合格大作戦 数学用語辞典 › 確率・統計
高校受験大学受験
四分位数・箱ひげ図とは
四分位数は、データを小さい順に並べて4等分する区切りの値で、小さいほうから第1四分位数・第2四分位数(中央値)・第3四分位数といいます。箱ひげ図は、最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値の5つの数を箱とひげで表した図です。
うかるくん
データが9個のとき、まん中の5番目は下半分と上半分のどっちに入れるんですか?
合格先生
教科書の方法ではどちらにも入れないんだ。残りの4個ずつで中央値を求めるよ。ただ、求め方には流儀があるから、問題文の指示も確かめよう。
この用語のポイント
- 四分位数は4等分の区切り。第2四分位数=中央値
- 教科書の方法:中央値で2つに分け、奇数個なら中央値を除いてそれぞれの中央値を求める
- 箱ひげ図は5つの数。箱の長さ=四分位範囲(人数ではない)
やさしく言うと
データを小さい順に並べて、個数がだいたい4等分になるように区切ったときの、区切りの値が四分位数です。小さいほうから第1四分位数、第2四分位数(=中央値)、第3四分位数といいます。
身近なたとえで考えてみましょう。
- 背の順:クラスの人が背の低い順に 1 列にならび、人数が同じになるように 4 つのグループに分けます。グループの境目の人の身長が、四分位数のイメージです。
- テストの点:「真ん中の半分の人は、何点から何点の間にいるか」が分かれば、点数がかたまっているか、ばらけているかが分かります。この幅が四分位範囲です。
- 通学時間:極端に遠い人が 1 人いても、四分位数はほとんど変わりません。はしの値に引っぱられにくいのが、四分位数のよいところです。
そして、最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値の5つの数を、箱と線(ひげ)で表した図が箱ひげ図です。テストの点のちらばりを、ひと目で比べられます。
四分位数の求め方(教科書の方法)
9人の小テスト(10点満点)の点数「1, 3, 4, 5, 6, 7, 7, 8, 10」で求めます。
- 小さい順に並べ、中央値を求める → 5番目の 6(第2四分位数)
- 中央値を境に、下半分と上半分に分ける。データが奇数個のときは、中央値はどちらにも入れない
- 下半分「1, 3, 4, 5」の中央値が第1四分位数 →
- 上半分「7, 7, 8, 10」の中央値が第3四分位数 →
第3四分位数から第1四分位数を引いた値を四分位範囲といいます()。まん中あたりの約半分のデータが、どれくらいの幅に散らばっているかを表します。

サクラちゃん
奇数個のときは、まん中の1個を「どっちにも入れない」のがポイント!
データが10個(偶数)のときは、中央値は 5 番目と 6 番目の平均です。そして、5個ずつの下半分・上半分に分けて、同じように求めます。
箱ひげ図のかき方と読み方
数直線の上に、第1四分位数から第3四分位数までの箱をかき、中央値の位置に縦線を引きます。箱の両はしから、最小値と最大値までひげをのばします。
| A:1, 3, 4, 5, 6, 7, 7, 8, 10 | B:2, 3, 3, 5, 6, 7, 8, 8, 9, 10 | |
|---|---|---|
| 最小値 | 1 | 2 |
| 第1四分位数 | 3.5 | 3 |
| 中央値 | 6 | 6.5 |
| 第3四分位数 | 7.5 | 8 |
| 最大値 | 10 | 10 |
| 四分位範囲 | 4 | 5 |
2 つを比べると、中央値は B のほうが少し高く、箱(四分位範囲)は B のほうが長いので、B のほうが真ん中の半分の点数がばらけていると読みとれます。
図で見る:どの区間にも約4分の1
箱ひげ図の4つの区間(ひげ・箱の左・箱の右・ひげ)には、それぞれデータの約4分の1ずつが入っています。データ A の点を、箱ひげ図の上に重ねてみましょう。
左のひげは長いのに 2 人、箱の左半分は短いのに 2 人です。区間が短いところほど、データが密集しているということです。
うかるくん
ひげが長いほうが、人がたくさんいる気がしてしまいます…
合格先生
それが一番多いかんちがいなんだ。箱ひげ図は区切りの位置をかいた図で、区間の人数はどこも約4分の1。長さが表すのは「人数」じゃなくて「散らばりの幅」だよ。
箱ひげ図でわかること・わからないこと
○ わかること
- 中央値、データの範囲(最大値−最小値)、四分位範囲
- 2つ以上のデータの散らばりの比べ方
- 「半分以上の人が6点以上」のような読みとり
- 「約4分の1の人が第1四分位数以下」のような読みとり
- 外れ値がありそうかどうか
× わからないこと
- 平均値(箱ひげ図には平均値はかかれていない)
- 山がいくつあるかなどの分布の細かい形(ヒストグラムで見る)
- 1人ひとりの点数
- 全体の人数(箱ひげ図には人数は表れない)
- ちょうど何人が○点か
平均値を×印などで箱ひげ図に書きこむこともありますが、それは追加の情報です。もとの5つの数だけからは、平均値は決まりません。
求め方には流儀がある
四分位数の求め方は、じつは1つではありません。同じデータAでも、方法によって答えが変わります。
| 方法 | 第1四分位数 | 第3四分位数 |
|---|---|---|
| 日本の中学・高校の教科書(奇数個なら中央値を除いて半分に分ける) | 3.5 | 7.5 |
| 中央値を両方の半分に入れて分ける | 4 | 7 |
| 表計算ソフトの QUARTILE.INC 関数(間をうめて計算) | 4 | 7 |
| 表計算ソフトの QUARTILE.EXC 関数 | 3.5 | 7.5 |
学校のテストや入試では、ふつう教科書の方法で求めます。問題文に求め方が書いてあれば、それにしたがいます。また、高校では「第1四分位数 − 1.5×四分位範囲」以下、または「第3四分位数 + 1.5×四分位範囲」以上の値を外れ値とする目安も学びます。
テスト・入試ではこう出る
四分位数と箱ひげ図は中学2年で習い、高校の数学Ⅰ「データの分析」でも扱います。大学入学共通テストでも、データの分析の問題で箱ひげ図がよく使われます。よく出るのは次の形です。
- データから四分位数・四分位範囲を求める(奇数個・偶数個の両方)。
- 箱ひげ図を読みとって、正しい文を選ぶ(「〜人以上いる」「〜とは言えない」)。
- ヒストグラムと箱ひげ図を対応させる。
- いくつかの箱ひげ図をくらべて、散らばりの大きさを判断する。
例題1(四分位数を求める)
11 個のデータ「2, 4, 5, 5, 6, 7, 8, 9, 9, 10, 12」の四分位数と四分位範囲を求めなさい。
- 11 個(奇数)なので、中央値は 6 番目の 7。
- 中央値を除いた下半分「2, 4, 5, 5, 6」のまん中(3 番目)は 5 → 第1四分位数。
- 上半分「8, 9, 9, 10, 12」のまん中は 9 → 第3四分位数。
- 四分位範囲は 、範囲は 。
答え 第1四分位数 5、中央値 7、第3四分位数 9、四分位範囲 4
例題2(箱ひげ図の読みとり)
30 人のテストの箱ひげ図で、中央値が 60 点でした。「60 点以上の人が 15 人以上いる」は正しいといえますか。
- 30 人を小さい順に並べると、中央値は 15 番目と 16 番目の平均です。
- それが 60 点なので、16 番目の人は 60 点以上です(15 番目 ≦ 16 番目だから)。
- 16 番目から 30 番目までの 15 人は、みな 60 点以上です。
答え 正しい。なお「平均点が 60 点」とは言えません。箱ひげ図から平均値は分からないからです。

うかるくん
読みとり問題は「何番目の人の点か」を考えると、正しいかどうか判断できるぞ!
まちがえやすい点

合格先生
奇数個なら中央値は除いて半分に分ける。これが教科書の方法だよ。
- 奇数個で中央値を半分に入れてしまう:データAで中央値6を下半分に入れると「1, 3, 4, 5, 6」の中央値で4になり、教科書の答え3.5とずれます。
- 箱が長いほど人数が多いと思う:箱の長さは散らばりの大きさ(四分位範囲)で、人数ではありません。どの区間にも約4分の1ずつ入っています。
- 小さい順に並べ忘れる:四分位数は、データを小さい順に並べてから求めます。並べないで真ん中を取ると、まちがった値になります。
- 中央値を平均値と取りちがえる:箱の中の縦線は中央値です。平均値ではありません。点数がかたよったデータでは、2 つは大きくちがうことがあります。
- 四分位範囲と範囲をまちがえる:範囲は「最大値 − 最小値」(ひげの端から端)、四分位範囲は「第3四分位数 − 第1四分位数」(箱の長さ)です。
ことばの由来
「四分位」は「4 つに分ける位置」という意味です。英語では quartile(クォータイル)で、quarter(4 分の 1)と同じなかまのことばです。箱ひげ図は英語で box plot、または box-and-whisker plot(ボックス・アンド・ウィスカー・プロット)といい、whisker は「ねこのひげ」のことです。
ミニ問題
問題1 8 個のデータ「1, 2, 4, 5, 7, 8, 9, 12」の第1四分位数・中央値・第3四分位数と、四分位範囲を求めましょう。
答えと解き方を見る
第1四分位数 3、中央値 6、第3四分位数 8.5、四分位範囲 5.5 です。8 個(偶数)なので 4 個ずつに分けます。中央値は 。下半分「1, 2, 4, 5」の中央値は 、上半分「7, 8, 9, 12」の中央値は 。四分位範囲は 。
問題2 7 個のデータ「3, 5, 6, 8, 9, 11, 14」の第1四分位数・第3四分位数と、四分位範囲を求めましょう。
答えと解き方を見る
第1四分位数 5、第3四分位数 11、四分位範囲 6 です。7 個(奇数)なので、中央値 8(4 番目)を除きます。下半分「3, 5, 6」のまん中は 5、上半分「9, 11, 14」のまん中は 11。 です。
問題3 あるデータの第1四分位数が 10、第3四分位数が 20 です。「第1四分位数 − 1.5×四分位範囲」より小さいか、「第3四分位数 + 1.5×四分位範囲」より大きい値を外れ値とするとき、38 は外れ値ですか。
答えと解き方を見る
外れ値です。四分位範囲は 、。上の目安は で、38 はこれより大きいからです(下の目安は )。外れ値の決め方は教科書や問題によって「以下・以上」とすることもあるので、問題文の決まりにしたがいます。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
四分位数の求め方は?
データを小さい順に並べて中央値を求め、中央値より下の半分の中央値を第1四分位数、上の半分の中央値を第3四分位数とします。データが奇数個のときは、中央値をどちらの半分にも入れません。
四分位範囲とは何ですか?
第3四分位数から第1四分位数を引いた値です。まん中あたりの約半分のデータの散らばりを表し、箱ひげ図の箱の長さになります。
箱ひげ図で平均値はわかりますか?
わかりません。箱ひげ図に表すのは最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値の5つで、平均値は入っていません。
データが偶数個のときの四分位数は?
中央値は真ん中の2つの平均です。データをちょうど半分ずつに分け、下半分の中央値を第1四分位数、上半分の中央値を第3四分位数とします。
箱ひげ図の箱が長いと人数が多いのですか?
いいえ。どの区間にもデータの約4分の1ずつが入っています。箱が長いのは、まん中の半分のデータが広く散らばっているという意味です。
四分位数・箱ひげ図は何年生で習いますか?
中学2年で習い、高校の数学Ⅰ「データの分析」でもくわしく扱います。
出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第2学年 D データの活用(四分位範囲と箱ひげ図)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(データの分析)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


