合格大作戦 数学用語辞典 › 確率・統計
大学受験
相関係数とは
2つのデータの直線的な関係の強さを、 から までの数で表したものです。1に近いほど強い正の相関(右上がり)、 に近いほど強い負の相関(右下がり)、0に近いほど相関が弱いことを表します。共分散 ÷(標準偏差の積)で求めます。
うかるくん
勉強時間とテストの点の相関係数が0.8なら、勉強すれば点が上がるって証明できたんですか?
合格先生
相関係数がわかるのは、いっしょに増える傾向があることまでなんだ。原因と結果かどうかは、別の考察が必要だよ。
この用語のポイント
- 。1に近い=強い正の相関、−1に近い=強い負の相関
- (共分散 ÷ 標準偏差の積)
- 表すのは直線的な関係だけ。因果関係はわからない
やさしく言うと
相関係数は、2つのデータが「いっしょに増える・減る」関係がどれくらい強いかを、 から までの数で表したものです。身近な例で考えてみましょう。
- 身長と体重:背の高い人ほど体重も重い傾向があります。こういう関係を正の相関といい、相関係数はプラスになります。
- 気温と温かい飲み物の売上:気温が高い日ほど、温かい飲み物は売れにくくなります。一方が増えるともう一方が減る関係は負の相関で、相関係数はマイナスです。
- 誕生日の日にちとテストの点:ふつうは関係がないので、相関係数は 0 に近くなります。
まとめると、相関係数は「散布図の点が、どれだけ1本の直線のまわりに集まっているか」を表す数です。
図で見る:相関係数のものさし
| 相関係数 | 散布図の様子 | 呼び方 |
|---|---|---|
| 1 に近い | 右上がりの直線に近い | 強い正の相関 |
| 0 に近い | 直線的な傾向がない | 相関がほとんどない |
| −1 に近い | 右下がりの直線に近い | 強い負の相関 |
「どこから強いと言うか」の目安(0.7以上なら強い、など)は本によってちがいます。入試では問題文の指示にしたがいます。

サクラちゃん
点が直線にぎゅっと集まるほど、 は や に近づくのね!
求め方
変量 の共分散 を、それぞれの標準偏差 の積で割ります。
5人の数学 と理科 (10点満点)で計算してみます。どちらも平均は7点です。
| 人 | 積 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4 | 5 | −3 | −2 | 6 |
| 2 | 6 | 6 | −1 | −1 | 1 |
| 3 | 7 | 8 | 0 | 1 | 0 |
| 4 | 8 | 7 | 1 | 0 | 0 |
| 5 | 10 | 9 | 3 | 2 | 6 |
| 合計 | 13 |
共分散は 。偏差の2乗の合計は が 、 が なので、、 です。よって
となり、強い正の相関があるとわかります。
図のように、平均の線で4つに分けると、右上と左下の区画では偏差の積がプラス、左上と右下ではマイナスです。点がプラスの区画に多いほど共分散が大きくなり、 もプラスになります。標準偏差で割るので、単位を変えても(cm を m にしても) は変わりません。
うかるくん
共分散だけでも、プラスかマイナスかはわかりますよね。どうして標準偏差で割るんですか?
合格先生
共分散は、データの単位や散らばりの大きさで値が変わってしまうんだ。cm で測るか m で測るかで、数字がまるでちがう。標準偏差で割ると、いつも から の間におさまって、ちがうデータどうしでも強さをくらべられるようになるんだよ。
相関係数でわかること・わからないこと
○ わかること
- 2つの変量の直線的な関係の強さ
- 関係の向き(正か負か)
- 単位がちがうデータどうしの関係の強さの比較
- 散布図の点が直線にどれだけ集まっているか
- なら全部の点が1本の直線上にあること
× わからないこと
- 原因と結果の関係(因果関係)
- 曲線のような関係があるかどうか
- 散布図の直線の傾きの大きさ( でも傾きが1とは限らない)
- データの平均や散らばりの大きさ
- 外れ値があるかどうか(散布図を見ないとわからない)
外れ値に注意
相関係数は、ほかから大きく離れた点(外れ値)に強く引っぱられます。下の図では、ばらばらの10個の点に、遠い点を1つ足しただけで、相関係数がほぼ 0 から 0.8 くらいまで変わっています。
だから、相関係数の数字だけを見て判断せず、散布図をかいて点の様子も確かめることが大切です。
テスト・入試ではこう出る
相関係数は高校の数学Ⅰ「データの分析」で習います。大学入学共通テストなどでは、散布図と相関係数の組み合わせを選ぶ問題、表から共分散・相関係数を計算する問題、データを変換したときの変化を答える問題がよく出ます。
例題1(計算する)
4人のデータ が 、、、 のとき、相関係数を求めなさい。
- 平均は が 、 も 。
- 偏差は :、:。
- 偏差の積の和:。偏差の2乗の和: も も 。
- (共分散・標準偏差の は分子と分母で消える)。
答え (強い正の相関)
例題2(データの変換)
変量 の相関係数は です。 とするとき、 と の相関係数を求めなさい。
- のとき、 の偏差は の偏差の 倍、標準偏差は 倍になる。
- 共分散 、標準偏差 。
- 。
答え (「」は関係なく、かける数の符号だけが効く)
まちがえやすい点

合格先生
相関は因果ではない。それに、 でも曲線の関係はありうるよ!
- 相関があれば原因と結果だと思う:アイスの売上と水の事故の数には正の相関がありますが、どちらも「暑さ」で増えるだけです。このような見かけの関係を疑似相関といいます。
- を「まったく関係ない」と読む: のような曲線の関係でも、 になることがあります(最初の図の右下)。相関係数が表すのは直線的な関係だけです。
- 外れ値を見落とす:1つだけ大きく離れた点があると、 が大きく変わります。数値だけでなく、散布図も必ず見るようにしましょう。
- を直線の傾きと思う:傾きが急でもゆるやかでも、点が直線にぴったり並べば です。 は傾きではなく、まとまりの強さを表します。
- データの変換で も変わると思う:全部に同じ数をたしたり、正の数をかけたりしても は変わりません。負の数をかけたときは符号だけが反対になります。
ことばの意味
「相関」は「たがいに関係する」という意味で、2つの量がいっしょに変わる関係を表します。英語では correlation coefficient といい、correlation は「たがいの(co-)関係(relation)」という意味です。「係数」は、式の中で量にかかる数のことです。
ミニ問題
問題1 あるクラスで「1日のゲームの時間」と「1日の勉強時間」の相関係数を調べると、次のどれかでした。「ゲームの時間が長い人ほど、勉強時間が短い傾向がはっきりある」とき、最も近いものはどれですか。(ア) (イ) (ウ)
答えと解き方を見る
(ウ) です。一方が大きいほどもう一方が小さい傾向は負の相関で、相関係数はマイナスになります。「はっきりある」ので、 に近い が最も近いです。
問題2 変量 の共分散が 、 の標準偏差が 3、 の標準偏差が 4 のとき、相関係数を求めましょう。
答えと解き方を見る
です。。共分散がマイナスなので、相関係数もマイナスになります。
問題3 3人のデータ が 、、 のとき、相関係数を求めましょう。
答えと解き方を見る
です。
- 平均は が 4、 が 4。偏差は :、:。
- 偏差の積の和は 、偏差の2乗の和はどちらも 。
- 。
3点はすべて直線 の上にあるので、 になります。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
相関係数の求め方は?
2つの変量の共分散を、それぞれの標準偏差をかけたもので割ります。共分散は、2つの偏差をかけた値の平均です。
相関係数が0のときは関係がないのですか?
直線的な関係がないという意味で、まったく関係がないとは限りません。放物線のような曲線の関係でも、相関係数が0になることがあります。
相関係数はどの範囲の値になりますか?
いつも−1以上1以下です。1や−1になるのは、すべての点が1本の直線の上にあるときです。
単位を変えると相関係数は変わりますか?
変わりません。cmをmにするなど、正の数をかけたり同じ数をたしたりしても同じです。負の数をかけると符号だけが反対になります。
疑似相関とは何ですか?
2つの量に直接の関係がないのに、別の原因(たとえば気温)によっていっしょに増減するため、相関があるように見えることです。
相関係数は何年生で習いますか?
高校の数学Ⅰ「データの分析」で、散布図・共分散とあわせて習います。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(データの分析:散布図・相関係数)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


