この記事の結論
- 勉強記録(勉強ログ)とは、いつ・何を・どれだけ・どのくらい集中して勉強したかを毎日書き残すことです。書くのは「時間・科目・やったこと・量・集中度」の5つで十分です。
- 大事なのは書くことより週に1回ふり返って計画を直すこと。東京大学(東大)のように配点が決まっている入試では、科目別の勉強時間を配点とくらべるだけで、足りない科目がひと目で分かります。

この記事は、2009年1月に書いたものです。もとは、受験勉強のブログ「東大受験勉強録」の紹介でした。当時の紹介文はこうです。
理系で東大を目指す高校生のブログ。頑張って勉強されています。東大合格応援します。
そのブログ(study24.blog.shinobi.jp)は、2026年10月に確かめたところ閲覧が制限されていて読めませんでした(リンク切れ)。でも「毎日の勉強を記録して公開する」というやり方は、今でもSNSや勉強アプリで多くの受験生が続けています。そこで2026年10月に、題材を「勉強記録(勉強ログ)のつけ方:東大志望者の勉強の見える化」に広げて書き直しました。東大入試の全体像(科類・配点・日程)は「東大合格大作戦(東大の入試の仕組み)」にまとめています。
勉強記録(勉強ログ)とは?東大志望者がつける3つの理由
勉強ログの「ログ」は、英語の log(記録・日誌)のことです。船の航海日誌(logbook)が語源とされます。勉強ログは、毎日の勉強を日誌のように書き残すことです。東大を目ざす人ほど記録をつけたほうがよい理由は、次の3つです。
理由1:「やったつもり」がなくなる
1日の終わりに「今日はよく勉強した」と感じても、書き出すと実は2時間だった、ということはよくあります。逆に、少ないと思っていた日に意外と進んでいることもあります。記録は、自分の感覚ではなく事実で勉強を見るための道具です。
理由2:配点に合った時間の使い方ができる
東大の2次試験(第2次学力試験)は440点満点で、文科は国語120・数学80・地理歴史120・外国語120、理科は国語80・数学120・理科120・外国語120です。どの科目にどれだけ時間を使ったかを記録すれば、配点とのずれがすぐ分かります(くわしくは下の図3)。
理由3:やる気が続く
記録がたまっていくと、「ここまで続けてきた」という自信になります。カレンダーに印が並ぶと、途切れさせたくない気持ちも生まれます。やる気の保ち方は「東大生の勉強法|やる気の保ち方と続けるコツ」でもくわしく書きました。
図1のように、勉強ログは4つの段階の輪で使います。①記録するだけでは日記と同じです。②科目別に合計して見える化し、③週に1回ふり返り、④来週の計画を直す。ここまでやって初めて、点数につながります。
勉強ログのつけ方:書くのは5つだけ
毎日書くものは、たくさんあると続きません。次の5つにしぼりましょう。
| 書くこと | 書き方の例 | なぜ書くか |
|---|---|---|
| ① 時間 | 16:30〜17:20(50分) | 1日・1週間の合計を出すため |
| ② 科目 | 数学 | 配点とくらべるため |
| ③ やったこと | 問題集 ベクトルの例題 | 次に何をするか決めるため |
| ④ 量 | 4題・50語・2ページ | 時間だけでなく中身を見るため |
| ⑤ 集中度 | ◎・○・△の3段階 | 時間帯や科目の向き不向きを知るため |
「量」を必ず書く
時間だけを記録すると、「机に向かっていた時間」が増えることが目的になってしまいます。1時間で英単語を100語覚えた日と、1時間ぼんやりしていた日は、同じ1時間ではありません。題数・語数・ページ数のように、中身の量も必ず書きましょう。
集中度は3段階で十分
集中度は◎(よく集中できた)・○(ふつう)・△(集中できなかった)の3つで十分です。1か月分たまると、「朝の英語は◎が多い」「夜9時からの理科は△が多い」のような自分の傾向が見えてきます。△が多い時間帯には、暗記の見直しのような軽い勉強を入れると効率が上がります。
「ひとこと」で次の一歩を決める
1日の最後に、つまずいた所を1行だけ書いておきます。「化学平衡の計算で手が止まった→明日、教科書で確認」のように、次にやることまで書くのがコツです。翌日の勉強を始めるときに迷わなくなります。
勉強時間の見える化:科目別に集計して東大の配点とくらべる
1週間たったら、科目ごとに勉強時間を合計します。そして、東大2次試験の配点の割合とならべてみましょう。下の図3は、理科類(理科一類・理科二類・理科三類)を目ざす人の例です。
この例では、数学に時間の約半分を使っていますが、2次試験の数学の配点は440点のうち120点(約27%)です。理科も120点あるのに時間は19%、国語は80点(約18%)あるのに5%しかありません。もちろん「苦手な数学に時間をかける」のは悪いことではありません。でも、配点の大きい科目を知らないうちに後回しにしていないかは、記録を見ないと気づけません。
配点から目標点を決めて、科目ごとの得点計画を立てる方法は「東大合格の戦略(ストラテジー)の立て方」に、合格最低点からの逆算は「東大の合格最低点と偏差値50からの目標点」にまとめています。勉強ログの時間の配分は、この得点計画に合わせて決めると、ぶれなくなります。
ほかの受験生がどのくらい勉強しているかは「あなたの勉強時間は一日何時間?(受験生の勉強時間)」も参考にしてください。ただし、人とくらべるより先週の自分とくらべるほうが、勉強ログはずっと役に立ちます。
うかるくん
勉強時間を記録するのはいいんですけど、毎日10時間とか書いてる人を見ると焦ります…。
合格先生
時間の長さだけで勝負しなくていい。勉強ログで見るのは「どの科目に」「どれだけの量を」やったかだ。配点とくらべて足りない科目を見つけるのが、記録をつけるいちばんの目的だよ。
うかるくん
ぼくは国語の時間がほとんどゼロでした。理科類でも国語は80点あるんですね。毎晩15分だけ古文を入れてみます!
勉強ログのふり返り方:週1回の「4つの箱」
ふり返りは毎日でなくてかまいません。週に1回、決まった曜日(たとえば日曜の夜)に15分ほど時間をとりましょう。紙を4つに区切って、次のように書きます。
- できたこと:まずはできたことを書きます。自分をほめるのも大事です。
- できなかったこと:予定と実際のちがいを書きます。
- 原因:なぜできなかったかを考えます。「やる気がなかった」で終わらせず、「部活の日に予定を詰めすぎた」のように、直せる形で書きます。
- 来週やること:原因に合わせて、来週の計画を1つか2つだけ直します。
このやり方は、ビジネスでよく使われる「PDCAサイクル」(Plan=計画、Do=実行、Check=評価、Act=改善)と同じ考え方です。勉強ログは、このうち Do と Check を支える道具だといえます。計画の立て方そのものは「計画の立て方」でも書いています。
計画どおりにいかなくて当たり前
ふり返ると、計画の半分しかできていない週もあるはずです。それでかまいません。完ぺきな計画を作ることより、まず1週間やりきって、直すことのほうが大事です。この考え方は「完璧を目指すよりまず終わらせろ(Done is better than perfect)」の記事にも通じます。

合格先生
勉強ログは「反省ノート」ではなく「作戦ノート」だ。できなかったことを数えて落ちこむより、来週どう直すかを1つ決めよう。
勉強記録の道具:ノート・手帳・アプリ・カレンダー
勉強ログをつける道具は、何でもかまいません。それぞれのよい点と注意点をくらべてみましょう。
ノート・手帳:書くことで頭に残る
紙のノートや手帳は、書いたことが目に入りやすく、ふり返りもしやすい道具です。学習の記録と授業のノートを分けておくと、あとで探しやすくなります。授業や問題演習のノートのまとめ方は「東大合格生のノートの取り方」で教科別に図解しています。
スマホのアプリ:集計が楽、でも誘惑に注意
勉強時間を記録するアプリは、ボタンを押すだけで時間を計り、科目別のグラフまで自動で作ってくれます。仲間と記録を見せ合える機能があるものも多く、元の「東大受験勉強録」のように記録を公開して励みにすることもできます。ただ、記録のつもりでスマホを開いて、ほかのアプリを見てしまうと逆効果です。勉強中は通知を切っておきましょう。
カレンダー:続いた日を見える化
勉強できた日にシールを貼る、色をぬる、というだけの記録も効果があります。中身までは書けませんが、「何日続いたか」がひと目で分かります。ノートやアプリと組み合わせるのもよいでしょう。
表計算ソフト:集計が得意
パソコンやタブレットの表計算ソフトなら、科目別・週別の合計がすぐに出せます。図3のような「時間と配点のくらべ」も作れます。ただし入力に手間がかかると止まりやすいので、1日1分で書ける形にしておくことが大切です。
東大受験の計画と勉強ログ:年・月・週・日
勉強ログは、それだけで使うものではありません。「年→月→週→日」の計画とセットで使うと力を発揮します。
2027年度(令和9年度)の東大入試は、大学入学共通テスト(共通テスト、旧センター試験)が2027年1月16日(土)・17日(日)、東大の第2次学力試験が2月25日(木)・26日(金)(理科三類の面接は27日)、合格者発表が3月10日(水)です。くわしい時間割は「東大の入試時間割【2027年】」、共通テストまでの日数は「2027年 共通テストのカウントダウン」で確かめてください。
- 年の計画:合格最低点をこえる合計点の目標と、科目ごとの目標点を決めます。
- 月の計画:模試や過去問で、目標点にどこまで近づいたかを確かめます。東大型模試の受け方は「東大型模試の受け方」、過去問集の選び方は「東大 過去問集の選び方と使い方」へ。
- 週の計画:科目ごとの時間を配ります。ここで図3の「配点とのくらべ」を使います。
- 日の記録:勉強ログを書きます。
上の計画は「上から下へ」決めますが、勉強ログで分かったことは「下から上へ」はね返します。たとえば「毎週、理科の時間が予定の半分しか取れない」と分かったら、週の計画を直し、それでも足りなければ月の計画(過去問を始める時期)を見直します。京都大学(京大)を目ざす人は「京大合格作戦の立て方」も同じ考え方で書いています。
サクラちゃん
計画を立てても、1週間もたたずにくずれちゃうんです。勉強ログもすぐやめてしまいそうで…。
合格先生
くずれるのは計画が悪いんじゃなくて、まだ自分のデータが少ないからだ。2〜3週間ログをつけると、自分が1日に本当にできる量が分かる。その量で計画を立て直せば、くずれにくくなるよ。
サクラちゃん
まずは5つだけ書いて、日曜日に4つの箱でふり返ってみます!
集中を記録する工夫:ポモドーロ・テクニック
勉強ログと相性がよいのが、ポモドーロ・テクニックという時間の使い方です。1980年代に、イタリアのフランチェスコ・シリロ(Francesco Cirillo)が大学生のころに考えたとされる方法で、「ポモドーロ」はイタリア語でトマトのこと。シリロが使っていたトマト形のキッチンタイマーが名前の由来です。
代表的なやり方は、25分集中して5分休むことを1回として、4回ごとに長めの休憩をとるものです。1回終わるごとにログのトマトを1つぬれば、集中できた回数がそのまま記録になります。「4つ中3つ」のように書いておくと、集中が切れやすい科目や時間帯も分かります。25分という長さにこだわる必要はありません。東大の2次試験は1科目100〜150分あるので、高3の秋からは本番と同じ長さで解く日も作り、その日のログには「時間内に何問解けたか」を書きましょう。
勉強ログでよくある失敗と直し方
失敗1:記録をきれいに書くことが目的になる
色ペンで飾ったり、グラフを毎日描き直したりして、記録に30分以上かけるのは本末転倒です。1日の記録は1〜3分を目安にしましょう。
失敗2:時間だけを見て安心する
「今週は30時間勉強した」で満足するのは危険です。量(題数・語数)と集中度も合わせて見ましょう。基本書を1冊に絞ってくり返す勉強法(「東大首席・山口真由さんの方法論」)なら、「何周目の何ページまで」を量として書くと進み具合がはっきりします。
失敗3:記録を少し盛ってしまう
人に見せる記録だと、つい多めに書きたくなります。でも、盛った記録からは正しい計画が立てられません。勉強ログは自分のための記録です。できなかった日は「0分」と正直に書きましょう。
失敗4:3日でやめてしまう
書けなかった日があっても、次の日から再開すればだいじょうぶです。カレンダーに「×」をつけるだけでもかまいません。続ける工夫として、寝る前の歯みがきのあとのように、毎日必ずする行動のすぐあとに書く時間を決めておくと習慣になりやすくなります。

うかるくん
1日3分で5つ書いて、日曜日に配点とくらべる。記録を「作戦」に変えるのが勉強ログなんだ!
英単語の覚え方は「東大の英単語」、数学の公式は「算数・数学公式辞典」、古文は「古文文法辞典(2次試験の古文)」で確かめながら進めましょう。勉強の相談は「受験の質問・相談」で受け付けています。やる気が出ないときは、漫画『ドラゴン桜』(三田紀房)の記事「ドラゴン桜を徹底的に活用してみる」もどうぞ。
元の記事:東大受験勉強録(2009年)とリンク集
2009年1月の元の記事では、理系で東大を目ざす高校生のブログ「東大受験勉強録」(study24.blog.shinobi.jp、今はリンク切れ)を紹介し、「東大合格応援します」と書きました。毎日の勉強を記録して公開し続けたそのブログは、まさにこの記事でいう「勉強ログ」の先がけでした。
当時紹介したブログやサイトは、リンク集にまとめています。
よくある質問
勉強記録(勉強ログ)には何を書けばいいですか?
時間・科目・やったこと・量(題数や語数)・集中度の5つで十分です。最後につまずいた所を1行書くと、翌日の勉強が決めやすくなります。
勉強記録はどのくらいの頻度でふり返ればいいですか?
週に1回、決まった曜日に15分ほどが目安です。できたこと・できなかったこと・原因・来週やることの4つに分けて書きます。
勉強記録はノートとアプリのどちらがいいですか?
どちらでもかまいません。ノートは書くことで頭に残りやすく、アプリは集計が楽です。1日1〜3分で続けられるものを選びましょう。
東大の2次試験の配点はどうなっていますか?
2次試験は440点満点で、文科は国語120・数学80・地理歴史120・外国語120、理科は国語80・数学120・理科120・外国語120です。共通テストの110点(換算)と合わせて550点満点です。
ポモドーロ・テクニックとは何ですか?
25分集中して5分休むことをくり返し、4回ごとに長めの休憩をとる時間の使い方です。1980年代にフランチェスコ・シリロが考えたとされ、名前はイタリア語のトマトに由来します。
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- 東大合格生のノートの取り方|教科別のコツ
- 東大合格の戦略(ストラテジー)の立て方
- 東大の合格最低点と偏差値50からの目標点の立て方
- 東大合格大作戦(東大の入試の仕組み)
- 東京大学受験掲示板(100点BBS)
出典・参考
- 東京大学「令和9(2027)年度 東京大学入学者選抜要項」(第2次学力試験の配点・日程・合格者発表)
- 大学入試センター「令和9年度 大学入学共通テスト」実施日程(2027年1月16日・17日)
- Francesco Cirillo「The Pomodoro Technique」(考案者の公式サイト。由来・方法)
- 元の記事で紹介したブログ「東大受験勉強録」(study24.blog.shinobi.jp)は、2026年10月21日に確認したところ閲覧制限で読めず
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦











