
この記事の結論
- 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」は、福沢諭吉『学問のすゝめ』(1872年)の冒頭の一文
- 「と言えり」=「と言われている」。諭吉は「人は平等だ」で話を終わらせていない
- 続きでは「賢い人と愚かな人の差は、学ぶか学ばないかで生まれる」と書き、だから学問をせよとすすめている

慶應義塾の創立者、福澤諭吉の言葉です。受験の格言・名言にものせています。
原文と現代語訳
『学問のすゝめ』初編の書き出しを、もう少し先まで読んでみましょう。
| 原文 | 現代語訳 |
|---|---|
| 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。 | 「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらない」と言われている。 |
| されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるはなんぞや。 | けれども世の中を見わたすと、賢い人も愚かな人も、貧しい人も金持ちも、身分の高い人も低い人もいて、その差は雲と泥ほどもある。これはなぜだろうか。 |
| 『実語教』に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。 | 『実語教』という本に「人は学ばなければ知恵がない。知恵のない者は愚かな人だ」とある。 |
| されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。 | つまり、賢い人と愚かな人の違いは、学ぶか学ばないかによって生まれるのである。 |
原文は青空文庫の表記によります(著作権の保護期間は終わっています)。間にある「生まれながら貴賤上下の差別なく」という部分は省略しています。
本当の意味:「だから勉強しなさい」
有名な一文だけを読むと「人はみな平等だ」という意味に思えます。しかし諭吉が言いたかったのは、その先です。
- 生まれたときは、人に上下の差はないと言われている。
- それなのに、現実には大きな差がある。
- その差は、学問をしたかどうかで生まれる。
- だから、身近で役に立つ学問(実学)にはげみなさい。
つまりこの言葉は、「勉強したかどうかで差がつきますよ!」という、受験生にもそのまま当てはまるメッセージなのです。
よくある誤解
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 諭吉が「人は平等だ」と言い切った | 「と言えり(と言われている)」なので、世の中で言われていることの紹介。そこから話を始めている |
| 平等なのだから努力しなくてよい | 逆。差は学ぶかどうかで生まれるので、学問をすすめている |
| 諭吉が考えた言葉 | 「と言えり」とあるように、ほかから引いた言葉。もとになった考えについては、アメリカ独立宣言の影響を指摘する説などがある(諸説あり) |
『学問のすゝめ』はどんな本?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作者 | 福沢諭吉(慶應義塾の創立者) |
| 刊行 | 初編が1872年(明治5年)、全17編が1876年までに出された |
| 発行部数 | 合わせて約340万部といわれる、当時の大ベストセラー |
| 主な主張 | 実際の生活に役立つ学問(実学)を学び、一人ひとりが独立すれば、国も独立できる(「一身独立して一国独立す」) |

福沢諭吉は、2024年に新しいお札が出るまで、長く一万円札の顔でもありました。いちばん高いお札の人物が「学問をすすめた人」だったというのも、受験生には覚えておきたい話です。
受験生へのメッセージ
生まれや環境は選べません。でも、今日勉強するかどうかは自分で選べます。150年前に諭吉が書いたとおり、差をつくるのは「学ぶか、学ばないか」。この一文を、机の前に貼っておきましょう。
よくある質問
「天は人の上に人を造らず」は誰の言葉?
福沢諭吉『学問のすゝめ』(1872年)の冒頭の一文です。
「天は人の上に人を造らず」の続きは?
「人の下に人を造らずと言えり」と続きます。さらにその先で、賢い人と愚かな人の差は学ぶか学ばないかで生まれる、と書いています。
本当の意味は何ですか?
「人は生まれながらに平等と言われているが、現実には差がある。その差は学問をしたかどうかで生まれるので、学問にはげみなさい」という意味です。
「と言えり」とはどういう意味ですか?
「と言われている」という意味です。諭吉が自分の考えとして言い切ったのではなく、世の中で言われていることを紹介して話を始めています。
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出典・参考
- 福沢諭吉『学問のすゝめ』初編(青空文庫)
- コトバンク「学問のすゝめ」(デジタル大辞泉・日本大百科全書・ブリタニカ国際大百科事典ほか)
最終更新:2026年10月8日/作成:大学受験合格大作戦












