同値とは?意味と必要十分条件・同値変形をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

同値とは?意味と必要十分条件・同値変形をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

同値とは

「p⇒qp\Rightarrow q」と「q⇒pq\Rightarrow p」がどちらも成り立つとき、pp と qq は同値であるといい、p⇔qp\Leftrightarrow q と書きます。このとき pp は qq であるための必要十分条件です。

読み方:どうち/英語:equivalence/習う学年:数学Ⅰ(集合と命題)

うかるくん

うかるくん

同値変形って言われても、ふつうに式を変形するのと何がちがうんですか?

合格先生

合格先生

行きも帰りも成り立つ変形かどうか、がポイントなんだ。2乗のように帰りが成り立たない変形をすると、よけいな答えがまじることがあるよ。

この用語のポイント

  • 同値 = p⇒qp\Rightarrow q と q⇒pq\Rightarrow p の両方が成り立つこと(p⇔qp\Leftrightarrow q)
  • 同値と必要十分条件は同じこと。集合では P=QP=Q
  • 両辺を2乗すると同値でなくなることがある。最後に確かめる

やさしく言うと

同値は、2つの条件が「言い方はちがうけれど、中身はまったく同じ」ということです。たとえば、次の 2 つはどれも同値です。

  • 「x−3=0x-3=0」と「x=3x=3」:どちらも xx が 3 のときだけ成り立ちます。
  • 「12 の倍数」と「3 の倍数 かつ 4 の倍数」:12 の倍数なら 3 でも 4 でも割り切れ、反対に 3 でも 4 でも割り切れる数は 12 の倍数です。
  • 「正三角形」と「3 つの角がすべて等しい三角形」:正三角形の角は全部 60° で、反対に 3 つの角が等しい三角形は 3 辺も等しくなります。

矢印でいうと、行き(p⇒qp\Rightarrow q)も帰り(q⇒pq\Rightarrow p)も成り立つ関係です。集合でいうと、条件をみたすものの集合がぴったり同じ(P=QP=Q)になります。

P = Q ぴったり重なる 同値(p ⇔ q) 行きも帰りも成り立つ P Q p ⇒ q だけ P ⊂ Q で、同値ではない
同値なら、集合がぴったり重なる(P=Q)。片方に入っているだけなら同値ではない

まとめると、同値=おたがいに言いかえができる関係です。

同値の例と、同値ではない例

○ 同値

  • x−3=0⇔x=3x-3=0 \Leftrightarrow x=3
  • x2=9⇔x^2=9 \Leftrightarrow「x=3x=3 または x=−3x=-3」
  • ∣x∣<2⇔−2<x<2|x|<2 \Leftrightarrow -2<x<2
  • xy=0⇔xy=0 \Leftrightarrow「x=0x=0 または y=0y=0」
  • x2+y2=0⇔x^2+y^2=0 \Leftrightarrow「x=0x=0 かつ y=0y=0」(xx, yy は実数)

× 同値ではない

  • 「x=3x=3」と「x2=9x^2=9」(x=−3x=-3 でずれる)
  • 「x=0x=0」と「xy=0xy=0」(x=1,y=0x=1, y=0 でずれる)
  • 「正方形」と「ひし形」(正方形でないひし形がある)
  • 「x>1x>1」と「x2>1x^2>1」(x=−2x=-2 でずれる)
  • 「ac=bcac=bc」と「a=ba=b」(c=0c=0 のときずれる)

同値でないことを示すには、片方だけをみたす例(反例)を 1 つあげれば十分です。

図で見る:数直線で比べる

不等式の条件は、数直線にかくと同値かどうかがひと目でわかります。2 本の線がぴったり同じ範囲なら同値、ずれていれば同値ではありません。

○ 同値:同じ範囲 |x| < 2 −2 < x < 2 -3-2-10123 × 同値でない:範囲がずれる x > 1 x² > 1 -3-2-10123
|x|<2 と −2<x<2 は同じ範囲。x>1 と x²>1 は範囲がずれる
うかるくん

うかるくん

x>1x>1 なら必ず x2>1x^2>1 なのに、同値じゃないんですか?

合格先生

合格先生

行きは成り立つね。でも帰りの「x2>1x^2>1 ならば x>1x>1」は、x=−2x=-2 で成り立たない。片道だけでは同値とはいえないんだ。

必要十分条件との関係

p⇔qp\Leftrightarrow q のとき、「pp は qq であるための必要十分条件」といいます。同値と必要十分条件は、同じことを別の言葉で言ったものです。

p⇒qp\Rightarrow qq⇒pq\Rightarrow ppp は qq であるための
真真必要十分条件(同値)
真偽十分条件だが必要条件でない
偽真必要条件だが十分条件でない
偽偽必要条件でも十分条件でもない

方程式の同値変形

方程式や不等式を解くときは、同値な式に変えていく(同値変形)のが基本です。両辺に同じ数をたす・引く、両辺に0でない同じ数をかける・両辺を割る、は同値変形です。

ところが、両辺を2乗すると同値でなくなることがあります。a=ba=b なら a2=b2a^2=b^2 ですが、a2=b2a^2=b^2 からは a=−ba=-b の場合も出てくるからです。そのときは、最後に元の式に代入して確かめます。

同値変形 2x + 1 = 7 ⇔ 2x = 6 ⇔ x = 3 答えはそのまま x = 3 両辺を2乗すると… √x = x − 2 ⇒ x = (x − 2)² ⇒ x = 1, 4 元の式で確かめると x=1 は ×、x=4 は ○ 答えは x = 4 だけ
同値変形なら答えはそのまま。2乗したときは、元の式で確かめる

上の右の例では、x=(x−2)2x=(x-2)^2 を整理すると x2−5x+4=0x^2-5x+4=0、(x−1)(x−4)=0(x-1)(x-4)=0 で x=1,4x=1, 4 です。x=1x=1 は元の式 x=x−2\sqrt{x}=x-2 をみたさないので、答えは x=4x=4 だけです。

反対に、文字の式で両辺を割ると、答えがへることがあります。x2=xx^2=x の両辺を xx で割ると x=1x=1 だけになりますが、グラフで見ると解は 2 つあります。

xy x=0 x=1 y=x² y=x x² = x の解 = 交点 2 つ x で割ると x=1 だけ → x=0 を落とす
x²=x の解は交点の x=0, 1。x で割ると x=0 を落とす
変形同値?注意
両辺に同じ数をたす・引く同値いつでも OK
両辺に 0 でない数をかける・割る同値0 をかけると同値でない
両辺を文字の式で割る同値とは限らないその式が 0 の場合を落とす
両辺を 2 乗する同値とは限らないよけいな解がまじる。確かめる
悩むうかるくん

うかるくん

両辺を2乗すると同値でなくなることがあるから注意だね。

テスト・入試ではこう出る

高校の数学Ⅰ「集合と命題」で、必要条件・十分条件といっしょに学びます。テストでは、2 つの条件が同値かどうか、または必要条件・十分条件・必要十分条件のどれかを選ぶ問題がよく出ます。大学入学共通テストの数学Ⅰ・Aでも、この形の選択問題がよく見られます。また、方程式・不等式を解くときの同値変形は、数学Ⅱ・数学Ⅲ(無理関数など)まで、ずっと大切な考え方です。

例題1(同値かどうか)

次の 2 つの条件は同値かどうか答えなさい。
(1)「x2−5x+6=0x^2-5x+6=0」と「x=2x=2 または x=3x=3」 (2)「ac=bcac=bc」と「a=ba=b」

  1. (1) x2−5x+6=0x^2-5x+6=0 を因数分解すると (x−2)(x−3)=0(x-2)(x-3)=0。これは「x=2x=2 または x=3x=3」と同値(行きも帰りも成り立つ)。
  2. (2) 「a=ba=b ならば ac=bcac=bc」は真。しかし「ac=bcac=bc ならば a=ba=b」は、c=0c=0 のとき a=1, b=2a=1,\ b=2 でも ac=bcac=bc が成り立つので偽(反例)。

答え (1) 同値である (2) 同値でない(ac=bc⇔ac=bc\Leftrightarrow「a=ba=b または c=0c=0」)

例題2(2乗したら確かめる)

方程式 x+2=x\sqrt{x+2}=x を解きなさい。

  1. 両辺を 2 乗すると x+2=x2x+2=x^2。整理して x2−x−2=0x^2-x-2=0、(x−2)(x+1)=0(x-2)(x+1)=0 より x=2, −1x=2,\ -1。
  2. 2 乗は同値変形ではないので、元の式で確かめる。
  3. x=2x=2:左辺 4=2\sqrt4=2、右辺 2 で成り立つ。x=−1x=-1:左辺 1=1\sqrt1=1、右辺 −1-1 で成り立たない。

答え x=2x=2(はじめから「x+2=x2x+2=x^2 かつ x≧0x\geqq0」と同値な条件に直して解いてもよい)

○の札を持つうかるくん

うかるくん

同値でない変形をしたら、最後に必ず元の式で確かめる。これで安心だ!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

2乗すると同値でなくなることがある! 最後に元の式に代入して確かめよう。

  • 2乗したあとに確かめない:上の例のように、元の式の答えではない値(x=1x=1)がまじることがあります。
  • 文字で両辺を割る:x2=xx^2=x の両辺を xx で割ると x=1x=1 だけになり、x=0x=0 を落とします。正しくは x2−x=0x^2-x=0、x(x−1)=0x(x-1)=0 より x=0,1x=0, 1 です。
  • 「または」を「かつ」にする:x2=9x^2=9 は「x=3x=3 または x=−3x=-3」です。「かつ」にすると、3 と −3-3 に同時になる xx はないので、何もみたさなくなります。
  • 片道だけ確かめて同値とする:「p⇒qp\Rightarrow q」が真でも、それだけでは同値とはいえません。帰り(q⇒pq\Rightarrow p)も必ず確かめます。

ことばの由来・記号

同値は「同じ値(ねうち)」という意味で、2 つの条件が同じねうちをもつ、つまり言いかえられることを表します。英語では equivalence(イクイバレンス)といい、equi-(等しい)と valence(価値)からできたことばです。記号 ⇔\Leftrightarrow は、「⇒\Rightarrow」と「⇐\Leftarrow」を 1 つにまとめた形で、「行きも帰りも成り立つ」ことをよく表しています。

ミニ問題

問題1 条件「x=1x=1」と条件「x2=1x^2=1」は同値ですか。

答えと解き方を見る

同値ではありません。「x=1x=1 ならば x2=1x^2=1」は真ですが、「x2=1x^2=1 ならば x=1x=1」は、x=−1x=-1 という反例があるので偽です。x=1x=1 は x2=1x^2=1 であるための十分条件ですが、必要条件ではありません。

問題2 実数 xx, yy について、条件「x>0x>0 かつ y>0y>0」と条件「x+y>0x+y>0 かつ xy>0xy>0」は同値ですか。

答えと解き方を見る

同値です。

  1. 「x>0x>0 かつ y>0y>0」なら、たしても かけても正なので、x+y>0x+y>0 かつ xy>0xy>0。
  2. 逆に xy>0xy>0 なら xx と yy は同じ符号。そのうえ x+y>0x+y>0 なので、2 つとも正。

行きも帰りも成り立つので同値です。2 次方程式の 2 つの解がともに正である条件を調べるときに使う考え方です。

問題3 方程式 x3=xx^3=x を解きましょう。

答えと解き方を見る

x=−1, 0, 1x=-1,\ 0,\ 1 です。x3−x=0x^3-x=0、x(x2−1)=0x(x^2-1)=0、x(x+1)(x−1)=0x(x+1)(x-1)=0 より求められます。両辺を xx で割って x2=1x^2=1 とすると、x=0x=0 を落としてしまいます。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

同値と必要十分条件は同じですか?

同じことを表します。pとqが同値(p⇔q)のとき、pはqであるための必要十分条件で、qもpであるための必要十分条件です。

同値変形とは何ですか?

式を、それと同値な式に変えていくことです。両辺に同じ数をたす、両辺を0でない同じ数で割る、などは同値変形です。

両辺を2乗すると、なぜ同値でなくなるのですか?

a=bならa²=b²ですが、a²=b²からはa=−bの場合も出てくるからです。2乗したあとは、元の式に代入して確かめます。

同値でないことはどうやって示しますか?

一方の条件はみたすのに、もう一方はみたさない例(反例)を1つあげます。x=1とx²=1なら、x=−1が反例です。

両辺をxで割ってはいけないのはなぜ?

xが0のときは割り算ができないので、x=0の場合を落としてしまうからです。移項して因数分解すれば、すべての解が求められます。

同値は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅰ(集合と命題)で、必要条件・十分条件といっしょに習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(数と式:集合と命題)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦