勉強が好きになる子どもの育て方|東大生が教える本の紹介と、家庭でできるやる気の引き出し方【図解】

この記事の結論

  • 子どもが勉強を好きになるかどうかは、「勉強しなさい」と命令することより、家庭の「きっかけ」と「環境」で大きく変わります。努力をほめる声かけ、親の目が届く勉強場所、早寝早起き朝ごはんの生活リズム、遊びの中の学びが土台になります。
  • 『東大生が教える! 勉強が好きになる子どもの育て方』(東大早慶ベストセラー研究会PICASO、学研パブリッシング、2013年)は、東大生に「子どもの頃、親にしてもらって感謝していること」を聞いてまとめた、保護者向けの本です。

「うちの子は、どうしたら自分から勉強するようになるのだろう」。子育て中のお父さん・お母さんなら、一度は考えることではないでしょうか。

この記事は、2013年に保護者向けのお勧め書籍として、東京大学(東大)の学生へのインタビューをもとにした本を紹介した記事でした。2026年10月に、家庭でできるやる気の引き出し方を図解で足して書き直しました。ここに書くコツは、特定の家庭のやり方ではなく、多くの家庭で試せる一般的な考え方です。お子さんの性格や学年に合わせて、できそうなものから取り入れてください。

お勧めの本

東大生が教える 勉強が好きになる子どもの育て方|どんな本?

本の基本情報

正式な書名は『東大生が教える! 勉強が好きになる子どもの育て方 : やる気を引き出す親のヒケツ50』です。国立国会図書館の書誌情報では、著者は東大早慶ベストセラー研究会PICASO、出版社は学研パブリッシング、発行は2013年です。

⇒東大生が教える! 勉強が好きになる子どもの育て方: やる気を引き出す親のヒケツ50(Amazon で探す)

出版社による本の説明(2013年の元の記事から)

保護者向けのお勧め書籍です。

圧倒的な学力で受験戦争を勝ち抜いた、東大生をインタビュー。子どもの頃、親にしてもらい感謝していることを聞く。どんな親でも簡単に実践できる、子どものやる気を引き出し、学力がアップするヒケツとは? 東大生を育てた親の「ひみつの教育方針」に迫る!

どういった家庭環境で育った子どもが東大に合格しているのか?

東大合格を目指す人はもちろん、賢い子どもを育てたい!

子育てに悩むパパさん、ママさんにお勧めの書籍です。

子育て

この本のよいところ

子育ての本には、教育の専門家や、子どもを有名大学に合格させた親が書いたものが多くあります。この本は、育てられた側の東大生に「親にしてもらってよかったこと」を聞いている点が特ちょうです。親の目線ではなく子どもの目線なので、「親はがんばったつもりでも、子どもはこう感じていた」という見方ができます。

また、題に「ヒケツ50」とあるように、ひとつひとつが短くまとまっています。全部をまねする必要はありません。自分の家でもできそうなものを1つか2つ選んで、まず1か月続けてみる。子育ての本は、そうやって使うと役に立ちます。

合格大作戦では、同じころに保護者向けの本をほかにも紹介しました。「学力は家庭で伸びる―今すぐ親ができること41」「「勉強しなさい!」と言わずに、わが子を東大生・京大生にするには?」「賢い子どもを育てるお勧め書籍3冊」もあわせてどうぞ。

「勉強しなさい」と言わない? 子どものやる気の正体

「勉強しなさい」は、親がいちばん言いがちで、いちばん効きにくい言葉かもしれません。言われてしぶしぶ机に向かう勉強は、言われないとやらない勉強になりがちです。しかも、何度も言われるうちに「勉強=いやなこと」という気持ちが強くなってしまいます。

反対に、「なんでだろう?」「もっと知りたい!」と思って始めた勉強は、だれに言われなくても続きます。東大生・京大生に子どもの頃の話を聞くと、「親に勉強しろと言われた記憶があまりない」と話す人は少なくありません(もちろん家庭によってちがいます)。

「やらされる勉強」と「やりたくなる勉強」 やらされる勉強 やりたくなる勉強 勉強しなさい! おうちの人 いやだな… 言われないとやらない 言われるほど、いやになる ふしぎ図鑑 なんで? もっと知りたい! 言われなくても続く 親は「きっかけ」と「環境」係
図1 親の役目は「やらせる」ことより、子どもが「やりたくなる」きっかけと環境をつくること

やる気には、大きく分けて2つあると言われます。ごほうびや叱られないためにがんばる外からのやる気と、おもしろいから・知りたいからがんばる内からのやる気です。小さいうちは、ごほうびのシールやほめ言葉も立派なきっかけになります。ただ、長く続くのは内からのやる気です。親ができるのは、外からのきっかけを入口にして、だんだん内からのやる気に育てていくことです。

人差し指を立てて説明する合格先生

合格先生

受験生でも同じだよ。「やらされる勉強」より「自分で決めた勉強」のほうが、ずっと身につく。親が決めるのは「勉強の時間と場所」まで。何から・どう勉強するかは、少しずつ子どもに任せていこう。

子どものやる気を引き出す 親の声かけ

同じ「勉強してほしい」という気持ちでも、言い方を少し変えるだけで、子どもの受け取り方は大きく変わります。

同じ気持ちでも、言い方を変えるだけ 言いがち(×) こう言いかえる(○) 早く勉強しなさい! 今日はどこからやる? ポイント:自分で決めさせる100点?頭がいいね 毎日練習したからだね ポイント:努力・工夫をほめるなんでできないの? どこまでわかった? ポイント:わかった所から聞くテレビ消して勉強! 7時になったら始めよう ポイント:時間を約束する
図2 声かけの言いかえの例。命令より質問、結果より過程をほめる

命令より「質問」で、自分で決めさせる

「早く勉強しなさい」と言うかわりに、「今日はどこからやる?」「何時から始める?」と聞いてみましょう。答えるのは子どもなので、自分で決めたことになります。人は、自分で決めたことのほうが守ろうとします。

「頭がいいね」より「がんばったね」

テストでよい点を取ったとき、つい「頭がいいね」と言いたくなります。けれども、生まれつきの頭のよさをほめられ続けると、失敗して「頭が悪い」と思われるのがこわくなり、むずかしい問題をさけるようになることがある、という研究があります。アメリカの心理学者キャロル・ドゥエック(スタンフォード大学)の、ほめ方と「やればできる」という考え方(マインドセット)の研究がよく知られています。

ほめるなら、「毎日練習したからだね」「この式の書き方がていねいになったね」のように、努力・工夫・やり方をほめるのがおすすめです。これなら、次も同じようにがんばればよいことが子どもに伝わります。

できなかったときは「どこまでわかった?」

まちがえたときに「なんでできないの?」と言われても、子どもは答えようがありません。「どこまでわかった?」と聞けば、わかっている所を確かめてから、わからない所に進めます。まちがいは、どこでつまずいたかを教えてくれる大事な手がかりです。

テレビ・ゲームは「時間の約束」で

テレビやゲームをずっと禁止にすると、かえって気になって勉強が手につかないこともあります。「7時になったら始めよう」「宿題が終わったら30分」のように、時間の約束にするのが現実的です。

うかるくん

うかるくん

先生、ぼくも親に「勉強しなさい」って言われると、やる気がなくなっちゃうんです……。

合格先生

合格先生

その気持ちはわかるよ。でも、親も心配だから言うんだ。先に「今日は○時から、これをやる」と自分から伝えておくと、言われる回数はぐっと減るよ。

うかるくん

うかるくん

自分から先に言っちゃえばいいんですね! 計画を立てて、親に見せてみます。

勉強が好きになる 家庭の環境づくり(リビング学習)

小学生のうちは、子ども部屋の机より、親の目が届くリビングやダイニングのテーブルで勉強する家庭が多くあります。わからないときにすぐ聞ける、親が見てくれている安心感がある、などがよい点です。

勉強が好きになるリビングの例 OFF 図鑑・辞書は手の届く所に 地図をはる 時間が見える 親の目が届くテーブルで 親も読書・家事スマホは置く テレビ・ゲームは勉強の時間だけ消す(ずっと禁止にしなくてよい)
図3 勉強が好きになるリビングの例。本・地図・時計を身近に置き、勉強中は画面を消す

図鑑・辞書・地図を「手の届く所」に

テレビで見た動物や国の名前が気になったとき、すぐに図鑑や地図で調べられると、「知りたい」がそのまま学びになります。本棚は子どもの手が届く高さに。壁に日本地図や世界地図をはっておくだけでも、ニュースや旅行の話が地理や歴史につながります。

時計で「時間が見える」ように

アナログ時計は、「あと何分」を目で見てわかるので、時間の感覚が育ちます。時刻と時間の計算は算数でも学ぶので、生活の中で「あと15分で始めようね」と使うと、よい練習になります。

親も「学ぶ姿」を見せる

子どもが勉強している横で、親がスマホばかり見ていると、子どもは「大人は勉強しなくていいのに」と感じてしまいます。親が本を読む・新聞を読む・家計簿をつけるなど、何かに取り組む姿を見せるのも、立派な環境づくりです。

受験生になってからの勉強場所やノートの使い方は、「東大合格生のノートはかならず美しい」や「現役東大生がこっそりやっている、すごい! 勉強のやり方」でも紹介しています。

早寝早起き朝ごはん|生活リズムと学力

勉強のやる気は、実は生活のリズムとも深くかかわっています。眠い・おなかがすいている状態では、だれでも集中できません。

「早寝早起き朝ごはん」国民運動という取り組みがあります。平成18(2006)年に発足した「早寝早起き朝ごはん」全国協議会が、文部科学省と連携して進めている運動です。

「早寝早起き朝ごはん」で1日のリズムを(小学生の一例) 起きる6:30朝ごはん7:00遊ぶ16:00宿題17:30読書20:00寝る21:00 朝ごはんを毎日食べる小・中学生と全く食べない小・中学生では 各教科の平均正答率に15ポイント前後の差(農林水産省の紹介より)
図4 1日のリズムの一例(時刻は家庭や学年に合わせて決めてよい)。朝ごはんと正答率の関係は、農林水産省が全国学力・学習状況調査をもとに紹介

農林水産省は、文部科学省「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果をもとに、朝ごはんを毎日食べている小・中学生と、全く食べていない小・中学生の間には、各教科の平均正答率の差が15ポイント前後あると紹介しています。

ただし、これは「朝ごはんを食べれば点数が15点上がる」という意味ではありません。朝ごはんを毎日食べる家庭は、寝る時間・起きる時間も規則正しいなど、生活全体が整っていることが多いと考えられます。大事なのは、朝ごはんだけでなく、毎日だいたい同じ時刻に寝て、起きて、勉強するリズムをつくることです。勉強の時間を「毎日この時刻」と決めておくと、歯みがきと同じように習慣になります。

算数・国語が好きになる 家庭の遊び

「勉強」と言わなくても、家の遊びの中には教科の入口がたくさんあります。遊びで「おもしろい」と感じたことは、教科書で出会ったときに「知ってる!」に変わります。この「知ってる!」が、勉強を好きになる大きなきっかけです。

家の遊びが、教科の「好き」の入口になる 7トランプ・計算遊びかけ算・暗算あカルタ・百人一首古文・和歌地図・旅行地理・歴史料理・おやつ作り分数・単位図鑑・虫とり理科しりとり・日記国語・漢字
図5 家の遊びが教科の勉強につながる例

計算遊び:かけ算・暗算

トランプの数字を足したりかけたりする遊びは、計算の練習になります。たとえば12×16のような11〜19どうしのかけ算は、合格大作戦で紹介している「くれない算(紅算)のやり方」を使うと頭の中でできます。親子でタイムを競うと盛り上がります。ほかの方法は「インド式かけ算のやり方一覧」にまとめています。

図形パズル:ひらめきの楽しさ

補助線を1本引くだけで解ける図形の問題は、「わかった!」の気持ちよさを味わうのにぴったりです。「補助線引けば秒殺!正六角形と台形の面積問題」は小学生でも解けます。夏休みなどにまとめて練習するなら「小学生にお勧めの算数ドリル」もどうぞ。

カルタ・百人一首:古文の入口

お正月の百人一首カルタは、意味がわからなくても、音のリズムで歌を覚えられます。高校で古文を習うとき、知っている歌があるだけで、ぐっと親しみがわきます。歌の意味や作者は「百人一首 全百首の意味と解説」で調べられます。

しりとり・日記:国語と漢字

しりとりは言葉を増やす遊び、日記は文を書く練習です。書けない漢字が出てきたら、いっしょに「漢字合格大作戦」で調べてみましょう。

料理・地図・図鑑:算数・社会・理科

料理では「半分」「4分の1」「100グラム」など、分数や単位を自然に使います。家族旅行の前に地図で行き先を調べれば地理に、虫とりや植物観察を図鑑で調べれば理科につながります。季節の言葉に興味が出てきたら「二十四節気」も楽しめます。

学年別|親のかかわり方の変え方

親のかかわり方は、学年が上がるにつれて「いっしょにやる」から「見守る」へ少しずつ変えていくのが一般的です。いつまでも横について教えていると、子どもが自分で考える力が育ちにくくなります。

学年が上がるほど「いっしょに」から「見守る」へ いっしょにとなりに座る小学1〜3年見守る終わったら見る小学4〜6年相談相手聞かれたら答える中学生応援団生活を支える高校生 親が手を出す部分 子どもが自分で決める部分
図6 学年が上がるほど、親が手を出す部分は小さく、子どもが自分で決める部分は大きく

小学1〜3年:いっしょに

宿題はとなりに座っていっしょに。音読を聞いてあげる、計算カードをめくってあげるなど、勉強の時間を親子の楽しい時間にするのが目標です。

小学4〜6年:見守る

算数で分数や割合など、つまずきやすい単元が増える時期です。宿題は自分でやらせて、終わったら見てあげる形に。まちがいを見つけても、すぐに答えを教えず「どこまでわかった?」と聞きましょう。

中学生:相談相手

定期テストや部活動で忙しくなります。勉強の中身に口を出すより、聞かれたら答える相談相手に。テストの計画を自分で立てさせ、結果より計画どおりにできたかを話題にします。

高校生:応援団

大学受験は、本人が志望校を決め、本人が勉強するものです。親の役目は、食事や睡眠などの生活を支えることと、模試の結果が悪かったときに責めずに話を聞くことです。受験の全体像は「東大合格大作戦(東大受験の入口)」や「京大合格作戦の立て方」にまとめています。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

小さいころ、母がいっしょに図鑑を見てくれたのを覚えています。「勉強しなさい」より、「これ何だろうね?」のほうが、今でもずっと心に残っています!

サクラちゃん

サクラちゃん

先生、高校生になった今、親にはどうしてもらうのがいちばん助かりますか?

合格先生

合格先生

受験生からよく聞くのは、「成績のことを毎日聞かれないのが助かる」「ごはんと睡眠の時間を守ってくれるのがありがたい」という声だね。困ったときに話を聞いてもらえる安心感が、いちばんの応援なんだ。

サクラちゃん

サクラちゃん

じゃあ、模試の結果は自分から話すようにします。そのほうが親も安心ですよね!

東大生・京大生の勉強法を親子で読む

子どもが中学生・高校生になったら、東大生・京大生の勉強法の本や記事を親子で読んでみるのもおすすめです。親が「こうしなさい」と言うより、実際に合格した人のやり方のほうが、子どもは素直に受け取れることがあります。

勉強の進め方や子育ての中での受験の悩みは、「受験の質問・相談」からも受け付けています。

東大受験の情報交換は、受験掲示板「100点BBS」の「東京大学の掲示板」へ。

よくある質問

『東大生が教える! 勉強が好きになる子どもの育て方』はどんな本ですか?

東大生に、子どもの頃に親にしてもらって感謝していることを聞き、やる気を引き出す親のヒケツ50としてまとめた保護者向けの本です。東大早慶ベストセラー研究会PICASO著、学研パブリッシング、2013年7月発行です。

子どもに「勉強しなさい」と言わないほうがいいですか?

言ってはいけないわけではありませんが、命令が続くと勉強がいやなことになりがちです。「今日はどこからやる?」と質問して、子どもに決めさせるほうが続きやすくなります。

子どものほめ方で気をつけることは?

「頭がいいね」より「毎日練習したからだね」のように、努力・工夫・やり方をほめるのがおすすめです。次も同じようにがんばればよいことが伝わります。

朝ごはんと学力は関係がありますか?

農林水産省は、全国学力・学習状況調査をもとに、朝食を毎日食べる小・中学生と全く食べない小・中学生で各教科の平均正答率に15ポイント前後の差があると紹介しています。生活リズム全体が関係していると考えられます。

リビング学習は何年生まで続ければいいですか?

決まりはありません。小学生のうちはリビングで見守り、中学生以降は本人が集中しやすい場所を選ばせるなど、学年と性格に合わせて変えていけば大丈夫です。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 国立国会図書館サーチ「東大生が教える!勉強が好きになる子どもの育て方 : やる気を引き出す親のヒケツ50」(東大早慶ベストセラー研究会PICASO、学研パブリッシング、2013年7月、ISBN 978-4-05-800113-4)
  • 農林水産省「朝食を毎日食べるとどんないいことがあるの?」(全国学力・学習状況調査をもとにした紹介)
  • 農林水産省「令和6年度 食育白書」(「早寝早起き朝ごはん」全国協議会の発足と文部科学省との連携)
  • 写真:合格大作戦(2013年の元の記事のもの)

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦

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