シムソン線(シムソンの定理)|垂線の足が一直線になる証明・円周角と逆の定理・座標での例題【大学受験・発展】

シムソン線(シムソンの定理)|垂線の足が一直線になる証明・円周角と逆の定理・座標での例題【大学受験・発展】

合格大作戦 算数・数学公式辞典 › 図形

大学受験

P が外接円上  ⟺  L, M, N が一直線上P\text{ が外接円上}\iff L,\ M,\ N\text{ が一直線上}

L、M、N は P から直線 BC、CA、AB におろした垂線の足

この公式のポイント

  • 外接円の上の点 P から3辺に垂線 → 足は一直線
  • 逆も成り立つ(一直線なら P は外接円上)
  • 証明は直角2つで円 → 円周角 → 対頂角
  • 足は辺の延長の上に来ることが多い
うかるくん

うかるくん

どうして3つの垂線の足が、ぴったり一直線に並ぶの?

合格先生

合格先生

直角が2つあれば4点は同じ円の上だ。円周角で角を移すと、対頂角が等しくなるぞ。

シムソン線(シムソンの定理)

シムソンの定理

△ABC の外接円の上の点 P から、3辺 BC、CA、AB(またはその延長)に垂線 PL、PM、PN をおろすと、

3つの垂線の足 L、M、N は一直線上にある

この直線を P のシムソン線といいます。逆も成り立ちます:3つの足が一直線上にあれば、P は外接円の上にあります。

ABCPLMNL・M・N は一直線(赤い線がシムソン線)P は外接円の上L・M・N は垂線の足
外接円の上の点 P から3辺におろした垂線の足は、一直線に並ぶ

シムソン線は「ウォレス線」とよばれることもあります。ふつうの点から3辺に垂線をおろすと、3つの足は三角形(垂足三角形)をつくりますが、P が外接円の上に来たときだけ、その三角形がつぶれて一直線になる、というのがこの定理の意味です。

証明(円周角と4点が同じ円の上にある条件)

図の位置関係(P が A をふくまない弧 BC の上、L は辺 BC 上、M は辺 CA 上、N は辺 AB の B の先の延長上)で示します。ほかの位置関係でも、角の向きを読みかえれば同じように示せます。

手順1:4点が同じ円の上にある

  • ∠PNB=∠PLB=90∘\angle PNB=\angle PLB=90^\circ なので、N と L は PB を直径とする円の上。つまり P、B、L、N は同じ円の上(円周角の定理の逆)。
  • ∠PLC=∠PMC=90∘\angle PLC=\angle PMC=90^\circ なので、P、L、C、M も PC を直径とする円の上。

手順2:円周角で角を移す

  • 緑の円で、弧 BN に対する円周角より ∠BLN=∠BPN\angle BLN=\angle BPN。
  • 橙の円で、弧 CM に対する円周角より ∠CLM=∠CPM\angle CLM=\angle CPM。
ABCPLMN緑の円:直径 PB(P・B・L・N)橙の円:直径 PC(P・L・C・M)∠BLN=∠BPN∠CLM=∠CPM∠BPN=∠CPM が言えれば、∠BLN=∠CLM(対頂角)で一直線
直角が2つで円が2つ。円周角で ∠BLN=∠BPN、∠CLM=∠CPM

手順3:∠BPN=∠CPM\angle BPN=\angle CPM を示す

四角形 ABPC は外接円に内接するので、向かい合う角の和は 180∘180^\circ(円に内接する四角形)。よって ∠PBN=180∘−∠ABP=∠ACP\angle PBN=180^\circ-\angle ABP=\angle ACP。直角三角形 PBN と PCM で

∠BPN=90∘−∠PBN=90∘−∠ACP=∠CPM\angle BPN=90^\circ-\angle PBN=90^\circ-\angle ACP=\angle CPM

手順4:一直線になる

以上から ∠BLN=∠CLM\angle BLN=\angle CLM。B、L、C は一直線上にあり、N と M は直線 BC について反対側にあるので、等しい2つの角は対頂角の形になり、N、L、M は一直線上にあります。(逆に、L、M、N が一直線なら同じ式を逆にたどって ∠PBN=∠ACP\angle PBN=\angle ACP が言え、四角形 ABPC が円に内接することが分かります。)

大学受験での使い方

大学受験

例題1(P が A の反対側の点)

△ABC の外接円で、A を通る直径のもう一方の端を P とします。P のシムソン線はどんな直線ですか。

解き方

AP は直径なので、円周角より ∠ABP=∠ACP=90∘\angle ABP=\angle ACP=90^\circ。よって P から AB におろした垂線の足は B、AC におろした垂線の足は C です。シムソン線は B と C を通ります。

答え 直線 BC

大学受験

例題2(座標で確かめる)

円 x2+y2=25x^2+y^2=25 の上の4点 A(3,4)A(3,4)、B(−5,0)B(-5,0)、C(5,0)C(5,0)、P(0,−5)P(0,-5) について、P から直線 BC、CA、AB におろした垂線の足 L、M、N を求め、それらが一直線上にあることを確かめなさい。

解き方

BC は xx 軸なので L(0,0)L(0,0)。AB の方向は (2,1)(2,1) なので、足を N(−5+2t, t)N(-5+2t,\ t) とおき PN⃗⋅(2,1)=0\vec{PN}\cdot(2,1)=0:2(−5+2t)+(t+5)=02(-5+2t)+(t+5)=0 より t=1t=1、N(−3,1)N(-3,1)。AC の方向は (−1,2)(-1,2) なので M(5−s, 2s)M(5-s,\ 2s) とおき −(5−s)+2(2s+5)=0-(5-s)+2(2s+5)=0 より s=−1s=-1、M(6,−2)M(6,-2)。L、N、M の傾きはどれも −13-\dfrac13 なので一直線上にあり、シムソン線は y=−13xy=-\dfrac13x。

答え L(0,0)L(0,0)、M(6,−2)M(6,-2)、N(−3,1)N(-3,1)、直線 y=−13xy=-\dfrac13x

A(3, 4)B(−5, 0)C(5, 0)P(0, −5)L(0, 0)M(6, −2)N(−3, 1)y=−x/3
座標で計算しても、3つの足は直線 y=−x/3 の上に並ぶ

高校の範囲をこえる内容と入試での使い方

教科書での位置:シムソン線は、高校の教科書で定理として習う内容ではありません(発展やコラムで紹介されることはあります)。ただし証明に使うのは、4点が同じ円の上にある条件、円周角の定理、円に内接する四角形だけなので、数学Aの知識で理解できます。

入試での使い方:

  • 「3点が一直線上にあることを示せ」という問題で、背景にシムソン線があることがあります。答案では定理の名前で終わらせず、上の手順1〜4(直角2つ→円→円周角→対頂角)を書くのが安全です。
  • 座標やベクトルの問題でも、外接円の上の点から垂線をおろす設定なら、答えが一直線になると見当がつきます。検算に使えます。
  • ほかにも、「シムソン線は P と垂心 H を結ぶ線分の中点を通る」ことが知られています。例題2では △ABC は ∠A=90∘\angle A=90^\circ の直角三角形なので垂心は A(3,4)A(3,4)、PH の中点 (32,−12)\left(\dfrac32,-\dfrac12\right) は確かに y=−13xy=-\dfrac13x の上にあります。

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

一直線になるのは、P が外接円の上にあるときだけだ。ほかの点では三角形になるぞ。

  • P が円の上にないのに一直線と思う:L、M、N が一直線になるのは、P が外接円の上にあるときだけ。それ以外では三角形になります。
  • 辺の上だけで垂線の足を探す:足は辺の延長の上に来ることが多い(図の N)。直線 AB に垂線をおろすと考えます。
  • 円周角の向きをまちがえる:証明では、どの弧に対する円周角かを図で確かめてから等しいと書きましょう。

練習問題

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

足は辺の延長に来ることが多い。図をかいて確かめよう。

  1. 大学受験 例題2と同じ円と △ABC(A(3,4)A(3,4)、B(−5,0)B(-5,0)、C(5,0)C(5,0))で、P(0,5)P(0,5) のシムソン線の式は?
    答えと解説を見るL(0,0)L(0,0)。N(−5+2t, t)N(-5+2t,\ t):2(−5+2t)+(t−5)=02(-5+2t)+(t-5)=0 より t=3t=3、N(1,3)N(1,3)。M(5−s, 2s)M(5-s,\ 2s):−(5−s)+2(2s−5)=0-(5-s)+2(2s-5)=0 より s=3s=3、M(2,6)M(2,6)。答え y=3xy=3x
  2. 大学受験 △ABC の外接円で、B を通る直径のもう一方の端を P とするとき、P のシムソン線は?
    答えと解説を見る∠BAP=∠BCP=90∘\angle BAP=\angle BCP=90^\circ なので、AB への足は A、BC への足は C。答え 直線 AC
  3. 大学受験 例題2と同じ円と △ABC で、P(−4,−3)P(-4,-3) のシムソン線の式を求めなさい。
    答えと解説を見るL(−4,0)L(-4,0)。N(−5+2t, t)N(-5+2t,\ t):2(−1+2t)+(t+3)=02(-1+2t)+(t+3)=0 より t=−15t=-\dfrac15、N(−275,−15)N\left(-\dfrac{27}{5},-\dfrac15\right)。M(5−s, 2s)M(5-s,\ 2s):−(9−s)+2(2s+3)=0-(9-s)+2(2s+3)=0 より s=35s=\dfrac35、M(225,65)M\left(\dfrac{22}{5},\dfrac65\right)。答え y=17(x+4)y=\dfrac17(x+4)

関連する公式

よくある質問

シムソン線とは何ですか?

三角形の外接円の上の点 P から、3辺(またはその延長)に垂線をおろしたとき、3つの垂線の足が並ぶ直線のことです。

シムソンの定理の証明は?

垂線の足では直角ができるので、P と頂点と足の4点がそれぞれ同じ円の上にあります。円周角で角を移し、円に内接する四角形の性質を使うと、対頂角が等しくなり一直線になることが分かります。

シムソンの定理の逆は成り立ちますか?

成り立ちます。3つの垂線の足が一直線上にあれば、P は三角形の外接円の上にあります。

シムソン線は入試で使ってよいですか?

教科書の定理ではないので、記述式では円周角を使った証明の流れを書いてから使うのが安全です。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学A(図形の性質)
  • 高校の範囲外の発展内容(初等幾何)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦