反復試行とは?確率の公式nCrの意味をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

反復試行とは?確率の公式nCrの意味をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

反復試行とは

同じ試行を、たがいに独立に何回もくり返すことです。1 回で事象 AA が起こる確率が pp のとき、nn 回のうち AA がちょうど rr 回起こる確率は  nCr pr(1−p)n−r\,{}_n\mathrm{C}_r\,p^r(1-p)^{n-r} です。

読み方:はんぷくしこう/英語:repeated trials/習う学年:数学A(場合の数と確率)

サクラちゃん

サクラちゃん

コインを 3 回投げて表が 2 回…。(12)3=18\left(\dfrac12\right)^3=\dfrac18 じゃないんですか?

合格先生

合格先生

18\dfrac18 は「表表裏」のような1 つの並び方の確率だよ。表表裏・表裏表・裏表表の 3 通りがあるから、3×18=383\times\dfrac18=\dfrac38。この 3 が 3C2{}_3\mathrm{C}_2 なんだ。

この用語のポイント

  • ちょうど rr 回の確率は nCr pr(1−p)n−r{}_n\mathrm{C}_r\,p^r(1-p)^{n-r}
  • nCr{}_n\mathrm{C}_r は何回目に起こるかの選び方。かけ忘れに注意
  • 毎回同じ確率で独立なときだけ使える(玉を戻さないときは×)

やさしく言うと

反復試行は、同じ試行を、たがいに影響しないように何回もくり返すことです。1 回の試行で事象 AA が起こる確率が pp のとき、nn 回のうち AA がちょうど rr 回起こる確率は、次の式で求めます。

nCr pr(1−p)n−r{}_n\mathrm{C}_r\,p^r(1-p)^{n-r}
  • フリースロー:成功率 0.70.7 の人が 5 本打つとき、ちょうど 3 本入る確率。1 本ごとの成功・失敗が、ほかの本に影響しないと考えれば反復試行です。
  • さいころ:さいころを 4 回投げて、1 の目がちょうど 2 回出る確率。さいころは前の結果をおぼえていません。
  • くじを戻して引く:くじを引いたら元に戻し、また引く。毎回、同じ条件で引けます(戻さないと反復試行になりません)。

まとめると、「何回目に起こるかの選び方」×「1 つの並び方の確率」で計算するのが反復試行です。

1回目 2回目 3回目 表表裏1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8表裏表1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8裏表表1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/8 並び方 ₃C₂=3 通り × 1 通りの確率 1/8 = 3/8
表が 2 回の並び方は 3 通り。どれも 1/8 なので 3/8
指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

並び方が何通りあるかを ₙCᵣ で数えて、1 通りの確率にかけるのね!

反復試行になるもの・ならないもの

○ 反復試行になる

  • さいころを 5 回投げて、6 の目が出る回数を数える
  • コインを 10 回投げて、表の回数を数える
  • 当たりくじを引いたら元に戻して、また引くのを 3 回
  • 成功率が毎回同じとみなせるシュートを 5 本打つ
  • A が勝つ確率がいつも 23\dfrac23 の試合を、何試合かする

× 反復試行にならない

  • 玉を取り出して戻さないのを 3 回(毎回、確率が変わる)
  • 1 回目の結果で、2 回目のさいころの種類を変える(条件が変わる)
  • さいころとコインを 1 回ずつ投げる(独立だが、同じ試行のくり返しではない)
  • 4 人が順にくじを引き、引いたくじは戻さない
  • 1 回でも負けたら終わるゲーム(回数 nn が決まっていない。別の考え方で計算する)

反復試行の条件は、(1) 毎回同じ試行(AA の起こる確率 pp が変わらない)と、(2) 各回の結果がたがいに影響しない(独立)の2つです。最後の例のように、回数がはじめに決まっていない場合も、「nn 回目に初めて負ける」などと場合分けすれば、反復試行の考え方を使えます。

図で見る

式の 3 つの部分には、それぞれ意味があります。

ₙCᵣ × pʳ × (1−p)ⁿ⁻ʳ n 回のうちどの r 回か A が r 回起こる 残り n−r 回はA が起こらない 指数の和 r + (n−r) = n は、試行の回数と同じ
ₙCᵣ は並び方、pʳ は起こる r 回、(1−p)ⁿ⁻ʳ は起こらない残りの回
うかるくん

うかるくん

(16)2(56)2\left(\dfrac16\right)^2\left(\dfrac56\right)^2 だけじゃだめなんですか? nCr{}_n\mathrm{C}_r って本当に必要?

合格先生

合格先生

(16)2(56)2\left(\dfrac16\right)^2\left(\dfrac56\right)^2 は「1 回目と 2 回目に 1 が出て、3・4 回目は出ない」1 つの並び方の確率なんだ。1 が出るのは 2・4 回目でもいいよね。そういう並び方が 4C2=6{}_4\mathrm{C}_2=6 通りあるから、6 倍するんだよ。

さいころを 4 回投げたとき、1 の目が出る回数ごとの確率を並べると、次のようになります。すべてたすと 1 になります。

625/12960 回500/12961 回150/12962 回20/12963 回1/12964 回 1 の目が出る回数(合計 1296/1296 = 1) 例題の答え
1 の目が出る回数の確率。2 回は 150/1296=25/216

このように、回数 rr ごとの確率を並べたものが二項分布です。名前のとおり、各確率は二項定理 (p+(1−p))n\left(p+(1-p)\right)^n を展開した各項になっています。だから合計はかならず 1n=11^n=1 です。

点の移動と「〜勝先取」

反復試行は、点の移動の問題でもよく使います。コインを投げて表なら +1+1、裏なら −1-1 動く点が、4 回で位置 +2+2 にいるのは「表 3 回・裏 1 回」のときです。

位置+2 01234-4-2024 投げた回数 位置(表+1・裏−1) 道は ₄C₁=4 通り → 4 × (1/2)⁴ = 1/4
位置+2 に着く道すじは、裏が何回目かで 4 通り

表を xx 回、裏を yy 回とすると、x+y=4x+y=4、x−y=2x-y=2 より x=3x=3、y=1y=1。確率は  4C3(12)4=416=14\,{}_4\mathrm{C}_3\left(\dfrac12\right)^4=\dfrac4{16}=\dfrac14 です。まず「何回ずつ起こればよいか」を連立方程式で決めるのがコツです。

「先に 3 勝したほうが優勝」のような問題では、最後の試合は優勝するほうが勝つことに注意します。最後の 1 試合を除いた部分だけが反復試行になります(例題2)。

テスト・入試ではこう出る

反復試行の確率は、高校の数学A(場合の数と確率)で、独立な試行の確率のあとに学びます。定期テストや大学入試では、「ちょうど rr 回」「rr 回以上」の確率、点の移動、〜勝先取の優勝の確率、余事象と組み合わせた「少なくとも 1 回」などがよく出ます。数学Bでは、反復試行で起こる回数の分布を二項分布として学びます。

例題1(ちょうど r 回)

1 個のさいころを 5 回投げるとき、3 の倍数の目がちょうど 2 回出る確率を求めなさい。

  1. 1 回の試行で 3 の倍数(3, 6)が出る確率は p=26=13p=\dfrac26=\dfrac13、出ない確率は 1−p=231-p=\dfrac23。
  2. 5 回のうち、3 の倍数が出る 2 回の選び方は  5C2=10\,{}_5\mathrm{C}_2=10 通り。
  3. 10×(13)2×(23)3=10×19×827=8024310\times\left(\dfrac13\right)^2\times\left(\dfrac23\right)^3=10\times\dfrac19\times\dfrac8{27}=\dfrac{80}{243}

答え 80243\dfrac{80}{243}

例題2(3 勝先取)

A と B が試合をくり返し、先に 3 勝したほうを優勝とします。1 試合で A が勝つ確率は 23\dfrac23 で、引き分けはありません。A が優勝する確率を求めなさい。

A が優勝するのは、A が 3 勝目をあげた時点です。最後の試合は必ず A の勝ちなので、それより前の試合で A が 2 勝していればよいと考えます。

  1. 3 試合で決まる:A が 3 連勝。(23)3=827\left(\dfrac23\right)^3=\dfrac8{27}
  2. 4 試合で決まる:3 試合目までに A が 2 勝 1 敗( 3C2=3\,{}_3\mathrm{C}_2=3 通り)、4 試合目に A が勝つ。3×(23)2×13×23=8273\times\left(\dfrac23\right)^2\times\dfrac13\times\dfrac23=\dfrac8{27}
  3. 5 試合で決まる:4 試合目までに A が 2 勝 2 敗( 4C2=6\,{}_4\mathrm{C}_2=6 通り)、5 試合目に A が勝つ。6×(23)2×(13)2×23=16816\times\left(\dfrac23\right)^2\times\left(\dfrac13\right)^2\times\dfrac23=\dfrac{16}{81}
  4. たして 2481+2481+1681=6481\dfrac{24}{81}+\dfrac{24}{81}+\dfrac{16}{81}=\dfrac{64}{81}

答え 6481\dfrac{64}{81}

ひらめいたうかるくん

うかるくん

C で並び方を選ぶのは、最後の試合より前だけ。最後は勝つ確率を 1 回かけるんだ!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

nCr{}_n\mathrm{C}_r(並び方の数)をかけ忘れないで!

  •  nCr\,{}_n\mathrm{C}_r をかけ忘れる:pr(1−p)n−rp^r(1-p)^{n-r} は 1 つの並び方の確率です。何回目に起こるかの選び方  nCr\,{}_n\mathrm{C}_r をかけます。
  • 指数をまちがえる:起こらない確率 1−p1-p の指数は n−rn-r(残りの回数)です。指数の和が nn になっているか確かめます。
  • 元に戻さないのに使う:玉を戻さないと、毎回の確率が変わります。反復試行の式は使えません。
  • 「〜勝先取」で最後の試合まで  nCr\,{}_n\mathrm{C}_r に入れる:5 試合目で A が優勝するのに  5C3\,{}_5\mathrm{C}_3 とすると、「4 試合目までに A が 3 勝(すでに優勝)」の場合までふくめてしまいます。正しくは  4C2\,{}_4\mathrm{C}_2 です。
  • 「以上」を 1 つの項だけで計算する:「4 回以上」は「4 回」と「5 回」の和です。項が多いときは余事象を考えます。

ことばの由来

反復は「同じことを何回もくり返す」という意味です。成功か失敗かの 2 通りの結果しかない試行を独立にくり返すことは、スイスの数学者ヤコブ・ベルヌーイの名前をとってベルヌーイ試行とも呼ばれます。ベルヌーイは、くり返しの回数をふやすと起こった割合が確率に近づくこと(大数の法則)を研究したことでも知られています。

ミニ問題

問題1 コインを 4 回投げるとき、表がちょうど 2 回出る確率を求めましょう。

答えと解き方を見る

38\dfrac38 です。 4C2(12)2(12)2=6×116=38\,{}_4\mathrm{C}_2\left(\dfrac12\right)^2\left(\dfrac12\right)^2=6\times\dfrac1{16}=\dfrac38。

問題2 さいころを 3 回投げるとき、1 の目がちょうど 1 回出る確率を求めましょう。

答えと解き方を見る

2572\dfrac{25}{72} です。 3C1×16×(56)2=3×16×2536=75216=2572\,{}_3\mathrm{C}_1\times\dfrac16\times\left(\dfrac56\right)^2=3\times\dfrac16\times\dfrac{25}{36}=\dfrac{75}{216}=\dfrac{25}{72}。 3C1=3\,{}_3\mathrm{C}_1=3 をかけ忘れると 25216\dfrac{25}{216} になってしまいます。

問題3 コインを 5 回投げるとき、表が 4 回以上出る確率を求めましょう。

答えと解き方を見る

316\dfrac3{16} です。「4 回以上」は「ちょうど 4 回」と「ちょうど 5 回」に分けてたします。 5C4(12)5+5C5(12)5=532+132=632=316\,{}_5\mathrm{C}_4\left(\dfrac12\right)^5+{}_5\mathrm{C}_5\left(\dfrac12\right)^5=\dfrac5{32}+\dfrac1{32}=\dfrac6{32}=\dfrac3{16}。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

反復試行とは何ですか?

同じ試行を、たがいに影響しないように何回もくり返すことです。さいころを何回も投げるのが代表的な例です。

反復試行の確率の公式は?

1回でAが起こる確率をpとすると、n回のうちちょうどr回起こる確率は nCr × pのr乗 × (1−p)の(n−r)乗です。

なぜnCrをかけるのですか?

n回のうちどのr回でAが起こるかの並び方が nCr 通りあり、どの並び方も確率が同じだからです。

玉を取り出して戻さないときも反復試行ですか?

ちがいます。戻さないと毎回の確率が変わり、各回が独立でなくなるので、反復試行の公式は使えません。

「3勝先取」の確率はどう考えますか?

最後の試合は優勝するほうが勝つので、その前の試合だけを反復試行として数え、最後に勝つ確率をかけます。

反復試行は何年生で習いますか?

高校の数学Aの「場合の数と確率」で習います。数学Bでは、これをもとに二項分布を学びます。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学A(場合の数と確率)・数学B(統計的な推測)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦