うかるくん
80点取ったのに偏差値55って、どういうことですか? 80点ってけっこう高いのに…
合格先生
偏差値は点数ではなく、受けた人の中での位置なんだ。平均点が70点で散らばりも大きければ、80点は「平均より少し上」になるんだよ。
この用語のポイント
- 偏差値=50+10×(点数−平均点)÷標準偏差
- 平均点ちょうどが50。全員の偏差値は平均50・標準偏差10になる
- 正規分布に近ければ、60以上は上位約16%、70以上は約2.3%(目安)
やさしく言うと
偏差値は、あるテストを受けた人たちの中で、自分の点数がどのあたりの位置にあるかを表す数です。平均点ちょうどの人が偏差値50になるように決めてあり、平均より上なら50より大きく、下なら50より小さくなります。身近なたとえで考えてみましょう。
- クラスの中の身長:160cm は、小学生のクラスなら背が高いほうですが、バスケットボール部の中では低いほうかもしれません。同じ 160cm でも、だれの中で比べるかで位置が変わります。
- 気温の「いつもより」:同じ 20℃ でも、真夏なら「すずしい」、真冬なら「とても暖かい」と感じます。ふだんの気温(平均)と、ふだんのばらつきとくらべて決まるからです。
- むずかしいテスト:みんなが 30点台のテストで 60点なら、とても上の位置です。みんなが 90点のテストで 60点なら、下のほうです。
点数そのものではなく「みんなの中での位置」なので、平均点が低かった難しいテストでも、平均点が高かったやさしいテストでも、同じものさしで位置を表せます。

うかるくん
前より点数は上がったのに、偏差値は下がった…。みんなもできていたのか!
求め方
自分の点数を 、受けた人全体の平均点を 、標準偏差を とすると、
です。「平均点から、標準偏差いくつ分はなれているか」を10倍して、50にたしています。
| テスト | 平均点 | 標準偏差 | 自分の点数 | 偏差値の計算 |
|---|---|---|---|---|
| A | 60点 | 10点 | 80点 | |
| B | 70点 | 20点 | 80点 | |
| C | 60点 | 10点 | 60点 | |
| D | 60点 | 10点 | 45点 |
テストBは平均点が高く、点数の散らばり(標準偏差)も大きいので、80点でも「とびぬけて上」とはいえません。偏差値は、平均と散らばりの両方を使って位置を表します。
図で見る(点数のものさし → 偏差値のものさし)
偏差値は、テストごとにちがう「点数のものさし」を、共通の「偏差値のものさし」に取りかえたものです。
テストAでは、偏差値 50 が 60点、偏差値 60 が 70点です。テストBでは、偏差値 50 が 70点、偏差値 60 が 90点です。散らばりの大きいテストほど、偏差値を上げるのに多くの点数が必要になります。
サクラちゃん
どうして「10倍して50をたす」んですか?
合格先生
「標準偏差いくつ分」のままだと、 や のように小数やマイナスになって分かりにくいからだよ。10倍して50をたすと、ふつうの人はだいたい30〜70くらいにおさまって、テストの点数のような感覚で読めるんだ。
この変換をすると、全員の偏差値の平均は必ず50、標準偏差は必ず10になります。5人の小さな例で確かめてみましょう。
偏差値と上位の割合(目安)
得点の分布が正規分布(左右対称のつりがね形)に近いときは、偏差値から上位の割合のおよその目安がわかります。
| 偏差値 | 75 | 70 | 65 | 60 | 55 | 50 | 45 | 40 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 上位の割合(目安) | 約0.6% | 約2.3% | 約6.7% | 約15.9% | 約30.9% | 50% | 約69.1% | 約84.1% |
実際のテストの分布は、きれいな正規分布になるとは限りません。この表はあくまで目安です。

合格先生
偏差値は「点数」ではなく「集団の中の位置」。だれと比べた数かが大事なんだ!
偏差値でわかること・わからないこと
○ わかること
- 同じテストを受けた人たちの中での自分の位置
- 同じ集団が受けた別の教科・別の回のテストどうしの位置の比較
- 平均より上か下か(50より大きいか小さいか)
- 平均から標準偏差いくつ分はなれているか(偏差値60なら1つ分上)
- 分布が正規分布に近いときの、上位の割合のおよその目安
× わからないこと
- 自分が何点取ったか
- 受ける人の集団がちがうテストどうしの比較(模試の会社がちがうなど)
- 分布が正規分布に近くないときの、正確な順位
- 問題の内容をどれだけ理解しているか(点数や解答を見ないと分からない)
- 受けた人数(同じ偏差値60でも、100人中と10万人中では順位の数がちがう)
- 合格するかどうか(目安にはなるが、決まるわけではない)
テスト・入試ではこう出る
高校の数学Ⅰ「データの分析」では、平均・分散・標準偏差を学びます。データの各値を の形に変えたとき、平均や標準偏差がどう変わるか(変量の変換)も、教科書や問題でよく扱われます。偏差値はその代表的な例です。数学Bの「統計的な推測」では、正規分布の標準化と結びつきます。
例題1(偏差値を求める)
平均点 58点、標準偏差 12点のテストで 76点を取りました。偏差値を求めなさい。
- 点数と平均点の差: 点。
- 標準偏差いくつ分か:。
- 10倍して50に加える:。
答え 偏差値 65
例題2(データから偏差値を求める)
5人 A〜E の点数は、45、55、60、65、75点です。平均と標準偏差を求め、それぞれの偏差値を求めなさい。
- 平均: 点。
- 平均との差(偏差):。
- 分散:。標準偏差は 点。
- 偏差値:、同じように 。
答え 偏差値は A 35、B 45、C 50、D 55、E 65(偏差値の平均は 50)
まちがえやすい点

合格先生
偏差値50は平均点ちょうど。集団がちがう偏差値は比べられないよ!
- 偏差値50を「平均よりちょっと下」と思う:偏差値50は平均点ちょうどです。正規分布に近ければ、ほぼまん中(上位約50%)にあたります。
- ちがう模試の偏差値をそのまま比べる:受ける人の集団がちがえば、同じ偏差値60でも意味がちがいます。受験生全体が受ける模試と、難関校をめざす人が多い模試では、同じ実力でも偏差値が変わります。
- 「偏差値が10上がる=点数が10点上がる」と思う:偏差値10は標準偏差1つ分です。標準偏差が20点のテストなら、20点上がってやっと偏差値10上がります。
- 0〜100の中に必ずおさまると思う:偏差値は点数の割合ではないので、とびぬけた点数なら100をこえることも、0より小さくなることも、計算上はありえます。
- 分散をそのまま使う:式で割るのは標準偏差(分散の正の平方根)です。分散 100 なら標準偏差は 10 です。
ことばの由来
偏差は「平均からのずれ」のことです。偏差値は、その偏差をもとにした値、という意味です。英語では standard score(スタンダード スコア)、平均50・標準偏差10にしたものは T-score(ティー スコア)とよばれることがあります。日本では、高校や大学の受験の目安として広く使われています。
ミニ問題
問題1 平均点 50点、標準偏差 8点のテストで 66点を取りました。偏差値はいくつですか。
答えと解き方を見る
70 です。
。平均より標準偏差 2つ分上なので、偏差値は 50 より 20 大きくなります。
問題2 平均点 65点、標準偏差 15点のテストで、偏差値 60 になるのは何点ですか。
答えと解き方を見る
80点 です。
偏差値 60 は、平均より標準偏差 1つ分上の位置です。 点。式で確かめると、 です。
問題3 テストの採点にまちがいがあり、受けた全員の点数に 10点ずつ加えることになりました。あなたの偏差値は、どうなりますか。
答えと解き方を見る
変わりません。
全員に 10点ずつ加えると、自分の点数も平均点も 10点上がります。だから「点数 − 平均点」は同じです。散らばり(標準偏差)も変わりません。偏差値は「みんなの中の位置」なので、全員が同じだけ動いても変わらないのです。
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よくある質問
偏差値の求め方は?
自分の点数から平均点を引き、標準偏差で割って10倍し、50をたします。平均点60点・標準偏差10点のテストで80点なら、50+10×20÷10=70です。
偏差値50はどれくらいの位置ですか?
平均点ちょうどの位置です。得点の分布が左右対称に近ければ、ほぼまん中にあたります。
偏差値60は上位何%ですか?
得点の分布が正規分布に近い場合の目安で、上位約16%です。実際のテストの分布によってずれます。
ちがう模試の偏差値を比べてもよいですか?
そのまま比べるのは注意が必要です。受けている人の集団がちがうと、同じ実力でも偏差値が変わるからです。
偏差値を10上げるには何点必要ですか?
そのテストの標準偏差と同じ点数です。標準偏差が15点なら、15点上げると偏差値が10上がります。
全員の点数が同じだけ上がると偏差値はどうなりますか?
変わりません。自分の点数も平均点も同じだけ上がり、散らばりも変わらないからです。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(データの分析:分散・標準偏差・変量の変換)、数学B(統計的な推測:正規分布)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


