分母の有理化とは?やり方とコツをわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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分母の有理化とは

分母に  \sqrt{\ } がある分数を、値を変えずに、分母に  \sqrt{\ } がない形に直すことです。分母と分子に同じ数をかけて、12=22\dfrac1{\sqrt2}=\dfrac{\sqrt2}2 のように変形します。

読み方:ぶんぼのゆうりか/英語:rationalizing the denominator/習う学年:中学3年(平方根)・数学Ⅰ(数と式)

うかるくん

うかるくん

12\dfrac1{\sqrt2} のままでも正しいのに、どうして有理化しないといけないんですか?

合格先生

合格先生

値は同じだけど、計算しやすく、答えを比べやすくなるからだよ。22\dfrac{\sqrt2}2 なら、1.414÷21.414\div2 ですぐに約 0.707 とわかるよね。

この用語のポイント

  • 分母と分子に同じ  \sqrt{\ } をかける:12=22\dfrac1{\sqrt2}=\dfrac{\sqrt2}2
  • 上下に同じ数をかけるので、分数の大きさは変わらない
  • 分母が a+b\sqrt a+\sqrt b なら、符号を逆にした a−b\sqrt a-\sqrt b をかける

やさしく言うと

分母の有理化は、分数の下(分母)にある  \sqrt{\ } を、上(分子)へ引っこしさせる変形です。分数の大きさは変えずに、見た目だけを整えます。

  • わり算を楽にする:12\dfrac1{\sqrt2} の近い値を手で出すには、1÷1.41421⋯1\div1.41421\cdots という、終わらない小数でわる計算が必要です。有理化して 22\dfrac{\sqrt2}2 にすれば、1.41421⋯÷2=0.7071⋯1.41421\cdots\div2=0.7071\cdots と、2 でわるだけですみます。
  • 答えの形をそろえる:同じ長さを 12\dfrac1{\sqrt2} と書く人と 22\dfrac{\sqrt2}2 と書く人がいると、同じ答えかどうかすぐにはわかりません。「分母には  \sqrt{\ } を残さない」と決めておけば、答え合わせがかんたんです。
  • たし算・ひき算をしやすくする:12+2\dfrac1{\sqrt2}+\sqrt2 は、そのままでは計算しにくい形です。22+2=322\dfrac{\sqrt2}2+\sqrt2=\dfrac{3\sqrt2}2 と、2\sqrt2 の仲間としてまとめられます。
1/√2 の近い値を、手で計算したい そのまま 有理化してから 1√2 √22 1 ÷ 1.41421… 1.41421… ÷ 2 わる数が、終わらない 小数 → 計算が大変 = 0.7071… 2 でわるだけ → かんたん
有理化すると、終わらない小数でわる計算が「2 でわる」だけになる

まとめると、分母の有理化は「値はそのまま、分母を整数(有理数)にして、計算と答えを見やすくする」ための変形です。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

大きさは変えずに、√ を上に引っこしさせるだけなんだ!

有理化の例と、まちがった例

○ 正しい有理化

  • 12=22\dfrac1{\sqrt2}=\dfrac{\sqrt2}2(上下に 2\sqrt2 をかける)
  • 33=3\dfrac3{\sqrt3}=\sqrt3(333\dfrac{3\sqrt3}3 を約分)
  • 25=105\dfrac{\sqrt2}{\sqrt5}=\dfrac{\sqrt{10}}5(上下に 5\sqrt5)
  • 123=36\dfrac1{2\sqrt3}=\dfrac{\sqrt3}6(3\sqrt3 だけをかければよい)
  • 28=22\dfrac2{\sqrt8}=\dfrac{\sqrt2}2(先に 8=22\sqrt8=2\sqrt2 にすると楽)
  • 13+2=3−2\dfrac1{\sqrt3+\sqrt2}=\sqrt3-\sqrt2(上下に 3−2\sqrt3-\sqrt2)

× まちがった有理化

  • 12=12\dfrac1{\sqrt2}=\dfrac{1}{2}(分母だけにかけた。値が変わる)
  • 12=22\dfrac1{\sqrt2}=\dfrac{\sqrt2}{\sqrt2}(分子だけ・分母そのまま)
  • 13+2=3+25\dfrac1{\sqrt3+\sqrt2}=\dfrac{\sqrt3+\sqrt2}{5}(同じ式をかけても √ は消えない)
  • 13+2=15\dfrac{1}{\sqrt3+\sqrt2}=\dfrac1{\sqrt5}(3+2≠5\sqrt3+\sqrt2\ne\sqrt5)
  • 633\dfrac{6\sqrt3}{3} のまま(約分が残っている)

正しい有理化では、分母と分子に同じ数をかけています。だから分数の大きさは変わりません。まちがいの多くは、片方にしかかけていないか、 \sqrt{\ } が消えない数をかけているかのどちらかです。

図で見る

有理化の手順は、たった 1 つです。分母の  \sqrt{\ } と同じものを、分母と分子にかける。2×2=2\sqrt2\times\sqrt2=2 なので、分母から  \sqrt{\ } が消えます。

1√2 1 × √2√2 × √2 √22 上と下に 同じ √2 をかける √2×√2 = 2 分母に √ がない 上と下に同じ数をかけても、分数の大きさは同じ (2/4 = 1/2 と同じ考え方)
分母と分子に同じ √2 をかけると、分母が 2 になる

22\dfrac{\sqrt2}{\sqrt2} は 1 と同じです。1 をかけても数は変わらないので、有理化の前と後で値は同じです。小学校で習った 12=24\dfrac12=\dfrac24(上下に 2 をかける)と同じ考え方です。

サクラちゃん

サクラちゃん

12\dfrac1{\sqrt2} と 22\dfrac{\sqrt2}2 って、本当に同じ大きさなんですか? 見た目がぜんぜんちがいます。

合格先生

合格先生

図形で確かめてみよう。斜辺が 1 の直角二等辺三角形の短い辺は、三平方の定理で 12\dfrac1{\sqrt2}。有理化すると 22\dfrac{\sqrt2}2。同じ辺の長さを、2 通りに書いているだけなんだよ。

1 45°45° 1√2 √22 左の辺も右の辺も同じ長さ(約 0.707)。書き方がちがうだけ
斜辺 1 の直角二等辺三角形の辺は、1/√2 とも √2/2 とも書ける

どちらも約 0.707 です。教科書や入試の答えでは、ふつう分母を有理化した 22\dfrac{\sqrt2}2 の形で書きます。

分母が 2√3 のような形のとき・約分のコツ

分母に整数と  \sqrt{\ } がかけ算でついているときは、 \sqrt{\ } の部分だけをかければ十分です。

もとの式かけるもの答え
123\dfrac1{2\sqrt3}3\sqrt3(232\sqrt3 でなくてよい)36\dfrac{\sqrt3}{6}
48\dfrac{4}{\sqrt8}先に 8=22\sqrt8=2\sqrt2 にして約分 → 22\dfrac2{\sqrt2}2\sqrt2
63\dfrac{\sqrt6}{\sqrt3}かけずに 63\sqrt{\dfrac63} とまとめる2\sqrt2
105\dfrac{10}{\sqrt5}5\sqrt51055=25\dfrac{10\sqrt5}{5}=2\sqrt5

コツは 2 つです。① かける前に、 \sqrt{\ } の中をできるだけ小さくする(8=22\sqrt8=2\sqrt2 など)。② かけたあとに、約分できないか必ず見る。この 2 つで、計算ミスがぐっと減ります。

分母が √a+√b の形のとき(高校)

高校の数学Ⅰでは、13+2\dfrac1{\sqrt3+\sqrt2} のように、分母がたし算・ひき算になっている形も有理化します。このときは、真ん中の符号だけを逆にした式をかけます。乗法公式 (a+b)(a−b)=a2−b2(a+b)(a-b)=a^2-b^2 を使うと、 \sqrt{\ } が2乗されて消えるからです。

13+2=3−2(3+2)(3−2)=3−23−2=3−2\frac1{\sqrt3+\sqrt2}=\frac{\sqrt3-\sqrt2}{(\sqrt3+\sqrt2)(\sqrt3-\sqrt2)}=\frac{\sqrt3-\sqrt2}{3-2}=\sqrt3-\sqrt2

(3+2)(3−2)=3−2=1(\sqrt3+\sqrt2)(\sqrt3-\sqrt2)=3-2=1 になるようすは、面積の図で見るとよくわかります。

1辺 √2 面積 2 1辺 √3(面積 3) 大きい正方形 3 − 小さい正方形 2 = のこり(L字)1 L字を2つに切って、 横につなぐと長方形になる よこ √3 + √2 たて √3 − √2 (√3+√2)(√3−√2)= 3 − 2 = 1
正方形 3 から正方形 2 をとったのこり(面積 1)は、たて √3−√2、よこ √3+√2 の長方形になる

3+2\sqrt3+\sqrt2 に同じ 3+2\sqrt3+\sqrt2 をかけると、(3+2)2=5+26(\sqrt3+\sqrt2)^2=5+2\sqrt6 となり、 \sqrt{\ } が残ってしまいます。符号を変えたものをかけるのがポイントです。

テスト・入試ではこう出る

中学 3 年の平方根の単元で習い、平方根の計算問題ではほぼ毎回使います。高校入試でも、答えに  \sqrt{\ } がふくまれるときは、分母を有理化した形で答えるのが基本です。高校の数学Ⅰでは、分母が a+b\sqrt a+\sqrt b の形の有理化や、その結果を使って式の値を求める問題が出ます。

例題1(中学3年)

63\dfrac{6}{\sqrt3} の分母を有理化しなさい。

  1. 分母が 3\sqrt3 なので、分母と分子に 3\sqrt3 をかける:6×33×3=633\dfrac{6\times\sqrt3}{\sqrt3\times\sqrt3}=\dfrac{6\sqrt3}{3}
  2. 6 と 3 を約分する:633=23\dfrac{6\sqrt3}{3}=2\sqrt3

答え 232\sqrt3(たしかめ:23×3=62\sqrt3\times\sqrt3=6 なので、6÷3=236\div\sqrt3=2\sqrt3 で合っています)

例題2(数学Ⅰ)

15−3\dfrac{1}{\sqrt5-\sqrt3} の分母を有理化しなさい。

  1. 分母は 5−3\sqrt5-\sqrt3。符号だけを変えた 5+3\sqrt5+\sqrt3 を、分母と分子にかける。
  2. 分母:(5−3)(5+3)=(5)2−(3)2=5−3=2(\sqrt5-\sqrt3)(\sqrt5+\sqrt3)=(\sqrt5)^2-(\sqrt3)^2=5-3=2
  3. 分子:1×(5+3)=5+31\times(\sqrt5+\sqrt3)=\sqrt5+\sqrt3

答え 5+32\dfrac{\sqrt5+\sqrt3}{2}

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

有理化したら、最後に「約分できないか」を必ず見よう!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

有理化は分母と分子の両方にかける! 片方だけだと値が変わるよ。

  • 分母にだけかける:12\dfrac1{\sqrt2} の分母にだけ 2\sqrt2 をかけて 12\dfrac12 とするのは×。値が変わってしまいます。分母と分子の両方にかけて 22\dfrac{\sqrt2}2 です。
  • 約分をし忘れる:63=633\dfrac{6}{\sqrt3}=\dfrac{6\sqrt3}3 で止めるのは不十分です。232\sqrt3 まで約分します。
  • a+b\sqrt a+\sqrt b に同じ式をかける:13+2\dfrac1{\sqrt3+\sqrt2} に 3+2\sqrt3+\sqrt2 をかけても、分母は 5+265+2\sqrt6 で  \sqrt{\ } が消えません。かけるのは符号を逆にした 3−2\sqrt3-\sqrt2 です。
  •  \sqrt{\ } のたし算を1つにまとめる:3+2=5\sqrt3+\sqrt2=\sqrt5 は×です(1.732+1.414=3.1461.732+1.414=3.146、5≒2.236\sqrt5\fallingdotseq2.236)。 \sqrt{\ } の中どうしは、たし算ではまとめられません。
  • 分子のほうに  \sqrt{\ } があるとあわてる:23\dfrac{\sqrt2}{\sqrt3} でかけるのは、分母にある 3\sqrt3 です。分子の 2\sqrt2 をかけても、分母の 3\sqrt3 は消えません。

ことばの由来

有理化の「有理」は有理数のことで、「分母を有理数にする」という意味です。有理数は整数の分数で表せる数、2\sqrt2 や 3\sqrt3 は分数で表せない無理数です。英語では rationalizing the denominator(分母を有理数にすること)といいます。rational number(有理数)の rational には、ratio(比)とつながる意味があります。

なお、高校の数学Ⅲでは、極限の計算のために分子の  \sqrt{\ } を消す「分子の有理化」という変形も使います。やり方(符号を変えた式をかける)は同じです。

ミニ問題

問題1 55\dfrac{5}{\sqrt5} の分母を有理化しましょう。

答えと解き方を見る

5\sqrt5 です。分母と分子に 5\sqrt5 をかけると 555\dfrac{5\sqrt5}{5}。5 で約分して 5\sqrt5 になります。「555\dfrac{5\sqrt5}{5}」で止めると、約分のし忘れです。

問題2 326\dfrac{\sqrt3}{2\sqrt6} の分母を有理化しましょう。

答えと解き方を見る

24\dfrac{\sqrt2}{4} です。

  1. 先に  \sqrt{\ } どうしを約分する:326=122\dfrac{\sqrt3}{2\sqrt6}=\dfrac{1}{2\sqrt2}(6=3×2\sqrt6=\sqrt3\times\sqrt2 だから)。
  2. 分母と分子に 2\sqrt2 をかける:22×2=24\dfrac{\sqrt2}{2\times2}=\dfrac{\sqrt2}{4}。

いきなり 6\sqrt6 をかけても 1812=3212=24\dfrac{\sqrt{18}}{12}=\dfrac{3\sqrt2}{12}=\dfrac{\sqrt2}{4} で同じ答えになりますが、先に約分したほうが数が小さくてすみます。

問題3 3−13+1\dfrac{\sqrt3-1}{\sqrt3+1} の分母を有理化しましょう。

答えと解き方を見る

2−32-\sqrt3 です。

  1. 分母が 3+1\sqrt3+1 なので、分母と分子に 3−1\sqrt3-1 をかける。
  2. 分母:(3+1)(3−1)=3−1=2(\sqrt3+1)(\sqrt3-1)=3-1=2
  3. 分子:(3−1)2=3−23+1=4−23(\sqrt3-1)^2=3-2\sqrt3+1=4-2\sqrt3
  4. 4−232=2−3\dfrac{4-2\sqrt3}{2}=2-\sqrt3

たしかめ:3≒1.732\sqrt3\fallingdotseq1.732 とすると、もとの式は 0.732÷2.732≒0.2680.732\div2.732\fallingdotseq0.268、答えも 2−1.732=0.2682-1.732=0.268 で同じです。

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よくある質問

分母の有理化とは簡単にいうと何ですか?

分母にある√を、分数の大きさを変えずに分子へ移す変形です。分母と分子に同じ√をかけて、1/√2=√2/2 のようにします。

なぜ分母を有理化するのですか?

近い値の計算がしやすくなり、答えの形がそろって比べやすくなるからです。√2/2 なら 1.414÷2 で約0.707とすぐわかります。

有理化しないと答えはまちがいですか?

値としては正しいですが、テストや入試では分母を有理化した形で答えるのが基本です。有理化していないと減点されることがあります。

分母が √3+√2 のときはどうしますか?

真ん中の符号を逆にした √3−√2 を、分母と分子にかけます。(√3+√2)(√3−√2)=3−2=1 となり、分母から√が消えます。

分母が 2√3 のときは何をかければよいですか?

√3 だけをかければ十分です。1/(2√3)=√3/6 になります。

分母の有理化は何年生で習いますか?

中学3年の平方根で習います。分母が√a+√bの形の有理化は、高校の数学Ⅰで習います。

出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第3学年 A 数と式(平方根)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(数と式)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦