微分可能とは?連続との関係をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

微分可能とは

関数 f(x)f(x) の x=ax=a での微分係数 lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h\displaystyle\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h} が存在することです。グラフでいえば、その点でなめらかで、接線が 1 本に決まることです。y=∣x∣y=|x| は x=0x=0 でとがっているので、微分可能ではありません。

読み方:びぶんかのう/英語:differentiable/習う学年:数学Ⅲ(微分法)

うかるくん

うかるくん

「x=0x=0 で微分可能か調べよ」って、何を調べればいいんですか? 微分すればいいだけじゃ…?

合格先生

合格先生

傾きを求める極限が 1 つに決まるかを調べるんだ。右から近づけたときと左から近づけたときで、同じ値になればOK。∣x∣|x| の x=0x=0 のように、ちがえば微分可能ではないよ。

この用語のポイント

  • 微分可能 = lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h\displaystyle\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h} が存在する(接線が 1 本)
  • 微分可能ならば連続。逆は×(反例 ∣x∣|x| の x=0x=0)
  • 調べるときは右から・左からの両方。つなぎ目は値と傾きの両方を合わせる

やさしく言うと

関数 f(x)f(x) が x=ax=a で微分可能であるとは、その点でグラフの傾き(微分係数)が 1 つに決まることです。式で書くと、次の極限が存在することです。

f′(a)=lim⁡h→0f(a+h)−f(a)hf'(a)=\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}
  • なめらかな道とかど:カーブがなめらかな道なら、どの地点でも「今どっち向きに進んでいるか」が 1 つに決まります。でも、道がかくっと曲がるかどでは、向きが決まりません。微分可能とは、「かどがない」ことです。
  • 虫めがねで拡大する:なめらかな曲線は、1 点のまわりをどんどん拡大するとまっすぐな直線に見えてきます。その直線の傾きが微分係数です。とがった点は、いくら拡大してもとがったままです。
  • ペンの動き:ペンを紙からはなさずにかけるのが「連続」。そのうえ、とちゅうで急に向きを変えずにかけるのが「微分可能」です。
xyO 右の傾き +1 左の傾き −1 とがっている → 微分可能でない y = |x|
y=|x| は x=0 で左右の傾きがちがう。だから微分可能ではない

まとめると、微分可能とは「その点で接線が 1 本に決まる(グラフがなめらか)」ということです。

微分可能な点・そうでない点

○ 微分可能

  • f(x)=x2f(x)=x^2 のすべての点(f′(a)=2af'(a)=2a)
  • f(x)=x3f(x)=x^3 の x=0x=0(傾き 0。極値でなくても微分可能)
  • f(x)=sin⁡xf(x)=\sin x のすべての点
  • f(x)=x∣x∣f(x)=x|x| の x=0x=0(f′(0)=0f'(0)=0)
  • f(x)=∣x∣f(x)=|x| の x=1x=1(とがっていない所では微分可能)
  • つなぎ目で値も傾きも合っている関数(例題2)

× 微分可能ではない

  • f(x)=∣x∣f(x)=|x| の x=0x=0(左右の傾きが −1-1 と 11)
  • f(x)=∣x2−1∣f(x)=|x^2-1| の x=±1x=\pm1(折り返した所がとがる)
  • f(x)=x3f(x)=\sqrt[3]{x} の x=0x=0(接線が縦になり、傾きが無限大)
  • とびのある関数のとびの点(連続でさえない)
  • f(x)=xf(x)=\sqrt x の x=0x=0(右からしか近づけず、傾きも無限大)

多項式や sin⁡x\sin x、cos⁡x\cos x、指数関数は、定義域のすべての点で微分可能です。微分可能でない点が出てくるのは、おもに絶対値をふくむ関数や、場合分けでつないだ関数のつなぎ目です。

図で見る

「拡大するとまっすぐに見えるか」を図で比べてみましょう。

y = x² の (1, 1) y = |x| の (0, 0) 拡大 → ほぼ直線 拡大 → とがったまま ○の中を拡大○の中を拡大
なめらかな点は拡大すると直線に近づく。とがった点はとがったまま
サクラちゃん

サクラちゃん

∣x∣|x| のグラフはつながっているのに、どうして微分できないんですか?

合格先生

合格先生

傾きを求める式 f(h)−f(0)h\dfrac{f(h)-f(0)}{h} が、右から近づくと 1、左から近づくと −1-1 になって、1 つの値に決まらないからだよ。「つながっている(連続)」と「なめらか(微分可能)」は、別のことなんだ。

連続との関係

微分可能ならば連続です。けれども、連続でも微分可能とは限りません。

関数全体 連続(つながっている) 微分可能(なめらか) x²、x³、sin x、eˣ など (多項式はどこでも微分可能) |x| は x=0 でここ(連続だが微分不可) とびのある関数(階段の形)はいちばん外側
微分可能な関数は、連続な関数の一部

「微分可能ならば連続」は、次のように示せます。h≠0h\ne0 のとき

f(a+h)−f(a)=f(a+h)−f(a)h×hf(a+h)-f(a)=\frac{f(a+h)-f(a)}{h}\times h

と変形すると、h→0h\to0 で右辺は f′(a)×0=0f'(a)\times0=0 に近づきます。つまり f(a+h)→f(a)f(a+h)\to f(a) で、これは連続の意味そのものです。逆が成り立たない例は ∣x∣|x| の x=0x=0 です。

連続微分可能
意味グラフがつながっているグラフがなめらか(接線が 1 本)
式lim⁡x→af(x)=f(a)\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=f(a)lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h\displaystyle\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h} が存在
y=∣x∣y=|x| の x=0x=0○×
y=x2y=x^2 の x=0x=0○○
ひらめいたうかるくん

うかるくん

微分可能 → 連続 は○、連続 → 微分可能 は×。反例は |x| だね!

つなぎ目での微分可能

場合分けで定義された関数がつなぎ目で微分可能になるには、①値がつながる(連続)と②右と左の傾きが一致するの 2 つが必要です。

xyO (1, 1) y = x² y=2x−1(なめらか) y=3x−2(角ができる)
傾きが合う直線(青)はなめらかにつながる。合わない直線(赤)は角ができる

x≤1x\le1 で y=x2y=x^2 のとき、右側に直線をつなぐことを考えます。y=3x−2y=3x-2 も点 (1, 1)(1,\ 1) を通るので連続ですが、傾き 3 は y=x2y=x^2 の x=1x=1 での傾き 2 とちがうので、角ができて微分可能ではありません。傾き 2 の y=2x−1y=2x-1 なら、なめらかにつながります。

テスト・入試ではこう出る

微分可能という言葉は、高校の数学Ⅲの微分法で、微分係数・導関数の定義と一緒にきちんと学びます。よく出るのは、絶対値をふくむ関数の微分可能性を定義から調べる問題、場合分けした関数がつなぎ目で微分可能になるように定数を決める問題、そして「微分可能ならば連続、逆は成り立たない」を説明する問題です。平均値の定理など、定理の条件として「微分可能」が出てくることも多くあります。

例題1(定義から調べる)

f(x)=∣x∣f(x)=|x| は x=0x=0 で微分可能かどうか調べなさい。

  1. 右から近づける(h>0h>0):∣0+h∣−∣0∣h=hh=1\dfrac{|0+h|-|0|}{h}=\dfrac{h}{h}=1。だから右からの極限は 1。
  2. 左から近づける(h<0h<0):∣h∣=−h|h|=-h なので、−hh=−1\dfrac{-h}{h}=-1。左からの極限は −1-1。
  3. 右と左で極限がちがうので、lim⁡h→0f(h)−f(0)h\displaystyle\lim_{h\to0}\frac{f(h)-f(0)}{h} は存在しない。

答え x=0x=0 で微分可能ではない(ただし lim⁡x→0∣x∣=0=f(0)\displaystyle\lim_{x\to0}|x|=0=f(0) なので連続)

例題2(つなぎ目の条件)

f(x)={x2(x≤1)ax+b(x>1)f(x)=\begin{cases}x^2&(x\le1)\\ax+b&(x>1)\end{cases} が x=1x=1 で微分可能となるように、定数 aa、bb の値を定めなさい。

  1. 連続の条件:x=1x=1 で左右の値が一致する。左は 12=11^2=1、右から近づく値は a+ba+b。よって a+b=1a+b=1。
  2. 傾きの条件:x≤1x\le1 の部分の傾きは (x2)′=2x(x^2)'=2x で、x=1x=1 では 2。右の直線の傾きは aa。よって a=2a=2。
  3. a=2a=2 を a+b=1a+b=1 に入れて b=−1b=-1。

答え a=2a=2、b=−1b=-1(右側は y=2x−1y=2x-1。これは y=x2y=x^2 の点 (1, 1)(1,\ 1) での接線そのもの)

入試の答案では、(1) の連続の条件を先に確かめ、そのうえで右と左からの f(1+h)−f(1)h\dfrac{f(1+h)-f(1)}{h} の極限が一致する条件を、定義どおり計算して示します。

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

連続でも微分可能とは限らない! 右からと左からの両方を調べよう。

  • 連続なら微分可能と思う:∣x∣|x| の x=0x=0 のように、つながっていても微分できない点があります。成り立つのは「微分可能ならば連続」の向きだけです。
  • 片側だけ計算する:∣x∣|x| で h>0h>0 だけ考えると「傾き 1」で微分可能に見えます。右から(h>0h>0)と左から(h<0h<0)の両方を必ず調べます。
  • つなぎ目で値だけ合わせる:例題2で a+b=1a+b=1 だけにすると、y=3x−2y=3x-2 のように角ができる場合もふくんでしまいます。傾きの条件も必要です。
  • 導関数の式に代入するだけで判断する:x≠0x\ne0 で ∣x∣′=±1|x|'=\pm1 を計算しても、x=0x=0 での微分可能性はわかりません。つなぎ目は定義の式で調べます。
  • 傾き 0 は微分できないと思う:y=x3y=x^3 の x=0x=0 は傾き 0 で、ちゃんと微分可能です。微分できないのは、傾きが 1 つに決まらないときや、無限大になるときです。

ことばの意味

「微分可能」は、漢字のとおり「微分することが可能(できる)」という意味です。英語では differentiable といい、differentiate(微分する)に「〜できる」を表す -able がついた言葉です。区間のすべての点で微分可能な関数は、「その区間で微分可能」といいます。

ミニ問題

問題1 f(x)=∣x−2∣f(x)=|x-2| は x=2x=2 で微分可能ですか。

答えと解き方を見る

微分可能ではありません。f(2+h)−f(2)h=∣h∣h\dfrac{f(2+h)-f(2)}{h}=\dfrac{|h|}{h} は、h>0h>0 なら 1、h<0h<0 なら −1-1。右からと左からで近づく値がちがうので、極限がありません。グラフは y=∣x∣y=|x| を右に 2 ずらした V 字で、x=2x=2 でとがっています。

問題2 f(x)=x∣x∣f(x)=x|x| は x=0x=0 で微分可能ですか。

答えと解き方を見る

微分可能で、f′(0)=0f'(0)=0 です。f(h)−f(0)h=h∣h∣h=∣h∣\dfrac{f(h)-f(0)}{h}=\dfrac{h|h|}{h}=|h| は、hh が右からでも左からでも 0 に近づきます。∣x∣|x| をふくんでいても、微分可能なことがあります。グラフは右で y=x2y=x^2、左で y=−x2y=-x^2 になっていて、原点でなめらかにつながっています。

問題3 次の文は正しいですか。(1)「x=ax=a で微分可能ならば、x=ax=a で連続である」(2)「x=ax=a で連続ならば、x=ax=a で微分可能である」

答えと解き方を見る

(1) 正しい、(2) 正しくないです。

  1. (1):f(a+h)−f(a)=f(a+h)−f(a)h×hf(a+h)-f(a)=\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h}\times h で、h→0h\to0 のとき f′(a)×0=0f'(a)\times0=0。つまり f(a+h)→f(a)f(a+h)\to f(a) となり、連続です。
  2. (2):反例は f(x)=∣x∣f(x)=|x| の x=0x=0。連続ですが、微分可能ではありません。

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よくある質問

微分可能とは簡単にいうと何ですか?

その点でグラフの傾き(微分係数)が1つに決まることです。グラフがなめらかで、接線が1本に決まる状態です。

微分可能の定義は?

関数f(x)がx=aで微分可能とは、h を0に近づけたときの {f(a+h)−f(a)}÷h の極限が存在することです。その値を微分係数 f′(a) といいます。

|x| が x=0 で微分可能でないのはなぜですか?

右から近づくと傾きが1、左から近づくと傾きが−1になり、極限が1つに決まらないからです。グラフもとがっています。

微分可能と連続の関係は?

微分可能ならば連続です。しかし連続でも微分可能とは限りません。|x| の x=0 が代表的な反例です。

つなぎ目で微分可能になる条件は?

つなぎ目で値がつながること(連続)と、右と左の傾きが一致することの2つです。

微分可能は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅲの微分法で、微分係数や導関数の定義と一緒に習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅲ(微分法)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦