この記事の結論

  • 『下流大学が日本を滅ぼす!』は、マーケティング・アナリストの三浦展(みうら・あつし)さんが2008年8月に出した新書(ベスト新書)です。学生の「お客様」化などをあげて大学のあり方を批判する、いわば「下流社会」論の大学版です。
  • 受験生が大学選びに使うなら、批判の本よりも大学の公式の情報(募集要項・教育情報・進路)と公的な統計が確かです。私立大学の定員割れは2026年度で275校・46.2%(日本私立学校振興・共済事業団)。ニュースは見出しでなく、範囲・続いた年数・公式の発表で読みましょう。

このページは、2008年10月に書いた本の紹介記事です。もとの記事の文章(カズさんの感想)はそのまま残し、本の情報を確かめ直しました。そのうえで、受験生が本当に知りたい「大学選びで何を見ればいいか」「定員割れ・募集停止のニュースをどう読むか」「大学の情報をどう集めるか」を図にして足しています。

下流大学が日本を滅ぼす|2008年のもとの記事

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下流大学が日本を滅ぼす。大学選びの参考になる書籍をいくつか紹介してきたが、最近見つけた衝撃的な題名の本『下流大学が日本を滅ぼす』

題名に衝撃を受けて読んでみたが、下流社会論の大学版といった感じ。

内容に共感を受けることは無かった。逆説的にモチベーションをあげるためや、活字に親しむために読む分には結構だが時間に限りのある受験生にはあまりお勧めしない。

『下流大学が日本を滅ぼす』を読むのなら『消える大学残る大学』を大学選びの情報本として手元においておく方が良いだろう。

(ここまでが2008年10月のもとの記事です。)

2008年に出た「大学」の本 2冊 下流大学が日本を滅ぼす! 消える大学残る大学 三浦展・2008年8月 諸星裕・2008年7月 学生・若者の側から 大学を批判する 大学の経営と 選び方から見る 受験生の手元にはこちら 読むなら息ぬきに
図1:2008年に出た2冊。もとの記事では、受験生が手元に置くなら『消える大学 残る大学』としています

もとの記事のポイント

もとの記事の言いたいことは、3つにまとめられます。

  • 題名は衝撃的だが、中身は「下流社会論の大学版」。
  • 内容には共感しなかった。時間に限りのある受験生には、あまりすすめない。ただし、逆にやる気を出すためや、活字に慣れるために読むならよい。
  • 読むなら、大学選びの情報の本として『消える大学 残る大学』を手元に置くほうがよい。

このあと、2冊の本の中身を確かめた範囲で短く紹介し、「受験生がいま使える大学選びの方法」に話を広げます。受験の計画全体の立て方は 京大合格作戦の立て方 や 東大合格大作戦(東大の入試の仕組み) にもまとめています。

『下流大学が日本を滅ぼす!』とは|著者・出版社・内容

項目内容
書名下流大学が日本を滅ぼす!―ひよわな“お客様”世代の増殖
著者三浦展(みうら・あつし)
出版社ベストセラーズ(ベスト新書)
発売2008年8月
AmazonAmazon で見る

著者の三浦展さんは、2005年のベストセラー『下流社会』(光文社新書)で知られる書き手です。「下流」という言葉を使って社会の変化を論じる本を多く書いています。この本は、その見方を大学と若者に向けたものです。もとの記事が「下流社会論の大学版」と書いたのは、このためです。

本の中身(目次の要点)

書店の書誌にある内容紹介と目次から、要点を言いかえて並べます(本文の引用ではありません)。

  • 学力の低い学生を大学が大量に送り出している、という問題意識。
  • 学生が「お客様」のようになっていることや、いわゆるモンスター・ペアレンツの問題。
  • 社会で通用しにくい若者・新入社員のようす。
  • 家計を圧迫する教育費(本の言葉では「大学貧乏」)。
  • 最後に、オンライン大学などを使った教育制度の改革を提言。

つまり、この本の主役は「大学の外から見た若者・学生」です。どの大学がどんな教育をしているか、どう選べばいいか、という受験生向けの情報は中心ではありません。もとの記事が「時間に限りのある受験生にはあまりお勧めしない」と書いたのは、この点が大きいと読めます。

それでも読むなら|受験生の使い方

もとの記事は「逆説的にモチベーションをあげるため」「活字に親しむため」なら読んでもよい、としています。受験生が読むなら、次のように使うと時間をむだにしません。

  • 長い休みに1回だけ読む。毎日の勉強時間はけずらない。
  • 「自分はどんな大学生になりたいか」を1行メモする。反面教師としてやる気につなげる。
  • 小論文・面接の練習として、「この本の主張に賛成か反対か、理由を2つ」を200字で書いてみる。

新書1冊を読み切ると、長い文章を追う力の練習にもなります。読書と勉強の両立の考え方は 課題図書と読書感想文の書き方 、考える力を鍛える本は 地頭を鍛える本 おすすめ4冊 も参考になります。

「お客様」にならない大学生活とは

本の副題にある「お客様」という言葉は、受験生にも考えるきっかけになります。高校までは、時間割も教科書も学校が用意してくれます。大学では、どの授業をとるか、何を研究するかを自分で決める場面がぐっと増えます。

  • 授業は「受けるもの」より「使うもの」。わからない所は自分から質問に行く。
  • 図書館・研究室・留学の制度など、大学にあるしくみを自分から使う。
  • 4年間で身につけたいことを、入学前に1行で書いておく。

この姿勢は、受験勉強のうちから練習できます。先生に言われた宿題だけでなく、自分で計画を立て、自分で弱点を見つけて直す。独学で大学受験に合格する勉強法 にある「自分で進める力」は、そのまま大学での学び方につながります。

『消える大学 残る大学』とは|大学選びの情報本

項目内容
書名消える大学 残る大学―全入時代の生き残り戦略
著者諸星裕(もろほし・ゆたか)
出版社集英社
発売2008年7月
AmazonAmazon で見る

著者の諸星裕さんは、発売当時、桜美林大学の教授で、大学の運営(大学アドミニストレーション)を教えていました。アメリカの大学で教授を務めた経験もある、日米の高等教育の運営にくわしい専門家です。

本の中身(目次の要点)

  • 消える大学と残る大学の今のようす。
  • 受験生に選ばれる大学の条件=その大学の役割(ミッション)は何か。
  • 自分に合う大学をどう見つけるか(AO入試を正しく理解する)。
  • 学生に合った授業、学部の壁、教員の教える力。
  • GPA(成績の平均点)など、大学に共通の仕組みを入れること。
  • 大学は学生のためにある(単位ごとの授業料・社会人入学など)。

第3章が「自分に合う大学の見つけ方」になっているように、受験生の立場で読める章があります。もとの記事が「大学選びの情報本として手元に」とすすめたのは、この本が大学を選ぶ側の目を育ててくれるからです。なお、AO入試は今は「総合型選抜」という名前に変わっています(2021年度入試から)。

人差し指を立てて説明する合格先生

合格先生

2冊とも2008年の本だから、数字や制度は今と違うところがある。本からは「大学を見る目」を学んで、数字は最新の公式の資料で確かめよう。

大学の定員割れとは|私立大学の46.2%(2026年度)

「下流大学」や「消える大学」という言葉の背景にあるのが、定員割れです。定員割れとは、入学した人の数が、大学が決めた入学定員より少ないことをいいます。

入学定員充足率の計算

定員割れかどうかは入学定員充足率(じゅうそくりつ)で見ます。計算は「入学者数 ÷ 入学定員」です。日本私立学校振興・共済事業団の調べでは、定員に対して1名でも足りなければ「未充足校」として数えています。

入学定員充足率 = 入学者数 ÷ 入学定員 定員20人に20人入学 100%定員どおり 定員20人に19人入学 95%定員割れ 1人でも足りなければ「定員割れ(未充足)」 2026年度 私立大学全体の充足率は 102.74%
図2:入学定員充足率の考え方。定員より1人でも少なければ「定員割れ」と数える

ここで大事なのは、「定員割れ」という言葉は99%でも50%でも同じ1校として数えられることです。ニュースで「〇割の大学が定員割れ」と聞いても、その中には少しだけ足りない大学と、大きく足りない大学がまじっています。

定員割れの私立大学の割合の推移

日本私立学校振興・共済事業団の『私立大学・短期大学等入学志願動向』(毎年夏に公表)から、入学定員充足率が100%未満の私立大学の割合を並べました。

定員割れの私立大学の割合(%) 50%3.9198919.8199927.8200040.2200647.1200845.8201231.0202059.2202453.2202546.22026本が出た年最新 年度は入学した年。1人でも足りなければ「定員割れ」と数える
図3:定員割れの私立大学の割合。出典:日本私立学校振興・共済事業団『令和8(2026)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向』の推移表
年度集計した私立大学定員割れの大学割合
1989年度(平成元年度)358校14校3.9%
2008年度(本が出た年)565校266校47.1%
2024年度598校354校59.2%
2025年度594校316校53.2%
2026年度(最新)595校275校46.2%

本が出た2008年度は、定員割れの私立大学がすでに半分近く(47.1%)ありました。その後いったん下がり、2024年度には59.2%まで上がりました。最新の2026年度は275校・46.2%で、前の年より41校減っています。私立大学全体の入学定員充足率は102.74%でした。

大学の数は、文部科学省の学校基本調査(2025年度)で812校(国立85校・公立103校・私立624校)です。私立大学が全体の4分の3以上をしめるので、定員割れのニュースは主に私立大学の話になります。

定員割れ=悪い大学、ではない

定員割れの数字は、大学の経営を考えるうえで大事な目安です。けれども、定員割れだからその大学の教育が悪い、とは決めつけられません。地域の18歳の人数、新しくできた学部、入試の日程など、理由はいろいろです。逆に、定員を大きくこえて入学させている大学が、学生にとって必ずよいとも限りません。

受験生として見るべきなのは「定員割れかどうか」の1点より、その大学で何が学べて、卒業生がどこへ進んでいるかです。この2つは、このあと説明する公式の情報で確かめられます。

うかるくん

うかるくん

先生、ニュースで「私立大学の半分が定員割れ」って聞いて、志望校がつぶれたらどうしようって不安になりました……。

合格先生

合格先生

定員割れは「定員より1人でも少ない」大学をみんな数えた数字なんだ。99%の大学も入っている。まず志望校の入学者数と定員を、大学の公式の数字で見てごらん。

うかるくん

うかるくん

1人足りないのと半分しかいないのとでは、ぜんぜん違いますね。

合格先生

合格先生

そう。数字は中身まで見る。それが「大学を見る目」の第一歩だよ。

募集停止のニュースの読み方|4つのチェック

「〇〇大学が学生の募集を停止」というニュースも、ときどき見かけます。募集停止とは、その年から新しい学生を受け入れるのをやめることです。大学全体のこともあれば、一部の学部・学科だけのこともあります。見出しだけであわてず、次の4つを確かめましょう。

「定員割れ」「募集停止」のニュースの読み方 ニュースを見た! ① どの範囲?大学全体か、一部の学部か ② どのくらい続く?1年だけか、何年もか ③ 公式の発表を読む大学のお知らせを確かめる ④ 在学生はどうなる?卒業までの扱いを見る 自分の志望に関係ある?見出しだけで決めない 見出しの言葉 → 中身の数字 → 公式の発表 の順に読むとあわてずにすむ
図4:定員割れ・募集停止のニュースは、範囲・続いた年数・公式の発表・在学生の扱いの順に読む
  1. どの範囲か:大学全体か、一部の学部・学科か。学部の再編(名前を変えて新しい学部にまとめる)のために古い学部の募集を止めることもあります。
  2. どのくらい続いているか:定員割れが1年だけか、何年も続いているか。入試結果の推移(志願者数・合格者数・入学者数)を数年分ならべると見えてきます。
  3. 大学の公式の発表を読む:ニュースの要約ではなく、大学のホームページの「お知らせ」を読みます。理由と、これからの予定が書かれています。
  4. 在学生の扱い:今いる学生が卒業までどう学べるか、大学の発表で確かめます。

志望校のことでなければ、必要以上に心配しなくてかまいません。気になる大学なら、上の4つをメモにして、出願の前にもう一度見直します。出願の時期と流れは 国公立大学の出願期間とインターネット出願の流れ にまとめています。

大学選びで見るべきこと|6つの視点

では、受験生は大学の何を見て選べばよいのでしょうか。名前のイメージやうわさより、次の6つを公式の情報で確かめるのが基本です。

大学選びで見る6つのこと 学べることカリキュラム入試科目・配点・日程卒業後の進路就職・進学学費・奨学金4年間の合計キャンパス通学・環境入試結果の推移志願者・合格者 名前・うわさより、公式の数字と自分の目で
図5:大学選びで見る6つのこと。どれも大学の公式の情報で確かめられる
視点見るものどこで確かめる
学べること学部・学科のカリキュラム、ゼミ、資格大学の公式サイト・パンフレット
入試科目・配点・日程・募集人員募集要項・入学者選抜要項
卒業後の進路就職先・大学院への進学大学の進路の公表・大学ポートレート
学費・奨学金4年間(6年間)の合計、奨学金・減免大学の公式サイト
キャンパス通学時間、学年ごとのキャンパスオープンキャンパス・公式サイト
入試結果の推移志願者数・合格者数・入学者数大学の入試結果の公表

学べること|学部の名前より中身

同じ「経済学部」でも、数学を多く使う大学もあれば、地域の課題を学ぶ授業が多い大学もあります。学部の名前だけでなく、1年生で何を学び、何年生でゼミに入るかを見ると、大学ごとの違いがよくわかります。文系・理系で迷っている人は 文系・理系の選び方 から読んでください。

入試|科目と配点で向き不向きが決まる

入試の科目と配点は、大学・学部ごとに大きく違います。得意科目の配点が高い大学は、それだけで有利になります。京大の例では 京大の学部別の配点 を見ると、学部ごとに数学や英語の重さが違うことがわかります。配点から目標点を作る方法は 京大合格の戦略(ストラテジー)の立て方 にあります。

卒業後の進路|学生がどこへ行っているか

大学選びでいちばん見落とされやすいのが学生の進路です。大学は、学校教育法施行規則(第172条の2)にもとづいて、卒業者数や進学者・就職者の数などの教育情報を公表することになっています(2011年度から)。大学の公式サイトの「教育情報の公表」「情報公開」のページを見ると、就職先や大学院への進学の数がのっています。

見るときは「就職率〇%」の1つの数字だけでなく、どんな仕事・業界に、何人進んでいるかを見ます。自分のなりたい仕事に近い先輩がいるかどうかが、大学選びの大きなヒントになります。

学費・奨学金|4年間の合計で考える

もとの本が「大学貧乏」という言葉で取り上げたように、学費は家計にとって大きな負担です。大学を比べるときは、1年目の金額だけでなく4年間(医・歯・薬学部などは6年間)の合計で考えます。奨学金や授業料の減免の制度も、大学の公式サイトで確かめましょう。家庭での話し合いの進め方は 学力は家庭で伸びる(陰山英男さんの本の紹介) や 賢い子どもを育てる本 おすすめ3冊 も参考になります。

大学の情報の集め方|公式→比べる→見る→聞く

大学の情報は、確かなものから順に集めると迷いません。おすすめの順番は次の4段です。

大学の情報の集め方|上ほど確か 1大学の公式募集要項・教育情報2大学ポートレート大学を同じ形で比べる3オープンキャンパス自分の目で見る4先輩・掲示板の声参考として聞く 確かさ
図6:大学の情報は、大学の公式→大学ポートレート→オープンキャンパス→先輩・掲示板の声の順に集める

1|大学の公式(募集要項・教育情報)

いちばん確かなのは大学自身が出す情報です。入試なら募集要項・入学者選抜要項、学び・進路なら教育情報の公表のページ。古い年度の資料と取り違えないよう、何年度のものかを必ず確かめます。

2|大学ポートレートで比べる

大学ポートレートは、大学改革支援・学位授与機構などが運営する、大学の教育情報を公表するサイトです。国公私立の大学・短期大学の9割以上が参加していて、教育の目的・入試・進路・学費・学生の数などを、同じ形で並べて見られます。気になる大学を2〜3校えらんで見比べると、違いがはっきりします。

3|オープンキャンパスで自分の目で見る

数字だけではわからない雰囲気や通学のしやすさは、オープンキャンパスで確かめます。行く前に質問を3つ決めておくと、得られる情報がぐんと増えます。行き方のコツは オープンキャンパスの活かし方 にまとめています。

4|先輩・掲示板の声は「参考」として

在学生や卒業生の声は、公式の資料にはない生の情報です。受験掲示板「100点BBS」 には大学ごとの掲示板があり、受験生や在学生が情報を交換しています。ただし、個人の感想は人によって違います。大事なことは必ず公式で確かめ直す、と決めておきましょう。

情報の量が合否を分けるという考え方は、2008年の記事 受かる受験生は集める情報の量が違う でも書いています。たくさんの大学のデータを1冊で見比べる方法は 大学受験校選びは大学受験年鑑をうまく使え! を読んでください。私立大学の一覧と各大学の掲示板は 中部・近畿の私立大学一覧【府県別】 にあります。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

まずは志望校の公式サイトで「教育情報の公表」のページを探して、卒業生の進路を見てみます!

入試結果の推移の読み方|志願者・合格者・入学者

多くの大学は、毎年の入試結果(志願者数・受験者数・合格者数・入学者数)を公式サイトで公表しています。日本私立学校振興・共済事業団の調べでも、次の4つの比率が使われています。意味を知っておくと、ニュースの数字も読みやすくなります。

比率計算わかること
志願倍率志願者数 ÷ 入学定員その大学をどれだけの人が受けたいと思ったか
合格率合格者数 ÷ 受験者数受けた人のうち、どれだけ合格したか
歩留率(ぶどまりりつ)入学者数 ÷ 合格者数合格した人のうち、どれだけ入学したか
入学定員充足率入学者数 ÷ 入学定員定員に対して、どれだけ入学したか

2026年度の私立大学全体では、志願倍率は8.62倍、合格率は34.70%、歩留率は35.95%でした(同じ事業団の調べ)。私立大学は1人がいくつもの大学・学部を受けるので、志願倍率は高く、歩留率は低めに出ます。

志望校の数字を見る3つのコツ

  • 3〜5年分ならべる:1年だけの数字は、入試の日程や科目の変更でぶれます。何年か並べると流れが見えます。
  • 学部・方式ごとに見る:同じ大学でも、学部や入試の方式(一般選抜・共通テスト利用・総合型選抜など)で倍率は大きく違います。
  • 受ける方式の数字だけ使う:自分が受ける学部・方式の合格者数と受験者数から、合格の目安を考えます。

大学選びでありがちな失敗|3つの思いこみ

名前のイメージだけで決める

「なんとなく有名だから」で決めると、入学してから学びたいことと違うと気づくことがあります。学部の名前とカリキュラムを必ず見比べましょう。

ニュースの見出しで候補から外す

「定員割れ」「募集停止」の見出しだけで、学びたい分野の大学を候補から外すのはもったいないことです。上の4つのチェックで中身を確かめてから判断します。

古い資料のまま調べる

入試の科目・配点・日程は年度ごとに変わります。先輩からもらった古い資料や、去年のパンフレットのまま調べるのは危険です。必ず受ける年度の募集要項で確かめましょう。本の情報も同じで、2008年の本の数字は今の数字とは違います。

学年別|大学選びの進め方

学年別|大学選びの進め方 高1文理を考える興味のある学問を探す高2候補を5校ほどにオープンキャンパスへ高3志望校を決める入試の形・出願を確認
図7:学年別の大学選び。高1は学問を探し、高2で候補をしぼり、高3で決める
学年やることあわせて読む
高1文理を考える。興味のある学問・仕事を書き出す文系・理系の選び方
高2候補を5校ほどにしぼる。オープンキャンパスへ行くオープンキャンパスの活かし方
高3志望校を決め、入試の形と出願の日程を確かめる国公立大学の出願

高1|興味のある学問を探す

高1では、大学の名前より「何を学びたいか」を先に考えます。好きな教科、気になるニュース、なりたい仕事を3つずつ書き出すと、行きたい学部の方向が見えてきます。

高2|候補をしぼって見に行く

高2では、学びたい学問がある大学を5校ほどにしぼり、オープンキャンパスに行きます。入試科目もこの時期に確かめておくと、高3になってからあわてずにすみます。1年の勉強の組み立ては 勉強計画の立て方 を使ってください。

高3|志望校を決めて過去問へ

高3では志望校を決め、過去問で出題の形をつかみます。過去問の使い方は 赤本の使い方 にあります。迷ったときに「大学のブランド」だけで決めると、入学してから合わないと感じることもあります。仮面浪人 を考える人の多くは、この「合わない」が理由です。

「下流大学」という言葉と受験生の向き合い方

「下流大学」という言葉は、本の題名として強い印象を残すためのものです。大学を上・下で並べる見方は、受験生の気持ちをあおりがちです。けれども、大学で何を学び、どう成長するかは、大学の名前だけでは決まりません。

大学合格はゴールではなく、学びのスタートです。この考え方は 大学合格はゴールではなくスタート で詳しく書いています。大学の名前のランクより、自分が4年間で何を身につけたいかを軸にすると、大学選びはぶれにくくなります。

サクラちゃん

サクラちゃん

先生、本の題名を見ると「いい大学に入らないとだめ」って言われているみたいで、ちょっと焦ります。

合格先生

合格先生

もとの記事でも「共感しなかった」と書いているよね。題名に引っぱられず、自分が学びたいことと、卒業生の進路で大学を見よう。

サクラちゃん

サクラちゃん

数字は公式で、雰囲気はオープンキャンパスで、ですね。やることがはっきりしました!

まとめ|本は「大学を見る目」、数字は最新の公式で

  • 『下流大学が日本を滅ぼす!』(三浦展、2008年)は「下流社会論の大学版」。もとの記事の感想は「時間に限りのある受験生にはあまりすすめない」。
  • 読むなら『消える大学 残る大学』(諸星裕、2008年)を大学選びの情報本として手元に。
  • 私立大学の定員割れは2026年度で275校・46.2%。1人でも足りなければ数えるので、数字は中身まで見る。
  • ニュースは範囲・続いた年数・公式の発表・在学生の扱いの4つで読む。
  • 大学選びは学べること・入試・進路・学費・キャンパス・入試結果の推移。情報は公式→大学ポートレート→オープンキャンパス→先輩の声の順に。

受験勉強そのものの進め方は 大学受験の勉強法まとめ に目的別に並べています。大学選びや勉強の相談は 受験の質問・相談 からどうぞ。

よくある質問

『下流大学が日本を滅ぼす!』はどんな本ですか?

三浦展さんが2008年8月にベストセラーズ(ベスト新書)から出した本です。学生の「お客様」化や新入社員の姿、教育費の重さなどをあげて大学のあり方を批判し、教育制度の改革を提言しています。

大学選びにおすすめの本はありますか?

この記事のもとの記事では、諸星裕さんの『消える大学 残る大学』(集英社、2008年)を大学選びの情報本として手元に置くことをすすめています。数字や制度は最新の公式の資料で確かめましょう。

私立大学の定員割れは何校ありますか?

日本私立学校振興・共済事業団の調べでは、2026年度に入学定員充足率が100%未満の私立大学は275校で、集計した595校の46.2%です。前の年度は316校(53.2%)でした。

定員割れの大学は避けたほうがいいですか?

定員割れは定員より1人でも少ない大学をすべて数えるので、それだけで教育の良し悪しは決まりません。学べること、卒業生の進路、入試結果の推移を公式の情報で確かめて判断しましょう。

大学の就職や進路の情報はどこで見られますか?

大学の公式サイトの「教育情報の公表」のページで、卒業者数や進学・就職の状況が公表されています。大学ポートレートでは、複数の大学の情報を同じ形で見比べられます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • openBD・紀伊國屋書店の書誌「下流大学が日本を滅ぼす!―ひよわな“お客様”世代の増殖」(三浦展、ベストセラーズ(ベスト新書)、2008年8月、ISBN 9784584121924)
  • openBD・紀伊國屋書店の書誌「消える大学 残る大学―全入時代の生き残り戦略」(諸星裕、集英社、2008年7月、ISBN 9784087813920)
  • 日本私立学校振興・共済事業団『令和8(2026)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向』(2026年8月)・『令和7(2025)年度』
  • 文部科学省「学校基本調査」(2025年度、国立大学協会の基礎資料による)
  • 文部科学省「大学における教育情報の公表」(学校教育法施行規則 第172条の2)
  • 大学ポートレート(大学改革支援・学位授与機構)
  • 本の紹介:書店の内容紹介と目次(要点を言い換えて掲載)

最終更新:2026年10月23日/作成:大学受験合格大作戦

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