, 1)N(0,\ 1)
  • 標本平均 X‾\overline{X} は、X‾−mσ/n\dfrac{\overline{X}-m}{\sigma/\sqrt n} と標準化する

× まちがい

  • 80−60100\dfrac{80-60}{100}(分散 100 で割っている。標準偏差 10 で割る)
  • 8010=8\dfrac{80}{10}=8(平均を引いていない)
  • 80−6010+50\dfrac{80-60}{10}+50(偏差値とまぜている)
  • N(60, 100)N(60,\ 100) で、標準偏差を 100 として割る(2 つ目は分散)
  • 標本平均を X‾−mσ\dfrac{\overline{X}-m}\sigma で標準化する(n\sqrt n で割り忘れ)

図で見る

データ全体を標準化すると、点の並び方(形)はそのままで、中心が 0、ちらばりのはばが 1にそろいます。

もとのデータ(平均 5・標準偏差 2) 12345678910-2-1012 Z = (x − 5) ÷ 2 標準化したデータ(平均 0・標準偏差 1)
標準化すると平均 0・標準偏差 1。並び方の形は変わらない

上のデータ 2, 4, 4, 4, 5, 5, 7, 9 は、平均 5、分散 9+1+1+1+0+0+4+168=4\dfrac{9+1+1+1+0+0+4+16}8=4、標準偏差 2 です。それぞれ 5 を引いて 2 で割ると、−1.5, −0.5, −0.5, −0.5, 0, 0, 1, 2-1.5,\ -0.5,\ -0.5,\ -0.5,\ 0,\ 0,\ 1,\ 2 になり、平均 0・標準偏差 1 のデータになります。

うかるくん

うかるくん

どうして「平均を引いて、標準偏差で割る」と、平均 0・標準偏差 1 になるんですか?

合格先生

合格先生

平均を引くと、全体が左にずれて中心が 0 になる。ずらしても、ちらばりは変わらない。次に標準偏差 σ\sigma で割ると、ちらばりが 1σ\dfrac1\sigma 倍になってちょうど 1 になる。式で書くと E(Z)=E(X)−mσ=0E(Z)=\dfrac{E(X)-m}\sigma=0、σ(Z)=σσ=1\sigma(Z)=\dfrac{\sigma}{\sigma}=1 だよ。

正規分布と標準化

確率変数 XX が正規分布 N(m, σ2)N(m,\ \sigma^2) にしたがうとき、標準化した Z=X−mσZ=\dfrac{X-m}\sigma は標準正規分布 N(0, 1)N(0,\ 1) にしたがいます。だから、どんな正規分布の確率も、1 つの正規分布表で求められます。

30-340-250-1600701802903 XZ X≧80 = Z≧2 Z = (X − 60) ÷ 10 で、目もりを N(0, 1) に直す
X≧80 は Z≧2 と同じ部分。目もりをつけかえるだけ

正規分布表は、「00 から zz まで」の確率 p(z)=P(0≤Z≤z)p(z)=P(0\le Z\le z) を表にしたものが、高校の教科書でよく使われます。表の形はいくつかあるので、何の確率を表しているかを必ず確かめます。

01.5 0.4332 zp(z)0.50.19151.00.34131.50.43321.960.47502.00.4772 この表は「0 から z まで」の確率 p(z)。表の形を必ず確かめる
表の 1.5 の行を読むと、P(0≦Z≦1.5)=0.4332
求めたい確率表 p(z) を使った計算
P(Z≥a)P(Z\ge a)(a>0a>0)0.5−p(a)0.5-p(a)
P(Z≤−a)P(Z\le -a)(a>0a>0)0.5−p(a)0.5-p(a)(左右対称)
P(−a≤Z≤a)P(-a\le Z\le a)2p(a)2p(a)
P(a≤Z≤b)P(a\le Z\le b)(0<a<b0<a<b)p(b)−p(a)p(b)-p(a)
P(−a≤Z≤b)P(-a\le Z\le b)(a, b>0a,\ b>0)p(a)+p(b)p(a)+p(b)

テスト・入試ではこう出る

標準化は、高校の数学B(統計的な推測)で正規分布とともに学びます。テストや大学入試では、標準化して正規分布表から確率を求める問題が中心です。二項分布を正規分布で近似する問題、標本平均の分布の問題、推定や仮説検定の問題でも、最初の一歩はいつも標準化です。

例題1(正規分布の確率)

確率変数 XX が正規分布 N(60, 102)N(60,\ 10^2) にしたがうとき、P(X≥80)P(X\ge80) を求めなさい。ただし P(0≤Z≤2)=0.4772P(0\le Z\le2)=0.4772 とします。

  1. 標準化:Z=X−6010Z=\dfrac{X-60}{10}。X=80X=80 のとき Z=80−6010=2Z=\dfrac{80-60}{10}=2。
  2. P(X≥80)=P(Z≥2)P(X\ge80)=P(Z\ge2)
  3. 標準正規分布は Z=0Z=0 について左右対称で、右半分の確率は 0.50.5。表より P(0≤Z≤2)=0.4772P(0\le Z\le2)=0.4772 なので、P(Z≥2)=0.5−0.4772=0.0228P(Z\ge2)=0.5-0.4772=0.0228。

答え 0.0228(約 2.3%)

例題2(偏差値)

あるテストで平均点が 62 点、標準偏差が 8 点でした。74 点の人の偏差値を求めなさい。

  1. 標準化:Z=74−628=128=1.5Z=\dfrac{74-62}{8}=\dfrac{12}8=1.5(平均より標準偏差 1.5 個分上)。
  2. 偏差値は、平均が 50、標準偏差が 10 になるように直した値なので、50+10Z=50+10×1.5=6550+10Z=50+10\times1.5=65。

答え 偏差値 65

偏差値は、標準化した ZZ を「平均 50・標準偏差 10」のものさしに直したもの、と考えると覚えやすいです。

机で勉強するうかるくん

うかるくん

割るのは標準偏差 σ。分散 σ² で割らないように気をつけよう!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

割るのは標準偏差 σ。分散 σ² ではない!

  • 分散で割る:N(60, 100)N(60,\ 100) の 100 は分散です。標準偏差は 100=10\sqrt{100}=10 で、Z=X−6010Z=\dfrac{X-60}{10} です。
  • 平均を引き忘れる:Xσ\dfrac X\sigma では中心が 0 になりません。まず X−mX-m を作ります。
  • 標本平均の標準偏差を σ\sigma のままにする:大きさ nn の標本平均 X‾\overline{X} の標準偏差は σn\dfrac{\sigma}{\sqrt n} です(ミニ問題3)。
  • 表の形を確かめない:「00 から zz まで」の表なのに、P(Z≤z)P(Z\le z) の値だと思って読むと、0.5 だけずれます。
  • 標準化した値の符号を落とす:平均より下の値は Z<0Z<0 です。左右対称を使うときも、符号に気をつけます。

ことばの由来

標準化は「標準(基準となる形)に化する(変える)」という意味です。ここでの標準の形は、平均 0・標準偏差 1 のことです。英語では standardization(スタンダーダイゼーション)といい、標準化した値は z スコア(z-score)とも呼ばれます。

ミニ問題

問題1 平均 50、標準偏差 5 のテストで 40 点をとりました。標準化した値 ZZ を求めましょう。

答えと解き方を見る

Z=−2Z=-2 です。40−505=−2\dfrac{40-50}5=-2。マイナスは平均より下、2 は標準偏差 2 個分はなれていることを表します。

問題2 英語は平均 55 点・標準偏差 5 点で 65 点、数学は平均 40 点・標準偏差 12 点で 70 点でした。集団の中で相対的によいのはどちらですか。

答えと解き方を見る

数学 です。英語は Z=65−555=2Z=\dfrac{65-55}5=2、数学は Z=70−4012=2.5Z=\dfrac{70-40}{12}=2.5。数学のほうが、平均から標準偏差の何個分上かが大きいので、相対的によい成績です。点数の差(英語 10 点上、数学 30 点上)だけで比べてはいけません。

問題3 平均 50、標準偏差 20 の母集団から大きさ 100 の標本をとるとき、標本平均 X‾\overline{X} が 54 以上になる確率を求めましょう(P(0≤Z≤2)=0.4772P(0\le Z\le2)=0.4772)。

答えと解き方を見る

0.0228 です。標本平均 X‾\overline{X} の標準偏差は 20100=2\dfrac{20}{\sqrt{100}}=2 です(σ\sigma のままではありません)。Z=54−502=2Z=\dfrac{54-50}2=2 なので、P(X‾≥54)=P(Z≥2)=0.5−0.4772=0.0228P(\overline{X}\ge54)=P(Z\ge2)=0.5-0.4772=0.0228。

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よくある質問

標準化とは何ですか?

値から平均を引き、標準偏差で割って、Z=(X−m)÷σ に変えることです。平均0・標準偏差1のものさしにそろいます。

標準化すると何がよいのですか?

平均やちらばり、単位のちがうデータを同じものさしでくらべられます。正規分布の確率を、1つの標準正規分布表で求められるようにもなります。

標準化した値Zの意味は?

平均から標準偏差いくつ分はなれているかを表します。Z=2なら標準偏差2個分上、Z=−1なら1個分下です。

標準化と偏差値の関係は?

偏差値は、標準化した値Zを使って 50+10Z と計算します。平均50・標準偏差10のものさしに直した値です。

N(60,100) を標準化するときは何で割りますか?

標準偏差の10で割ります。N(m,σ²) の2つ目は分散なので、その平方根が標準偏差です。

標準化は何年生で習いますか?

高校の数学Bの「統計的な推測」で、正規分布とあわせて習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学B(統計的な推測)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦