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分母の有理化とは
分母に がある分数を、値を変えずに、分母に がない形に直すことです。分母と分子に同じ数をかけて、21=22 のように変形します。
読み方:ぶんぼのゆうりか/英語:rationalizing the denominator/習う学年:中学3年(平方根)・数学Ⅰ(数と式)

うかるくん
21 のままでも正しいのに、どうして有理化しないといけないんですか?
![合格先生]()
合格先生
値は同じだけど、計算しやすく、答えを比べやすくなるからだよ。22 なら、1.414÷2 ですぐに約 0.707 とわかるよね。
この用語のポイント
- 分母と分子に同じ をかける:21=22
- 上下に同じ数をかけるので、分数の大きさは変わらない
- 分母が a+b なら、符号を逆にした a−b をかける
やさしく言うと
分母の有理化は、分数の下(分母)にある を、上(分子)へ引っこしさせる変形です。分数の大きさは変えずに、見た目だけを整えます。
- わり算を楽にする:21 の近い値を手で出すには、1÷1.41421⋯ という、終わらない小数でわる計算が必要です。有理化して 22 にすれば、1.41421⋯÷2=0.7071⋯ と、2 でわるだけですみます。
- 答えの形をそろえる:同じ長さを 21 と書く人と 22 と書く人がいると、同じ答えかどうかすぐにはわかりません。「分母には を残さない」と決めておけば、答え合わせがかんたんです。
- たし算・ひき算をしやすくする:21+2 は、そのままでは計算しにくい形です。22+2=232 と、2 の仲間としてまとめられます。
有理化すると、終わらない小数でわる計算が「2 でわる」だけになるまとめると、分母の有理化は「値はそのまま、分母を整数(有理数)にして、計算と答えを見やすくする」ための変形です。
![ひらめいたうかるくん]()
うかるくん
大きさは変えずに、√ を上に引っこしさせるだけなんだ!
有理化の例と、まちがった例
○ 正しい有理化
- 21=22(上下に 2 をかける)
- 33=3(333 を約分)
- 52=510(上下に 5)
- 231=63(3 だけをかければよい)
- 82=22(先に 8=22 にすると楽)
- 3+21=3−2(上下に 3−2)
× まちがった有理化
- 21=21(分母だけにかけた。値が変わる)
- 21=22(分子だけ・分母そのまま)
- 3+21=53+2(同じ式をかけても √ は消えない)
- 3+21=51(3+2=5)
- 363 のまま(約分が残っている)
正しい有理化では、分母と分子に同じ数をかけています。だから分数の大きさは変わりません。まちがいの多くは、片方にしかかけていないか、 が消えない数をかけているかのどちらかです。
図で見る
有理化の手順は、たった 1 つです。分母の と同じものを、分母と分子にかける。2×2=2 なので、分母から が消えます。
分母と分子に同じ √2 をかけると、分母が 2 になる22 は 1 と同じです。1 をかけても数は変わらないので、有理化の前と後で値は同じです。小学校で習った 21=42(上下に 2 をかける)と同じ考え方です。
![サクラちゃん]()
サクラちゃん
21 と 22 って、本当に同じ大きさなんですか? 見た目がぜんぜんちがいます。
![合格先生]()
合格先生
図形で確かめてみよう。斜辺が 1 の直角二等辺三角形の短い辺は、三平方の定理で 21。有理化すると 22。同じ辺の長さを、2 通りに書いているだけなんだよ。
斜辺 1 の直角二等辺三角形の辺は、1/√2 とも √2/2 とも書けるどちらも約 0.707 です。教科書や入試の答えでは、ふつう分母を有理化した 22 の形で書きます。
分母が 2√3 のような形のとき・約分のコツ
分母に整数と がかけ算でついているときは、 の部分だけをかければ十分です。
コツは 2 つです。① かける前に、 の中をできるだけ小さくする(8=22 など)。② かけたあとに、約分できないか必ず見る。この 2 つで、計算ミスがぐっと減ります。
分母が √a+√b の形のとき(高校)
高校の数学Ⅰでは、3+21 のように、分母がたし算・ひき算になっている形も有理化します。このときは、真ん中の符号だけを逆にした式をかけます。乗法公式 (a+b)(a−b)=a2−b2 を使うと、 が2乗されて消えるからです。
3+21=(3+2)(3−2)3−2=3−23−2=3−2(3+2)(3−2)=3−2=1 になるようすは、面積の図で見るとよくわかります。
正方形 3 から正方形 2 をとったのこり(面積 1)は、たて √3−√2、よこ √3+√2 の長方形になる3+2 に同じ 3+2 をかけると、(3+2)2=5+26 となり、 が残ってしまいます。符号を変えたものをかけるのがポイントです。
テスト・入試ではこう出る
中学 3 年の平方根の単元で習い、平方根の計算問題ではほぼ毎回使います。高校入試でも、答えに がふくまれるときは、分母を有理化した形で答えるのが基本です。高校の数学Ⅰでは、分母が a+b の形の有理化や、その結果を使って式の値を求める問題が出ます。
例題1(中学3年)
36 の分母を有理化しなさい。
- 分母が 3 なので、分母と分子に 3 をかける:3×36×3=363
- 6 と 3 を約分する:363=23
答え 23(たしかめ:23×3=6 なので、6÷3=23 で合っています)
例題2(数学Ⅰ)
5−31 の分母を有理化しなさい。
- 分母は 5−3。符号だけを変えた 5+3 を、分母と分子にかける。
- 分母:(5−3)(5+3)=(5)2−(3)2=5−3=2
- 分子:1×(5+3)=5+3
答え 25+3
![「ここが大事!」と説明する合格先生]()
合格先生
有理化したら、最後に「約分できないか」を必ず見よう!
まちがえやすい点
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
有理化は分母と分子の両方にかける! 片方だけだと値が変わるよ。
- 分母にだけかける:21 の分母にだけ 2 をかけて 21 とするのは×。値が変わってしまいます。分母と分子の両方にかけて 22 です。
- 約分をし忘れる:36=363 で止めるのは不十分です。23 まで約分します。
- a+b に同じ式をかける:3+21 に 3+2 をかけても、分母は 5+26 で が消えません。かけるのは符号を逆にした 3−2 です。
- のたし算を1つにまとめる:3+2=5 は×です(1.732+1.414=3.146、5≒2.236)。 の中どうしは、たし算ではまとめられません。
- 分子のほうに があるとあわてる:32 でかけるのは、分母にある 3 です。分子の 2 をかけても、分母の 3 は消えません。
ことばの由来
有理化の「有理」は有理数のことで、「分母を有理数にする」という意味です。有理数は整数の分数で表せる数、2 や 3 は分数で表せない無理数です。英語では rationalizing the denominator(分母を有理数にすること)といいます。rational number(有理数)の rational には、ratio(比)とつながる意味があります。
なお、高校の数学Ⅲでは、極限の計算のために分子の を消す「分子の有理化」という変形も使います。やり方(符号を変えた式をかける)は同じです。
ミニ問題
問題1 55 の分母を有理化しましょう。
答えと解き方を見る
5 です。分母と分子に 5 をかけると 555。5 で約分して 5 になります。「555」で止めると、約分のし忘れです。
問題2 263 の分母を有理化しましょう。
答えと解き方を見る
42 です。
- 先に どうしを約分する:263=221(6=3×2 だから)。
- 分母と分子に 2 をかける:2×22=42。
いきなり 6 をかけても 1218=1232=42 で同じ答えになりますが、先に約分したほうが数が小さくてすみます。
問題3 3+13−1 の分母を有理化しましょう。
答えと解き方を見る
2−3 です。
- 分母が 3+1 なので、分母と分子に 3−1 をかける。
- 分母:(3+1)(3−1)=3−1=2
- 分子:(3−1)2=3−23+1=4−23
- 24−23=2−3
たしかめ:3≒1.732 とすると、もとの式は 0.732÷2.732≒0.268、答えも 2−1.732=0.268 で同じです。
関連する公式・用語
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よくある質問
分母の有理化とは簡単にいうと何ですか?
分母にある√を、分数の大きさを変えずに分子へ移す変形です。分母と分子に同じ√をかけて、1/√2=√2/2 のようにします。
なぜ分母を有理化するのですか?
近い値の計算がしやすくなり、答えの形がそろって比べやすくなるからです。√2/2 なら 1.414÷2 で約0.707とすぐわかります。
有理化しないと答えはまちがいですか?
値としては正しいですが、テストや入試では分母を有理化した形で答えるのが基本です。有理化していないと減点されることがあります。
分母が √3+√2 のときはどうしますか?
真ん中の符号を逆にした √3−√2 を、分母と分子にかけます。(√3+√2)(√3−√2)=3−2=1 となり、分母から√が消えます。
分母が 2√3 のときは何をかければよいですか?
√3 だけをかければ十分です。1/(2√3)=√3/6 になります。
分母の有理化は何年生で習いますか?
中学3年の平方根で習います。分母が√a+√bの形の有理化は、高校の数学Ⅰで習います。
出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第3学年 A 数と式(平方根)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(数と式)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦