この公式のポイント
- 位置関係は d と R+r、R−r をくらべる
- 共通接線は 4・3・2・1・0本
- 外接線の長さは半径の差、内接線は半径の和
- 半径を平行移動して直角三角形を作る

うかるくん
共通接線の長さって、半径の差を使うの?和を使うの?
![合格先生]()
合格先生
同じ側を通る外接線は差の R−r、2円の間を通る内接線は和の R+r だ。半径を平行移動して直角三角形を作れば分かるぞ。
2つの円の位置関係と共通接線
半径 R と r(R≧r)の2つの円があり、中心どうしの距離を d とします。2つの円の位置関係は、d と R+r、R−r をくらべるだけで決まります。
共通接線の長さ(接点から接点まで)
共通外接線AB=d2−(R−r)2共通内接線AB=d2−(R+r)2外接線は2円の同じ側を通る接線、内接線は2円の間を通る接線。外接線は「半径の差」、内接線は「半径の和」と覚えます。
中心間の距離 d が小さくなるにつれ、共通接線は 4本→3本→2本→1本→0本 とへっていく
証明
位置関係が d で決まる理由
大きい円の中心を O、小さい円の中心を O′ とします。直線 OO′ 上で、2つの円の「いちばん近い点・いちばん遠い点」を考えると分かりやすいです。
- d>R+r:O から R、O′ から r 進んでも届かないので、すき間があく(離れている)。
- d=R+r:ちょうど1点でくっつく(外接)。この点は直線 OO′ 上にある。
- R−r<d<R+r:三角形の成立条件から、辺が R, r, d の三角形 OPO′ が作れる。点 P は直線 OO′ の両側に1つずつあるので、交点は2個。
- d=R−r:小さい円が内側から1点でくっつく(内接)。d<R−r なら小さい円は大きい円の中にすっぽり入る。
交点を P とすると、2円が交わる条件は「OP=R、O′P=r、OO′=d の三角形ができること」、つまり ∣R−r∣<d<R+r です。三角形の成立条件そのものです。
共通外接線の長さ
共通外接線と2円の接点を A、B とします。接線は接点を通る半径に垂直なので、OA⊥AB、O′B⊥AB。O′ から OA に垂線 O′H をおろすと、四角形 ABO′H は長方形になり、O′H=AB、AH=O′B=r です。
直角三角形 OHO′ で OH=R−r、OO′=d なので、三平方の定理より
AB=O′H=d2−(R−r)2
O′ から OA に垂線 O′H をおろすと、ABO′H は長方形。OH=R−r の直角三角形ができる
共通内接線の長さ
共通内接線の接点を A、B とします。今度は OA を A の先へ r だけのばした点を H とすると、四角形 AHO′B が長方形になり、O′H=AB、OH=R+r です。直角三角形 OHO′ で
AB=O′H=d2−(R+r)2
OA を A の先へ r だけのばすと、OH=R+r の直角三角形ができる(図は半径5・3、中心間10の円を拡大)
内接線は2円が離れているとき(d>R+r)しか引けないので、根号の中は正になります。d=R+r(外接)のときは長さ0で、接点が1つにまとまった接線になります。
座標で考える(共通弦)
2つの円 x2+y2+ax+by+c=0、x2+y2+a′x+b′y+c′=0 が2点で交わるとき、2つの式を引くと x2, y2 が消えて1次式(直線の式)になります。2つの交点はどちらの式もみたすので、この直線の上にあります。つまり、引いてできた直線が2つの交点を通る直線(共通弦)です。
2つの円の式を引くと x=4。これが2つの交点 (4, ±3) を通る共通弦
高校受験(中学数学)での使い方
中学では「接線は接点を通る半径に垂直」と三平方の定理を組み合わせて、共通接線の長さを求める問題が出ます。
高校受験例題1(共通接線の長さ)
半径 5 cm と 3 cm の円があり、中心間の距離は 10 cm です。共通外接線と共通内接線について、それぞれ接点から接点までの長さを求めなさい。
解き方
外接線:102−(5−3)2=96=46(cm)。
内接線:102−(5+3)2=36=6(cm)。
どちらも、半径を平行移動して直角三角形を作るのが考え方です。
答え 外接線 46 cm、内接線 6 cm
高校受験例題2(位置関係と接線の本数)
半径 5 cm と 3 cm の円の中心間の距離が 8 cm のとき、2つの円の位置関係と、共通接線の本数を答えなさい。
解き方
5+3=8 で d=R+r なので、2つの円は外接します。
外接するとき、共通外接線2本と、接点を通る共通接線1本で、合わせて3本です。
答え 外接する、3本
大学受験(数学A・数学Ⅱ)での使い方
大学受験例題3(接する条件・交わる条件)
円
x2+y2=4 と、円
(x−3)2+(y−4)2=r2(
r>0)がある。(1)2円が外接するときの
r、内接するときの
r を求めよ。(2)2円が2点で交わる
r の範囲を求めよ。
解き方
中心は (0,0) と (3,4) で、d=5。半径は 2 と r。
(1)外接:2+r=5 より r=3。内接:∣r−2∣=5 より r=7(r>0)。
(2)∣r−2∣<5<r+2。5<r+2 より r>3、∣r−2∣<5 より −3<r<7。合わせて 3<r<7。
答え (1)外接 r=3、内接 r=7 (2)3<r<7
大学受験例題4(共通弦)
2つの円
x2+y2=25 と
(x−6)2+y2=13 の交点を通る直線の方程式と、共通弦の長さを求めよ。
解き方
2つ目の式を展開すると x2+y2−12x+23=0。1つ目 x2+y2−25=0 から引くと 12x−48=0、つまり x=4。
x=4 を x2+y2=25 に入れると y=±3。交点は (4, 3)、(4, −3) で、共通弦の長さは 6。
答え 直線 x=4、共通弦の長さ 6
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
外接するときの共通接線を2本と数えるな。接点を通る1本を足して3本だ。
- 外接線と内接線の式を取りちがえる:同じ側を通る外接線は半径の差 R−r、間を通る内接線は半径の和 R+r。
- 「内接」で半径の差に絶対値をつけ忘れる:どちらの円が大きいか分からないときは d=∣R−r∣。r を文字で置いたときに起こりやすい。
- 外接のときの共通接線を2本と数える:接点を通る接線を足して3本。内接なら1本だけ。
練習問題
![指さして説明するサクラちゃん]()
サクラちゃん
まず d と R+r、R−r をくらべてみよう!
- 高校受験 半径 9 cm と 4 cm の円が外接しています。共通外接線の、接点から接点までの長さは?
答えと解説を見る
d=9+4=13。132−(9−4)2=144=12。答え 12 cm - 高校受験 半径 6 cm と 4 cm の円の中心間の距離が 1 cm のとき、位置関係と共通接線の本数は?
答えと解説を見る
6−4=2 で d=1<2。小さい円が大きい円の内側にあり、共通接線は0本。 - 大学受験 円 x2+y2=1 と円 x2+y2−6x−8y+k=0 が外接するとき、定数 k の値は?
答えと解説を見る
2つ目は (x−3)2+(y−4)2=25−k。中心間 d=5、半径 25−k。外接は 1+25−k=5 より 25−k=4、k=9。答え k=9
関連する公式
よくある質問
2つの円の位置関係はどうやって調べますか?
中心間の距離 d を、半径の和 R+r と半径の差 R−r とくらべます。d=R+r なら外接、d=R−r なら内接、その間なら2点で交わります。
共通接線は何本ありますか?
離れているとき4本、外接で3本、2点で交わると2本、内接で1本、一方が他方の内側にあると0本です。
共通接線の長さの求め方は?
共通外接線は √(d²−(R−r)²)、共通内接線は √(d²−(R+r)²) です。一方の半径を平行移動して直角三角形を作り、三平方の定理で求めます。
2つの円の交点を通る直線の求め方は?
2つの円の方程式を引き算すると x²、y² が消えて直線の式になり、それが2つの交点を通る直線(共通弦)です。
あわせて読みたい
出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第3学年(三平方の定理)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学A(図形の性質)・数学Ⅱ(図形と方程式)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦