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範囲(レンジ)とは
データの最大値から最小値を引いた値で、データがどれくらいのはばに散らばっているかを表します。範囲 = 最大値 − 最小値。最高気温 25℃・最低気温 17℃なら、範囲は 8℃です。
サクラちゃん
データの範囲って、「3 から 9 まで」みたいに答えればいいんですか?
合格先生
統計の範囲は差なんだ。 のように、最大値 − 最小値を 1 つの数で答えるよ。
この用語のポイント
- 範囲 = 最大値 − 最小値(レンジ)。答えは 1 つの数
- 平均だけでは見えない散らばりの大きさを表す
- 2 つの値だけで決まるので外れ値に弱い。そこで四分位範囲も使う
やさしく言うと
範囲は、データの中のいちばん大きい値と、いちばん小さい値の差です。データがどれくらいのはばに広がっているかを、1 つの数で表します。カタカナでレンジともいいます。
- 気温:ある日の最高気温が 25℃、最低気温が 17℃なら、その日の気温の範囲は (℃)です。天気予報では、この差を「日較差(にちかくさ)」といいます。日較差が大きい日は、朝と昼で服の調節が必要です。
- テストの点:クラスの最高点が 95 点、最低点が 40 点なら、範囲は 55 点です。点数が広くばらけていることがわかります。
- ねだん:同じ商品が、店によって 980 円から 1,280 円で売られているなら、ねだんの範囲は 300 円です。「どの店で買っても 300 円以内の差」とわかります。
どれも「上と下のはしが、どれだけはなれているか」を見ています。まとめると、範囲はデータの散らばりを、いちばんかんたんに表す数です。

サクラちゃん
範囲は「いちばん上 − いちばん下」。2 つの値しか使わないから、すぐ求められるのね!
範囲の例と、まちがった例
○ 正しい
- データ 3, 7, 5, 9, 4 の範囲 →
- 最高 8℃・最低 ℃の日 → (℃)
- データ 5, 5, 5, 5 の範囲 → 0(全部同じなら 0)
- 身長 148 cm〜171 cm のクラス → 範囲 23 cm
- 範囲は 0 以上の数(マイナスにならない)
- 単位はデータと同じ(点・cm・℃ など)
× まちがい
- データ 3, 7, 5, 9, 4 の範囲を「9」とする(最大値そのもの)
- 「」とする(たしている)
- 最初の値と最後の値の差 とする(並べていない)
- 「範囲は 3 から 9」と区間で答える(範囲は 1 つの数)
- を とする(符号のミス)
- 範囲が同じなら、データの散らばり方も同じと決めつける
日常の「範囲」は「テストの範囲」のように区間やわくを指しますが、統計の「範囲」は差を計算した 1 つの数です。関数の「 の変域」や「値域」(定義域と値域)とも別のものです。
図で見る
平均が同じでも、データの広がり方はちがうことがあります。A 組と B 組の 10 人ずつの点数を、点で並べてみました。
うかるくん
平均が同じなら、2 つのクラスは同じくらいの実力ってことになりませんか?
合格先生
平均は「まん中あたり」しか教えてくれないんだ。B 組は 1 点の人も 10 点の人もいて、範囲が 9 点。A 組は 4〜8 点に集まっていて範囲は 4 点。平均と散らばりをセットで見ると、データの様子がよくわかるよ。
このように、範囲は代表値(平均値・中央値など)だけでは見えない、散らばりの大きさを表します。データを比べるときは、「まん中」と「はば」の 2 つを見るのが基本です。
求め方と、度数分布表からの読み方
範囲は、次の 3 ステップで求めます。
- データを小さい順に並べる(または、いちばん大きい値と小さい値に印をつける)。
- 最大値と最小値を見つける。
- 最大値 − 最小値 を計算し、データと同じ単位をつける。
データの数が多いときは、並べかえなくても、最大と最小だけをさがせば十分です。ただ、並べておくと中央値や四分位数もいっしょに求められて便利です。
度数分布表やヒストグラムしかないときは、1 人 1 人の値がわからないので、範囲は正確には求められません。たとえば、最小の値が「10 分以上 20 分未満」の階級、最大の値が「50 分以上 60 分未満」の階級にあるとわかっているだけなら、範囲は より大きく、 より小さい、としかいえません。
| わかっていること | 範囲は? |
|---|---|
| データの値が全部わかる | 最大値 − 最小値 で、ぴったり求められる |
| 度数分布表・ヒストグラムだけ | はしの階級から、おおよそしかわからない |
| 箱ひげ図 | ひげの左はしから右はしまでの長さ(最大値 − 最小値) |
外れ値に弱い範囲と、四分位範囲
範囲は、最大値と最小値の 2 つだけで決まります。だから、ほかとかけはなれた値(外れ値)が 1 つあるだけで、大きく変わってしまいます。10 人の通学時間で、最後の 1 人だけを変えてみましょう。
| 最後の 1 人が 25 分 | 最後の 1 人が 60 分 | |
|---|---|---|
| 範囲 | (分) | (分) |
| 四分位範囲 | (分) | (分) |
| 平均値 | 16.6 分 | 20.1 分 |
9 人の様子は何も変わっていないのに、範囲は 3 倍以上になりました。そこで、データを小さい順に並べてまん中の半分のはばを見る四分位範囲(第 3 四分位数 − 第 1 四分位数)も使われます。四分位範囲は、はしの値に引きずられにくい散らばりの目安です。くわしくは四分位数・箱ひげ図で説明しています。
散らばりを表す数には、ほかに分散と標準偏差があります。範囲は 2 つの値だけで手軽に求められ、標準偏差は全部の値を使ってくわしく表す、というちがいがあります。
| 散らばりの目安 | 使う値 | 外れ値の影響 |
|---|---|---|
| 範囲 | 最大値と最小値の 2 つ | とても受けやすい |
| 四分位範囲 | 第 1・第 3 四分位数 | 受けにくい |
| 分散・標準偏差 | すべての値 | 受ける |
テスト・入試ではこう出る
範囲は中学 1 年の「データの活用」で、ヒストグラムや代表値といっしょに習います。中学 2 年で四分位範囲と箱ひげ図、高校の数学Ⅰで分散・標準偏差を学ぶときにも、散らばりの基本として出てきます。テストでは、データから範囲を求める問題、2 つの集団の散らばりを比べる問題、欠けた値を範囲から求める問題、「範囲と四分位範囲のどちらが外れ値の影響を受けやすいか」を説明する問題がよく出ます。
例題1(範囲を求める)
8 人の体重は次のとおりです(単位 kg)。範囲を求めなさい。
- 小さい順に並べる:
- 最大値は 52 kg、最小値は 38 kg。
- 範囲 (kg)
答え 14 kg(範囲には、もとのデータと同じ単位がつきます)
例題2(2 つの集団を比べる)
A 組 10 人の点数は 4, 5, 5, 6, 6, 6, 6, 7, 7, 8、B 組 10 人の点数は 1, 2, 4, 5, 6, 7, 8, 8, 9, 10 です(どちらも合計 60 点)。平均と範囲を求め、2 つの組のちがいを説明しなさい。
- 平均は、A 組 (点)、B 組も (点)で同じ。
- 範囲は、A 組 (点)、B 組 (点)。
- 平均が同じでも、B 組のほうが範囲が大きいので、点数の散らばりが大きい(できる人とにがてな人の差が大きい)といえる。
答え 平均はどちらも 6 点。範囲は A 組 4 点、B 組 9 点で、B 組のほうが散らばりが大きい

うかるくん
まず小さい順に並べる。これだけで、範囲も中央値も見落としにくくなるんだ!
まちがえやすい点

合格先生
範囲は最大値そのものではなく、最大値 − 最小値だよ!
- 最大値そのものを範囲と答える:データ 3, 7, 5, 9, 4 の範囲は「9」ではありません。範囲は差なので、 です。
- たしてしまう:「最大と最小を使う」ことだけ覚えていて、 とするまちがいです。範囲は「はし」から「はし」までの長さなので、ひき算です。
- マイナスの値の引き算:最高 8℃・最低 ℃の範囲を とするまちがいです。正しくは (℃)。数直線で から までの長さを考えると、11 目もりあります。
- 並べずに、はしの値を使う:書かれた順で最初と最後の値の差をとるまちがいです。最大・最小は、データ全体からさがします。
- 範囲が同じなら散らばり方も同じと考える:範囲は 2 つの値しか見ていません。1, 5, 5, 5, 9 と 1, 1, 5, 9, 9 はどちらも範囲 8 ですが、前者はまん中に集まり、後者ははしに分かれています。くわしく比べるには、四分位範囲や標準偏差も使います。
ことばの由来
英語では range(レンジ)といいます。range には「並び・連なり」や「(動ける・届く)はば」という意味があり、「射程(しゃてい)」や「価格帯(price range)」にも使われる言葉です。データの「はば」を表すので、この名前で呼ばれます。教科書では「範囲」と書き、「レンジ」とそえることがあります。
ミニ問題
問題1 ある日の最高気温は ℃、最低気温は ℃でした。この日の気温の範囲(日較差)は何℃ですか。
答えと解き方を見る
11℃です。範囲は 最大値 − 最小値 なので、(℃)。「」としないように、マイナスの数を引くときはかっこをつけて計算しましょう。
問題2 次のデータの範囲を求めましょう。
答えと解き方を見る
17です。小さい順に並べると 。最大値は 35、最小値は 18 なので、。最初の値 23 と最後の値 29 の差(6)ではありません。並んでいる順番に関係なく、いちばん大きい値といちばん小さい値をさがします。
問題3 5 個のデータ の範囲が 10 のとき、 の値を求めましょう。
答えと解き方を見る
または です。
- をのぞいた 4 個の範囲は で、10 より小さい。だから は、最小値か最大値のどちらかになる。
- が最小値のとき: より (12 より小さいので合う)。
- が最大値のとき: より (20 より大きいので合う)。
片方だけ答えると減点されます。「どちらの場合もあるかな?」と、いつも考えましょう。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
データの範囲の求め方は?
最大値から最小値を引きます。データ 3, 7, 5, 9, 4 なら、9−3=6 です。
範囲とレンジは同じですか?
同じです。英語の range をカタカナで書いたものがレンジです。
範囲が0になるのはどんなときですか?
データの値が全部同じときです。散らばりがまったくないことを表します。
範囲と四分位範囲のちがいは?
範囲は最大値−最小値、四分位範囲は第3四分位数−第1四分位数です。四分位範囲はまん中の半分のはばなので、外れ値の影響を受けにくいです。
ヒストグラムから範囲は求められますか?
正確には求められません。いちばんはしの階級から、おおよその大きさがわかるだけです。
範囲は何年生で習いますか?
中学1年のデータの活用で習います。中学2年の箱ひげ図や、高校の数学Ⅰのデータの分析でも使います。
出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第1学年 D データの活用
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(データの分析)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


