反例とは?意味と見つけ方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

反例とは

「pp ならば qq」の、pp は満たすのに qq は満たさない例です。反例が 1 つあれば、その命題は偽です。「x2>1x^2>1 ならば x>1x>1」の反例は x=−2x=-2 です。

読み方:はんれい/英語:counterexample/習う学年:数学Ⅰ(集合と命題)

うかるくん

うかるくん

命題が偽だって言うには、何を書けばいいんですか?

合格先生

合格先生

反例を 1 つ書けば十分だよ。「仮定は満たすのに、結論は満たさない」例を見つけるんだ。

この用語のポイント

  • 反例 = 仮定は満たすのに、結論は満たさない例
  • 反例が1 つあれば、命題は偽
  • 正しい例をいくつ挙げても、真の証明にはならない

やさしく言うと

反例は、「いつでもそうだ」という主張をくずす、たった 1 つの例です。「すべての〜は…だ」と言われたとき、「〜なのに…でないもの」を 1 つ見つければ、その主張はまちがいだと分かります。

  • 鳥は空を飛ぶ?:「鳥はすべて空を飛ぶ」と言われても、ペンギンは鳥なのに飛びません。ペンギンが反例です(数学の命題ではありませんが、考え方は同じです)。
  • 素数は奇数?:3、5、7、11…と奇数の素数がいくら続いても、2 は素数なのに偶数です。2 が 1 つあるだけで、「素数はすべて奇数」は偽になります。
  • 雨の日の遅刻:「雨の日は必ず電車がおくれる」と言う人に、「先週の雨の日はおくれなかったよ」と言えば、その主張はくずれます。
主張:「素数はすべて奇数である」 2偶数!3奇数5奇数7奇数11奇数13奇数17奇数19奇数23奇数29奇数 奇数がいくつ並んでも、2 が 1 つあればアウト 2 が「反例」→ この主張は偽
「素数はすべて奇数」の反例は 2。1 つで主張がくずれる

まとめると、反例とは「pp ならば qq」の pp は満たすのに、qq は満たさない例です。反例が 1 つでもあれば、その命題は偽です。

反例の例

○ 正しい反例

  • 「x2>1x^2>1 ならば x>1x>1」の反例 x=−2x=-2(4>14>1 だが −2>1-2>1 でない)
  • 「素数は奇数」の反例 22
  • 「a<ba<b ならば a2<b2a^2<b^2」の反例 a=−3a=-3、b=1b=1(9<19<1 でない)
  • 「x2=x\sqrt{x^2}=x」の反例 x=−1x=-1(左辺は 11)
  • 「4 の倍数は 8 の倍数」の反例 1212
  • 「ひし形は正方形」の反例:角が 60∘60^\circ と 120∘120^\circ のひし形

× 反例にならないもの

  • 「x2>1x^2>1 ならば x>1x>1」に x=0x=0(仮定 x2>1x^2>1 を満たさない)
  • 「x2>1x^2>1 ならば x>1x>1」に x=3x=3(結論も満たしている)
  • 「素数は奇数」に 99(9 は素数でない)
  • 「4 の倍数は 8 の倍数」に 1616(8 の倍数なので主張どおり)
  • 「a<ba<b ならば a2<b2a^2<b^2」に a=1a=1、b=2b=2(主張どおり)

反例になるのは、仮定は満たすのに、結論は満たさないものだけです。仮定を満たさないもの(x=0x=0)や、結論も満たしてしまうもの(x=3x=3)は、反例ではありません。

図で見る

命題「pp ならば qq」は、集合で考えると分かりやすくなります。pp を満たすものの集合を PP、qq を満たすものの集合を QQ とします。

真のとき 偽のとき QP QP 反例 P が Q の中に全部入る→ 反例はない P が Q からはみ出す→ はみ出した所が反例 P:p を満たすものの集合 Q:q を満たすものの集合
P が Q の中に全部入れば真。はみ出した部分があれば、そこが反例

PP が QQ の中にすっぽり入っていれば(P⊂QP\subset Q)、「pp ならば qq」は真です。PP が QQ から少しでもはみ出していれば、はみ出した部分にあるものが反例で、命題は偽です。

P:x² > 1 Q:x > 1 -3-2-10123 x = −2 P にあって Q にない (−2)² = 4 > 1 だが −2 > 1 ではない x = −2 が反例 → 命題は偽
「x²>1 ならば x>1」は、x<−1 の部分がはみ出している。x=−2 が反例
うかるくん

うかるくん

反例って、どうやって見つければいいんですか?

合格先生

合格先生

まずはじっこを疑うといい。00、負の数、11、22 のような小さい数、分数などだね。それから、図のように PP と QQ を数直線やベン図にかいて、PP だけにある部分を探せば、そこから選べばいいんだ。

例をいくつ挙げても証明にはならない

反例は 1 つで命題を偽にできます。ところが反対に、正しい例をいくつ挙げても、「すべて」の命題が真だという証明にはなりません。

有名な例が n2+n+41n^2+n+41 です。n=0,1,2,…n=0,1,2,\dots と入れていくと、41、43、47、53、61…と素数が続きます。n=39n=39 までの 40 個は、すべて素数です。それでも「いつも素数」とは言えません。n=40n=40 のとき 402+40+41=1681=41×4140^2+40+41=1681=41\times41 で、素数ではないからです。

n² + n + 41 はいつも素数? n値素数? 041○143○247○353○10151○20461○⋮391601○401681 = 41 × 41× 0〜39 の 40 個すべて素数でも、n = 40 が反例
n=0〜39 では素数が続くが、n=40 で 1681=41×41。n=40 が反例

だから数学では、真であることは証明で示し、偽であることは反例で示します。この 2 つの役割をはっきり分けておきましょう。

示したいことすること
「すべての〜で…」が偽反例を 1 つ挙げる
「すべての〜で…」が真証明する(例をいくつ挙げてもだめ)
「ある〜で…」が真当てはまる例を 1 つ挙げる
「ある〜で…」が偽「すべての〜で…でない」を証明する

表の下 2 行のように、「ある〜が存在する」という形の命題では、例と反例の役割が入れかわります。くわしくは命題のページも見てください。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

偽を示すなら反例 1 つ。真を示すなら証明。役割がちがうのね!

テスト・入試ではこう出る

反例は、高校の数学Ⅰ「集合と命題」で習います。命題の真偽を答え、偽なら反例を書く問題と、必要条件・十分条件を判断する問題でよく使います。条件の問題では「必要でない」「十分でない」の理由として反例を書きます。

例題1(真偽と反例)

xx、yy は実数とします。次の命題の真偽を答え、偽のときは反例を挙げなさい。(1) x2=4x^2=4 ならば x=2x=2 (2) x>2x>2 ならば x2>4x^2>4 (3) xy>0xy>0 ならば x>0x>0 かつ y>0y>0

  1. (1) x=−2x=-2 のとき、x2=4x^2=4 だが x=2x=2 ではない。仮定を満たし、結論を満たさないので反例。偽(反例 x=−2x=-2)。
  2. (2) x>2x>2 なら、両辺とも正なので 2 乗しても大小は変わらず、x2>4x^2>4。反例はない。真。
  3. (3) x=−1x=-1、y=−1y=-1 のとき、xy=1>0xy=1>0 だが「x>0x>0 かつ y>0y>0」ではない。偽(反例 x=y=−1x=y=-1)。

偽のときは、反例を 1 つ書けば十分です。真のときは、例を挙げるのではなく理由(証明)を書きます。

例題2(必要条件・十分条件)

xx は実数とします。x>1x>1 は x>0x>0 であるための何条件ですか。

  1. 「x>1⇒x>0x>1\Rightarrow x>0」は真(1 より大きい数は正)。
  2. 「x>0⇒x>1x>0\Rightarrow x>1」は偽。反例 x=12x=\dfrac12(12>0\dfrac12>0 だが 12>1\dfrac12>1 ではない)。
  3. x>1x>1 から x>0x>0 が言えるので、x>1x>1 は x>0x>0 であるための十分条件。逆は反例があるので必要条件ではない。

答え 十分条件であるが、必要条件ではない。「必要でない」ことの理由として、反例 x=12x=\dfrac12 を書きます。

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

仮定を満たさない例は反例ではない! 仮定○・結論× を確かめよう。

  • 仮定を満たさない例を挙げる:「x2>1x^2>1 ならば x>1x>1」の反例に x=0x=0 と書くのは×。02=00^2=0 は 1 より大きくないので、仮定を満たしていません。反例は「仮定○・結論×」です。
  • 例を並べて「真」とする:「n=1,2,3n=1,2,3 で成り立つから真」は証明になりません。n2+n+41n^2+n+41 のように、ずっと先で成り立たなくなることがあります。
  • 反例をたくさん書こうとする:偽を示すには反例 1 つで十分です。答案には、反例が仮定を満たし結論を満たさないことを、計算で 1 行示します。
  • 「かつ」の結論の反例:結論が「x>0x>0 かつ y>0y>0」なら、どちらか一方がくずれれば反例です。両方くずす必要はありません。

ことばの由来

「反例」は、主張に反する例という意味です。英語では counterexample(カウンターイグザンプル)で、counter(反対の)と example(例)を組み合わせた言葉です。日本語も英語も、そのまま「反対の例」という作りになっています。

ミニ問題

問題1 「4 の倍数は 8 の倍数である」の反例を 1 つ挙げましょう。

答えと解き方を見る

たとえば 4(ほかに 12、20 など)。4 は 4 の倍数ですが、8 の倍数ではありません。8 や 16 は 8 の倍数なので、反例になりません。

問題2 「a2=b2a^2=b^2 ならば a=ba=b」は真か偽か。偽なら反例を挙げましょう。

答えと解き方を見る

偽です。反例は、たとえば a=1a=1、b=−1b=-1。a2=1=b2a^2=1=b^2 ですが、a≠ba\ne b です。a2=b2a^2=b^2 から言えるのは「a=ba=b または a=−ba=-b」までです。

問題3 「x+y>0x+y>0 ならば、x>0x>0 かつ y>0y>0」の反例として正しいものを、次から選びましょう。(ア)x=2, y=3x=2,\ y=3 (イ)x=3, y=−1x=3,\ y=-1 (ウ)x=−2, y=−1x=-2,\ y=-1

答えと解き方を見る

(イ)です。

  • (ア)は仮定も結論も満たすので、反例ではありません。
  • (イ)は x+y=2>0x+y=2>0(仮定を満たす)なのに y<0y<0(結論を満たさない)。これが反例です。
  • (ウ)は x+y=−3x+y=-3 で、仮定を満たさないので反例になりません。

関連する公式・用語

あわせて覚えたい用語

よくある質問

反例とは簡単にいうと何ですか?

「いつでもそうだ」という主張をくずす例です。「pならばq」の、pは満たすのにqは満たさない例を反例といいます。

反例はいくつ挙げればよいですか?

1つで十分です。反例が1つでもあれば、その命題は偽だと言えます。

例をたくさん挙げれば、命題が真だと言えますか?

言えません。n²+n+41 は n=0から39まで素数ですが、n=40では41×41になります。真を示すには証明が必要です。

x²>1 ならば x>1 の反例は何ですか?

x=−2 などです。(−2)²=4 は1より大きいですが、−2は1より大きくありません。

反例はどうやって見つけますか?

0、負の数、1、2、分数など「はじっこ」の値を試します。仮定と結論を数直線やベン図にかき、仮定だけにある部分から選ぶ方法もあります。

反例は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅰ「集合と命題」で、命題の真偽を調べるときに使います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(集合と命題)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦