
この記事の結論
- 十の位を足すと10、一の位が同じ2桁×2桁は、① 十の位どうしの積+一の位と② 一の位の2乗(2けたで)をならべるだけ
- 例:72×32 → 7×3+2=23、2×2=04 → ならべて 2304
- インド式かけ算は全9回。どの数のときにどの方法を使うかは早見表へ
うかるくん
72×32なんて、筆算しないと無理だよ……。
サクラちゃん
よく見ると、一の位はどっちも2。十の位は7と3で、たすと10だね。
合格先生
その形に気づけば勝ちだ。7×3+2=23、2×2=04。ならべて2304。九九だけで答えが出るぞ。
使える形:十の位の和が10、一の位が同じ
第一回の方法が使えるのは、2つの2桁の数が次の2つの条件をどちらも満たすときです。
- 十の位を足すと10になる(7+3=10)
- 一の位が同じ数(2と2)
ノートに2つの数をたてに並べると、たしかめやすくなります。十の位の列と一の位の列を、それぞれ見るだけです。
十の位の組み合わせは「1と9」「2と8」「3と7」「4と6」「5と5」の5通り、一の位は0〜9の10通りなので、この形のかけ算は全部で50組あります。
やり方(4ステップ):72×32
- 十の位どうしをかけます。7×3=21。
- それに一の位をたします。21+2=23。これが答えの前の部分(百の位から上)です。
- 一の位どうしをかけます。2×2=4。答えの後ろはかならず2けたなので、0をつけて04にします。
- ②と③をならべて 2304。これが答えです。

合格先生
前は「十の位どうしの積+一の位」、後ろは「一の位の2乗を2けたで」。この2つをならべるだけだ!
もう1問:64×44
十の位は6+4=10、一の位はどちらも4なので使えます。
- 6×4=24、24+4=28。
- 4×4=16。2けたなので、そのまま書きます。
- ならべて 2816。
一の位の2乗が1けたなら、0をつける:61×41
一の位が1・2・3のときは、一の位の2乗が1けた(1、4、9)になります。このときは前に0をつけて2けたにします。
61×41は「60×40=2400より少し大きい」くらいの数です。251では小さすぎるので、だいたいの大きさを考えると間違いに気づけます。
十の位が5と5、1と9のとき
55×55は、5+5=10、一の位も5なので使えます。5×5+5=30、5×5=25で 3025。19×99なら、1×9+9=18、9×9=81で 1881 です。一の位が0の70×30でも、7×3+0=21、0×0=00で2100と、ちゃんと計算できます。
うかるくん
九九と、たし算1回だけで4けたの答えが出た!
合格先生
慣れたら、②の「一の位をたす」も頭の中でできる。72×32なら「21と2で23、2×2で04」だ。
なぜこの方法で計算できるの?
面積図で考える
72×32は、よこ72、たて32の長方形の面積です。72を70と2、32を30と2に分けると、長方形は4つに分かれます。
- 青(70×30=2100)は、7×3=21 の100倍です。
- オレンジ2つ(70×2=140 と 2×30=60)は、合わせると 2×(70+30)=2×100=200。十の位の和が10なので、70+30がちょうど100になるのがポイントです。
- 赤(2×2=4)が、答えの後ろの2けたです。
青とオレンジを合わせると 2100+200=2300=23×100。この23が「7×3+2」です。最後に赤の4をたして 2304 になります。
文字式で考える(中学生・高校生向け)
十の位を a と b(a+b=10)、一の位を c とすると、2つの数は 10a+c と 10b+c と表せます。
(10a+c)(10b+c)
=100ab+10c(a+b)+c²
=100ab+100c+c² (a+b=10 を使う)
=100×(ab+c)+c²
ab+c が答えの前の部分、c² が後ろの2けたです。c は9までなので c² は81までで、後ろが3けたになることはありません。中学3年で習う式の展開(乗法公式)の練習にもなります。
使える数・使えない数の見分け方
72×34のように一の位がちがうときや、73×43のように十の位の和が10にならないときは、この方法はそのままでは使えません。ほかの方法を使いましょう。
- 47×43のように十の位が同じで、一の位の和が10なら、反対の形の第二回が使えます。
- 形がそろっていない2桁×2桁は、第八回のたすきがけなら、どんな数でも計算できます。
- 一の位が同じだけなら、下の応用の広げ方も使えます。
よくある間違い

サクラちゃん
7×3=21で、そのまま2104って書いちゃった……!
| 間違い | 例 | 正しくは |
|---|---|---|
| 一の位をたし忘れる | 72×32 → 21と04で 2104 | 7×3+2=23 → 2304 |
| 後ろの0を忘れる | 61×41 → 25と1で 251 | 1を01と書いて 2501 |
| 一の位どうしをたしてしまう | 64×44 → 4+4=8で 2808 | 一の位はかける:4×4=16 → 2816 |
| 十の位の和が10でないのに使う | 73×43 → 31と09で 3109 | 形がちがう。正しくは 3139 |
| 一の位がちがうのに使う | 72×34 → 23と08で 2308 | 形がちがう。正しくは 2448 |
迷ったら、先に2つの条件(十の位の和が10、一の位が同じ)をたしかめるくせをつけましょう。答えのだいたいの大きさを見るのも有効です。
練習問題①(基本 10問)
答えは「答えを見る」を押すと開きます。( )の中は、前の部分と後ろの2けたの出し方です。
- 64×44=
- 37×77=
- 24×84=
- 56×56=
- 82×22=
- 46×66=
- 79×39=
- 19×99=
- 63×43=
- 48×68=
答えを見る
- 64×44=2816 (6×4+4=28、4×4=16)
- 37×77=2849 (3×7+7=28、7×7=49)
- 24×84=2016 (2×8+4=20、4×4=16)
- 56×56=3136 (5×5+6=31、6×6=36)
- 82×22=1804 (8×2+2=18、2×2=04)
- 46×66=3036 (4×6+6=30、6×6=36)
- 79×39=3081 (7×3+9=30、9×9=81)
- 19×99=1881 (1×9+9=18、9×9=81)
- 63×43=2709 (6×4+3=27、3×3=09)
- 48×68=3264 (4×6+8=32、8×8=64)
練習問題②(0をつける問題をふくむ10問)
一の位が1・2・3のときは、後ろに0をつけるのを忘れないようにしましょう。
- 91×11=
- 33×73=
- 13×93=
- 81×21=
- 53×53=
- 87×27=
- 26×86=
- 71×31=
- 58×58=
- 94×14=
答えを見る
- 91×11=1001 (9×1+1=10、1×1=01)
- 33×73=2409 (3×7+3=24、3×3=09)
- 13×93=1209 (1×9+3=12、3×3=09)
- 81×21=1701 (8×2+1=17、1×1=01)
- 53×53=2809 (5×5+3=28、3×3=09)
- 87×27=2349 (8×2+7=23、7×7=49)
- 26×86=2236 (2×8+6=22、6×6=36)
- 71×31=2201 (7×3+1=22、1×1=01)
- 58×58=3364 (5×5+8=33、8×8=64)
- 94×14=1316 (9×1+4=13、4×4=16)

うかるくん
20問ぜんぶできた! 「たすと10、一の位が同じ」を見つけたら、もうこっちのものだね!
応用:もっと広く使うには
一の位が同じなら、十の位の和が10でなくても
文字式の途中の 100ab+10c(a+b)+c² は、一の位が同じなら、いつでも成り立ちます。十の位の和が10のときは、まん中が 100c になって、ならべるだけでよくなる、というわけです。和が10でないときは、3つをたします。
73×43なら、7×4=28 → 2800、一の位3×十の位の和11=33 → 330、3×3=9。たして 3139 です。
3桁の数にも:112×92
一の位が同じなら、3桁の数でも「一の位より上の部分」を十の位のように考えて計算できます。
| 手順 | 112×92(一の位はどちらも2) | 計算 |
|---|---|---|
| ① 上の部分どうし(×100) | 11×9=99 | 9900 |
| ② 一の位×上の部分の和(×10) | 2×(11+9)=2×20=40 | 400 |
| ③ 一の位どうし | 2×2=4 | 4 |
| ④ たす | 9900+400+4 | 10304 |
お金や小数の計算にも
「1人7200円の食事代、32人分でいくら?」は、72×32=2304 に00をつけて 23万400円。7.2×3.2 も、72×32=2304 から小数点を2つ動かして 23.04 と出せます。
インド式かけ算 全9回の早見表
数の形を見て、使う回を選びましょう。どれにも当てはまらないときは、第八回のたすきがけを使います。
| 回 | 使える数 | 例 |
|---|---|---|
| 第一回(この記事) | 十の位を足すと10、一の位が同じ | 72×32 |
| 第二回 | 十の位が同じ、一の位を足すと10 | 47×43 |
| 第三回 | 2桁×11 | 42×11 |
| 第四回 くれない算 | 11〜19どうし(一の位を貸してくれない?) | 12×16 |
| 第五回 | 和と差の積の公式が使える | 53×47 |
| 第六回 | 一の位が1の数をかける | 60×31 |
| 第七回 | 一の位が9の数をかける | 60×39 |
| 第八回 たすきがけ | どんな2桁×2桁でも | 23×41 |
| 第九回 | どちらも100に近い | 97×96 |
シリーズの目次は「インド式 2桁の数×2桁の数のかけ算・目次」にもあります。
なぜ計算力が大切なの?
数学や化学・物理では、解き方がわかっていても計算ミスで得点を落とすことがあります。記述式なら部分点がもらえることもありますが、共通テストのようなマーク式では0点です。計算の近道を知っていると、答えを別の方法でたしかめることもでき、ミスを減らせます。
※元の記事では、計算例の式(72×23)にまちがいがあり、2014年2月5日に「72×32」に訂正しました。ご指摘ありがとうございました。
インド式かけ算シリーズ
- 第一回 十の位を足すと10、一の位が同じ(72×32など)(この記事)
- 第二回 十の位が同じで、一の位を足すと10(47×43など)
- 第三回 2桁×11(42×11など)
- 第四回 くれない算(11〜19どうし)(12×16など)
- 第五回 和と差の積の公式が使える(53×47など)
- 第六回 一の位が1の数をかける(60×31など)
- 第七回 一の位が9の数をかける(60×39など)
- 第八回 たすきがけ(どんな2桁×2桁でも)(23×41など)
- 第九回 100に近い数どうし(97×96など)
どの数のときにどの方法を使うかは「インド式かけ算・目次と早見表」へ。11〜19どうしのかけ算は、名前で覚えるくれない算がおすすめです。
くれない算の本家ページ(京大紅萌会)
小学生にもわかるように、ふりがな・イラストつきで説明しています。
くれない算(紅算)のやり方|11〜19のかけ算が頭の中でできる ›
🖨 くれない算の練習プリント(無料・PDF):小学生向けの解説・練習・答えのプリントを、京大紅萌会のくれない算ページで配布中です。学校の先生・塾の先生・保護者の方などは自由にお使いください → プリントを見る ›
よくある質問
72×32を暗算するには?
7×3+2=23、2×2=4を2けたで04として、ならべて2304です。
この方法が使える条件は?
2つの数の十の位を足すと10になり、一の位が同じであることです。72×32なら7+3=10、一の位はどちらも2です。
61×41はどう計算しますか?
6×4+1=25、1×1=1を2けたで01とし、ならべて2501です。後ろの0を忘れて251としないように注意します。
なぜこの方法で計算できるのですか?
(10a+c)(10b+c)を展開し、a+b=10を使うと、100×(ab+c)+c²になるからです。面積図では、オレンジの2つの部分を合わせるとちょうどc×100になります。
十の位の和が10でないときは使えますか?
そのままでは使えません。ただし一の位が同じなら、十の位どうしの積×100、一の位×十の位の和×10、一の位の2乗の3つをたせば計算できます。73×43なら2800+330+9=3139です。
インド式かけ算は何種類ありますか?
この記事のシリーズでは全9回です。十の位や一の位の組み合わせで使い分け、どれにも当てはまらないときは第八回のたすきがけを使います。
あわせて読みたい
出典・参考
- 計算のしくみは中学校数学の「式の展開」による説明です
- 練習問題・本文の計算はすべて検算済みです
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦












